アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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やっと書きたかった合宿回!
まぁ楽しいかどうかは分かりませんけどね…


海だよ海!by穂乃果

ミーンミーンミーンと蝉が元気に鳴いている時、夏休みにも関わらず学校の屋上で練習をするμ'sを夏の熱気が襲う。

 

「あづい〜」

「だね〜」

 

練習の休憩時間に余りの暑さに室内で休憩していると、夏希と穂乃果が手摺に顔を乗せて垂れていた。

 

「てゆうか馬鹿じゃないの!こんな暑いのに練習とか!」

 

そんな2人を見てなのか、本音なのか、にこが叫ぶも絵里によって宥められる。

 

「まぁ倒れると大変だから小まめに休憩と水分補給は取らないとだよね〜」

 

団扇で穂乃果を仰ぎながら若葉が言う。夏希には若葉がもう一つの団扇を渡し、夏希は自分で仰いでいる。

 

「とにかく、馬鹿な事言ってないでレッスン始めるわよ」

「あ、は、はい……」

 

絵里は若干どもりながら返事を返す花陽を見て苦笑いする。

 

「花陽、これからは先輩も後輩も無いんだから、ね?」

「そんな事を言ったって絵里の話し方は慣れてないと怖く感じるからな〜」

 

夏希が団扇で仰ぎながら笑って言う。絵里はそんな夏希の元へ行きデコピンを一発お見舞いすると、良い音が鳴ったので皆が感心した。

 

「そうだ!合宿行こうよ!」

 

穂乃果の突然過ぎる程の提案に一同の頭の上にクエスチョンマークが浮かぶ。にこが説明を求めるも、穂乃果は聞こえないのか、自画自賛し始める。

 

「あ〜何でこんな良い事早く思い付かなかったんだろ〜」

「合宿か〜面白そうにゃ!」

「そうやね。こう連日炎天下での練習だと体もキツイし」

 

穂乃果の案に賛成の意を示したのは凛と希の2人。だが、他のメンバーも良いかも、と思い始めていた。

 

「で、場所はどこにするの?」

「お兄ちゃん、そんなの決まってんじゃん。海だよ海!夏だもの!」

 

若葉の質問に両手を広げて言う穂乃果。そんな穂乃果に夏希が費用は?と現実的な質問をすると、穂乃果はことりを隅に連れて行き小声で話す。

 

「ことりちゃん。バイト代いつ入るの?」

「えぇ〜!」

 

どうやらことりのバイト代頼りだったらしく、急に言われたことりは驚きの声を出す。

 

「こら穂乃果。ことりにせがまないの」

「むむむ。こうなったら最終手段を」

「貸さないからね。てゆうか、この人数分を賄えるだけ無いし」

「そ、そんなぁ〜!」

 

最終手段(若葉)にバッサリと断られ、その場に崩れ落ちる穂乃果。しかし次の瞬間、何を思い付いたのか真姫に詰め寄ると、彼女の両手を握る

 

「そうだ!真姫ちゃんの家だったら別荘とかあるんじゃない?」

「あるけど……」

「本当!?真姫ちゃんおねが〜い」

 

真姫の言葉に猫撫で声でお願いする穂乃果。真姫は助けを求めて海未と若葉(ストッパー)を見るも、海未は少し悲しげな表情を、若葉に至っては両手を合わせてお願いしている。真姫は少し考えると溜息を吐いて

 

「仕方ないわねー聞いてみるわ」

 

と渋々了承する。その一言に穂乃果と凛は大喜びし、その場で踊り出す。若葉は真姫に近付くとそっと耳打ちする。

 

「ごめんね。費用半分出すよ」

「別に良いわよ。元々余り使われて無い別荘だし」

 

申し訳無さそうに謝る若葉に、真姫は手を振りながら言う。それでも引かない若葉に真姫は、なら食費だけ出して、と妥協する。

 

「そうだ。これを機にやってみた方が良いかもしれないわね」

「やるって何を?」

「ふふ、秘密よ」

 

絵里の呟きに夏希が聞き返すも笑って誤魔化された。そんな絵里を見て、夏希と希は揃って首を傾げた。

 

☆☆☆

 

そんなやり取りがあった次の週。穂乃果達『μ's』の9人は駅構内で待ち合わせていた。

 

「あれ?穂乃果ちゃん荷物少なくない?」

「お兄ちゃんが持って行ってくれるって言ったから預けたんだ〜」

 

ことりが必要最低限の所持品しか持って無い穂乃果に驚く。因みに男性陣は先に真姫の別荘に向かっている様で姿は見られなかった。

 

「行くなら一緒の電車で行けばいいのに」

「あら、夏希達なら車で行ってるのよ」

『車!?』

 

にこがブスッとした表情で言うと、絵里が衝撃の一言を告げる。 絵里の一言に反応しなかったのは、夏希が留年している事を知っている海未と希だけだった。

 

「何でも食材の買い出しとかしたいみたいで、昨日の夜に別荘の地図のデータを頂戴!って来たけど」

「まぁ夏希の事は置いといて。私から一つの提案があるの」

 

