アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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背中寝違えて痛いのに追い打ちをかけるかの様な両腕の筋肉痛…もう踏んだり蹴ったりだよ!




さ、着いたよby若葉

UTX学院でライブを行った翌々日。その日は休日なのだが、アイドル研究部の12人は再びUTX学院を訪れていた。

 

「ねぇ夏希の言う通りUTXに来たけど、何するの?」

「さぁ?俺もツバサから皆で来るようにしか言われてないし」

 

若葉はUTXに行こうと言い出した夏希に聞くも、当の本人も詳しい用件は知らないのか肩を竦めて答える。

 

「ま、まさか一昨日のライブで何か気に食わなかったとか」

「もしそうなら一大事よ。誠心誠意謝罪をするしかないわね」

 

花陽とにこは揃って悪い方へと思考を巡らせる。そんな2人を後ろから苦笑いで見ることりと、2人の言葉に海未は首を捻る。

 

「ですが謝罪をさせるなら、なぜ私服で来るよう言われるのでしょう」

「うーん。遊びのお誘い。とか?」

 

穂乃果の答えに夏希はありそうだ、と頷く。と同時に夏希の携帯が鳴る。

 

「ん?電話だ」

『もしもしなっ君?』

「……ツバサ。公共の場でその呼び方はやめようって話だったろ?」

『そんな事より、左見て』

「左?」

 

夏希がツバサの言葉を繰り返すとそれを聞いていた全員が一斉に左を向く。そこには当然何もなかった。不可解なツバサの指示に夏希達は首を傾げる。

 

『左見た?じゃあ次は右』

「今度は右…」

 

そのまま右、下、上、最後に前を向くと夏希は後ろから肩を叩かれる。夏希が振り返るとそこには悪戯が成功した様な笑みを浮かべた私服姿のツバサと、その後ろにツバサ同様私服姿の英玲奈とあんじゅの2人が立っていた。

 

「やーい引っ掛かった〜」

「……ツーちゃん、何してんの?」

「何ってこっちから招待したんだもん」

「お出迎えするのは当然じゃない」

「μ'sの皆、よく来てくれた」

 

夏希の言葉にツバサ、あんじゅ、英玲奈が順に答える。

 

「あの、招待して貰ったのは嬉しいんですけど、今日はどうして?」

「一昨日はライブお疲れ様でした。って事で、一緒にどこかに遊びに行きましょ」

「…え?」

 

絵里の問いにツバサが笑って答えると若葉が間の抜けた声を出す。

 

「だーかーらー今日1日休息がてら一緒に遊びましょ」

「そうやね。せっかくのご厚意やし、息抜きも大事やん」

 

あんじゅの言葉に希も頷いて賛成し、皆は取り敢えずとUTX目指して歩き出す。

 

「それでどこ行くんだ?」

「そうね…どこ行きましょうか」

「久し振りにカラオケに行きたいにゃー」

 

夏希とツバサがどこ行こうか悩んでいると、凛が提案する。その提案にA-RISEの3人含め全員が賛成した為、近場のカラオケ店で1部屋借り、全員が座る。

 

「さてと、最初は誰が歌う?」

「じゃあまずは私達から」

 

若葉からマイクを受け取りツバサ達が曲を選ぶツバサ達が選曲している間、にこと花陽はA-RISEの生歌が聞けると興奮していた。

 

「生歌が聞けるって一昨日も聞いたばかりじゃ」

「一昨日は私達もライブだったから緊張でそれどころじゃなかったのよ」

 

愛生人が呟くように言うも、にこが耳聡く聞きつけジト目で言い返す。ジト目で見られた愛生人は特に慌てた様子なくそれを受け流す。そして曲が始まり3人が歌い始める。

 

「やっぱり上手いな」

「そうね。これに勝てなきゃラブライブで優勝出来ないのよね」

 

A-RISEの歌声を聴いて思わず呟く若葉と真姫。そして曲が終わり3人がお辞儀をし、点数が表示される。その点数は…

 

「き、94点!?」

「俺も94点は取れるけど、3人で歌っては無理かな」

 

穂乃果が驚き、若葉も点数の高さに若干顔を引き攣らせる。それから次にことりと海未が頷き合い立ち上がると、ツバサと英玲奈からマイクを受け取ると、歌い始める。

 

「流石μ’sの最初期の内の2人ね。息ぴったり」

「どちらかと言うとあの2人だからってのがあるけどな」

 

あんじゅが感心した様に言うと、夏希が曲一覧をスクロールさせながら答える。そして2人が歌い終わり点数が表示される。

 

「90点か~」

「流石にA-RISEには敵いませんでしたか」

 

表示された点数は僅かながらもA-RISEを下回った。その声には少し落ち込むような感情が混じっていた。

 

