アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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今回はオリジナルストーリーです。主な時期としては1年前、つまり若葉がまだ高蓑原の生徒で、真姫が音ノ木坂に入学する前の話です。

唯でさえ本編が迷走しているのに、この暴挙。申し訳ありません。が、しかし、この話はいつかやろうと思ってたお話です。当初の予定では合宿の時だったんですけど……

ま、取り敢えずお楽しみください


もしそう言ったら?by若葉

今日は何か良い事がありそうな気がする。

それが朝、目覚めた時に真姫が真っ先に思った事だった。それ程までに清々しい朝だった。

 

「真姫〜。朝ごはん出来てるわよ~」

「今行くわママー」

 

真姫はベッドの横に揃えて置いてあるスリッパに足を通しながら、階下にいる母・詩音に言い返す。

 

「フンフンフ~ン♪」

 

真姫が思い付いたメロディーを口遊みながら一階のリビングに入る。

 

「おはよう」

「はい、おはよう」

 

真姫が挨拶すると詩音が笑いながら返す。そんないつも通りの日常が繰り広げられる。

 

「行って来まーす」

 

朝食を食べ終えて制服に着替え、玄関からリビングに向かって言う。

 

「最近物騒だから気を付けてね」

「は~い」

 

真姫は玄関の扉を開け、最寄りの駅に向かう。真姫の通っている私立中学は最寄りの駅から数駅離れた所にあり、いつも電車で通っていた。

電車での移動中特にやる事も無く、車内で揺られる広告を眺めていた。そして降車駅に着き、電車を降りた時真姫の携帯がポケットの中で鳴る。

 

「わわっと。はい真姫です」

『真姫?今日お弁当忘れたでしょ?』

「お弁当ならちゃんと鞄に…入れてないわよ」

 

電話の相手は詩音だった。詩音の言葉で鞄の中を確認すると、確かに弁当が入ってなかった。詩音は真姫の言葉に笑いながら聞く。

 

『どうする?届けに行った方が良いかしら?』

「だ、大丈夫よママ。今日は購買でお昼を済ませるから。それよりそろそろ医院の方に行かなきゃ間に合わないんじゃないの?」

 

真姫が時計をチラリと見ながら言うと電話口の向こうでドタバタと騒がしい音がした。

 

「それじゃあ気を付けてねママ」

『真姫もしっかり勉強するのよ~』

「うん」

 

電話を切った真姫は駅の改札を通り、駅から学校まで直通で行くスクールバスに乗り込む。どうやら時間ギリギリだった様で、真姫が乗車してスグに扉が閉まった。

 

「真姫ちゃ~ん」

「あ、楓」

 

真姫がどこに座ろうか迷っていると、後ろの席からクラスメイトで友達の立華楓が真姫に向かって手を振っていた。

 

「おはよっ真姫ちゃん」

「おはよう楓。それと席取っておいてくれてありがとね」

 

それから真姫は楓と学校に着くまで話して盛り上がった。真姫が弁当を忘れた事を話すと楓は大笑いしていた。

 

キーンコーンカーンコーン

 

「やっとお昼休みだ~」

「じゃあ購買に行って来るわね」

 

授業終了の鐘が鳴り、真姫は教師達に叱られないギリギリの速さで歩き購買に急ぐ。無事にお昼ご飯を調達した真姫は鼻歌交じりに教室に戻る。

 

☆☆☆

 

「ちょ、ちょっと待って真姫ちゃん」

 

そこまで話して愛生人から待ったが入る。真姫は話が中断され、少し不機嫌そうに愛生人を見る。

 

「え~と、これって真姫ちゃんと若葉先輩の出会いの話だよね?」

「そうね」

 

愛生人の問いに頷いて返す真姫。

 

「少し長いにゃ~」

「り、凛ちゃん!?」

 

真姫の前の席の子に椅子を借りて座っていた凛が不満声をあげる。

今4人の席順は真姫の正面に凛、斜め前に花陽、隣の席に愛生人といった感じだ。

 

「じゃあ少し飛ばすわね」

「わくわく」

 

花陽の反応に苦笑いしながら真姫が話を再開する。

 

☆☆☆

 

午後の授業が終わり、吹奏楽部の練習を終えた真姫は1人でスクールバスに座っていた。

楓は陸上部なので帰りは基本バラバラなのだ。

 

