今回は穂乃果達と別れた若葉の話がメインです。
それではどうぞ!
2/22
加筆修正
一方理事長室にて
若葉は彩とその隣に座っている少年と向かい合っていた。
「えと確認するけどお互い初対面…よね?」
「ええ完全なる初対面です」
「取り敢えず自己紹介でもしようか」
若葉より少し背の高い少年はの外見は水色の髪に青の瞳と、とても特徴的だった。
「俺の名前は佐渡夏希。気軽に夏希って呼んでくれや。学年は2年ね」
「あ、俺とタメなんだね。俺は高坂若葉。夏希と同じ2年だよ。あ、間違っても俺のクラスで高坂って呼ばないでね。ややこしいから」
夏希はよく分からない顔をしたが頷く。
「じゃあ若葉君に夏希君の案内は任せたわよ。夏希君は貴方と同じクラスだから」
「はーい。じゃあ行こうか、夏希」
「あいよ」
「「失礼しましたー」」
そして2人揃って理事長室を出て教室に向かう。
「いやーさっきは驚いたよ。会っていきなりお前は!とか言われたし」
「それに乗れる夏希も夏希だと思うけどね」
「ま、お互い様って感じか」
2人して思わず笑い出してしまう。
さて、ここで状況を思い出してみよう。幾ら朝早いと言っても時間としては普通に生徒が登校し始めている時間。廊下には既に何人かの生徒がチラホラ見える。
そして2人は(主に若葉だが)忘れていた。周りから見た2人の様子はさながら、髪を下ろした男の制服を着た穂乃果と、見知らぬ男子生徒が並んで楽しそうに歩いている様に見えるのだ。
若葉のクラスメイト達(他数名)は若葉を知っているが、全校集会等の場で挨拶していないので若葉を知らない人達は夏希が試験生1号に見える。
そして場所は女子校。これに先程の条件を合わせると夏希=穂乃果の彼氏。といった方程式が出来てもおかしくない。よって。
「ちょ!穂乃果!その隣の人誰よ?」
となる訳である。しかも騒ぎは大きくなる一方。
「これはマズイな」
「夏希、教室まで走るよ」
「え?ちょ、若葉!?」
若葉は夏希に小さな声で伝えてから走り出す。辛うじて反応出来た夏希も走る。そして大分遠回りしてから無事に教室に辿り着く。
「つか…あの理事長ぜってー……お前の紹介忘れてんだろ」
「そう言われてみればやってない…。本来なら…否定したいが……あの人ならワザとやりかねないよ」
2人は教室に着くなり、若葉は自分の、夏希は穂乃果の席に座る。そして息を整えながら現場の話し合いを行う。
「つか俺自身、夏希が来るの知らなかったし」
「マジか」
とまた少し笑みが零れる。と、そこまで行ってから突然2人が机に突っ伏す。
それを見ていたクラスメイト達曰く「糸の切れた人形みたい」だったそうだ。
「あれ?お兄ちゃん戻ってたんだ」
机に突っ伏す事十数分、若葉のよく知る声がした。
「おー妹よ。兄は今色々あって疲れたんだ…お前も早く席に着かないと姫に怒られるよ?」
姫というのは担任の二島姫子のあだ名である。姫と言っても清楚な姫では無く、お転婆姫の方と皆は感じているが、本人にそれを言うと怒られるので誰も言わない。
「うん。穂乃果もね、早く席に着きたいんだけど」
穂乃果がなにか言い難そうな口調になる。
不思議に思い若葉も隣の穂乃果の席を見ると
「zzzzzz」
夏希が爆睡していた。どうするか迷った挙句
「てい!」
取り敢えず軽く蹴った。夏希は蹴られて椅子から落ち起きた。
「……んー。おはよう」
思い切り伸び挨拶をする。そして周りを見回し
「ここ、どこ?」
完全に寝ぼけている。取り敢えず若葉は空席になっている自分の後ろの席に座らせる。
「起きた?」
「あ"ーゴメン寝ぼけてた」
「ねぇねぇお兄ちゃん。その人誰?」
「わ!若葉が2人!?」
夏希は若葉の後ろから顔を出した穂乃果を見て驚く。
「どうやらまだ寝てるようだ。おやすみ」
「大丈夫だ。この俺そっくりさんは妹の穂乃果だから」
「どうも、高坂穂乃果です!」
「えと……佐渡夏希、です」
まだ頭がはっきりしてない夏希は少しゆっくりと答える。
「はーいまたこのクラスに転入生が〜ってそこにおるんかい!」
HRの時間になり、姫が入って来る。そして夏希を確認してツッコミを入れる。
「ども先に教室に入ってました~」
「ま、別に良いんだけどね~」
相変わらずどこかノンビリというか、マイペースな姫にクラスの何人かが笑う。
「じゃあ挨拶よろしく~」
「は~い」
姫に呼ばれ、前に出る。
「えーと試験生第二号の佐渡夏希です。よろしくお願いします」
2人目のオリジナルキャラ佐渡夏希君が登場しましたね~
髪の色は真姫ちゃんやことりちゃんみたいな色が大丈夫なら、有りだろうと思い水色にしました。
誤字脱字・感想・アドバイス、お願いします。