アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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お久し振りです。

最近、やっとアニライブ!の執筆意欲が湧いたので書きました!

お待たせしました!ではどうぞ!


あー忘れた忘れたby夏希

「まさかほのっちがあんな事言うなんてな」

「そう?」

「若葉さんは慣れてるから感覚がおかしいんですよ!」

 

 部室で若葉がのんびりと言うと愛生人と夏希に突っ込まれる。夏希と愛生人は昨日起こった出来事を頭を抱えて思い出す。

 

 

 

 二人が頭を抱える前日、ハロウィンイベントが行われた場所にμ'sやA-RISEなどのグループがステージに立っていた。

 

「それでは! 「ラブライブ!」最終予選に進んだ最後のグループを紹介しましょう! 音ノ木坂学院所属「μ's」です」

 

 そしてステージの上では朱子がテンション高く司会を務めていた。

 

「この四グループの中から「ラブライブ!」に出場できる一グループが決まります! それでは一グループずつお話を聞いていきましょう! まずは「μ's」から!」

 

 朱子の突然の振りに驚きの声を上げる穂乃果。しかし生徒会長としていくつか集会を潜り抜けて来た経験なのか、すぐに持ち直し朱子の質問に答える。

 

「私達は「ラブライブ!」での優勝を目指して皆で一緒に頑張ってきました! ですので、私達は絶対に優勝します!!」

 

 穂乃果の優勝宣言にどよめく群衆。カメラを構えていた人達が一斉にシャッターを焚く。その反応にキョトンとする穂乃果。

 

「あれ……?」

 

 呆けている穂乃果を無視して朱子の「出ました優勝宣言!」と言う言葉にようやく頭の処理が追い付いたのか、しまった! といった顔をする。

 その後ろでにこが小さく、バカ、と呟き、希も、ようやくここまで来たと呟く。

 

 

 

「やっぱりどう考えてもドエライ発言ですよ!」

「え~でも優勝目指してるんなら、それくらいの勢いがないとダメじゃん? それにA-RISEだって似たような事言ってたし」

「ツバサは勢いだけで言ったりしないからなぁ」

「まるで穂乃果がバカみたいじゃん!」

 

 三人が話していると、隣の部屋で着替えていた穂乃果が扉を開けて夏希に突っ込みを入れる。それから穂乃果の様子から全員が着替え終わってると判断し、三人が隣に移る。

 

「それで。次は何するか決まった?」

「まだ決まってないわね」

 

 若葉は壁際に座ってる真姫の横に座りながら聞くも真姫は首を横に振って答える。

 

「それじゃあ皆揃った事だし、最終予選で歌う曲を決めましょう」

「だな。歌える曲は一曲だけだから、勝つ為に慎重に決めないとな」

 

 絵里と夏希の言葉に皆が黙り込む。にこが口を開く。

 

「私は新曲が良いと思うわ」

 

 にこの新曲で挑もうという発言に穂乃果、凛、海未が賛同する。その理由の主だった理由が予選が新曲のみとされていた事だった。

 しかしその意見に真姫、ことり、花陽が反対する。こちらの主だった理由はハロウィンイベントの時のような事になりかねない事と、新曲が有利とは限らないという事。

 そんな六人が顔を見合わせて悩んでいると、それを眺めていた希がとある提案をする。

 

「例えばやけど、このメンバーでラブソングを歌ってみるのはどうやろか」

『ラブソング!?』

 

 その提案に皆が驚きの声を上げる中、花陽は立ち上がり火が付いた様に語りだす。

 

「なるほど! アイドルにとって愛の歌即ちラブソングは必要不可欠。定番曲の中にも必ず入ってくるはずなのに、それが今までμ'sには存在して無かった!」

「分かったからかよちんは一旦落ち着け」

 

 立ち上がった花陽の一番近くにいた夏希が座らせる。花陽の言葉を聞いて穂乃果達もラブソングについて話し始める。

 

「でもどうして今までラブソングってなかったんだろう?」

「どうしても何も、作詞担当の海未さんが書かなかったから。としかないですよね」

 

 愛生人の言葉に一斉に視線が海未に集まる。見られた海未は一瞬キョトンとし、視線の意味に気付き一歩下がる。

 

「だって海未ちゃん、恋愛経験ないんやろ?」

「なんで決めつけるんですか!」

 

 一歩下がった海未に希が聞くと、海未は希に言い返す。その海未の発言に穂乃果とことりが海未に迫る。

 

「それじゃあ海未ちゃんあるの!?」

「あるの!?」

 

