アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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穂乃果は人間を超越した存在になったのだ…


雨、止めーーーー!by穂乃果

結局、絵里達は穂乃果の真意を聞き出せないまま、その日は解散となった。

その日の夜、穂乃果を除いた11人でLIMEでの会議が行われた。

 

若「穂乃果も色々考えて出なくても良いって言ったんじゃない?」

園田海未「色々?」

ことり「どうしちゃったんだろう」

エリー「それは私も」

にこにー「らしくないわよね」

真姫「あんたもね」

にこにー「ちょっとマジメな話してんのよ」

ぱな「でもこのままじゃ本当にラブライブに出ないってことも」

りん「それは寂しいな~」

夏希「にこっちはどうしたいんだ?」

にこにー「私は、もちろんラブライブに出たい!」

アッキー「そうですよね」

園田海未「生徒会長として忙しくなってきたのが理由かもしれません」

ことり「でも忙しいからやらないって穂乃果ちゃんが思うはずないよ」

若「確かに穂乃果なら忙しくてもやりそうだよね」

希「今のμ’sはみんなで練習して歌を披露する場もある。それで十分ってことやろうか」

 

希の文を見て若葉は少し考え携帯をポケットに仕舞うと、水を飲む為に部屋から出る。すると、隣の穂乃果の部屋から雪穂が出て来た。

 

「ねぇ、お兄ちゃんはどう思ってるの?」

「どうって?」

「ラブライブ。またやるんでしょ?」

 

雪穂の言葉に若葉は頭を掻きながら、雪穂に部屋に入る様に仕草する。

 

「ラブライブ、ね。その質問は穂乃果にも?」

「うん」

 

若葉は椅子に座り雪穂をベッドに座らせると、雪穂に聞く。雪穂は真剣な表情表情で頷き返す。

 

「それで、穂乃果はなんて?」

「それが、はっきりと答えてくれなくて。それに今のメンバーで出れるのは今年しかない、じゃん?」

 

雪穂が伝えた穂乃果の様子に若葉はうーん、と考える。

 

「まぁ、俺や夏希、愛生人が幾ら出たいって言っても、俺らが出る訳じゃないんだよ」

「?」

「つまり、俺達サポート班が幾ら駄々捏ねても、結局は9人の意思で決まるって事」

 

意味が分かってない様子の雪穂に、若葉は頭に手を置いて答える。

 

「つまり、お兄ちゃん達は今回ノータッチで様子を見るって事?」

「まぁそんなとこ。完全なノータッチって訳じゃないけどね。」

「ふーん。まぁお兄ちゃんには私には分からない何かが分かるみたいだし、お兄ちゃん達に任せるね」

 

それだけ言うと、雪穂はベッドから立ち上がり、部屋を出て行く。雪穂が出て行って少し、若葉は喉が渇いていた事を思い出し、再び部屋を出て行った。

 

☆☆☆

 

次の日の放課後、神田明神の階段下にはジャージを着たにこと穂乃果がクラウチングスタートの構えを取っていた。

 

「それにしてもにこっちも思い切った事をするよな」

「階段ダッシュで勝ったらラブライブに出ようなんてね」

「それ程までにラブライブに出たいって事ですよ」

 

夏希、若葉、愛生人が階段の上からその光景を見下ろしながら言う。因みに他の部員はにこ達の後ろで見守っている。

 

「あ、始まりましたよ」

 

愛生人の言葉に若葉と夏希も黙って勝負の行方を見守る。

 

「あ、コケた」

 

スタートでフライング気味にスタートしたにこが階段の途中で階段に躓いたのか、転んだ。若葉達が慌ててにこと、その横でにこに手を差し伸べている穂乃果の元へ行くと2人の会話が聞こえる。

 

「煩いわね。ズルでも何でもいいのよ。ラブライブに出られれば」

「にこちゃん…」

 

にこの言葉に穂乃果は思案顔になる。

 

「取り敢えず、境内に上がろう?」

 

若葉の提案に皆が頷き、穂乃果とにこが着替え終わるのを待つ。その間に、若葉達はもう一度ラブライブについて話し合う。メンバーの暗い気持ちに呼応するかの様に、空は曇り、雨が降り始める。少しして制服に着替えた2人が戻ってきた。

 

「次がこのメンバーで出れる最後のチャンスだもんな」

 

誰も話し合いを始めようとしなかった沈黙を、夏希がその一言で破る。その言葉に絵里は頷き

 

「そうね。3月になったら私達3人は卒業。こうして皆と一緒にいられるのは後半年」

「それにスクールアイドルでいられるのは在学中だけ」

 

続く希の言葉に穂乃果はそんな、と呟く。

 

「確かに、その学校に通っているからこその"スクール"アイドルだもんね」

 