「今日の晩御飯なんだろう」

 

窓の外の夕焼け空を見ながらボーっとしているとバスは駅に到着する。

真姫は全員が降りるのを待ってからゆっくりと歩き、車掌に一礼してからバスを降りる。

 

「お腹空いたなー」

 

またも真姫は独り言を呟きながら改札を通り、電車の出発時間を確認するために電光掲示板を見る。

 

「ゔぇ、電車遅れているの!?そんな~」

 

電光掲示板を見る限り、何か事件があって電車の時間が少し遅れている。とゆう事が辛うじて分かった。事件に関しては漢字が読めなかった為、分からなかった。

 

「そうだ。ママに連絡しておこ」

 

真姫は詩音にメールで電車が遅れてる旨を伝え、携帯をしまう。そしてホームに降りて備え付けのベンチに座り、電車が来るのを待つ。

 

「電車早く来ないかな~」

 

足をブラブラしながら電車を待つ。空は暗くなり始めていた。

真姫が本を読もうと鞄から取り出すと、電車が来る事がアナウンスされる。

 

「んもう。せっかく読もうと思って思ったのに」

 

ブツブツ文句を言いながら本を鞄にしまい、ベンチから立ち上がり、乗車の列に並ぶ。暫くして電車が駅に着き、客が出入りする。真姫も電車に乗り込み、席に座らず立つ。電車が動き出して駅から遠ざかる。真姫は鞄から本を取り出すか迷い、車内の広告を読む事にした。行きと同じ数の駅を過ぎて真姫の降りる駅に着く。その頃には空は真っ暗になっていた。

 

「こんなに暗いの久し振りじゃないかしら」

 

改札から外を見ながら呟き、家路に着く。

 

「そこのお嬢ちゃんちょっと良いかな?」

 

駅から少し歩いた所で真姫は青年に呼び止められる。道でも聞かれるのかな?と思った真姫は立ち止まり、青年の方を向く。

 

「なんですか?」

「いや~最近越して来たばかりでちょっと道に迷っちゃって。ここに行きたいんだけど、分かるかな?」

 

真姫の予想通り青年は道に迷っていた様で紙を真姫に見せる。真姫は紙を覗き込むも電灯から少し離れている場所だった為か、文字が少し見えにくい。なので真姫は自身の携帯で紙を照らす。

 

「あぁこの住所だったら私の家ですよ」

 

紙に書いてあった住所は真姫の家の住所だった。

 

「へぇ。実は君のお父さんにお世話になってね。ぜひお礼をしたくて」

 

真姫の両親は医者をしているので最近診て貰った患者なのだろう、と当たりを付けて真姫は青年と家まで歩く。そこから少し歩いて西木野家が見えた時、事は起こった。

 

「お兄さん、あそこがそうよ」

 

真姫が自分の家を指しながら青年の方を振り向くと

 

「お兄…さん…?」

 

青年は俯いたまま動かないでいた。不思議に思った真姫が近付いて下から顔を覗き込むと、青年は不気味な笑顔を浮かべていた。

 

「ひっ!」

 

裏返った声を出して後退り、その場から逃げようとした真姫の腕を青年が掴んだ。

 

「いた…い」

 

どうにか青年の手を振り解こうと抵抗するも、真姫は中学生、相手は大人で男性だ。力では到底敵わない。更に真姫が抵抗すればするほど青年の力が強くなり、青年の手に握られた注射器が真姫の腕に刺される。

真姫はその時初めて焦燥感に駆られた。

 

「お嬢ちゃんは残念だけど、もうお家に帰れないよ。あぁこの中に入っているのは手術とかでよく使われる類の麻酔だから安心して」

 

青年のその声はどこまでも冷たく、感情が無いように思えた。

真姫は叫んで近隣の人達に助けを求めようとするも、息を吸い込んだ所で口を青年のもう片方の手が塞ぐ。

2人の周りに電灯は無く、家の明かりも入り難い暗い場所なので、遠目で見たら人がいるのかどうかが分からない。その為偶然人が通り、気付く可能性は低い。

 

「大丈夫。大人しくしてたらスグに楽になるから」

 

耳元で聞こえる青年の声も今だと恐怖でしか無かった。青年は真姫をどんどん人気の無い方へ運んでいく。真姫は恐怖で体を震わせるが、体が思うように動かない。

 

