アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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風邪で2.3日ダウンして投稿遅れました。


既に退路は断ったよby花陽

地区予選で行う曲が完成した日の午後。穂乃果達はその日の練習を終わらせ、自由時間を過ごそうとしていた。

 

「せっかく川があるんだから水遊びしに行こうよ〜!」

「こんな寒い時期に水遊びをしたら風邪を引いてしまいますよ」

「バカは風邪引かないって言うし、大丈夫じゃね?」

「なんか既視感を感じるにゃ!それに凛達はバカじゃないもん!」

 

凛と穂乃果が夏希の言葉にシャー!と言って食い付く。そんな光景を見てまぁまぁと2人を宥める愛生人。

 

「いえ、今度こそ山頂アタックを決めます!」

「また山に登るの!?」

「またって、作詞班は昨日何してたんだよ」

 

凛が海未にツッコムのを聞いて呆れた様に夏希が呟き、前日一緒に登山した希達を見ると希は楽しそうに笑い、愛生人は少しげんなりしていた。

 

「じゃあ水遊びと登山で別れたら良いんじゃない?」

 

水遊びか登山かで言い合っている穂乃果と海未に花陽が提案すると、にこと若葉も賛成したのでその場で水遊びか登山どちらに行くかの挙手が行われた。

結果、登山に行くのは海未、希、絵里、にこ、夏希の5人となり、水遊びに行くのは穂乃果、凛、愛生人、花陽、ことりの5人となった。若葉と真姫は別荘でのんびり過ごすという3つ目の案になった。

 

「ってなんで若は第3の意見出してんだよ!」

「だって眠いんだもん」

 

夏希のツッコミに欠伸をして返す若葉。

 

「若葉さんって昨晩寝ました?」

 

愛生人の質問に若葉は黙って首を振りだから、と続ける。

 

「俺はここでゆっくり寝てるよ」

「じゃあ真姫ちゃん。お兄ちゃんの事よろしくね」

 

若葉がそう言うと、穂乃果が立ち上がり川に行く準備を始めた。それから他のメンバーも山と川、それぞれが行く準備をした後別荘から出て行く。

皆が出て行き、静かになったリビングでは若葉がソファに座り、うとうとしていた。

 

「若葉、ここで寝ると風邪引くわよ。2階にベットがあるから寝るならそこの方が良いわ」

「……うん、そうする」

 

真姫の提案に寝ぼけ半分で返事をし、フラフラと覚束ない足取りで歩き出す。

 

「ちょっと若葉!そっちは中庭よ」

「…あれ?」

「まったく。ほら連れて行ってあげるから」

「ありがと〜」

 

寝ぼけているからなのか普段より酷い方向音痴を見せた若葉に、真姫は慌てて近寄り2階の寝室に連れて行く。

 

「着いたわよ」

「ん〜ありがと」

 

若葉はそれだけ言うとベットに倒れ込み、そのまま寝息を立てた。そんな若葉に真姫は仕方ないといった風に首を振ると寝ている若葉を起こさないようにそっと毛布を掛け、傍の椅子に腰を掛けた。

 

☆☆☆

 

それから時間が過ぎ夕方になった頃、遊びに出掛けていたメンバーが別荘に戻ってくる。

 

「あれ?若葉さんと真姫ちゃん居ませんね」

「大方2階で寝てんだろ。ちょっと起こしてくるわ」

 

愛生人がリビングに2人がいない事を言うと、夏希が階段を上がって2階へと向かい、その間に水遊びで冷えた体や登山でかいた汗を流しに女子達はお風呂へと向かった。

 

「おーい若ー、マッキー、そろそろ起きろーっと?」

「あ、夏希。おはよう」

「おはようってもう夕方だぞ。んで?それどういう状況?」

 

夏希は若葉の挨拶に呆れつつも、椅子に座ったままベットに伏せている真姫を指して聞く。

 

「んー俺が起きた時にはこうなってたからよく分からないんだけど、多分寝てる俺を座って見てたら真姫も寝ちゃったって感じじゃない?」

 

若葉は真姫の頭に手を置いて夏希の方を見ると、羨ましいだろ、といった目で見る。

 

「いや別に羨ましくはないが。で、若はいつまでそうしてるつもりなんだ?そろそろ晩飯作らないとだろ?」

「まぁ、そうなんだけどね」

 

若葉の歯切れの悪い返事に夏希は首を傾げ、理由を問うように見返す。夏樹に見返された若葉は苦笑すると

 

「実は真姫が俺の膝を枕にして寝てるから動こうにも動けないんだよね」

「……普通に起こしゃ良いだろうが」

「えー、せっかく気持ち良さそうに寝てるのに邪魔しちゃ悪いじゃん?それにもう少し見てたいし」

「いいから早よ起こせよ…」

 

