穂乃果、若葉誕生日おめでとう!
穂乃果の誕生日回はこちらではなく、もう一つの方に上げていますのでそちらへ。
こちらでは相変わらず本編を上げます。
「小さいにゃー!」
凛の叫びに首を捻る小さいにこ。
「あの、何か…?」
突然知らない人に声を掛けられたも同然な為、少々警戒心を含めた様子で凛に聞き返す少女。凛の叫びに他のメンバーも集まり、少女が全員を見て一言
「あのもしかしてあなた方、μ'sの皆さんではありませんか?」
少女から発せられた意外な言葉に絵里が自分たちの事を知っているのかを聞くと、少女は元気に頷く。
「はい。お姉さまがいつもお世話になっております。妹の矢澤こころです」
こころの自己紹介に一同揃って驚愕の声を上げる。その大きさは近くに止まっていた鳩が逃げる程に大きかった。それからこころが慌てた様子で穂乃果の手を引いた為、全員が状況を理解しないままこころの後をついて行く。そして着いた先はとある建物の駐車場に駐車されている車の後ろ。
「にしてもにこっちに妹がいたなんてな」
「しかも礼儀正しい」
「まるで正反対にゃ~」
感心する夏希、真姫、凛を無視して穂乃果がどうしてこの場所に来たのかこころに聞く。しかし
「静かに!」
と窘められてしまう。それから海未に誰も後をついて来てないかを確認する。
「来てないようですが…」
「では皆さん。私が合図したら一斉にダッシュですよ?いいですか?」
皆の返事を聞く前に心は車の陰から走り出る。慌てた様子でこころに続く10人。そして案内された場所はマンションだった。こころはマンションの入り口を盗み見ると穂乃果達に向き直る。
「どうやら大丈夫だったみたいですね」
「いったいなんなんですか?」
「にこちゃん殺し屋に狙われてとか…」
海未と花陽の質問にこころは何言ってんだ?と言いたげな表情で何言ってるんです?と逆に聞き返す。
「だってさっき後をつけられてないか?って言ってたから」
「あーそれはマスコミですよ」
『え?』
「パパラッチですよ。特にバックダンサー・・・・・・・で顔がバレテいるので危険なんです!来られる時は先に連絡をください」
こころの”バックダンサー”発言に絵里、希、真姫の3人が反応する。
「スーパーアイドル矢澤にこ。そのバックダンサーのμ's!いつも聞いてます!今お姉さまから指導を受けてアイドルを目指しておられるんですよね?」
こころの言葉に全員が溜め息を吐くと同時に、絵里がこころに一言断って電話を掛ける。相手はもちろんにこだ。
絵里が通話ボタンを押して数コール。にこは出る気配が全くなく、そのまま留守電サービスに切り替わる。その時点で愛生人はこころの耳を両手で塞ぐ。こころは不思議そうに愛生人を見上げるも、愛生人は黙ってニッコリと笑うだけだった。
『にっこにっこにー!あなたのハートにラブにこ!矢澤にこでーす。今ぁ電話に出られませぇん。ご用の方は発信音の後ににっこにっこにー!』
にこの留守電メッセージに堪忍袋の尾が切れたのか、絵里は落ち着いた声色で話し始める。
「もしもし?私あなたのバックダンサー・・・・・・・を務めてさせていただいてる絢瀬絵里と申します。もし聞いていたら」
絵里はそこで区切り一呼吸入れると目を開いて電話に向かって大声を出す。
「すぐ出なさい!」
「出なさいよにこちゃん!」
「バックダンサーってどういう事ですか!」
「説明するにゃー!」
絵里、真姫、海未、凛が絵里の携帯に叫ぶもこころは愛生人が耳を塞いでいる為ただ不思議そうな顔をするばかり。愛生人は予想通りの展開に夏希と一緒に苦笑い。それからこころの案内で矢澤家に上がらせてもらう事に。
中に入ると25と書かれたシャツを着ている少年がテーブルでモグラ叩きをしていた。
「弟の虎太郎です」
こころが虎太郎の紹介をすると、虎太郎は穂乃果達を指して「ばっくだんさ~」と年相応の発音で言った。虎太郎の言葉にことりも思わず苦笑い。
