もうアレっすよね!なるようになるんじゃないですかね!!(←ヤケ気味)
「で、ここに来たのね」
穂乃果がことりと海未を連れて来たのはことりのバイト先だった。そこにはなぜか若葉がいた。
「なんでお兄ちゃんがここで働いてるの?」
「この前来た時誘われてね。ヘルプで入ってるんだよ。はいことり」
若葉が穂乃果に答えると、料理を皿に盛り付けてことりに渡す。
「ほら穂乃果も着替えたんだからしっかり働きな」
「はーい!」
若葉はメイド服に着替えた穂乃果にも料理を渡すと、次の料理を作り始める。
「おかえりなさいませ。ご主人様」
「おかえりなさいませ!ご主人様!」
「おかえりなさいませ、ご主人様…」
客が来たのか、ことり、穂乃果、海未が順番にあいさつする。若葉はその光景を見ながら料理を作っていると
「にゃー遊びに来たよ」
「えへへ」
「秋葉で歌う曲なら秋葉で考えるって事ね」
凛達が店に訪れる。
「ではでは~さっそく取材を…」
「やめて下さい!何故皆が」
希がビデオカメラ構えるも、レンズの部分を抑えるとやって来た部員達に来た理由を尋ねる。
「それは私が呼んだの」
「それより早く接客して頂戴」
にこの催促に穂乃果が向かい、ことりは他の部員達の案内をする。
「流石伝説のメイド」
「ミナリンスキー…」
ことりの所作に愛生人と凛が感心した様に呟く。ことりは若葉が作ったオムライスに、にこの似顔絵をケチャップで書いていた。
一方穂乃果達はと言うと
「海未ちゃん」
「な、何ですか」
「海未ちゃんさっきから洗い物ばっかり。お客さんと会話しなよ」
穂乃果は厨房で洗い物をしている海未に詰め寄っていた。
「仕事はしています。本来、メイドの仕事とはこういったものがメインの筈です」
海未は皿を洗いながら穂乃果に言い返す。穂乃果はそんな海未に不満そうな視線を送る。
「海未。皿洗いだったら夏希と愛生人にやって貰っても良いんだよ?」
「「ファッ!?」」
若葉にいきなり名前を呼ばれた2人は驚いて、手に持っていたスプーンを落とす。
「だったらお手伝いお願いしてもいいかな?」
「んーまぁ放課後部活終わったら暇だし」
「ことり先輩のお願いなら」
ことりが頼むと夏希と愛生人が手伝う事を承諾する。それから2人はことりから簡単な説明を受け、店長に挨拶しに行った。
「それと海未ちゃん。ここにいる時は笑顔を忘れちゃダメ」
「しかしここは」
「お客さんの前じゃなくてもそういった心構えが大事なの」
ことりが海未に笑って注意した後、ことりは海未と穂乃果を連れてホールに向かう。
☆☆☆
「ことりちゃんやっぱりここにいるとちょっと違うね」
バイトの休憩時間に穂乃果がことりに言う。
「え?そう?」
「うんまるで別人みたい。いつも以上に活き活きしてるよ」
「なんかね、この服着てると出来るって言うか、この町に来ると、不思議と勇気が貰えるの。もし思い切って自分を変えようとしても、この町ならきっと受け入れてくれる気がする。そんな気持ちにさせてくれるんだ」
だから好き。とことりが答えると穂乃果は笑い、あ!と声を上げる。
「ことりちゃん今のだよ!今ことりちゃんが言葉にした事を、そのまま歌詞にすれば良いんだよ」
穂乃果の言葉にことりが笑顔で頷く。
「あー2人とも。盛り上がってる所悪いんだけど」
そんな2人に若葉が気まずそうに声をかける。
「厨房は休憩所じゃないからね?」
「「お邪魔しました~」」
2人は若葉に笑いかけると厨房を出て行く。
☆☆☆
そして次の日からの歌詞作りは今までのが嘘のように進んでいった。
それと同時進行で若葉達は町でビラを配ったり、若葉のバイト先にポスターを貼ったりと広報活動に勤しんでいた。
「ええ!この衣装で歌うの!?」
「にっこにっこにー!どう似合ってる?」
ライブを行う日時を決めた日の放課後に衣装合わせをしたのだが、衣装はことりの推薦でことりのバイト先のメイド服となったのだ。
バイト先の店長に、若葉が本当に借りて良いのかと確認すると
「ああ、良いわよ~。それでウチにもお客さんが来てくれるんだから。万々歳な訳よ」
と一つ返事で衣装を人数分サイズを合わせて貸して貰ったのだ。屋上で衣装の見せ合いをしていると男性陣が屋上の扉を開けて入って来る。
「おお~絶景だな」
「って言うより絵里先輩が違和感が無さ過ぎる」
「スタイル良いですからね。似合うんですよ」
