アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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遅くなってすいませんでした!


これが練習メニューになりますby海未

真姫の案内で電車と新幹線を乗り継ぎ、迷う事無く西木野家の別荘に着いた一行。

 

『おぉ~』

 

別荘を見た第一声がこれだった。

 

「凄いよ真姫ちゃん!」

「さすがお金持ちだにゃ~」

 

穂乃果と凛の台詞にそう?となんでもないかの様に返す真姫。

 

「やっほ~長旅?お疲れ様~」

 

上から声が聞こえたので穂乃果たちが2階部分にあるベランダを見ると、そこには布団を干している若葉と愛生人がいた。

 

「お兄ちゃ~ん。やっほ~」

「若葉、夏希はどうしたの?」

 

兄の姿を見て手を振る穂乃果と、姿が見えない夏希の所在を聞く絵里。

 

「夏希さんならキッチンで食器を洗ってるよ」

 

絵里の質問に愛生人が答える。九人は何とも言えない表情で家の中に入り、荷物をリビングに置くと家の中の確認(探検)に出かける穂乃果と凛。その2人だけだと色々心配なのか、布団を干し終わった若葉と海未も着いて行く事に。ことり、にこ、真姫の3人はキッチンへ、絵里、希は広い場所を探しに各々自由に行動をし始める。

 

「なんでかよちゃんはそんな端にいるの?」

「広いと落ち着かなくて……」

 

愛生人は植木の影に携帯を手に隠れている花陽に聞くと、花陽は落ち着かないと返した。

 

☆☆☆

 

探検に出掛けた4人は2階にある一つの部屋に入る。

 

『おぉ~』

 

その部屋にはベッドとクローゼットしか無かった。しかしそのベッドが思いの外デカく、一般のベッドの約2倍所謂ダブルベッドなる物だった。

 

「こことーった」

 

穂乃果はそう言いながらベッドにダイブする。それからベッドの上を転がりながら広~い、ふかふか~とベッドの感想を口にする。それに釣られて凛もベッドに飛び乗る。

 

「海未先輩と若葉先輩も早く取った方が……あ」

 

凛が普段通りに先輩を付けて2人を呼ぶも、言ってる最中に先輩禁止を思い出す凛。そんな凛を見て苦笑いする若葉と海未。

 

「やり直しですね」

「うん。海未ちゃん、若葉君、穂乃果ちゃん」

 

凛が名前を呼びながら穂乃果を見ると、余りの寝心地の良さからか穂乃果は寝ていた。そんな穂乃果のマイペースっぷりに若葉と海未が突っ込んだのは言うまでもない。

 

☆☆☆

 

一方キッチンに向かったことり、にこ、真姫は食器を洗う夏希の手伝いをしていた。

食器を洗う係りに夏希とにこ、食器を拭く係りにことりと真姫といった風に担当分けしている。

 

「それにしてもここのキッチン凄い設備だな。真姫はあれとか使って料理とかすんのか?」

 

夏希は流しの横に設置されてるオーブンを見ながら真姫に聞く。

 

「いいえ、いつもここに来た時とかは料理人の人に作って貰ってるわよ」

「り、料理人!?」

 

真姫の口から出た普通なら聞かない単語ににこが反応する。

 

「そんなに驚く事?」

「驚くよ~。そんな人がいるなんて。ね?」

 

真姫の言葉に、ことりはそう言いにこに聞く。すると、にこも家に料理人がいると言いことりを驚かせた。夏希はその話を聞きながら食器を棚に仕舞っていた。

 

☆☆☆

 

それから少しして、12人は海に面した庭兼練習場所に集まっていた。

 

「これが練習メニューになります」

 

海未は窓に貼った練習メニューを指しながら言う。そこに書いてあるメニューにはランニング10km、腕立て腹筋20セット、精神統一等だった。

 

「な、中々ハードじゃないですか?」

「確かに」

「しかも誰かさん達は遊ぶ気満々だしな」

 

愛生人と若葉がメニューを見て話すと、夏希は水着に着替え終わっているにこ、穂乃果、凛を見る。2人がその3人を見ると、不満そうば表情をしていた。

 

「ってウミは!」

「私ですが?」

 

穂乃果の言葉に海未がキョトンとした顔で返す。穂乃果は違う!と声を少し大きくして返す。

 

「海だよ!海水浴だよ!」

 

穂乃果は庭の先に広がる海を指さしながら抗議する。その穂乃果の行動に納得がいったのか、手を叩くとメニューのとある場所を指す。

 

「それならここに」

 

海未が指した場所には遠泳10kmと書かれていた。それを見た穂乃果とにこは10kmという数字と、その後に書いてあるランニング10kmに顔を引き攣らせていた。そんな二人を無視して海未は話す。

 

「最近、基礎体力をつける練習が減っています。折角の合宿なんですし、ここでみっちりやっといた方が良いかと」

 

海未の言葉に絵里は苦笑いしつつも、皆の体力が持つかの心配をする。そんな絵里に海未が一言。

 

「大丈夫です。熱いハートがあれば!」

「海未はどこのテニスプレイヤーなんだよ」

 