「よし若。一緒に歌おうぜ!」

「あ、ごめん。先に真姫と歌うから、歌うとしたらその次ね」

「という訳だからごめんね夏希」

「くそーマッキーに若を取られたー」

 

悔しがる夏希を横目に2人からマイクを受け取り歌い始める。2人の息の合った歌声に穂乃果達だけでなくツバサ達も驚いていた。そして気になる2人の点数を固唾を飲んで見つめる13人。

 

「94点かぁ、う~ん思ったより伸びなかったね」

「そうね、もう少し頑張らないと」

『いやいやいやいや!』

 

若葉と真姫の言葉に全員が声を揃えて突っ込む。その突っ込みに首を傾げて顔を見合わせる2人。それからあんじゅと英玲奈、にこと凛、花陽の3人、若葉と夏希、愛生人と凛、あんじゅと希、穂乃果とことり、英玲奈の3人、凛と真姫、ツバサと夏希、若葉と穂乃果、希と絵里などA-RISEとμ’sの垣根を越えて歌う。一同が一番驚いたのは、ツバサが穂乃果を誘ってその日メンバー内で最高得点を取った事だった。

 

「いや~思いの外楽しかったね」

「偶にはこうして他のグループと交流するのも良いものですね」

「そうですね」

 

カラオケ店から出た若葉がノビをして言うと海未と愛生人も同意する様に頷く。それから再びどこに行くかで話し合いになり愛生人の提案でゲームセンターに行く事になった。

 

「せっかく来たんだから、あれやりましましょ」

 

にこが恒例のダンスマシーンを指して言う。

 

「じゃあ凛が出るにゃー!」

「こちらからは私が行こう」

 

そして凛と英玲奈がダンスマシーンで勝負をしている傍ら、穂乃果とあんじゅ、希、若葉の4人はクレーンゲームで遊んでいた。

 

「ふふ。片丘君には及ばないけど、私も結構やるんだから」

「確かに凄い…!」

 

あんじゅがタン、とボタンを押すとアームは下に置かれた商品を持ち上げ、危なげなく取り出し口に落としていく。それを穂乃果は目を輝かせて見ている。

 

「あんじゅ、交代だ」

「アキく〜んもうダメにゃ〜」

 

あんじゅが取り出し口から商品を出していると汗を浮かべた英玲奈があんじゅの元に、凛は愛生人の元に行き言う。不思議に思った若葉がダンスマシーンのスコアを見ると、上位が凛と英玲奈の名前で埋め尽くされており、若葉は冷や汗をかく。

 

「優木さんが相手だからって手加減しませんよ?」

「こっちだって。貴方がダンス経験無いからって手を抜いたりはしないんだからね」

 

愛生人とあんじゅの双方が笑みを浮かべながら言い合うと、ダン!と足を鳴らす。それと同時に音楽が流れ始め、リズムに合わせて2人が踊り出す。

 

「なかなか、やるじゃない」

「優木さんも、凄いじゃないですか」

 

3曲続けて踊り通し、判定は引き分け。息を切らしながら互いの健闘を讃え合い、汗を拭きつつダンスマシーンから退く。

 

「やー!」

「なんのー!」

「これしき!」

「甘い!」

 

愛生人とあんじゅが他のメンバーを探しているとエアホッケーの台から2人それぞれが良く知る声が聞こえる。2人がエアホッケー台の所へ着くと、そこでは絵里、希vsツバサ、英玲奈の2対2の対決が行われていた。4人による速いパックの応酬に自然とギャラリーが集まり、賑わって行く。

 

「これって決着つくのかしら」

「さぁ?この様子だと時間が切れても続けそうだけどね」

「ツバサも絵里も負けず嫌いだからなぁ」

 

気付けば愛生人の隣にいた真姫、若葉、夏希が立っており、2人の事を良く知る夏希は楽しそうに笑っていた。そしてエアホッケーの結果は絵里と希が僅差で勝ち、ツバサが再戦を申し込んだ所を夏希に止められた。

 

「ふぅ良い汗かいたわね」

「そうね」

「じゃあ銭湯にでも行こうよ!」

 

ツバサとあんじゅの言葉を聞いた穂乃果が元気よく言う。穂乃果に言われた2人が時計を見ると、時間はお昼少し過ぎ。

 

「こんな時間から開いてる銭湯なんてあるの?」

「ありますよ。しかも今なら貸切で」

 

あんじゅの質問に穂乃果の後ろに立っている若葉が笑って返すと、携帯を取り出しどこかへ電話を掛けると、二、三言葉を交わし電話を切る。

 

「さ、行こうか。今から行けば1番風呂は確約してくれるってさ」

 