 さらににこと花陽も迫り、海未はなぜそんな食い付くのか聞き返すも、四人にあるのかないのか聞かれ、窓際にて穂乃果達を見ている若葉を見る。若葉も見られている事に気付いたのか、海未を見て首を傾げる。

 そして壁際まで追い詰められた海未はその場に崩れ落ち、気落ちした様子でないと伝える。

 

「も~変に溜めないでよ~。ドキドキするじゃ~ん」

 

 海未の否定に安心した様に穂乃果が肩を叩く。そんな穂乃果の態度にうっみは前に少量の涙を浮かべると肩を叩いた穂乃果を振り返る。

 

「なんであなた達に言われなければいけないんですか! 穂乃果とことりもないでしょう!」

「私はあるよ?」

 

 海未の言葉に穂乃果は首を傾げて答える。その答えに先程とは違うざわめきを見せるメンバー。

 

「一体誰なの!?」

「誰なの穂乃果ちゃん!」

 

 三人に迫られる穂乃果だが、特に慌てる事なく窓際にいる若葉を指さす。見られた若葉は一歩後退る。

 

「お兄ちゃん」

『……へ?』

 

 続いた穂乃果の言葉に一斉に目が点になる。そんな穂乃果に花陽は苦笑いで返す。

 

「それって"初恋の相手はお父さん"ってやつと同じじゃない?」

「それか兄妹としての好意なんじゃないの? 小さい頃ってそう言う勘違いよくあるし」

 

 にこも小さい姉弟を持ってるからなのか、冷静に考える。そんな光景を微笑みながら眺める絵里と希。

 

「いやいや。微笑んで眺めてないで助けてやれよ」

「そうやね。さすがに海未ちゃんが可哀そうやもんね」

「こうなったのは希が原因だけどね」

 

 夏希が五人の様子を見守っていた希と絵里に言うと、希が窓際にいた四人を見てニヤリと笑う。いやな予感に襲われた若葉はそっと窓のカギを開ける。希の笑みの意図を汲んだ夏希は若葉が窓を開ける前に海未に迫っていた四人に告げる。

 

「そう言えば、アイドル研究部にもいたよな。付き合ってるの」

 

 夏希の言葉に四人の視線は窓際にいる若葉、真姫、愛生人、凛に注がれる。見られたと分かるや否や、若葉は窓を開き真姫の腕を取ると膝の裏に腕を回し、俗に言うお姫様抱っこをして窓から出る。愛生人も凛の手を取って若葉に続く。

 

「夏希! 後で覚えてるんだよ!」

「あー忘れた忘れた」

 

 若葉が逃げながらの叫びに夏希は手を振ってそう答える。穂乃果達四人は部室から出て逃げた四人を追いかけ始める。

 

「でも夏希もツバサさんと付き合ってるわよね」

「ははは。今のほのっちたちは若達を追い掛けるのに夢中で気付いてないからな」

「夏希君って案外酷いんやね」

「いや、のぞみんがそれを言うか?」

 

 夏希は海未の肩に手を置いて慰めていると、絵里と希が若葉達を売った事をジト目で責めるも、夏希はその視線をどこ吹く風と流す。

 

 

 

 それから暫くして穂乃果とことりを若葉が、にこと花陽を愛生人が引き摺って部室に戻って来た。二人の後ろからは頬を赤くした真姫と凛が並んで歩いていた。

 

「夏希。よくも裏切ってくれたね」

「まぁまぁ。その件は置いといて、予選決勝の話でも進めようぜ」

 

 若葉が恨みがましい視線を夏希に向けるも、夏希は手を振って話を逸らす。

 

「予選決勝でやりたい曲がラブソングって話でしたっけ?」

「まぁ反対意見がいくつかあったみたいだけど、俺はやってみるのも良いと思うぞ。若はどう思う?」

 

 夏希に話を振られた若葉は、穂乃果達を覚醒させつつ答える。

 

「俺は……海未はラブソング書けそう?」

「……はい。今までも経験したものだけを詩にしていた訳じゃないですし、イメージや想像力で補っている」

「でもイメージや想像力ってどうするつもりなんですか?」

 

 愛生人が希に聞くと少し考えた後、ポン、と手を打つ。それを見て男子三人は嫌な予感を感じ取り、部室から出て行こうとするも若葉は真姫に、愛生人は凛に、夏希は絵里に

 肩を掴まれ逃げられなくなる。

 

 

 

 部室の外の廊下。カメラを構える希の前に、ラッピングされた箱を持った花陽が現れる。そして花陽は箱を差し出す。

 

「これ、受け取って下さい!」

 