真姫がそう言えば、と言い、絵里の言葉に希以外が首を傾げる。

 

「ズバリ、『先輩禁止』よ」

『えー!!』

 

再び穂乃果達の叫び声が構内に響いた。

 

「前からちょっと気になっていたの。先輩後輩は勿論大事だけど、踊っている時、そういうの気にしちゃダメだと思うの」

「そうですね。私も3年生に合わせてしまう所がありますし」

 

絵里の説明に海未も心当たりがあったのか、賛成するも、にこはそんな気遣い感じられなかった、と言うと

 

「それはにこ先輩が上級生って感じじゃないからにゃ〜」

「上級生じゃなかったら何なのよ!」

「う〜ん。後輩?」

「てゆうか子供?」

「マスコットかと思ってたけど」

 

にこの言葉に凛、穂乃果、希が次々にボケる。そのボケに更ににこが突っ込む。

そんなにこに苦笑いをし、絵里がじゃあ早速、と始める。

 

「今から始めるわよ。穂乃果」

「え!い、良いと思います。え……絵里、ちゃん?」

 

恐る恐ると行った感じに絵里の名前を呼ぶ穂乃果に、絵里は柔らかい笑みで返事をする。それを見た凛もことりの名前を呼び、ことりが笑顔で返事をし、真姫に話を振るも、真姫は上手く返せずに誤魔化す。

 

「じゃあ若葉達にも伝えるわね」

 

そう言うと絵里は若葉にLIMEを飛ばす。そして若葉に連絡すると

 

「では改めて、これより合宿に出発します。部長の矢澤さんから一言」

 

と、にこに無茶振りをする。勿論そんな事を考えていた訳も無く

 

「し……しゅっぱ~つ」

 

と気の抜ける様な号令を言うと、穂乃果にそれだけ?と突っ込まれる。

 

「考えてなかったのよ!」

 

☆☆☆

 

一方車で別荘に向かっている男性陣はと言うと。3人は9人よりも早い時間に待ち合わせして出発していた。

 

「まさか夏希先輩が免許持っていたなんて、驚きです」

「そうか?ま、皆には言って無かったからな〜」

 

車内に流れている音楽は、若葉がCDにした今までの『μ's』の曲だった。テストで録ったソロverも収録されているので、飽きる事は多分ないとの事。

 

「で、若葉は何で寝てんだ?」

「さぁ?徹夜でもしたんじゃないですかね?」

 

夏希はバックミラーで、愛生人は直接後部座席で寝ている若葉を見やる。車を走らせて既に1時間。若葉は車内に乗り込みCDを夏希に渡すなり、すぐに寝てしまったのだ。

 

「あ、起きましたよ」

 

曲が丁度穂乃果のソロverに変わった所で起きた若葉のシスコンっぷりは相当の物だろう。

 

「ふぁ〜……おは、よう?」

「おはようございます」

「良く寝てたな」

 

寝ぼけ眼で挨拶する若葉に愛生人と夏希も返す。すると若葉の携帯が鳴る。若葉が携帯を開くと、絵里からLIMEが来ていた。その内容を見た途端若葉の目が一気に覚める。

 

「へぇ〜」

「どうしたんだ?」

「いやね。向こう(女性陣)は随分と面白い事してるなぁ〜ってね」

 

若葉がさも可笑しそうに笑い、助手席に座っている愛生人に携帯を渡す。

 

「え〜と?『先輩禁止』?」

 

そこに書かれていたのは、先程絵里が説明した事を簡略化したものだった。

 

「へぇ、面白いじゃん。俺らもやろうぜ」

「ま、変えるのは愛生人くらいだから、大して問題は無いけどね」

「失礼な!僕だってやろうと思えば」

「「思えば?」」

 

愛生人の言葉を2人が復唱する。

 

「出来ると思……うよ?」

「「おぉ~」」

 

少し怪しかったもキチンと敬語が取れている愛生人に感心した様な声を出す若葉と夏希だった。その愛生人は助手席でうがー!と頭を抱えていた。

 

「今回の合宿は楽しい事になりそうだな」

 

夏希はアクセルを踏みながら楽しそうに言った。

 




若「ヤッホー。皆元気してるー?」
夏「どうしたんだよ。いきなり」
愛「後書き書くの久し振りだから仕方ないんですよ」
夏「アッキーまた敬語に戻ってるぞ?」
愛「僕は先輩とか関係なしに、基本歳上相手には敬語なんです」
若「まぁ『先輩禁止』のも多分後輩だからって先輩に遠慮しなくて良いよ。って感じだからね〜」
愛「そうなんですか?」
夏「作者の自己解釈だから違う可能性があるけどな」
若「気にしない気にしない」
愛「さて、次回のアニライブ!ですが」
夏「まだ書き上がって無いんだろ?」
若「まぁ大体の流れは出来てるらしいけど、なんかもう一つの方が捗ってるとか」
愛「僕の裏設定とかいつ公開されるのやら…」
夏「下手したら当分先だったりして」
若「そんなこんなで次回もよろしくね!」

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