「お姉さまは普段事務所が用意したウォーターフロントのマンションを使っているのですが、夜だけここに帰って来ます」
「ウォーターフロントってどこよ?」
「もちろん秘密です。マスコミに嗅ぎつけられたら大変ですから」
こころがお茶を淹れながら真姫を軽く流す。それを穂乃果は乾いた笑いを零す。さらに穂乃果の後ろでは夏希と愛生人が
「なぁウォーターフロントってなんだ?」
「さぁ?でもウォーターでフロントですからね。たぶんフロントに水が流れてるんだと思いますよ」
「そうなのか。それじゃあどこのマンションか分からないな」
と訳の分からない会話をしていた。そんな2人を無視して穂乃果達はどうしてそうなったのかと原因究明に走る。
「ねえ虎太郎君。お姉ちゃんが歌ってるとことか見た事ある?」
ことりが虎太郎に聞くと、虎太郎は手に持ったピコピコハンマーで壁を示す。そこにはμ'sのポスターが貼ってあった。最初に違和感に気付いたのは真姫だった。真姫がなにかおかしいと口にすると皆はジ~ッとポスターを見つめる。そしてセンターに立っている人物を見て一斉にあー!と声を上げる。
「合成ってレベルじゃねえぞ」
「ねえこころちゃん。お姉ちゃんの部屋見せて貰っても良いかな?」
夏希がポスターに近付きながら呟き、花陽はこころににこの部屋に案内して貰う。こころに通されたにこの部屋はピンクを基調とした女の子っぽい部屋だった。
絵里や凛、希が部屋の壁に貼られているポスター等を見ると、その大体がにこの手によって加工がなされていた。
「態々こんな事まで…」
「涙ぐましいと言うか…」
にこの徹底振りに絵里と穂乃果が呆然としていた。とそんな時玄関から扉を開ける音がした。
「あ、あんた達…」
玄関から入って来たのは買い物袋を手に下げたにこだった。にこの反応からして絵里達の留守電を聞いてないのは明白。にこの頬に一筋の汗が流れる。
「お姉さま!お帰りなさい!バックダンサーの方達がお姉さまにお話があると」
「そ、そう…」
にこ達の様子に気付かず心が得画をで伝えると、にこは目を逸らして返す。そんなにこに海未が笑顔ですいません、と謝罪する。
「すぐに済むのでよろしいでしょうか?」
笑顔で続ける海未を見て顔を引き攣らせたのはにこではなく、穂乃果とことりだった。次の瞬間一瞬にして真顔になりにこを睨む海未。そんな海未の鋭い眼光ににこはたじろぎながらも鞄と買い物袋を玄関に置く。
「こ、こころ~。悪いけどわ、私今日仕事で向こうのマンションに行かなきゃイケないから~。じゃあ!」
にこが玄関の扉を開けた瞬間に逃げられたと気付く海未達。
「待てー!」
「なんで何度も逃げなきゃイケないのよ!」
にこは逃げながらエレベーターが到着するのを聞き、逃げ切るチャンスだと内心でほくそ笑んだ。しかしエレベーターへの道を曲がった途端視界に入ったのは妹のここあと、この半年でよく見るようになり、後ろから追いかけて来てる2人が着ている服だった。
つまる所、曲がり角を曲がったらここあを連れた若葉だった。
「ちょ、なんであんたがいるのよー!」
「逆になんでにこは走ってるのさ!?」
にこは止まることが出来ずに若葉にぶつかってしまう。にこがぶつかった反動で後ろに倒れそうになった所を若葉がにこの腕を掴んで踏ん張る。今回は平地で予め踏ん張ることが出来た為、一緒に倒れることはなかった。
「っと。取り敢えずなんでにこは走って来たのさ」
「そうだった。とにかく私はもう行くから!」
「お姉ちゃん!捕まえたー!」
「ここあ!?」
若葉の手を振り切って再び逃げようとしたにこを今度はここあが抱き着いて止める。さすがのにこも妹相手に乱暴する気はなく、大人しく抱き着かれるままになる。そんな事をしていると当たり前の事だが絵里達に追い付かれる。
「もう一人妹がいたにゃ!」
「て言うかなんで若葉がいるのよ!」