 花陽が差し出した箱を受け取る。とカメラを止める。

 

「いい感じやん」

「本当にこんなんでイメージが浮かぶのか?」

「浮かぶと思うで。こういいう時咄嗟に出て来る言葉って結構重要よ?」

 

 夏希が希に聞くと、希は笑って答える。穂乃果がカメラの理由を聞くと緊張感と記念にとっておく、との事。

 

「じゃあ次、真姫ちゃん行ってみよう!」

「じゃあカメラさんは若葉君だね!」

 

 希が次のターゲットを真姫に定めると、ことりは若葉にウィンクを飛すも、若葉は真姫に視線を送る。

 

「な、何よ」

「いや、真姫がやりたくないなら俺も断るけど……」

「うぅ……や、やるわよ!」

 

 若葉の質問に真姫は顔を赤くしながら答え、希に言われるがままに中庭に場所を移し、撮影が始まる。

 

「は、はいこれ! べ、別に若葉の為に作った訳じゃ……もう! 良いから食べて感想教えてよね!」

「あ、ありがとう」

 

 花陽とは大きさから違う箱を若葉は受け取る。真姫は箱とそれ受け取った若葉を顔を背けがらチラチラと交互に見る。それに若葉は気付くも、意味まで分からず首を傾げる。花陽はそれを見てぴんと来たのか、にっこりと笑う。

 

「そう言えば今日調理実習があったんだよ」

「なるほど。それじゃあありがたくいただくよ。ありがとうね」

「お、お礼なんて言われなくても、若葉の為だったら調理実習以外でも作るわよ!」

「誰かー! ブラックコーヒーをくれぇぇぇ!!」

 

 真姫は若葉のすぐ目の前まで来て若葉の顔を見上げると、人差し指を突き立て恥ずかしそうに言う。そんな光景を見て夏希が一人叫ぶもそれに反応する者は誰もいなかった。

 そんな二人を見て、凛が思い出した様にポケットから小さな包みを取り出すと、愛生人のもとに駆け寄ると俯き、上目遣いで愛生人を見る。

 

「あ、あの、アキ君。凛も作って来たんだけど……食べてくれる?」

「もちろん!」

 

 愛生人の返事に凛は満面の笑みで包みを渡す。袋を開けて中身を取り出すと、中身はクッキーだった。若葉と愛生人は二人が見守る中。クッキーを食べる。心配そうに見る二人に食べた二人は親指を立てて返す。それを見て喜ぶ。

 希は好機とばかりにそれを撮り続ける。

 

「それじゃあ次はにこっち行ってみよっか」

「任せなさ~い」

 

 希がにこに振り、にこもそれも了承する。そしてアルパカ小屋に移動する十二人。

 

「なぜアルパカ小屋……?」

「さぁ……?」

 

 夏希の疑問に答えれる者はいない。なぜならそれは誰もが思ってる事だったからだ。

 

「それじゃあにこっち。好きなタイミングで始めちゃって~」

 

 希がカメラを回し始めるとにこは髪をまとめているリボンと制服のリボンを解いて、髪を下しカメラに歩み寄る。

 

「どうしてかって分からないの? だめ、見ないでぇ」

 

 にこが顔を隠しながら言うも、ことりはアルパカを触っており、他のメンバーは呆れたような目でにこを見続ける。

 

「まったく、しょうがないわね~。ちょっとだけよ。前に髪結んでない方が好きって言ってたでしょ? にこにーからスペシャルハッピーなラブに」

 

 にこがそこまで言った時、希の持っているカメラから高い音が鳴り響く。その音の正体は

 

「あ、バッテリー切れた」

「なんでよー!」

 

 文句を言いながら希に詰め寄るにこ。結局、バッテリーが切れたという事でその日の撮影兼練習は終わりとなった。

 

 

 

 その日の帰り道、再びラブソングの話になった。

 皆がラブソングに反対的な態度を示してる中、絵里だけはまだ続けてみてもいいんじゃ、と反対する。

 

「絵里ちゃんは反対なの?」

「反対って訳じゃないけど、やっぱりラブソングは強いって思うのよ」

「確かにそっちの方がインパクトとかありそうだしな」

 

 絵里の言葉に夏希も同調するも、他のメンバーは難色を示し続ける。そしてそのまま校門で別れる。別れる前に今度の休みの日に各々資料に生り得るものを「穂むら」に持ち寄ることになった。

 

「若葉。ちょっと良い?」

「え? 良いけど。じゃあ穂乃果、海未、ことり。先に帰ってて~」

 