そして若葉を先頭に目的地目指して歩き出そうとして夏希と海未がストップをかける。

 

「ってちょっと待て若!お前が先頭だと簡単に着かねぇだろ!」

「そうですよ若葉!せめて場所を言って真姫か私、それか絵里を先頭にした方が安全です!」

 

2人の抗議にA-RISEの3人は驚いて若葉を見るも、若葉はそんな5人を無視しつつ歩き出す。そんな若葉を見て慌てる様子もなく穂乃果と真姫がその後をついて行き、少しして穂乃果だけが振り返る。

 

「大丈夫。これから行く銭湯は私達が昔から行ってる所だから、迷子にはならないよ」

「さ、そうと分かったら早く行きましょ」

「まぁ大丈夫なら良いんですけど」

 

真姫が若葉の隣に立ち皆に言うと、愛生人達も恐る恐る後をついて行く。そして歩く事十数分。夏希達が迷った事を危惧し始めた頃、若葉が立ち止まる。

 

「さ、着いたよ」

「迷わずに無事に着いた、だと…!?」

「明日は雨ですかね…」

 

若葉が迷わずに辿り着けた事に驚愕する夏希と愛生人。若葉はそんな2人に無言で笑いかけると、そのまま中に入って行く。後を追って全員が入ると、そこはいかにも「銭湯」な内装だった。

 

「どうも。今日は急にすいませんね」

「良いの良いの。若葉君には去年から大分お世話になってるし、そうじゃなくても誠さんの代からの付き合いだもん」

 

全員が中に入り最初に見たのは、フロントでカウンター越しに話している若葉と女性従業員だった。

 

「えーと、取り敢えず15人で」

「はいはい。大人が15人ね」

 

女性従業員が慣れた手つきで若葉から代金を受け取り、じゃねー、と手を振って奥に引っ込む。そして若葉は振り返ると、さて、と手を鳴らす。

 

「じゃあゆっくりと体を休めようか。あ、長湯は逆上せる原因になるから要注意ね」

 

そう言って15人は3人の男子と12人の女子に分かれて脱衣所へと入って行く。

それから十数分後、若葉だけが男湯の暖簾を潜ってロビーに設けられているソファに座る。

 

「お疲れの様子…でもないか」

「あ、佳子さん。ホントに今日はありがとうございます」

 

若葉が1人ソファで寛いでいると、女性従業員こと鳥井佳子(とりいよしこ)が声を掛ける。佳子は若葉の謝礼に対し、首を振りつつ若葉の正面のソファに座る。

 

「さっきも言ったけど、誠さんが小さい時からの2世代に渡る常連さんだもん。それに若葉君がウチで働いてくれてるしね」

「働いてるって言っても偶にヘルプで入るくらいですけどね」

「何言ってんのよ。それで空いた穴以上の働きしてくれてるんだから、こっちとしては嬉しい限りよ」

 

若葉の言葉を笑って流した佳子は身を乗り出して、で?と声を小さくして聞く。若葉は質問の意味がよく分からずに首を傾げる。

 

「若葉君は彼女出来た?」

「え!?」

「あ、その反応は出来たんだ〜。へぇ〜そうかそうか。あの若葉君にも遂に春が来たのか〜」

「"あの"ってどう言う事ですか?」

 

佳子の言葉の一部が気になった若葉が佳子に聞くと、佳子はだって、と面白いものを見つけた様に笑って答える。

 

「ウチの若い娘達がアタックしても全然効かなかったじゃない。それで?さっき一緒にいた娘達の中にいるの?」

「別に佳子さんには関係ないじゃないですか」

 

佳子の質問に若葉は顔を逸らして答える。その反応と少し赤くなってる顔色で佳子は更に面白そうに笑う。

 

「そうか〜。若葉君は真面目だから二股とかしないだろうし…とすると一緒に入ってきたあの赤髪の娘かな?」

「……黙秘権を行使します」

「あ、正解なんだ」

「そう言う佳子さんは最近どうなんですか?もうそろそろ三十路なのにさすがに相手がいないのはマズいんじゃないですかね」

 

若葉が精一杯の仕返しとばかりに佳子に聞くと、今まで笑っていたのがウソの様に冷たい目を若葉に向けた。

 

「若葉君。女性に対して年齢についての話題は禁句だよ。じゃないと、今度から君の分の時給だけ半分に…」

「すいませんでした!」

 

時給を減らされるのは若葉にとって痛いらしく、また佳子の目が本気で怖かった為、すぐさま頭を下げる。

 

「全く。で?どこまで行ったの?」

「あの、佳子さん。その話題やめにしませんか?」

「え〜良いじゃん。皆が出て来るまでの間で良いからさー」

 

