アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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どうもお久し振りです。

学校でクロックスをパクられてちょいとダウナーな中、投稿します。

どうぞ〜



ハハ、ハハハハハ!by凛

「はぁ~疲れたにゃ~」

 

 夕暮れの帰り道。愛生人と花陽に挟まれて帰っている凛が溜め息と共に肩を落とす。

 

「やっぱり凛にリーダーは無理だよ~」

「そんな事は無いよ。きっと段々慣れていくよ」

「そうだよ。まだ始めたばかりじゃん」

「2人ともリーダーじゃないからそんな事言えるんでしょ。他の皆だってリーダーやりたくないから凛に押し付けたんじゃないの?」

 

 凛は不満そうな視線を2人に送り、この場にいない若葉達に対しても恨めしそうな気持ちを送る。

 

「何言ってるのさ。凛ちゃんが向いてると思ったから、皆も凛ちゃんが良いと思ったから推したんだよ」

「そうだよ。例え穂乃果ちゃんや若葉君が他の人を推薦したとしても、私は凛ちゃんを推薦したと思うよ」

「凛はリーダーに向いてないよ。だって凛って皆の中心にいるような人じゃないし……ほら、昔だって」

 

 2人の言葉に凛は嘘だー、と否定的な事を言って昔の事を思い出す。

 

それは以前話に出た小学生の時にスカートを履いて登校した時に同じクラスメイト達にからかわれた事。

 

「だから凛はアイドルっぽくないんだよ……」

「そんな事言ったら私の方がアイドルっぽくないよ!」

「そんな事ないよ。だってかよちん可愛いし、女の子っぽいし」

 

 凛の言葉に花陽は驚き、凛の方が可愛いと返す。その花陽の言葉に凛はそんな事ないと言い返す。そんな果てのない言い合いに一緒に歩いていた愛生人は溜め息を吐く。

 

「凛ちゃん。女子のそういったのはあまりよく分からないけど、余程の自惚れ屋でもない限り自分よりも他人を可愛いって思うんじゃないの? 「祈る者達(プレイヤーズ)」でも似た様な事あったし」

「違うのっ! ……凛は、違うの」

 

 愛生人の言葉を凛は叫ぶ様にして遮り、伏し目がちに続ける。

 

「引き受けてちゃったから穂乃果ちゃんが帰って来るまではリーダーはやるよ……でも、向いてるなんて事は絶対に、ない!」

「凛ちゃん!」

 

 振り返り、走り去った凛に花陽は名前を呼んで止めようとするも、声が聞こえてないかのように凛は走って行ってしまう。

 

「凛ちゃん……やっぱりあの時の事まだ引きずってるのかな……?」

「μ'sに入ってもう気にしなくなったと思ったんだけどね」

 

 先程の凛と同じ事を思い出す2人。

 

「でも思い返して見ると凛ちゃんってスカート履かないよね」

「うん……」

 

 2人は凛の走り去った方を心配そうに見つめる。

 一方若葉が部屋でファッションショーの打ち合わせを纏めていると、携帯が2度鳴る。一つははメール、もう一つは電話だ。

 

「もしもし穂乃果? どうしたの?」

『あ、お兄ちゃん! 大変なの!』

「大変?」

『あ、あのね!』

 

☆☆☆

 

「えぇー!? 帰って来れない!?」

 

 翌日の放課後。部室に全員を集めて、若葉が昨晩の穂乃果からの電話の内容を皆に伝える。

 

「なんでも台風が直撃らしくて、飛行機が欠航。ファッションショーには間に合わないみたい」

「じ、じゃあイベントは……」

「……6人でやるしかないわね」

「急な話ね」

「でもやるしかないでしょ。アイドルはどんな時も最高のパフォーマンスをするものよ」

 

 にこっと言うと希と夏希も頷く。

 

「あの、じゃあセンターは誰が……?」

「それなんだけど」

 

 愛生人が4人に聞くと絵里が凛の方を見る。見られた凛は嫌な予感がしたのか顔を引き攣らせる。

 

「で、皆の衣装なんだけど。向こうからちょっとお願いというか、指定が来てね。その衣装がちょうどあるんだけど」

 

 ちょっと来て、と隣の部屋に皆を先導する。そこには衣装台に設けられた衣装を持つ。それはウェディングドレスを基調とした衣装と8着のタキシード風の衣装だった。

 

「センターの子はこの衣装でって指定がね。で、他の子はこっちの衣装だってさ」

 

 若葉の持つ衣装を見て花陽はうっとりとした表情で見つめる。それは何も花陽だけではなく、真姫も興味なさそうな態度を取りつつも、チラチラと横目で見ており、にこも腕を組んで見ていた。しかし凛だけはさらに頬を引き攣らせる。