 校門で別れるとき、若葉は真姫に制服の袖を引っ張られ一緒に帰る事になった。その反対側では愛生人が凛に引っ張られて帰って行った。

 

「それにしてもどうしたの、真姫? 急に一緒に帰ろうだなんて」

「ちょっと相談事があって」

 

 若葉と真姫はとあるフード店に入ると、飲み物だけを注文しテーブルに座る。飲み物を一口飲むと真姫を見る。

 

「それで、相談事って?」

「絵里の事なんだけど、あそこまでラブソングに固執するなんておかしいと思わない?」

「それだけ「ラブライブ!」に出たい、とか?」

 

「それなら別にラブソングに拘らなくていいと思うんだけど。それに今までのをやった方が完成度が高いんだし」

「う~ん、そうだよねぇ……はっ、まさかA-RISEのスパイだったり!?」

 

 別所では愛生人が凛に同じ相談を受けていた。愛生人は凛のいった可能性にいやいや、と否定する。

 

「希さんの言葉を信じてる、とか?」

「それもあると思うけど、絵里ちゃんがあそこまで拘った所、凛は見た事ないにゃ」

 

「まぁなんにせよ、何かしらの理由があるんじゃない?」

「理由、ねぇ」

 

 若葉の言葉に何か考え込む様子の真姫。

 若葉達から離れ、とある橋の下。そこで絵里と希は話していた。

 

「えりち、いくらなんでも強引過ぎやない? 皆戸惑ってたみたいやし」

「いいの。私がそうしたいんだし、ずっとやりたかった事なんでしょ?」

 

 絵里はそう言うと、じゃあね、と希に飴を渡して走り去る。

 

「まったく、お節介やね。えりちは」

「ほんと、その通りだな」

 

 希の独り言に背後から言葉が返ってくる。希が驚いて振り返ると、そこには夏希が立って手を振っていた。

 

「夏希君。乙女の後を尾けるなんて悪趣味やと思わない?」

「別に尾けてた訳じゃねえよ。こっちに用事があって通り掛かったら聞こえただけだ」

 

 夏希は道路を横切りながら希のもとへ来ると、そう返す。

 

「それで? のぞみんはラブソング諦めたのか?」

「ウチ? ウチは……」

 

 続いた希の答えを聞いて夏希は頷き、じゃあな、と手を振って絵里同様走り去る。希は少し似ている絵里と夏希を思ってクスリと笑うと、帰路についた。

 




【音ノ木チャンネル】
若「なんか久し振りにやるね。このコーナー」
夏「だな。なんせ投稿自体が久し振りだしな」
愛「なんか別件で色々と忙しかったみたいですもんね」
若「別件ていうか、もう一つの作品だけどね」
愛「僕がボカして言ったんだから、そこ言ったらダメですよね?」
夏「そうだぞ若。でな訳で巻き込まれた図書委員もよろしくな!」
愛「サラッと宣伝しないで下さいよ!」
若「さてと、じゃあ今回を振り返ってみようか」
夏「今回はお前らがランナウェイした回だったな」
愛「誰のせいだと思ってるんですか!」
夏「……さぁ?」
若「はぁ……。まぁ夏希には後でお仕置きを受けて貰うとして、愛生人は何かあった?」
愛「うーん。僕としてはアニメで撮影時間が三分しか経ってないのにバッテリー切れを起こしたカメラが気になりましたね」
夏「それはあれだろ。アニメの演出だろ。若は何かないのか?」
若「俺? 俺は、て言うより作者かな? がポロリと零してたんだけど、夏希って不憫だよねって話をしたよ?」
愛「お二人の間で普段どんな会話してるんですか!」
若「いやだってさ? 夏希が一番最初に出来たオリキャラって話は前もしたじゃん?」
夏「あ、あぁ」
若「それなのに「アニライブ!」では夏希のメイン回と呼ばれる回が極端に少なくてね」
愛「あー確かに。若葉さんは入院やら音の木に来る前の話やら、番外編でバレンタインデートしてたりしますし、僕も「祈る者達(プレイヤー)」やファッションショーの回がありますもんね」
夏「あれ? こうして聞くと俺ってメイン張ってる回……ない?」
若「あるとすれば、オーキャンの回くらいじゃない?」
愛「あとは丸々一話じゃなくて、一話の中の部分的にスポットが当たってたりしてお終いですね」
夏「なん……だと……!? ちょっと作者に抗議しに行ってくる」
若「らしいので今回はここまで!」
愛「次話はもう出来てるから近い内に投稿されると思います!」
若「バイバーイ」
夏「じゃあな」
愛「さようなら〜」

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