「取り敢えず身代金でも要求するかな」

 

真姫を肩に担ぎながら青年が呟くように言う。

そんな時、真姫の耳に聞こえるはずのない第三者の声が聞こえた。

 

「気のせいですかね?今身代金って単語が聞こえたんですが」

「ッ…!?」

 

青年も驚いたのか言葉に詰まり声の主に返せない。しかしスグに気を取り直して青年は笑顔で答える。

 

「き、気のせいだよ」

「そうですか。あの一つ良いですか?」

「なんだい?」

 

真姫からは青年と話している相手の姿は見えないが、声からして真姫とそう年齢の差を感じない。

 

「肩に担いでいる子、どうしたんですか?」

 

どう見ても誘拐の最中にしか見えない状況で少年(?)は青年に問う。

 

「…君には関係ないだろ?」

 

青年はもういいだろとでも言いたげに少年(?)の横を通り過ぎる。

しかし少年(?)が青年の足を引っかけた事で青年は無様に転んでしまう。その際真姫が宙に舞うも見事に少年(?)が真姫を受け止める。その時ようやく真姫は自分を助けてくれた人物を見ることができた。

服装は黒いジャージに下に緑のシャツを着ており、オレンジの髪を後ろで縛っていた。年齢はやはり真姫とあまり変わらない少年(若葉)だった。

 

「君は僕の邪魔をするのかい?僕の復讐の!」

「貴方の目的が誘拐なら俺は邪魔をしますよ?もしそう言ったら?貴方はどうしますか」

「君には用が無いからね。悪いけど死んでもらうよ」

 

青年はナイフを取り出し、順手で構える。

 

☆☆☆

 

キーンコーンカーンコーン

真姫がそこまで話したタイミングで鐘が鳴り、授業が終わる。

 

「あら、もう時間ね。じゃあこの話はもうおしまい」

「えー!良い所で話を終わらせるのはズルいにゃ-!」

 

話を終わらせた真姫に凛が文句を言うも、真姫はそれに聞く耳持たずで次の授業の準備をする。

 

「じゃ、じゃあまた今度続き聞かせてね!約束だよ」

 

凛も今聞く事が出来ないと知ると続きを聞かせる約束を取り付ける。真姫も凛の言葉に頷く。

 

「約束だよ、か…」

 

凛の台詞の一部を呟きながら窓の外を眺める真姫だった。

 




夏「大分中途半端な終わりだな」
愛「タイミング悪く授業が終わったんですよね」
とゆうのは建前で実は文字数が四千超えそうだったんだよね。
夏「お、今回は名無しもいるのか」
若葉の代わりにね。
愛「勝手に自分で[平均2.000字を目標]って設定するからですよ」
夏「全くだ。他の作者の作品を見てみろ。1話10.000文字以上とかあるぞ」
面目ない…
愛「で、前回話に上がってたヒロイン(彼女)はどうなったんですか?」
夏「あ、それは俺も気になってた」
あーヒロイン(彼女)ね…
愛「なんでそんなに言い難そうなんですか?」
今回の話を見れば分かるでしょ!?
夏「てことは若とマッキー?」
……うん
愛「確かになんかそれっぽいのがあった様な、無かった様な」
あとは夏希の相手をどのタイミングでバラすか、なんだけど
夏「今の所予定は無いのかよ」
愛「あ、夏希先輩にもちゃんと居たんですね」
もしかして愛生人は夏希の妄想だと思ってた?
愛「え、違うんですか?」
夏「アッキー、俺にもちゃんと居るからね?」
まぁ以外な人物だよね。アニメでは1話Aパートに出て
夏「わぁー!それ以上はネタバレになんだろ!?」
愛「1話のAパートって結構限られますよ?」
夏「もうその話はおしまい!」
ぶーぶー
愛「でもヒロイン(彼女)が確定したらタグに追加した方が良いんじゃないですか?」
タグ変更はこの話を投稿するタイミングでしておきます!
夏「そろそろ時間だな」
愛「それじゃあ次回予告お願いします」
はいはい。次回は若葉側のお話になります。
夏「早く本編に戻れよ」
愛「全くです」
……話の続き、知りたくないの?
愛夏「「それは知りたい!!」」
と、言う訳で次回『過去~若葉Side~』お楽しみに

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