前回中途半端な所できってしまい、冒頭をどう始めようか悩んだり、
ではどうぞ
「あーあ、やっぱりダメだ」
雨が降っているのを確認しすぐに屋上に行き小窓から覗くと、雨足が強く屋上は水浸しになっていた。
「降水確率60%って言ってたのに!」
「どしゃ降りだね〜」
「今日は降るって言ってたもんね」
穂乃果が憤慨してる横で若葉とことりはどこか他人事の様に話していた。
「それにしても降り過ぎだにゃー!」
そんな2人にか天気にか、凛が文句を言う。
「凛ちゃん、先輩達に言っても意味ないよ」
そんな凛を花陽が諭す様に言う。
「あ、少し弱くなって来たよ!」
雨が弱まったタイミングで穂乃果が叫ぶ。そして屋上に続く扉を開け、飛び出す。
「やっぱり確率だよ確率!」
凛もそれに続く様に飛び出す。
「穂乃果!?凛!?」
そんな2人の行動に海未が驚いた声を出す。
「大丈夫大丈夫!ちょっと濡れてるけど練習出来るよー!」
海未はそういった意味で名前を呼んだ訳ではないのだが、穂乃果は手を振りながら室内にいるメンバーに話す。その横では凛が
「う〜。テンション上がるにゃー!」
と両手を上げて叫ぶや否や前転(バク転の反対)からの前宙をし、着地後にくるっとターンで決めポーズをする。そんな行動に穂乃果は賞賛の声を上げるが他のメンバーは半ば呆れていた。
「そろそろ中に入らないと風邪引くぞー?」
夏希が呼びかけるも2人には届いていないのか無反応である。
「大丈夫じゃないですか?よく言うじゃないですか。馬鹿は風邪引かないって」
愛生人の言葉は2人に聞こえていたようで、外から抗議の声がする。そんな事をしていると雨足が一気に強くなる。
「これじゃあ練習は無理そうね」
「そうだね」
「うん」
真姫の言葉に若葉と花陽が頷く。
「ちょっとー、それじゃあ凛達が馬鹿みたいじゃん!」
「馬鹿なんです」
凛と穂乃果がドアに駆け寄り文句を言うも、海未に即答される。
「ですが、これからずっと雨が降るとなると練習場所をどうにかしないといけませんね」
空を見ながら海未が言う。
「取り敢えずここでうだうだしてても何も始まらないし、どっかに行かない?」
と若葉が提案したので一行は学校の近くのトンタッキーに向かう。
☆☆☆
「それにしても凄い雨ですよね」
トンタッキーの2階の席を9人分確保し、座りながら愛生人が言う。
「そうだな……」
それを肯定したのは服のあちこちが濡れている夏希だった。愛生人は今朝の事を若葉から聞いていたので特に気にしていない。
「何で夏希先輩は傘無かったんですか?」
席に座った凛がきく。今2階で席を確保しているのは夏希、愛生人、凛そしてことりの4人で、他の5人は注文に行っていてここにはいない。
「だって昨日一昨日って今日と同じ60%じゃん?だから今日も降らないっしょ!て思った結果のこれ」
「でも降水確率ってその地域で雨の降る割合を示してるから、一概に降る降らないって分からないんだよ?」
「まぁその割合も過去のデータを元にしてるからその予報が当たるって訳でもないんだけどね」
夏希の言い訳染みた言葉にことりが豆知識を披露する。それに続く様に夏希の後ろからトレイを2つ持った若葉が補足する。
「降水確率ってそうゆう意味なんだ〜」
2人の説明に穂乃果は目を丸くする。
「それで練習場所はどうするのですか?」
皆が席に着いたのを確認し、海未が切り出す。
「さすがに梅雨の間中練習出来ないのは痛いわよ?」
「体育館や講堂はダメなんですか?」
「体育館も講堂も他の部活が使ってるって希先輩が言ってたよ」
真姫の言葉を聞き花陽が質問するが、いつの間にか希と連絡していた若葉の言葉に3.4人が肩を落とす。
「つーか若葉はいつの間に副会長さんと連絡先交換したんだ?」
夏希は先程の若葉の言葉に疑問を抱いたのか、若葉に聞く。
「朝練の時にね、色々あったりして情報交換の為に連絡先を交換したんだよ」
と何のことでもないようにあっさり白状する。
「そんなことより、何で雨止まないの!!」
穂乃果が2人の会話を遮るように大きな声で言い、ポテトを食べる。
「穂乃果、もう少し超えのボリューム下げてね」
「それにストレスを食事にぶつけると大変な事になりますよ」
そんな穂乃果に若葉と海未が注意するも聞く耳を持たずに、窓の向こうを睨みながらポテトを食べ続け
「あれ?」
ようとして間の抜けた声を上げる。
「ポテトがなくなってる…まさか」
そういって正面に座る海未を見る。そんな穂乃果の行動に海未は自分が疑われている事をさとり
「私じゃないですよ。自分の食べた分も忘れたのですか?」
と身を少し乗り出すようにして言い返す。まったく、と言いながら海未は自分のポテトに手を伸ばすもその手は空を切る。不思議に思った海未は自分の手元を見るとそこには空になったポテトの入れ物があった。
