どうにこ今月中には次に行きたい!行けるかな〜?行きたいなぁ(遠い目)……多分行ける……ハズ。きっと、うん。
ではどうぞ!
穂乃果達は希の案内でアイドル研究部の部室の前に来ていた。
「ほな、ウチは生徒会室に戻るから。またね〜」
それだけ言うと希は穂乃果達と別れる。それと入れ替わりで夏希が一向に合流する。
メンバーも揃い、改めて部室の扉をノックしようとした時、正面からどこかで見たことのある人物がやって来る。
「あー!貴方は昨日の!」
そう。正面から来たのは部室の鍵を開けに来たにこだった。
「てことは貴方がアイドル研究部の部長!?」
穂乃果が驚いて叫ぶ。と同時ににこも行動を興す。
「うにゃにゃにゃにゃにゃー!」
とまるで猫のように扉の前にいる穂乃果を威嚇し、穂乃果が怯んだ隙ににこは部室に逃げ込む。
「部長さん。開けて下さい!」
穂乃果が扉を叩きながら頼むも、にこは無視して扉の前に荷物を置き扉を塞ぐ。
「うぎぎぎ、開かない〜」
穂乃果は扉を開けようとするも向こうの荷物が邪魔で開かない。
「外から回り込むにゃー!」
「ちょ、凛ちゃん!?」
凛が走って外に行くのを、同じく走って追いかける愛生人。
にこはそれを聞いていたのかいないのか、窓を開け外に逃げる。
「待つにゃー!」
校舎の角から凛が走って来る。その後ろからヘトヘトになっている愛生人が凛を追っている。
にこはそれを見て全力で反対方向に向かって逃げるが、体力がないのか凛があり過ぎるのか、にこのスピードが落ち、凛に追いつかれる。
「捕まえた〜」
両手を脇の下から通すようにしてにこを捕まえた凛。しかしにこは上手い具合に抜け出し、また走る。
「あ〜ちょっとー」
凛は手を伸ばし捕まえようとするも届かない。
「ふっふ〜ん。捕まるもんですか」
まるで悪役みたいな台詞を吐きながら前を向くと
「みぇ〜?」
そこにあったのはアルパカの小屋だった。直後ににこと2匹のアルパカの声がアルパカ小屋の周りにこだまする。
「あれ〜?いな〜い…」
凛と愛生人がアルパカ小屋に到着するも、にこの姿を見失ってしまった。
「ハァハァ……凛ちゃん……あれ…」
「あ!見付けたにゃー!」
愛生人は息を整えながら小屋の中を指差すと額を赤くしたにこが倒れていた。
「取り敢えず皆の所へ戻ろっか」
愛生人がにこを背負って歩きながら凛に提案する。凛は一瞬だけなんとも複雑そうな表情をした後に愛生人の後を追う。
「でもどうやって中に入るの?」
「……夏希先輩ってピッキング出来るかな……」
凛の問いに愛生人は遠くを見ながら呟く。
「さすがに出来ない……と思うよ?」
疑問形で返すあたり凛も、もしかしたら出来るんじゃ?と思っているのだろう。
それから靴を履き替え、にこの上履きを拭いてから皆の元へと戻り、ピッキングの件を夏希に聞くと
「さすがの俺でも(学校の施設は)出来ない」
と()の中を小さく早く言う。何のかは言わないが小さく早くがポイント。
「どうやって中に入るの?」
「最悪p」
「最悪ピッキングで開けるのはダメですよ?」
「ヤ、ヤダナーピッキングナンテシナイッテバー」
どうやら先程の呟きが聞こえてたらしく、海未に先手を打たれ、目を逸らしながら返事をする夏希。
「じゃあ窓から入ればいいんじゃない?」
『それだ!』
「それじゃあ行ってくる。行くぞ愛生人」
「えっ!?僕もですか!?」
真姫の提案に一同は賛同の声を上げ、夏希は愛生人の抗議を無視して引き摺って行く。
「誰か助けて〜」
『ちょっと待っててー』
「そ、それ私の台詞…」
いつからか暗黙の了解となった返事(1人ツッコミ)をし流す一同。
そして扉の前で待つこと数分、扉の向こうでガサゴソと物を動かす音が聞こえたと思ったら、スグに鍵の開く音がする。
「お待たせー」
扉が開き、中から靴を持った夏希と愛生人が出てくる。
「ことり先輩はまだ戻って来てないんですね」
「みんな〜待って〜」
と愛生人がことりの確認をしていると廊下の向こうからにこを背負ったことりがやって来る。
ことりは保健委員なので、にこの手当てをしに保健室に行っていたのだ。
ことりを加えた一行はアイドル研究部の部室に入り、1番奥の席ににこを座らせ、メンバーも席に座る。
席順としてはにこを起点にし、時計回りで花陽、凛、愛生人、真姫、一つ空いて夏希、ことり、海未、穂乃果である。
「あ、A-RISEのポスター」
「こっちは福岡のスクールアイドルね」
「校内にこんな所があったなんて…」
凛と真姫と海未が部室に飾られているポスターを見て話していると
「勝手に見ないでくれる?」
いつの間に起きたのか不機嫌そうに注意するにこ。
「こ、こここ、これは。伝説のアイドル伝説DVD全巻BOX!持ってる人に初めて会いました!」
「そ、そう?」
「凄いです!」
「まぁね」
