ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜   作:田舎者

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ドラえもん
「さて、話が広がってまいりましたねー」

のび太
「というか何で前書きで僕ら喋ってるの?」

スネ夫
「何でもただただ単調な前書きを書くのに飽きたんだと、作者が」

静香
「ちょっと迷惑よね…」

ジャイアン
「まあいいじゃねえか、それじゃあ始まるぜ!」

一同
「ドラえもん のび太の大魔境 second season!!!」


ジャイアンの怒り

突如ドラえもん達に襲いかかった黒い影。

 

その者はペコに重傷を負わせ、何処かへ消えてしまう。

 

ドラえもん達は、重傷のペコを連れて徒歩で移動をしていた……

 

 

 

ジャイアン

「ペコ……!死ぬんじゃねえぞ! 絶対…生きて戻るんだ!」

 

ペコ

「………」

 

 

ペコはジャイアンに肩を貸されながら歩いていた。

ペコの負傷は一同に多大なショックを与えた。

チーム一の剣豪が戦闘不能状態に陥ったのだから仕方が無い事だった。

 

 

ドラえもん

「のび太君!聞こえる!?」

 

のび太

《聞こえるよ!今家を出発したところだよ!何かあったの?》

 

 

のび太、スネ夫、ドラミはスピアナの救出の為にバミューダトライアングルへ赴いているところであった。

 

 

ドラえもん

「ペコが……負傷した。バウワンコから引き返す際に、何者かの攻撃を受けたんだ…!!」

 

スネ夫

《何だって!?》

 

ジャイアン

「後ろから斬りかかられた…! 正体は最後まで分からなかった。相当強えぞ…あいつ!」

 

ドラえもん

「とにかくそっちはスピアナさんの救出が最優先だ!ペコのことは僕たちに任せて!」

 

のび太

《…………分かった、任せたよ》

 

 

ドラえもん達は通話を終え、再び歩き出した。

 

 

静香

「これからどうするの…? ペコに肩を貸しながら進んでいくこの状況じゃ…帰るまで早くても3日以上かかるわよ…」

 

ドラえもん

「だけど……歩くしかない! 必ず生き延びるんだ!」

 

 

ドラえもんは自らを奮い立たせる為に言った。

 

しかし、進めど進めど変わらぬ景色、灼熱のジャングル、そしてペコの負傷による精神的ショック。

 

全員の体力は既に限界に近づいていた…

 

そんな中、ジャイアンはある物を発見する。

 

 

 

 

 

ジャイアン

「おい……何だあれ……? 村…か?」

 

 

ジャイアンはジャングルの奥を指差した。

 

その先には、ボロ屋ではあるが住居の群れが建っており、それらの集落を囲うように、高い塀が敷設してある。

 

住居の3つや4つだけではない。

奥の方に目をやると、多数の住居が建設されていた。

 

 

ジャングルのど真ん中にそのような集落があることに一同は少々訝しんだが、その集落の発見は、"ここで休息を取れるかも知れない"というメリットになると、一同は考えた。

 

 

ドラえもん

「よし、あそこで少しの間休ませてもらおう……今は全員の体力が限界だ…!」

 

 

ドラえもん達は住居へ近づいていった…

 

 

すると住居まであと20m程の所で、唐突に後ろから声が聞こえた。

 

 

 

???

「誰だ!お前たちは!!」

 

 

 

少年の声だった。

ジャイアン達は驚いて振り返った。

 

 

ジャイアン

「怪しい者じゃねえ!こいつを……こいつだけでもここで休ませてやってくれ!」

 

 

ジャイアンはペコに視線を移しながら訴える。

 

 

???

「断る!よそ者は入れない! ……ん? まさか…!!」

 

 

少年は目の色を変えて俯いたペコの顔を凝視した。

 

 

???

「やっぱり……陛下!!! ご無事ですか!? 陛下!! そうか……やっぱり君達は…!」

 

 

少年は怪我をしていたものがペコであるのを認識すると、表情を一変させて心底嬉しそうな顔をした。

 

 

静香

「あなた……もしかしてバウワンコ王国から逃げてきた民間人の一人?」

 

 

静香は少年に問うた。

 

 

???