 

「女の子の憧れってやつやね」

「こ、これを着て……歌う……? 凛が?」

「ほのっちがいない今、りっちゃんがリーダーなんだしな~」

 

 夏希が言うとにこが凛の肩に手を置く。凛はそれを気にする余裕も見せずに若葉の持つ衣装を凝視する。

 

「凛が、これを……ハハ、ハハハハハ!」

「なに笑ってるのよ」

「シャー!!」

「凛が壊れた!?」

 

 突然笑い出したと思ったらにこを威嚇する凛と、それを見て驚いた真姫が立ち上がった。

 

「あー! 野生のちんすこうが!」

「どこ!?」

「そんな沖縄にしかいないUMAが音ノ木に!?」 

 

 凛の指した方を思わずその場の全員が見てしまう。その隙に部屋から出ようと扉に駆け寄るも、扉には普段はかかってない鍵がかけられていて開かない。

 

「鍵が…なんでにゃ?」

「なんでだと思う?」

「さ、さぁ」

「それはいつも、あなたに捕まえられてるからよ!」

 

 扉の前で困惑している内ににこが背後から忍び寄る。凛はテンパる中なんとか鍵を開け、廊下に逃げ出す。

 

「ちょ、凛ちゃん!」

 

 凛に続いて愛生人を追いかけ、部屋から出ていく。夏希や花陽も凛を追いかけようとするも、それは若葉によって止められる。

 

「若葉君?」

「若、なんで止めるんだ?」

「そんな大勢で追いかけても入れ違いになるだけだし、愛生人だったら凛が落ち着いたタイミングで連絡してくるでしょ」

 

 若葉の言う事に納得がいったのか、他の皆も顔を見合わせ、頷き合い愛生人からの連絡を待つ事にした。

 

☆☆☆

 

「凛ちゃん! ちょっと待ってって!」

「追いかけて来ないでぇ!」

 

 凛は愛生人を振り切るように階段を駆け上がったり廊下を曲がったりするも、それでもなお愛生人はしぶとく着いていく。そして気付いたら2人とも屋上に着いていた。

 

「ハァ…ハァ…凛ちゃん、速いって」

「そう言うアキ君だって、そんなに運動してないのに、ついて来れてるにゃ…」

 

 2人は呼吸を整えながら並んで柵に寄り掛かる。

 

「凛ちゃんはさ。あの衣装着たくないの?」

「……凛には無理だよ。どう考えても似合わないもん」

「そんな事ないと思うけどな」

「そんな事ある! ……だって凛、こんなに髪短いんだよ。それにあんな女の子っぽい服、凛は似合わないって話……」

 

 愛生人は声を小さくして言う凛になんと声をかけようか迷い、口を開く。

 

「でも前に服を見に出掛けた時に来たワンピース、すっごい似合ってたよ」

「嘘だよ。アキ君もそうやって凛をからかってるんだ!」

「からかってるつもりはないんだけどな……」

 

 凛の反論に愛生人は頬を掻きながら内心どうしたものか、と呟く。

 

「とにかく、μ'sの為にも凛じゃない方が良いの」

 

 愛生人は膝の上で手を握り締める凛を見て、何も言わずにそっと自分の手を重ねる。

 

 場所は変わって部室横の教室。

 

「連絡、遅いね」

「まだ追いかけてる最中か、話に夢中になってるのか……」

 

 愛生人からの連絡が未だに来ない為不安そうにしている花陽と真姫。そんな2人とは反対にのんびりとしている若葉。

 

「随分余裕があるな」

「そう? まぁ愛生人なら大丈夫って思ってるからね」

「だからその自信はどっからくんだよ……」

 

 手をひらひらと振ってパソコンを弄りながら答える若葉に呆れる夏希。

 

「衣装は穂乃果ちゃんに作ってあるんやろ? サイズとか大丈夫なん?」

「うん。その辺はこっちで変えていいって言われてるから大丈夫だよ」

 

 まぁ変えすぎちゃダメだけどね~。と笑って言う若葉の言葉に絵里と希が顔を見合わせる。

 

「でも凛ちゃんにするとなると手直しが必要になるんやない?」

「そうね。μ's内で穂乃果に近い人となると……花陽かしら?」

「私!?」

「……確かに、いきなりリーダーを任せた挙句のセンターは流石に無理があるか……?」

「花陽はできそう? センター」

 

 若葉にまっすぐ見られて聞かれる花陽。

 

「私、凛ちゃんがやりたくないって言うならやるよ……でももし! もし凛ちゃんがやるって言ったらセンターは……」

「分かってるって。大丈夫」

 