若葉の言葉に絵里がそうね、と頷く。

 

「すぐに卒業する訳じゃないけど、ラブライブに出られるのは今回がラストチャンス」

「この12人でラブライブに出られるのは、今回しかないって事ですね」

「やっぱり皆…」

 

絵里と愛生人の言葉を受けて、穂乃果は他の部員を見て思う。皆、ラブライブに出たいんだ、と。

 

「私達もそう。たとえ予選で落ちちゃったとしても12人で頑張った足跡を残したい」

「凛もそう思うにゃ」

「やってみても良いんじゃない?」

 

花陽、凛、真姫の言葉に穂乃果はことりの意見も聞こうと問い掛ける。

 

「私は穂乃果ちゃんが選ぶ道ならどこへでも」

 

ことりの答えに穂乃果は何かに気付いたのか、あっ、と声を漏らす。

 

「自分のせいで皆に迷惑を掛けてしまうのでは、と心配しているのでしょう」

「ラブライブに夢中になって、周りが見えなくなって」

「生徒会長として学校の皆に迷惑を掛けるような事があってはいけないって」

 

海未、夏希、若葉からの言葉に穂乃果は苦笑いを浮かべる。

 

「全部バレバレだね。始めたばかりの時は何も考えないで出来たのに、今は何をやるべきか分からなくなる時がある。でも一度夢見た舞台だもん。やっぱり私だって出たい。生徒会長をやりながらだから迷惑掛けるかもだけど、本当は物凄く出たいよ!」

 

穂乃果の言葉を受けて、聞いていた皆は笑顔になる。

 

「え?皆どうしたの?」

「穂乃果、忘れたんですか?」

 

穂乃果の質問に海未が答える。それと同時に希、絵里、にこ、海未が歌い出す。

 

「だって可能性感じたんだ」

 

それに続いてことり、花陽、真姫、凛が歌う。

 

「そうだ…ススメ」

 

最後に若葉が穂乃果に手を差し伸べて、夏希、愛生人と共に歌う。

 

「後悔したくない目の前に」

 

穂乃果は差し伸べられた若葉の手を握ると、満面の笑みを浮かべ、続ける。

 

「僕らの道がある」

 

そんな穂乃果を見て安心した全員は穂乃果に、やろう!と気持ちを伝える。

 

「よーし、やろう!ラブライブに出よう!」

 

穂乃果もそう返すと、若葉の手を離し、雨の降る境内へと走る。突然の行動に驚く海未と若葉。穂乃果はそんな2人を無視して、大きく息を吸うと

 

「雨、止めーーーー!」

 

と叫ぶ。すると、先程まで曇っていた空に晴れ間が差し、本当に雨が止んだ。

 

「嘘…」

 

にこが全員の気持ちを代弁するかの様に呟く。驚きで固まる若葉達に穂乃果は振り向いて言う。

 

「本当に止んだ。人間その気になれば何だって出来るよ!ラブライブに出るだけじゃもったいない!この12人で残せる最高の結果!優勝を目指そう!」

 

穂乃果の宣言に海未が驚きの声を上げる。他のメンバーも少なからず驚いているも、皆が皆、やる気に満ち溢れていた。

 

こうして音ノ木坂学院所属アイドル研究部「μ's」のラブライブ出場と目標が決まった。

 




【音ノ木チャンネル】
若「いや〜まさか本当に雨が止むとはね」
夏「だな。信じられないぜ」
愛「天候を操る程度の能力とかですかね」
若「愛生人、それは違う作品だよ」
夏「さぁほのっちの天候支配能力の事は置いといて、いよいよ今日だな」
愛「全ラブライバーが待ちに待った日」
若「ラブライブ!The School Idol Movie 公開!」(投稿日6/13)
夏「予告でのうーみんとほのっちのシリアスシーンはとても楽しみだと、作者が言ってたぜ?」
愛「まぁこの作品で書けるなら書くらしいですし」
若「ネタバレ?あぁ多分作者の投稿ペース的にDVD&BDが出る頃になっても、2期分が終わってない可能性大だから問題ないと思うよ」
夏「それはそれでどうかと思うんだが」
愛「まぁこの作者ですし。もしこの作品にねじ込むのが無理そうなら、別作品扱いで書く覚悟もある……んですかね?」
夏「いや、疑問系で聞かれても知らねぇよ」
若「と言う訳で、殆ど劇場版の話になっちゃったけど、活動報告でアンケートやってまーす」
夏「唐突な話題変換!」
愛「因みに途中結果ですが、若葉さんと真姫ちゃんのデート回がトップです」
若「期限は7月末まで!」
夏「他にも感想、誤字脱字、アドバイス、批判等待ってるぜ!んじゃあ」
『バイバーイ』

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