「穂乃果こそ、私のポテト取らないで下さい!」
「私は食べてないよ!」
と2人のポテトが消えた事により喧嘩ぎ始まりそうになる。
「はいはい。2人とも俺と夏希のポテトを上げるから大人しくして、ね?」
「俺のも!?」
「何の為に1人でポテト2個買ったのさ」
「自分で食う為だよ!!」
と溜息を吐きながら若葉はなおも文句を言っている夏希を無視して自分の分と夏希のポテトを一つ取り、穂乃果と海未に渡す。
「良いのですか?そうすると若葉の分のポテトがなくなってしまいますが」
「大丈夫大丈夫。夏希から貰うし、足りなかったらまた買いなおすから」
と渋る海未を納得させる。そんな若葉の後ろではにこあったポテトの片方を取り上げられた挙句、残ったポテトも半分ずつにする事を知った夏希が項垂れていた。
「じ、じゃあこうしましょう!」
そんな夏希を見兼ねたのか愛生人が布巾を広げそこにポテトを全部出す。
「ほら夏希先輩も」
と愛生人に促されるように夏希もポテトを広げる。
「あ!アキ君達だけズルイにゃー。こうなったら凛も出すー!」
「全く子供みたいにはしゃいで…」
「真姫ちゃんのも一緒にするにゃー!」
「え?…ちょ、凛!?」
真姫の制止の言葉を聞かずに凛は真姫のポテトも一緒にする。4人分のポテトでトレイを埋めてから若葉が本題を切り出す。
「で、明日から本当にどうする?」
「空いてる教室は使えないんですか?」
諦めたのか真姫はトレイからポテトを摘まみながら穂乃果達に聞く。
「前に聞いたら、ちゃんとした部活動じゃないとダメなんだって」
「部活申請も5人以上じゃないとダメって言われたし」
ことりと穂乃果ぎ順番に答える。
『5人?』
穂乃果の一言に1年生4人の頭にハテナが浮かび、若葉と夏希は苦笑いしていた。
「5人以上なら……」
「もういるにゃ……」
花陽と凛が言い難そうに言う。穂乃果とことりはその言葉で顔を見合わせ、海未は溜息を吐く。
「若葉先輩と夏希先輩は気付いてたみたいですね。何で言わなかったんですか?
「お、愛生人は良く見てるな」
「まぁ俺らが言わなかったのにはいろいろあるんだよね」
と若葉と夏希は上手く愛生人の質問から逃れる。
「それで、何で申請しなかったんですか?」
「あーそれはね…」
と穂乃果が頭を掻きながら笑い、一言。
「忘れてたんだよね」
「忘れてたんかーい!」
その場にいた誰よりも早く、仕切りの向こうの女性客がツッコミをしていた。
女性客は慌てたように自分の席に慌ただしく座る。穂乃果達は不思議そうにそれを見ていた。若葉と夏希は誰にも聞こえないように溜息を吐く。
「忘れてた、とはどうゆうことですか?」
「いやーメンバーが増えたら安心しちゃって」
笑って誤魔化そうとする穂乃果に真姫と若葉は溜息を吐き
「この人達ダメかも…」
「と言うより穂乃果が少し抜けてるだけなんだよね…」
と、どこか呆れたように話してまた溜息を吐く。
「よし!明日もう一度部活申請しよう。そしたら部室も貰えるよ。はぁーホッとしたらお腹減って来ちゃった〜」
そんな2人に気付かずに穂乃果は自分のハンバーガーに手を伸ばす。が穂乃果が見たのは仕切りの下のスペースから伸ばされた手が自分のハンバーガーを掴んでいる所だった。
『……………』
他のメンバーも見たようでその場に少しの沈黙が流れる。そしてハンバーガーを掴んでいる手はそっとトレイに置き、仕切りの向こうに消えていった。
「ちょっと待って!」
ガタッと席から勢い良く立ち上がり、仕切りの向こうの女性客を追い掛ける。幸い距離が近かったお陰ですぐに追いつき、腕を掴み止める。
「解散しろって言ったでしょ!」
女性客は振り向きながら、かけているサングラスを抑えて言い放つ。
「解散!?」
「そんな事より、食べた分のポテト返して!」
「そっち!?」
花陽が2人のやり取りに驚きの声を上げる。若葉や他のメンバーも立ち上がりその経過を見守っていると、穂乃果が口を開けた女性客の頬を横に引っ張り
「買って返してよ!」
「あんた達歌もダンスも全然なってない。プロ意識が足りないわ!」
と今だポテトを引っ張る穂乃果の手を払いのけ
「いい?あんた達がやってるのはアイドルへの冒涜、恥よ!とっとと辞める事ね」
「あぁ…!」
言うだけ言って女性客は店から走り去って行く。窓から外を見ていると、雨が降っているのにも関わらず傘を刺さないで走って行った。
若葉は先程の人物に心当たりがあり、そっと誰にも気付かれずに溜息を吐いた。
そう言えば「オリキャラ・呼び方」を全然更新してないや……
ま、その内一気に変えるのでそれまで放置かな?←おい!
それでは感想、誤字脱字、アドバイスお待ちしております!