すぐに若葉のツッコミが入る。そして若葉がツッコミを入れた隙に水着に着替えていた3人が海に向かって走り出す。凛はプールの時同様、愛生人を引っ張って行く。

 

「ちょ、4人とも!」

「まー仕方ないわね」

「えぇ。良いんですか?絵里先輩…あ」

 

絵里の言葉に海未が不安そうに言うも、先輩を付けた事に気付き声を出す。そんな海未に軽く注意し、絵里は続ける。

 

「μ'sはこれまで部活の側面も強かったから、こうして遊んで先輩と後輩の垣根を取る事も重要な事よ」

「ま、そんな訳で。俺らも行こうぜ。若葉」

 

絵里の言葉に海未がイマイチ納得の行ってない様な表情をし、夏希は隣に立っていた若葉に肩に回し、海に連れて行く。若葉も満更でもない様な顔で海に向かって歩き始める。

 

「ていうより、夏希」

「どうした?」

「暑いから…さっさと離れろ!」

 

海に近付いて来た時、若葉が突然そう言って夏希の腕を掴み海に向かって放り投げる.若葉のどこからそんな力が出るのか不思議なくらい遠くまで飛んだ夏希は、岸に帰って来るなり若葉の腕を掴んで巴投げの要領で若葉を海に投げ込む。

 

「やったな夏希!」

「お前が最初にやったんだろうが!」

 

夏希と若葉が海の上で組手の様な事をしている横では、女子陣プラス愛生人が水鉄砲などを使い水の掛け合いをしていた。それから浜辺に移り、スイカ割りや砂の城の建造、砂風呂擬きなどをした。

そんな中、海にも入らずにビーチパラソルの下でビーチチェアに座り本を読んでいる人物が1人。真姫だった。

 

「よ、真姫。隣良いかな?」

「ええ」

 

若葉が濡れた髪を掻き上げながら真姫に聞くと、真姫は本を読んだまま答える。

 

「真姫は海に入らないの?」

「そうね。特には」

 

真姫の答えに若干苦笑いになる若葉。浜辺を見ると丁度ビーチバレーの最中でにこがスマッシュを空ぶっていた。その光景に皆が笑い、若葉もクスッと笑う。

 

「パーカー」

「ん?」

「パーカー、今日も着てるのね。この間のプールの時もずっと着てたじゃない」

「あぁこれね」

 

真姫の言葉に若葉はパーカーに触りながら答える。そのパーカーは、以前μ'sのメンバーとプールで遊んだ物と同じパーカーだった。

 

「昔ちょっとヤンチャしちゃってね。その時の傷がまだ消えてないんだ。で、その傷を隠す為に着てるのさ」

「……ねぇ。その時の相手や関係した人達の事、恨んでる?」

 

(おど)ける様に答える若葉に真姫が聞く。その質問に驚いた若葉が真姫を見るも、真姫の表情は髪に隠れていてよく見えない。真姫がどうして若葉にそれを聞くのか、若葉は分からないでいた。しかし若葉はハッキリと空を見上げながら答える。

 

「別に恨んじゃいないよ」

 

若葉の答えに真姫が息を呑む。

 

「あの事件に俺が遭ったのは偶然だったし、事件に関与したのも俺が勝手にやった事。まぁ刺されるとは思わなかったけどね。でも結果俺は死んでないし、こうしてピンピンしている。だから誰も恨んじゃいないさ」

「…そう」

「ま、情けないとは思った、かな?」

「どうして?」

 

真姫の質問に若葉は握り拳を振り上げて答える。

 

「だって無傷で助けようと思ったのに、最後は意識まで失ったしね」

 

そんな若葉を見て真姫が可笑しそうに笑う。若葉も一瞬キョトンとした後一緒になって笑う。

 

「ま、女の子を助ける為に危険を顧みずに動けた事は凄いと思うわ」

「え?それってどういう…?」

「きっと助けた女の子は若葉に感謝してるわ」

 

若葉の質問には答えず、それだけ言って真姫は家の中に戻って行った。

 

「あれ…?俺が助けたの女の子って、言ったっけ?」

 

若葉の呟きに答える人はいなかった




若「なんで遅くなったのさ」
夏「何でも他の小説に付きっ切りだったりしたらしいな」
いやー思いの外捗っちゃって
愛「作者自身が来るなんて珍しいですね」
ちょっと話がね。多分皆愛生人の話し方に疑問に思ってると思うんだけど
若「そう言えば愛生人だけ敬語が取れてなかったね」
愛「だ、だって!年上にはですます調じゃないと落ち着かないんですもん!」
だ、そうです
愛「呼び方から"先輩"が取れたんだから良いじゃないですか」
夏「ま、そうだな」
若「そこまで気にする必要ないんじゃない?」
夏「と、言うわけでまた次回とか!」
愛「なんですか?その挨拶」
若「何でも作者が気に入ったらしいよ」
愛「そうなんですか?」
夏「ほら2人もやるぞ。また次回とか!」
愛若「「じ、次回…とか?」」

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