言いたい放題に事を言う3人。そんな3人にジト目を向ける他のメンバー。主に凛から愛生人、真姫から若葉への視線が特に酷かったが、その視線に気付いたのは夏希だけで若葉は穂乃果を笑っておちょくっていた。
それから場所を部室の隣の部屋に移して話し合った結果、メンバーで3人1組に分かれ、日替わりでことりのバイト先の手伝いをする事になった。
手伝う事になったのは絵里と若葉が「衣装を借りてるんだから、何か恩返ししよう」と言ったのがきっかけである。
「どうやってその組み合わせを決めるん?」
「んーどうやって決めようか」
希の質問に、発案者の若葉が腕を組んで考えると手をポンッと鳴らすと
「夏希、例のアレを」
「ん?アレ?……あぁこれか」
夏希は最初何の事か分からなかった様だが、どこからともなく既に割れている割り箸を取り出す。
「どこから取り出したんですか?それ」
愛生人の突っ込みを無視して夏希はペンを取り出し、割り箸の先を三色に塗り分ける。愛生人はまたもや突っ込むも、先程同様無視される。
その一連の流れにどこか既視感を覚える穂乃果、海未、ことりの3人。
「さ、お好きな棒をどうぞ!」
夏希が九本の箸を手に、前に差し出す。9人が一斉に箸を引く。結果は
・穂乃果 ことり 花陽
・絵里 にこ 真姫
・希 海未 凛
となった。
「あれ?うーみんの負担がヤバい事に?」
「そう思うなら再編成をして下さいよ」
夏希の疑問に海未が言うも夏希は再編成する気は無く、結局組み合わせはこれに決まった。男子陣は若葉がライブまで毎日、夏希と愛生人は交互に行く事に決まった。
それからライブ日までメイド喫茶にはμ'sの姿があった。
☆☆☆
秋葉でライブの後、神田明神前で穂乃果、海未、ことりの3人は制服に着替えて3人で並んで夕日を眺めていた。
「上手くいって良かったね。ことりちゃんのお蔭だよ」
「ううん、私じゃないよ。皆がいてくれたから、みんなで作った曲だから」
「そんな事…ま、でもそうゆう事にしとこうかな」
ことりの言葉に胸を張る穂乃果。海未がそれを窘めるも、ことりがその方が嬉しいと言い3人は笑い合う。
「ねえこうやって並ぶと、あのファーストライブを思い出さない?」
「うん」
「あの時はまだ、私達と若葉、夏希だけでしたね」
海未も数か月前の事を思い出しながら、穂乃果とことりの言葉に賛同する。
「あのさ、私達っていつまで一緒にいられるのかな」
「どうしたの?急に」
ことりのいきなりの発言に穂乃果が聞く。
「だってあと二年で高校も終わっちゃうでしょ」
「……それはしょうがない事です」
2人の言葉に穂乃果は何か思う所があるのか、少し考えてから両隣にいる2人の肩を抱き
「大丈夫だよ。ず~っと一緒だよ。だって私、これからずっとずっとことりちゃんと海未ちゃんと一緒にいたいって思ってるもん。大好きだもん!」
「穂乃果ちゃん」
「穂乃果」
「これからずーっと一緒だよ!」
「うん!」
「はい!」
夕暮れの神社に3人の声だけが響いた。
若「さぁ始まりましたこのコーナー。今回はゲストにμ'sのスピリチュアル担当こと、東條希先輩に来て貰ってまーす!」
希「スピリチュアルやで!」
若「はい、よく分からない登場文句でしたけど」
希「若葉君ちょっと酷くない?」
若「これが通常運転です」
希「あ」
若「どうしたんですか?」
希「いやね?今試しに若葉君の運勢を見たんよ」
若「本人の知らない所で勝手に占わないで下さい」
希「結果なんやけど」
若「嫌な予感しかしないです」
希「見事!死神のカードが出ました!パチパチ〜」
若「口でパチパチ言っても仕方ないですよ。てゆうより!死神とか不吉じゃないですか!」
希「まぁまぁ落ち着いて」
若「誰のせいだと思ってるんですか」
希「んーと……夏希君?」
若「俺の知らない所で犠牲になったんですかね」
希「それはそうと」
若「話がコロコロ変わりますね」
希「これは作者からウチに直接連絡が来たんやけど」
若「なぜ俺に言わなかったのかは、この際無視するとしまして。何て連絡なんですか?」
希「若葉君の昔話の回があったやん?」
若「あぁ俺が翔平相手に聞かせた」
希「そ。その回に少し訂正と言うか、加筆したんやって」
若「へぇ。何でまた?」
希「知り合いに見せたら言われたらしいで?」
若「と、言う訳なので。良ければその加筆部分もよろしくお願いします」
希「ほな〜」