花陽の驚き様ににこが少し引いている
「へぇ〜そんなに凄いんだ」
「そうだね」
「知らないんですか!?伝説のアイドル伝説とは、各プロダクションや事務所、学校等がが限定生産を条件に歩み寄り、古今東西の素晴らしいと思われるアイドルを集めたDVD-BOXで、その希少性から伝説の伝説の伝説、略してでんでんでんと呼ばれる、アイドル好きなら誰もが知ってるDVD-BOXです!」
そんな夏希と穂乃果に対し花陽が言い返すと、穂乃果と揃って苦笑いをした。思わぬ所で花陽のアイドル好きを知った2人だった。
「花陽ちゃんのキャラが180°変わったね」
「人はこれを二重人格と言うのかね」
と花陽に聞こえないようにコソコソと話し合う。
「通販、店頭共に瞬殺だったそれを2つも持ってるなんて。尊・敬」
「家にもうワンセットあるけど」
「はうぅぅぅ!」
尊敬の眼差しで見ていた花陽がにこの台詞に悶える。
「じゃあそれ見ようよ」
「ダメよそれは保存用」
穂乃果の提案を却下したにこの台詞に、涙を流しながら崩れる花陽。
「ん?これって」
「あ、気付いた?」
愛生人は棚の上にあるサイン色紙を見付ける。それは秋葉原でカリスマメイド、ミナリンスキーのサインだった。
「皆凛好きー?」
「凛ちゃん。漢字に変換しちゃダメだよ」
凛の分かり辛いボケに突っ込む愛生人。
なおサインは通販で入手した物だから本人は知らない、とのこと
「それで?何しに来たの?」
「アイドル研究部の部室見学に」
「違います」
にこの問いに夏希が答えるも、海未に即否定される。
「アイドル研究部さん」
「………にこよ」
にこは『アイドル研究部さん』と呼ばれるのが嫌らしく、自己紹介をする。
「にこ先輩。実は私達スクールアイドルをしていまして」
「知ってる。どうせ希に、部にしたいなら話つけて来いって言われたんでしょ」
「おぉ!なら話が早い」
「ま、いずれそうなるんじゃないかと思ってたしね。それにあいつも言ってたし」
「あいつ?」
「若葉って奴よ。あんたとそっくりな顔の」
真姫の疑問に、にこは先程まで話していた穂乃果を指す。
「え!お兄ちゃんを知ってるんですか!?」
「ま、ちょっとね」
にこは昼休みの事に余り触れたくないのか、曖昧な返事をする。
「で、若葉にも言ったけどお断りよ」
「え?」
続いたにこの台詞に思わず聞き返す穂乃果。
「だからお断りって言ってるの」
「私達はµ’sとして活動できる場が必要なだけです。なので、ここを廃部にしようとかそうゆうわけではなく…」
「お断りって言ってるの。言ったでしょ、あんた達はアイドルを汚してるの」
海未の言葉に3度目になる拒否をするにこ。
「でもずっと練習して来たから歌もダンスも!」
「そうゆうことじゃない」
穂乃果の台詞を遮るように否定するにこに、皆は顔を見合わせる。
「あんた達、ちゃんとキャラ作りしてるの?」
「キャラ?」
「そうお客さんがアイドルに求めるのは夢のような楽しい時間でしょ?だったらそれに相応しいキャラってモノがあるの」
「例えばネズミーランドのネズミとか?」
にこの話に夏希が例えを出す。
「ま、そんな所よ。しょうがないわね。私が手本を見せてあげるわ」
そう言ってにこは後ろを向く。そして振り返ると
「にっこにっこにー!貴方のハートににこにこにー。笑顔を届ける矢澤にこにこー。にこにーって覚えてラブにこ!」
と今までの不機嫌そうな顔とは180°逆の、満面の笑みで自己紹介をするにこの行動に部室の空気が少し凍る。
「どう?」
そしてまた不機嫌そうな顔で感想を聞く。
夏「さて、今回は若葉がいない回だったな」
愛「珍しいんじゃないですか?若葉先輩が出て来てないって」
夏「ふむ、どれどれ……大変だ愛生人!」
愛「どうしたんですか?」
夏「今回が若葉が出なかった初めての回だ!」
愛「ナンダッテー」
夏「あれ?そんなに驚いてない?」
愛「さっき僕が言ったじゃないですかー」
夏「ま、それは置いといて。ゲストの登場です」
愛「このタイミングで!?」
穂「やっはろー」
愛「穂乃果先輩それ違うアニメ」
夏「でさ穂乃果ちゃん聞きたいんだけど、若葉の私用ってなんだか分かる?」
愛「プライベートもへったくれも無いですね」
穂「お兄ちゃんなら多分アルバイトだよ」
夏「へぇ〜何のバイトしてるの」
穂「さぁ?」
愛「何のバイトしてるのか知らないんですか?」
穂「ん〜とね、前は新聞の配達をしていて、その前は近くのファミレスでキッチンをしてるって聞いて、その前はトンタでもしてた、かな?あれ?トンタは今もしてるのかな?」
愛「色々なバイトしてるんですね」
夏「でも音ノ木ってバイト大丈夫なのか?」
『……………』
愛「次回!『μ'sの7人目として』」
夏「さっきの沈黙はなんだ!」
穂「それじゃあまたね〜」
愛「バイバーイ」