アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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さてさて、本当は前話で夏休みは終わりの予定だったのですが、ぶっちゃけますとまだ11〜13話までの流れが出来ていません。今話は時間稼ぎとでも思って下さい。(じっさいそうです)

ではそんな時間稼ぎ回をどうぞ

あと真姫ちゃん(今話台詞ないけど)誕生日おめでとう!


いただきまーすby皆

「なぁ若葉。夏休みも終わりが近づいてきてんだけど」

「近づいても何も来週で終わりだよ」

 

机に肘をついている翔平に、若葉は本を読みながら淡々と言う。

 

「そう!来週で夏休みは終わっちまう。なのに俺は海はともかく、プールや部での合宿、花火すら見てない!これをどう思う?」

「取り敢えず部活に入らないと部での合宿は行けないよ。それに花火なら夏祭りに来てたんだから見てるでしょ」

 

翔平は机を叩いたり、拳を握ったりして体全体、と言っても座っているので上半身だけ、を動かして若葉に訴えかけるも、若葉は先程と同じ様に淡々と返す。その声に少しの苛立ちを込めて。

 

「なぁだったら今から穂乃果ちゃん達誘ってプール行こうぜ〜」

「穂乃果は今日は学校に行ってるし、翔平はなんでウチに来たのか、まさか忘れてないよね?」

遂には床を転がり始めた翔平に、本を閉じて冷たい視線を投げかける若葉。

 

「忘れる訳ないだろ?親友!いや、心の友と書いて心友よ!」

「そんなジャイアニズムはいいから早く宿題終わらせなよ」

「最近お前が冷たい気がするのは気のせいか?」

 

若葉は溜め息を吐いて翔平の言葉を流す。翔平も翔平で若葉の態度に憤りを感じておらず、手元にある課題を進めていく。

暫くの間、部屋には若葉が本を捲る音と翔平が課題に筆を走らせる音が流れる。そんな中突然の電子音が響く。

 

「ゴメンLIMEが来たみたい」

「いや、大丈夫だ」

 

若葉が一言謝り、画面を見ると『絢瀬絵里』と表示されていた。

 

「ん?……あ、やっぱりいたんだ……」

「携帯を見て独り言は見てる側が寂しくなるからやめた方が良いぞ」

 

LIMEを見て何かを納得した若葉に翔平は忠告するも、若葉は少し悩んだ表情をすると、LIMEを打ち始めた。するとすぐに返事が返って来たのか、若葉は大きく頷くと翔平を見る。

 

「どうした?」

「翔平。良い知らせと悪い知らせ、どっちを聞きたい?」

「え……じゃあ悪い知らせからで」

 

若葉の問いに少し悩み、翔平は悪い方を選ぶ。若葉に視線で確認を取られるも、翔平は頷いて返す。

 

「じゃあお望み通り悪い知らせ。俺は今から音ノ木坂に行かなくてはならなくなりました」

「えー!課題手伝ってくれるって約束じゃんかよー」

 

文句を言う翔平を宥めてから若葉が続ける。

 

「じゃあ残っている良い知らせね」

「あ、そう言えばあったな」

「良い知らせは、翔平も一緒に行っていい事でーす」

 

若葉の発表に翔平は動きと思考を止める。完全に停止した翔平が復旧するのを黙ったまま見つめる若葉。

 

「……は?」

「いや反応遅いでしょ。ほら、早く準備して。格好は私服でも良いらしいから」

「ちょっと待てちょっと待てお兄さん!」

「お前にお兄さんと呼ばたくは無い!」

 

翔平にツッコミながらテキパキと筆記具等を鞄に入れる若葉。それを見て翔平も慌てて課題や筆記具を鞄にしまう。

 

「じゃあ先に外行ってて。俺は母さん達に言ってくるから」

「あ、あいよ」

 

未だに状況が飲み込めてないのか、いつもより少しゆっくりと動く翔平。若葉はそれを無視して1階に降り、厨房にいる誠とカウンターにいる裕美子に学校に行く旨を伝え、翔平と合流する。

 

「えと、若葉。つまりはどういう事だ?」

「つまり音ノ木坂へGOって事」

 

若葉は翔平にそう答え、学校に向けて歩き出す。

 

「つまりだ。俺はこれから女の花園へと向かうって事でOK?」

「あーうんそれでOKOK」

 

何度も確認してくる翔平に面倒になったのか適当に返事をする若葉。そのやりとりは学校が見える場所まで続いた。

何事もなく音ノ木坂に着くと門の近くにいた女性の警備員が2人に近付く。

 