「なんでってにこがスーパーに忘れ物したから届けようと思って、そしてらここあちゃんに会ったからこうして一緒にいただけだよ」
それから若葉は追って来た海未の顔が怖かった為、反射的に逃げていたにこを差し出す。海未は一言お礼を言ってから再び矢澤家に戻って行った。他のメンバーも戻る中若葉がどうしようか悩んでいると、ここあに手を引っ張られ、矢澤家に入る。
「大変申し訳ありませんでした。私矢澤にこ、嘘をついておりました」
「ちゃんと頭を上げて説明しなさい?」
若葉が矢澤家に入るとにこが穂乃果達に頭を下げていた。若葉は咄嗟にここあをこころろ虎太郎のいる場所まで連れて行くと、穂乃果達の元へと戻る。
「にこっち?ふざけててても、ええんかな?」
「う…」
若葉が戻るとにこがにこにーで誤魔化そうとしていた様で、希に窘められていた。それで諦めがついたのか、素直に今の自身の状況を話し始めた。
「実は2週間前から親が出張に行っててね。それでその間私が面倒見たりしてたの」
「あーだから最近こころちゃんとかをスーパーで見かける様になったんだね」
「そうよ。私が手を離せない時はこころに買い物を頼む時が多いからね」
若葉の言葉に頷いて返すにこ。絵里や希も練習を休んだ理由が分かって一安心していた。
「それよりも、どうして私達がバックダンサーという事になってるんですか?」
「だな。寧ろ問題はそっちだ」
海未がしかめっ面で問いかけると、夏希もそれに同乗してにこに聞く。
「そ、それは…」
『それは?』
若葉とにこ以外の10人がハモってにこに聞き返す。にこは思わずにこにーで誤魔化そうとするも、希にすぐに止められる。
「まぁまぁ皆も落ち着いて。ね?責めてもなにも始まらないし」
「な!若葉はにこの肩を持つのですか!?」
海未は若葉がにこの肩を持ったことに驚きの声を上げる。若葉としては特に特別な理由がない為、肩を竦める。
「って言ってもなんとなく理由には見当がつくし」
「そうなの!?」
今度は凛が声を上げる。
「だから俺は特ににこを責めるつもりはないよ。それにポスターの件だって特に実害ないし」
「実害はなくとも私達が困ります!」
海未が机を叩いて言うと若葉はまた肩を竦めて壁に背を預け、にこを見る。
「まぁにこが話したくないなら無理に話さなくても…」
「いいえ。この際だから話しておくわ」
にこはアイドルの話をする時と同じ真剣な表情で話始める。
「……元からよ」
「元から?」
「家では元からそう言う事になってるの。別に私の家で私がどう言おうが勝手でしょ」
にこの言葉に穂乃果が何か言おうとするも、振り返ってこころ達を見ているにこの表情は分からなかった。
「お願い。今日は帰って」
こころ達の方を向いたまま、にこはいつになく真剣に言う。若葉はそんなにこに気を使ってか、穂乃果の肩を叩くと全員を連れて外に出る。
「それじゃあ俺はちょっとやる事あるから」
そう言って真姫が止めるのを振り切ってもう一度にこの家に入る若葉。
「なによ、帰ってって言ったでしょ」
「確かに言われたよ。でもね、俺はこうとも言ったよね?忘れ物を届けに来たって」
「確かに言ってたわね。で?何か忘れたかしら?」
これですよ。と若葉はポケットからポイントカードを渡す。
「それと」
「?」
「姉だから、兄だからって意地貼るの疲れるよね」
「な!私は別にそれだけじゃ…」
「分かっるって。にこは…にこ先輩は“アイドル”だもんね」
若葉はこころ達を見て言うと、にこは何も言い返せないでただ立っていた。
「じゃ、俺の用件はそれだけ。じゃあね~」
「さ、さっさと帰りなさいよ!」
若葉が手をヒラヒラと振って出て行くのと同時に、閉まった扉にポイントカードが突き刺さった。
「で、絵里。この急な召集はなに?」
「なんで私に振るのよ」
「じゃあ海未?それとも希?」
「私ではありませんよ」
「もちろんウチでもないで?」