「………なんだ、忘れちゃったのかい? ドラえもん、しずかちゃん、ジャイアン」

 

ドラえもん

「その目の独特な斑点……まさか君は…チッポなのかい?」

 

チッポ

「正解!おいらがチッポさ!」

 

 

チッポ……バウワンコ王国で暮らしていた少年。体は小さいが、その正義感は本物。

 

 

ジャイアン

「ええ!? チッポつったら……もっとこう…ちっこくてガヤガヤ騒ぐような奴だったと思ったんだが…」

 

 

ジャイアンはチッポの成長振りに驚いているようである。

 

 

静香

「チッポちゃん……久しぶりね…」

 

チッポ

「再開を喜んでいる暇はないよ!とにかく陛下を家の中へ!」

 

 

チッポは大急ぎでペコを自分の家へ連れ、ベットに寝かしつけた。

 

 

そして居間に3人を座らせ、チッポはその正面の椅子に座った。

 

 

チッポ

「皆、久しぶりと言いたい所だけど……まずどういう経緯でこんな状態に陥ったのか詳しく話して欲しいんだ」

 

 

そしてドラえもん達は今まで起こったことを事細かにチッポに話した…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チッポ

「その陛下を襲ったっていう奴………知ってるかも知れないよ」

 

ジャイアン

「本当か!?誰なんだ!?」

 

 

チッポの言葉にジャイアンは驚き、チッポに問い詰める。

 

 

チッポ

「覚えてる…? 四年前のダブランダーのクーデターの際に君達と戦った剣士……サベールだよ」

 

静香

「サベールですって……?彼はのび太さんが倒して死亡した事になってた筈よ…?」

 

 

サベール……バウワンコ王国の超一流の剣士、その剣術は銅像を一振りで真っ二つにするなど非常に優れている。

四年前にのび太らと交戦、僅差でのび太に敗北を喫する。

 

 

チッポ

「彼は生きていたんだ。その証拠に僕は見たんだ! 僕らが避難する時に追っ手を足止めしようとしてくれたサベールの姿を!」

 

 

チッポが言うには、王国の襲撃時に住民が避難する際、後ろから追っ手が迫ってきたが、それをサベールが撃退したというのだ。

 

 

チッポ

「彼はもうヒーローさ!僕らを助けてくれたんだから!」

 

 

盛り上がるチッポだったが、あの男の怒りは大きくなっていた……

 

 

ジャイアン

「ふざけんじゃ…ねえぞ!!!」

 

 

ジャイアンは思わず立ち上がりさってチッポの方を睨みつけた。

 

 

チッポ

「え?」

 

ジャイアン

「ヒーローだあ?ヒーローなら何で……ペコを…俺の友達をあんな目に合わせたんだ!!!四年前だってそうだ! ヒーローならなんでダブランダーの味方になんかなった!? おかしいだろうが!!!」

 

 

ジャイアンの怒りは爆発した。

燃え盛る炎のように彼の心は怒りの炎で満ちていた…

 

 

チッポ

「それは……ただ間違えたんだよ!!本来今のサベールはここら辺一帯をうろついている敵を狩っているんだ!! だから……君たちがその敵の一人に見えたんじゃないかな? 今サベールが敵を倒し続けているのは…きっと四年前の贖罪をしているつもりなんだ!」

 

静香

「武さん!そうよ!サベールは味方かもしれないのよ!」

 

 

ジャイアン

「………!!!畜生っ!!」 ドンッ!!! ドンッ!!!

 

 

ジャイアンは何処に怒りを向ければ良いか分からなくなり

壁を殴り続けた…

 

 

それでもジャイアンの怒りが収まることはなかった………

 

 

 

 




のび太
「結構話が重たくなって来たねー」

書いてる私も「これ…本当にドラえもんか?」
ってとこが何回もありました

スネ夫
「映画だとこんな感じだよ、いつもね」

静香
「鉄人兵団なんか凄かったわ……思い出しただけで涙が……うっ…うっ…」

ドラえもん
「確かにあれはアクション映画顔負けの内容だったねー」

ガヤガヤガヤガヤ……


ペコ
「……あの……次のお話でまたお会いましょう」


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