「ヤッホー若葉君。今日は私服でどうしたんだい?おや、後ろの彼は初めて見るね」

「ども蒼井さん。今日はまぁ日付で察して下さい。あと一応確認なんですけど、理事長から話って通ってます?」

「通ってるよ〜。じゃあ夏休みの課題の追い込み、頑張ってね。妹さんなら多分アイ研の部室だと思うから。じゃねー」

 

手を振ってその場から離れる蒼井。翔平は終始ポカーンと呆けていた。

 

「だ、そうだから翔平部室に行くよ。翔平?」

「…ハッ。わ、わわわ若葉!今の誰!?」

「誰って音ノ木坂の警備員の一人の蒼井結花(あおいゆか)さん。ほら早く行かないと時間が勿体無いよ」

 

若葉はそれだけ言うとサッサと昇降口に向かうと、上履きに履き替えアイドル研究部の部室に向かう。翔平は翔平で若葉を見失って迷子になるのを回避する為、小走りで若葉の後を追う。

 

「ちょっと待てって!若葉ぁ!」

「あ、着いたよ。ここが部室」

「無視すなぁぁ!」

「煩いわよ!」

 

翔平が若葉にツッコむと、部室のドアを開けてにこが翔平にツッコミ返した。若葉はそんなにこと横を通り、部室の中に入る。

 

「おっはよう」

「若葉悪いわね。態々来て貰って」

「いや、それより練習してたんじゃないの?」

 

若葉が中に入ると若葉以外の部員が全員揃っていた。実はこの日は元々練習をするつもりだったのだが、穂乃果のふとした一言で夏休みの宿題が終わってない事が問題になり、同じく終わってなかった凛、にこ、夏希の手伝いをしているのだった。

 

「あははは…宿題終わってないのがここまで大事になるとは思わなかったよ」

「そうにゃそうにゃ」

「凛ちゃん。ここ間違ってるよ」

「にゃ!?」

 

穂乃果の言葉に同意した凛は愛生人に間違いを指摘され、問題集を睨み付けていた。若葉が部室を見渡すと凛には愛生人、花陽、真姫の3人が、穂乃果にはことりと海未の2人が、にこには希、夏希には絵里が付いていた。

 

「ねぇ俺が来る意味あったのかな?」

「若葉には悪いけど、夏希の手伝いを頼むわ。あと、中田君?は穂乃果の手伝いを頼んでも良いかしら」

「は、はい!喜んで!」

「いやいや!翔平も終わってないから!教える側じゃなくて教えられる側だから!」

 

絵里の頼みを元気に受ける翔平に若葉が手を振って止める。若葉の台詞に絵里が困った表情をして手伝いの采配を考え直す。

 

「どうしてもバランスが悪いわね…」

「じゃあ若が俺と翔平に教えればいんじゃね?」

「えー2人ともやってる内容違うから面倒なんだけど」

 

夏希の提案に若葉が不満を漏らすも、結局それしか方法はなく、絵里が希と一緒ににこを教え、若葉が夏希と翔平2人を見る事になった。

 

「さて、始めるか。て言っても見る限りだと夏希の方はそんなに残ってなさそうで安心したよ」

「まぁな。昨日の夜からずっとやってた甲斐があったってもんだぜ」

 

夏希の言葉は本当なのか、手が少しフラついている。

 

「はいはい。ここはこの公式使うからね。で、翔平。この化学式はそうじゃなくてこうだから」

「「はーい」」

 

こうして5人は8人に教えられながら課題を進めていった。

それから数時間経つと、希が唐突に呟いた。

 

「そろそろお昼やね」

 

希の呟きに全員が時計を見ると、時間は既に12時を回っていた。

 

「あ、それならお母さんが家庭科室を使って良いって言ってたよ

「じゃあ俺が昼ご飯作ってくるよ。何が出来るかは材料次第だけど」

「じゃあ休憩がてらお昼ご飯の買い出しに行きましょ」

「それなら外で食っても同じじゃね?」

 

夏希の言葉にことり、若葉、絵里が唸る。

 

「そう言えば今日家庭科部が何か作るって言ってましたよ。材料ならそこに行けば余りが貰えるかも」

『それだ!』

 

愛生人の言葉に全員が声を揃えて叫ぶ。そして話し合いの結果、家庭科部を訪れるのは生徒会長の絵里と、家庭科部に知り合いのいる愛生人、そして料理する若葉の3人に

決まった。

 

「それじゃあ行ってくるわね」

「凛ちゃんの事よろしくね」

「夏希は分からない所があったら翔平に教えて貰ってね。理数系なら俺よりも成績良いから」

 