呆れた様に溜め息を吐きつつ言う夏希に仕方ないなー、と呟きつつ寝ている真姫の鼻を摘む若葉。

 

「ん、ぅんー……ん?」

 

鼻を摘まれて数秒、真姫は目を開け辺りを見回すと寝起きで意識がはっきりしてないのか、頭を少しで傾げていた。

 

「や、真姫。良く寝てたね」

「………!」

 

そんな真姫に若葉が笑顔で挨拶すると、真姫は自分の状況を理解し顔を赤くして上体を起こす。

 

「お、おはよう若葉」

 

そして若葉から赤くなった顔を隠す様に背けて挨拶を返す。そんな2人のやりとりを見て夏希が熱いね〜、と茶化すと無言でまくらが飛んで行き、夏希の顔に当たる。枕の勢いが良かったのか、当たった際に夏希が数歩後退る。

 

「さて、晩ご飯の時間だから下に行こうか」

「そうね。ところで今晩は何を作るの?」

「う〜ん。何にしよっかなー」

 

そんな夏希を無視して若葉と真姫は部屋を出て、晩ご飯の献立を話し合いながら階下へ降りる。若葉と真姫が1階に降りるとリビングにいたのは愛生人のみ。若葉が穂乃果達の所在を聞くと愛生人は無言で浴場を指す。

 

「ご飯の前に入浴か…ついでだから真姫も入ってくれば?」

「皆さん数分前に行ったばかりですから、今から行ってもゆっくり出来ると思いますよ」

 

という2人の勧めで真姫も浴場へと向かい部屋を出て行く。それと入れ替わりに夏希が首を抑えながらリビングに入って来る。

 

「なぁ少し茶化したくらいであの仕打ちはないんじゃねぇの?」

「なにがあったんですか?」

「そんな事より、晩ご飯何にする?」

 

夏希が若葉に抗議しようとするも、若葉が話を逸らす。何の事か分からない愛生人はただ首を傾げるばかりで、やる事もないのでキッチンに向かった若葉を追う。

 

「んーこの材料だと…牛丼、とか?」

「だったら普通に焼肉で良いんじゃないですか?」

「でも肉は牛しかないぞ?」

「凛辺りから苦情が来そうだね」

「夏の合宿の時は大変でしたよ…」

 

若葉の言葉に夏の合宿でのBBQの時の事を思い出した愛生人が遠い目をして呟く。

 

「じゃあすき焼きでいんじゃね?肉も足りそうだし」

「すき焼きか…問題は鍋が3つ、無くても2つあるのかな」

「あ、鍋なら3つありましたよ」

「じゃあすき焼きにするべ」

 

夏希の提案で晩ご飯のメニューも決まり、3人はそれぞれ動き始める。夏希は食器やすき焼きに必要な器具の準備、若葉と愛生人は具材を切って行く。そして女子陣が入浴から出て来る頃には粗方準備が終わっており、後は白米が炊き終わるのを待つのみ。

 

「それにしても私達そんなに入ってなかったのに、ずいぶん手際が良いのね」

「その分本格的なすき焼きじゃないけどな」

「本格的なすき焼き?」

 

感心した様に言う絵里に夏希が言うと、凛が首を傾げて聞く。

 

「ちゃんとやろうとしたら5.6時間前から下準備が必要なんだよ」

「そんなに前から!?」

 

若葉が凛に答えるとその必要な時間に驚きの声を上げる。そんな時、ピーッと電子音が鳴り響く。

 

「皆さーん。ご飯が炊けましたので、席についてくださーい」

 

愛生人が炊飯器の傍の椅子に座って思い思いの行動をしていたメンバーに呼び掛ける。愛生人に呼び掛けられ全員が椅子に座ったのを確認すると、愛生人は茶碗に白米をよそって回していく。その間に若葉と海未がそれぞれの鍋に具材を入れて行く。

 

「それじゃあ全員に行き渡ったので食べましょう」

『いただきまーす』

 

☆☆☆

 

『ごちそうさま〜』

 

全員が満足した顔で手を合わせると、夏の時同様穂乃果と夏希がダレ始める。

 

「お兄ちゃ〜ん」

「若〜」

「「お茶〜〜」」

 

そんな2人は食器を片付けにキッチンへと向かう若葉を目敏く見つけ、お茶を注文する。そんな2人に若葉は溜め息を吐きつつ頷いて答えると、1つの湯呑みを持って戻って来る。

 

「あれ?俺のは?」

「自分で淹れな」

「若のケーチー!」

 