若葉がにこの家から穂むらに帰ると、そこには若葉とにこを除いたアイドル研究部10人全員が居間に座っていた。
「じゃあ穂乃果?」
「そうだよ!良いこと思い付いちゃったんだ~」
穂乃果はえへへ~と笑うも、若葉には嫌な予感しかしなかった。なにか自分が大変な目に合うんじゃないか、と。そして若葉の予感は当たってしまう。他でもない妹の穂乃果の手によって。
☆☆☆
翌日の放課後。若葉は眠い目を擦りながらとある場所に夏希と向かっていた。そこは
「お~いこころちゃ~ん、ここあちゃ~ん、虎太郎く~ん」
「あ、夏希さんに若葉さん!こんにちは」
「うんこんにちは。え~っともう出掛ける準備は出来てる?」
「うん!」
「だいじょ~ぶ~」
若葉がしゃがんで3人に聞くとここあと虎太郎が頷いて返す。
「それじゃあ行くか!」
「音ノ木向けてしゅっぱ~つ!」
「しんこ~」
夏希がこころとここあの手を引き、若葉が虎太郎を肩車して、母校である音ノ木坂に引き返す。
「若葉、ちょっと急がないとマズイかもだぞ」
「大丈夫!絵里や希が引き留めてくれるって言ってたし、俺はそれを信じる!」
夏希が時計をチラリと見て急ごうとするも、若葉はメンバーを信じると言って急ぐことはしなかった。
実は今はまだ帰りのHRの真っ最中なのだが、若葉と夏希は体調不良という事で保健室に行くと言って学校を抜け出しているのだ。しかしいくら抜け出しても帰りのHRは短い。その短時間で学校―矢澤家を往復しないといけないので2人は焦っていた。
そして音ノ木が見えて来た所で2人は安堵の域を吐く。
「な、何とか間に合いそうだな」
「そうだね。まだ3年生出てきてないっぽいし」
若葉は肩車を楽しんでいた虎太郎を地面に降ろしてにこが校門から出てくるのを待つ。にこを待つ間5人は暇でしりとりを始めていた。
「ってあんた達人の弟妹連れ出して何してんのよっ!」
しりとりに夢中になっていた若葉の後頭部を、にこが鞄で引っぱたく。威力があったのか少しつんのめる若葉。
「ちょっとにこ、いきなり叩かれると痛いんだけど」
「あらそう?じゃあ次からは言ってから叩くわね」
「お姉さま!」
こころが夏希の隣を離れにこに抱き着く。こころに抱き着かれて思い出したのか、若葉に詰め寄る。
「さっきも聞いたけど、なんで弟妹連れ出して何してんのよっ!」
「いや~前にね、こころちゃん達が見たいって言っててね。だから今日誘ってみたんだ」
「そしたら大丈夫だったから迎えに行ったって訳」
夏希と一緒にここあがブイッ!とにこにブイサインをする。
「さ、行こう。にこちゃんのステージに。にこちゃんのライブに!」
「ちょ、聞いてないんだけど…」
「大丈夫にゃ!」
にこが慌てて言うも、いつの間にか後ろにいた穂乃果と凛に両脇を捕まえられ、そのまま部室に連れて行かれる。
「さ、俺達は屋上に行こっか」
「おくじょ~」
「そ、屋上!」
虎太郎の言葉に夏希が屋上を指差して虎太郎を肩車し、こころとここあに両手を繋がれて先に行った若葉の後を追う。
5人が屋上に着くと若葉達が朝早くから突貫工事で作った簡易ステージが設置されていた。
「ここは?」
「にこの為のステージだよ」
こころが屋上を見回して若葉に聞くと、若葉はにっこり笑って返す。
屋上で若葉達が話している間、部室ではにこのゲリラライブの準備がされていた。
「ちょっと聞いてないんだけど!?」
「まぁまぁ。良いからこれに着替えて着替えて」
にこの抗議を穂乃果はピンクを基調とした衣装を押し付けて流す。にこは花陽とことりに隣の部屋に連行され着替えが行われる。
衣装を着替え終わるとにこは有無を言う暇を与えられずに花陽と真姫、愛生人に屋上の扉の前まで連れて行かれる。
扉の前では絵里と希の二人がにこを待っていた。
「にこにピッタリの衣装を私と希で考えたの」
「やっぱりにこっちには可愛い衣装が良く似合う。スーパーアイドルにこちゃん」