3人はそう言い残し、家庭科部の元へ向かう。家庭科部が活動しているのは家庭科室なので、材料を借りるついでに場所も借りて、料理をするのだ。

 

☆☆☆

 

「皆お待たせ〜!炒飯持って来たよ〜」

「なんであの材料から炒飯が出来るんですか。家庭科部の人達も驚いてましたよ」

「ハラショー」

 

戻って来た3人の手には5つのお盆と、人数分の炒飯の盛られた皿が載っていた。

 

「おかえり〜」

「相変わらず若葉君はお父さんしてるんやね」

 

ことりと希が若葉と愛生人の2つ持っているお盆の片方を受け取る。

 

「はいはい。よく分からない事言ってないで希は皆に配って」

「はいはーい」

 

5人で炒飯を配り、手を合わせて挨拶をする。

 

『いただきまーす』




若「これまた作者は前書きでぶっちゃけたね」
夏「まぁ合宿の時期が分からないが、帰って来て次の話しでもう新学期ってのは味気なさ過ぎるしな」
愛「そう言えば作者からメールがありましたよ。どうも前話ではあとがきがまえがきになったので、前話の話もして欲しいとか」
若「前話って……あー」
夏「そう言えば若はマッキーと2人で祭りに来てたんだな」
若「本当は穂乃果達もいたんだけど、途中でバラけてね。真姫からは愛生人と凛が射的屋で無双してたって聞いたけど?」
愛「あー。景品が気付けば結構減ってましたね」
夏「まさか全弾命中とかさせてないよな?」
愛「え?射的ってそういうゲームじゃないんですか?」
若「射的の間違った解釈!」
夏「確かに射的はそういう感じのゲームだが、よく外さなかったな」
愛「だってゲームで鍛えてますから」
若「さて、前話の振り返りはこんなもんで良いかな?」
夏「いやいや、まだ重要な部分が残っているでしょうに」
愛「結局真姫ちゃんと良い雰囲気になったんでしょう?」
若「う〜ん。一緒に花火見たくらいかな。あとは暗いから家に送っていったとか」(おんぶしたのは黙っておこう)
夏「なんだ、つまらん」
愛「そうですね」
若「逆に2人は何かあったの?夏希はツバサさんと、愛生人は凛と一緒にいたんでしょ?」
夏「別にこれと言っては」(あの事は言わないでおこう)
愛「僕もですかね」(そうこれは嘘を言ってるのではなく、本当の事を言ってないだけ)
この時、3人の心が揃ったのだった。
『いきなりの謎ナレーション!?』
夏「ま、まぁ今のは置いといて、家庭科室で一体何があったんだ?」
愛「あーやっぱり気になりますよね。ではカットされた家庭科室での出来事を載せましょう。因みにこれを挟むのは最初の☆☆☆(切り替え)シーンの前です」
若「一応NGシーン扱いなんだけどね。ではどうぞ」


〜NGシーン・家庭科室での出来事〜

「どうもー賀田山いるー?」
「あ、片丘君に生徒会長さん。それと高坂先輩…でしたよね。どうかしました?」

愛生人が家庭科室のドアを開けると、賀田山と呼ばれたショートカットの女子が愛生人達に駆け寄りながら聞く。

「えと、もし良かったら材料を少し分けて貰えないかな〜って思って」
「ん〜ちょっと待ってて。今部長に聞いてくるから」

そう言って賀田山は部長の元へ早歩きで向かい、一言二言言葉を交わすと愛生人達の元へ戻って来る。

「部長は良いって言ってたけど……」
「あぁ材料ならそんなに残ってなくても大丈夫だよ」

賀田山が口籠った理由を察した若葉がすぐにフォローを入れ、材料を受け取りると、家庭科室の一角を借り料理を始める。

「和菓子屋の息子の腕を見せよう!」
「和菓子屋ってあまり関係無いですよね」
「……様々な飲食店でバイトした腕を見せよう!」

愛生人にツッコまれ言い直した若葉であった。


夏「成る程。調理シーンや具材説明は丸々カットなんだな」
愛「そのせいでNGになったんですよ」
若「さて、そろそろ終わりだけど何か言いたい事ある?」
夏「強いて言うなら誕生日だからって数時間で書き上げたのに、その主役である真姫が一言も台詞がない件について」
愛「だ、大丈夫ですよ。前話なんて3年生陣が台詞はおろか、名前すら出て来てませんから!」
若「愛生人のはフォローになってない!」
夏「まぁ次回も時間稼ぎ回になるけど、良かったら読んで貰えると嬉しいぜ!」
愛「ではまた次回会いましょう」
『バイバーイ』

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