 花陽の言葉に若葉や絵里達も頷く。そして愛生人から屋上にいる事を報され、全員で屋上に向かう。

 若葉達が屋上に着くと、愛生人と凛が手を繋ぎフェンスに並んで座っていた。

 

「凛、どうするか決めた?」

 

 真姫が聞くも、凛は首を振って答える。

 

「やっぱり、凛にセンターは……」

「このままだと花陽がセンターになるけど、凛はそれで良いの?」

「かよちんが、センター…? うん、良いと思うよ…」

「……本当に良いの?」

 

 手を握って賛成する凛に花陽は不安そうに聞き返すも、凛は笑って頷き返す。

 

「決まりね」

「だね」

 

 絵里の言葉に若葉も頷く。

 

「じゃあ早速戻って衣装合わせしないとね」

 

 希に続いて皆も部室に戻り始める。

 

「ねぇ若葉」

「どうしたの?」

 

 若葉も皆に続いて中に入ろうとすると真姫に呼び止められる。

 

「若葉、どういうつもり?」

「何が」

「今回の若葉、なんかいつもと違うわよ?」

「そう、かな?」

 

 真姫の言葉に若葉は首を傾げる。若葉自身としては今まで通りに過ごしているのだ。しかしいくら普段通りに過ごしてると言っても、他人から見れば変わってる事があるかもしれない。その為若葉は真姫にその“違い”について逆に聞く。

 

「う~ん。なんて言うか、前は積極的にこういった問題とかに関わってたけど、今回は消極的と言うか」

「消極的か……まぁそうかもね」

「どうして?」

 

 真姫の質問に若葉は少し考える素振りを見せると、頷いて答える。

 

「前は皆の事知らなかったから何かと動いてたけど、今はそれなりに知ってるしね。あと……」

 

 そこで一度台詞を区切ると苦笑いを浮かべると、首を傾げている真姫に続ける。

 

「ぶっちゃけちゃえば向こうとの架け橋で手一杯でね。他にそんなに手が回らないって言うのもあるかな」

「……ふーん。まぁそう言うならそういう事にしておくわね」

「ん。そうしておいて」

 

 そして2人は笑顔になると花陽の衣装合わせを見に部室へと歩き出した。




【音ノ木チャンネル】
夏「久し振り、だな」
愛「ですねー」
若「久し振り過ぎてタイトルを「音ノ木坂チャンネル」って誤字したのは内緒な話だよね」
夏「ガッツリ言ってるけどな!」
愛「さてダウナーってる作者は放って置いて、なぜ3週間近くも開いたのかと言うと?」
若「あれでしょ。TwitterとかSkypeとかで盛り上がってるのが理由でしょ?」
夏「いや、どうやら違うらしいぞ」
若愛「「なん……だと……!?」」
夏「だってもう一つの作品の「巻き込まれた図書委員」を投稿してるしな。つか、あっちで何かしてるらしく、それで忙しいらしいぞ」
愛「まぁ各メンバーの誕生日話も向こうでするらしいですし」
若「それはこっちだと既に3人とも彼女いるからヤルにやれないだけでしょ」
夏「ま、その話は置いといて。このファッションショーの話は次回で終わりだぜ」
若「あぁ……次回は、うん。上げられたくないなぁ」
愛「若葉さんはまだ良いじゃないですか。僕なんて、僕なんて!」
夏「まぁまぁ落ち着けって、特にアッキー。嫌な事だらけって訳じゃないだろ?」
若「俺は良い事よりも悪い事の方がダメージ酷いんだけど!」
愛「ま、まぁ次回はちょっと違う意味での楽しみもありますけどね」
夏「そうだな。これで残るは俺だけか……」
若「無視されたよ……もう帰っていいかな?」
愛「夏希さんはタイミングないすからね〜。個人回的なものもこれからの予定にないんだよなぁ」
夏「こらこら。諦めるのは時期尚早なんだよなぁ」
若「その物真似は中途半端なんだよなぁ」
愛「楽しみの内容は次回をお楽しみに!」
夏「まぁ察しの良い人とかは気付きそうだけどな」
若「さて、話したい事はたくさんあるけど、そろそろ時間なのでここら辺で終わりとします!」
夏「えーっと、締めの挨拶なんだっけか?」
愛「なんでしたっけ?」
若「もう適当で良いよ! 毎回適当だしさ!」
夏「そっか。じゃあ適当に「にゃんぱすー」とか言っときゃ大丈夫か」
愛「それで良いんですかね?」
若「もう良いんじゃないの?」
夏「それじゃあ」

「にゃんぱすー」

夏「って俺しか言ってねぇじゃん!」
若「さ、終わったし帰ろう帰ろう」
愛「ですね。帰りましょう」
夏「ちょ、2人ともー!」

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