若葉が頭を下げたのを見て表情を戻し、悪戯に笑う様に聞く佳子。若葉はそんな佳子にお願いする様に言うも、一蹴されてあえなく撃沈。若葉がどうやって切り抜けようか思考を巡らせていると不意に若葉の後ろから声が掛かる。

 

「若葉君が押されてるなんて珍しね」

 

思わぬ救援に若葉が振り返ると、そこには眼鏡をかけた花陽が立っていた。

 

「花陽もう出て来たんだ」

「うん。あんまり長く入ってると逆上せちゃうし」

「と、言う訳で佳子さんもそろそろ業務に戻った方が良いと思いますよ」

 

若葉が視線を正面に戻して言うと、佳子はさも残念といった表情でちぇ〜、と言って立ち上がりまた奥に引っ込んでいった。

 

「若葉君て歳上の女の人が苦手なの?」

 

花陽が先程まで佳子が座ってたソファに座りながら、気になった事を聞く。若葉はその質問にう〜ん、と少し考えてから口を開く。

 

「別に苦手って訳じゃないけど、なんかこう、敵わないな〜とは思う時があるんだよね」

「それって絵里ちゃんや希ちゃん、にこちゃんにも?」

 

花陽がμ's内の最上級生の名前をあげると若葉は頷いて答える。若葉が頷くのを見て驚く花陽。

 

「意外そうだね」

「うん。だって普段からにこちゃんを弄ってるから」

「まぁね。でもアイドルの事を話している時のにこを見てると、やっぱりにこはアイドルが大好きなんだな、って実感するんだよ」

「あ、それは私も分かる」

 

若葉の言葉に花陽も同意すると、2人は何が面白かったのか揃って笑い出す。

 

「おーおー随分楽しそうじゃん。何の話?」

「ふふっ秘密です」

「そうだよ。秘密だよ」

 

2人が笑っていると夏希達が暖簾を潜ってロビーにやって来る。夏希が笑っている2人に話の内容を聞くと、2人は目を合わせた後悪戯っぽく笑って答えた。

 

「さて時間も時間だし、そろそろお開きですかね」

「そうね。μ'sの皆さん。今日は急なお誘いを受けてくれてありがとう」

 

愛生人が時計を見ながら言うと、ツバサが頷き穂乃果達を見てお礼を言う。それに対して穂乃果はこちらこそ、と返す。

 

「お陰で楽しい1日を送る事が出来ました。ありがとうございました」

 

穂乃果が頭を下げるのを見て、後ろにいた海未達も頭を下げる。

 

「それじゃあお互い地区予選決勝に残ったら悔いのない様に頑張りましょう」

「はい!」

 

最後に穂乃果とツバサが握手をしてその日は解散となった。




【音ノ木チャンネル】
若「早速だけど、1つ。またオリキャラ増えたよ…」
夏「別に良いじゃねぇか。オリキャラの1人や2人」
若「いや良くないよ!全然良くないよ!」
愛「どうしてですか?」
若「だってこのままだと、最悪その内出て来る女性アナウンサーにまで名前を付けそうなんだもん!」
愛「あ、それは一理ありますね」
夏「まぁ名前のストックがあんなら構わねぇだろ」
若「ストックなんてこの物語と一緒である訳ないでしょ」
夏「えー…」
愛「まぁ名前の件は放っておいて、問題があるんですよ」
夏「なんだよ、問題って」
愛「実はツバサさんはともかく、英玲奈さんとあんじゅさんの話し方がよく分かってないとか」
若「まぁ出番少なかったもんね…」
夏「でもスクフェスでも出たんだし、そっちで勉強は出来るよな?」
愛「もちろん出来ますよ。なので勉強中です」
若「まぁ反映されるかは分からないけどね」
夏「そこは反映しようぜ?」
愛「まぁその内されるでしょう!それでは誤字脱字、感想、批判、アドバイス等をお待ちしております!」
夏「締め切り方は急だな!」
若「活動報告でアンケートもやってまーす」
愛「今の所トップが若葉さんと真姫ちゃんのデート回。次点で夏希さんとツバサさんのデート回ですね」
夏「そうなのか。意外と人気あるんだな」
若「主にツバサを見たいってのが多いからね。それじゃあ」
『バイバーイ』


夏「なぁ、そろそろ締めの挨拶変えようぜ?」
愛「えーなんでですか。あれ楽で良いのに…」
若「じゃあ次回までに那月が考えといてよ」
夏「はぁ!?次までってそんなに時間ねぇじゃん!」
愛「でも少しやりたい事があるから投稿遅れるかもって言ってましたよ」
若「じゃあ決まりだね。夏希、次までに締めの挨拶考えて来る事。これ宿題ね」
夏「分かったよ。じゃあな!」

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