湯呑みが穂乃果の前にだけ置かれたので夏希が聞くと、若葉はニッコリと笑ってそう告げる。夏希はそんな若葉に文句を言いつつ、キッチンへとお茶を淹れに行く。

夏希が戻り一息つくと男子陣は入浴の為に浴場へと行き、その間に女子陣は就寝場所について話し合っていた。

 

「さすがに1部屋に3人は窮屈やない?ベットも2つしか無いし」

「し、しかしリビング(ここ)で寝ようにもそんなにひろく無いですし」

「ソファどかせばなんとかなるんじゃないかしら」

 

希がどうするか切り出すと、海未が先回りで否定する。しかしその主張も絵里によって崩され海未はその場に膝をつく。

 

「な、なぜなのです。なぜ、皆は抵抗が無いのですか…」

 

海未はなぜ若葉達男子と同室で寝るのに抵抗が無いのか、不思議に思い全員に聞く。それに対する回答は細部は違えど統合すると、男子達はそう簡単に襲っては来ないだろう、となった。

 

「なんか賑やかだね」

「ガールズトーク中だったか?」

 

就寝場所が決まり、その後お決まりのように真姫が若葉とデートに行ったのか、など質問攻めにあっていると、後頭部で軽く髪を縛っている若葉と眼鏡をかけた夏希が戻って来る。

 

「あ、若葉君や。ちょうどええ所に」

「ふっふっふ。既に退路は断ったよ。若葉君」

「えーと、なんで希は俺ににじり寄ってくるの?そして花陽は扉の前から退いて!いざという時逃げられないから!」

 

若葉はよく分からない慌てながらも、なんとか逃げられないか道を探すも、夏希に肩を叩かれてそちらを見る。すると夏希は爽やかな笑顔で若葉を見ていた。

 

「若、よく分からないが諦めろ」

「後で覚えといてね」

 

若葉がそれだけ言うと左右から希と花陽に捕まり、真姫同様質問攻めにあい、その中に穂乃果も混ざっていて質問攻めが終わった後に若葉に両頬を摘まれたのだった。

 

 

 

 

 




【音ノ木チャンネル】
若「あー酷い目にあった…」
愛「僕が行くまでにこんな事があったんですね」
夏「ちょっと良いか?」
若「どうしたの?いつに増して真剣な表情だけど」
夏「いやな、この「男子達はそう簡単に襲っては来ないだろう」って結論に至った経緯を知りたくてな。多分読者の皆も思ってるはずだ」
愛「えー…それ答えなくちゃいけないんですか?」
若「まぁまぁ。良いネタが見つかったって思えば良いじゃん」
夏「たとえその通りだとしても、それを言ったらおしまいだぞ」
若「で、経緯を知りたいんだっけ?取り敢えず皆に答えてもらおっか。まず俺の場合ね」
穂「だってお兄ちゃんだし」
こ「だって若葉君だし」
希「だって若葉君には真姫ちゃんがおるやろ?」
絵「若葉はそこまで節操なしじゃないと思うわ」
花「真姫ちゃんがいるから若葉君は手を出して来ないと思うよ」
凛「凛もかよちんに同感にゃー!」
真「ま、まぁ若葉になら……」
に「まぁ寝る場所から言って私の所まで来ないでしょ」
夏「まぁマッキーを含めて予想通りだな。じゃあ次は俺の場合」
穂「夏希君はお兄ちゃんが見てると思うよ?」
こ「う〜ん。多分大丈夫だと思うよ」
希「夏希君にはそんな度胸ないんとちゃう?」
絵「昔から知ってる仲だから今更よね」
花「若葉君と愛生人君に挟まれてるから、さすがにどっちかが気付くかと」
凛「アキ君が守ってくれるはずにゃ!」
真「だって夏希には相手がいるじゃない」
に「若葉と同じね」
夏「俺の扱い酷くないか?主に希とことり!」
愛「気のせいですよ。じゃあ最後に僕の場合ですね」
凛「こ、これは凛以外は一緒の答えだったにゃ…」
愛「え。そうなの?」
凛「うん」
『だって凛ちゃんがいるじゃん』
若「本当に一緒なんだね」
夏「でも2人ってまだ付き合ってないんだろ?」
愛凛「「……」」
真「まさか…」
希「もう付き合ってるん?」
花「いつから!いつから付き合ってるの!?」
愛「ちょ、花陽ちゃん。まだ付き合ってないから!」
凛「そ、そうにゃ!それよりそろそろ尺だから凛が締めるね!じゃあ誤字脱字、感想、批判、アドバイスとかあったらどんどん言って欲しいにゃ!それじゃあ」
『バイバーイ』





若「愛生人逃げたね」
夏「逃げたな」

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