「今、扉の向こうにはあなた一人のライブを心待ちにしている最高のファンがいるわ」
にこは希と絵里を交互に見やる。絵里はにこにマイクを渡すと、屋上を示す。
「さぁ皆待ってるわよ」
絵里が言うとにこは笑顔で頷き、屋上への扉を開き屋上へと舞い出る。
にこがステージのセンターに立つのと同時にμ'sの他の8人がにこの後ろに並ぶ。全員が並び終わるにこがこころ達の名前を呼ぶ。
「歌う前に話があるの」
にこの言葉にこころ達は驚きの声を上げる。にこは3人に微笑みかけると続ける。
「実はね……スーパーアイドル矢澤にこは今日でお終いなの」
「えぇ!アイドル辞めちゃうの?」
こころの疑問に首を振る。
「ううん、辞めないよ。これからはここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやって行くの」
「でも、皆さんアイドルを目指している」
「ばっくだんさ~」
虎太郎が穂乃果達を指しながら言うも
「そう思ってた、けど違ったの。これからは新しい自分に変わって行きたい。この9人でなら一番輝ける。1人でいる時よりずっとずっと……今の私の夢は宇宙ナンバー1アイドルにこちゃんとして、宇宙ナンバーワンユニットμ'sと一緒により輝いていく事。それが一番大切な夢、私のやりたい事なの!」
「お姉さま」
「だからこれはにこが一人で歌う最後の曲」
そのタイミングでにこ以外のμ'sがステージからはける。
「行くわよー!にっこにっこぉにー!!!」
☆☆☆
にこのライブから数時間後の屋上。若葉達はステージの解体を行っていた。
「にしてもほのっちの急な提案には困ったものだな」
「そう?俺はもう慣れたものだけど」
「慣れって恐ろしいものですね……」
夏希と愛生人が苦笑交じりに作業をするも、若葉は慣れた手付きで資材を纏めていく。
「おーっす、若葉解体作業は順調か?」
「親方、お疲れ様です」
若葉達が作業をしていると屋上の扉を開けて陸山が現れる。
「今日は突然の申し出にありがとうございました」
「な~に若葉とμ'sの皆の頼みだからな。ちょっとくらいの我儘は聞けるってもんよ」
「親方さんてばすっかりμ'sのファンなんだよ~」
「な、杉本お前!」
陸山の後ろから顔だけ出して杉本が若葉達に聞こえるようにボソッと伝える。陸山はバラされたくなかったのか、杉本に向かって拳を振り上げる。杉本はわーやられるー、と笑いながら頭を押さえる
「え~っと親方。取り敢えず今纏まっているのだけお願いします」
「あいよ。ほら杉本もいつまでも遊んでないで片づけるぞ」
それから少し、屋上にあった資材は全て駐車場に停めてあったトラックに運び込まれていた。
こうしてアイドル研究部の忙しい1日は幕を閉じた。
【音ノ木坂チャンネル】
夏「誕生日おめでとう若、ほのっち」
若「急にそうしたの?」
愛「今日は穂乃果さんと若葉さんの誕生日じゃないですか」
穂「そ、そうだけど…」
若「急になるんだもん。びっくりするって」
夏「さて、取り敢えずお祝いはここまでにして、本編の話でもするか」
愛「そうですね。あ、お2人はケーキ食べてていいですよ」
穂「はーい!」
若「2人で大丈夫?」
夏「大丈夫じゃないか?」
愛「今回はにこさんの個人回でしたね」
夏「因みに衣装は若とことりんが一晩で完成させてたな」
愛「そういえばまえがきのカウントダウンは何なんですか?」」
穂「あれのカウントが0になると何かが起きるって噂らしいよ」
若「さて、7月いっぱい行ったこの小説に関するアンケートの結果はどうなったの?」
愛「それはですね。一番多かったの若葉さんと真姫ちゃんのデート回です!」
夏「作者はデート経験皆無だから無茶苦茶な事になるかもだが、そこはご愛嬌で」
穂「デート回は早くて今月中!遅くても来月には投稿できるよ!」
愛「それでは誤字脱字・感想・アドバイス等お待ちして言います!それじゃあ」
『バイバーイ』