アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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お待たせしました!
今回はあの先輩が出て来ます!

それでは楽しんで行って下さいにこ!


ホンット、ギリギリですね♪by若葉

次の日の昼休み。若葉は1人で気になっていた事を調べに来ていた。

 

「今回は迷わずに来れた~」

 

若葉はとある部屋の前に来ていた。部屋のプレートには『アイドル研究部』。若葉は扉をノックするも中から返事が返って来る気配はない。

 

「また出直そう」

「あら、若葉君みっけ。こんな所でどうしたん?」

「あ、希先輩。どうもこんにちは」

 

後ろから声をかけられたので振り返ると、そこには希か居た。

 

「そこの部屋に何か用でもあるん?」

 

希がアイドル研究部の部室を見ながら若葉に聞く。

 

「用って言うかその…誰が部員なのかなー、と」

「突き止めて夜這いをかけようと?」

 

「違います!何でそうなるんですか」

「違うん?」

 

少し笑いながら言う希に若葉はからかわれていた事に気付く。なので

 

「実は違わなくて…分かり次第その日にでも…」

 

と冗談に乗ってみた。

 

「そっか…なら」

「なら?」

「今すぐ110番やね」

「すみません冗談でした!」

 

希が笑顔で携帯を出したので若葉はすぐに頭を下げて謝る。

 

「ま、ウチも本気にはしてないんやけどね」

 

ならその『1』に伸びてる指はなんだ!とツッコミたい衝動に駆られる若葉だが、余計な事は言わないでおこうと思い留まる。

 

「希先輩はアイドル研究部に誰が所属してるか知ってます?」

「なんでそう思うん?」

「希先輩は生徒会副会長だから知ってるかなーと」

 

若葉の答えに少し目を細め、ふーんと言った後

 

「知っとるけど……教えて欲しい?」

「まぁ無理にとは言いませんけど」

「だってさにこっち」

 

希が若葉の後ろを見ながら言う。それに釣られて若葉が後ろを振り返ると、あの名前の知らないツインテール3年生がいた。

 

「なんで私に振るのよ」

 

不機嫌そうに希に聞くにこ。

 

「だってにこっちが部長さんやし」

「そうなんですか?にこっち先輩」

 

若葉は本名が分からない為、希と同じ呼び方で尋ねる。

 

「え〜とアンタは……」

「若葉です。よろしくお願いします」

 

若葉が簡単な自己紹介をするとにこは腕を組み

 

「なら若葉。その『にこっち』て呼び方辞めて貰える?」

「にこっち。若葉君はにこっちの名前知らないんよ?」

 

希の言葉に頷く若葉。

 

「……矢澤にこよ!別に『にこにー先輩』て呼んでもいいのよ?」

 

少し考えたあとに少し高めの声で自己紹介するにこ。しかも呼び方の要求付き。

 

「では改めて。はじめまして矢澤先輩」

 

しかしそんなにこの要求を無視して普通に名字で呼ぶ若葉。

 

「2人とも自己紹介が済んだみたいやし、次の授業に遅刻せえへんようにね〜」

 

手を振りながら歩き去る希の言葉に、2人は同時に時計を確認する。

 

「ね、ねぇ若葉?」

「はいなんでしょう。矢澤先輩」

 

少し震えた声で聞いてくるにこに、これまた少し震えた声で返す若葉。

 

「次って何時からだっけ?」

「あと5分無いですね」

 

若葉の言う通り時計は昼休み終了5分前を指していた。

 

「ギリギリじゃない♪」

「ホンット、ギリギリですね♪」

 

お互いが笑顔で言う。次の瞬間2人は真顔になり

 

「それじゃあ矢澤先輩。また!」

「断るー!」

 

とだけ言って2人はすれ違う様に走って授業に向かう。

 

5時間目にギリギリ間に合った2人は安堵の溜息を吐いたとか、吐かなかったとか。

 

☆☆☆

 

放課後。若葉は1人で2階の渡り廊下を歩いていた。職員室に用事があり、今はその帰りなのだ。

 

「あれ?あそこにいるのは花陽ちゃんと西木野さん?」

 

何気無く窓の外を見ると花陽と真姫が広場の木の側で何か話していた。

 

「若葉先輩、ちょっといいですか?」

 

窓から広場を覗いていると、後ろから突然名前を呼ばれた。若葉が振り返ると凛がいた。

 

「や、凛ちゃん。こんな所でデートのお誘いかな?」

「え〜違いますよ〜」

 

と若葉の冗談を笑顔で即答する凛。そして若葉は既視感を覚えつつ少し凹む。なら言うなよ、とは誰もが思うだろう。

 

「こんな所に1人でどうしたの?愛生人君は一緒じゃないんだね」

「アキ君とはちょっと……そんなことよりかよちん知りませんか?」

「花陽ちゃん?花陽ちゃんならあそこにいるよ」

 

と広場を指しながら凛に言う。

 

「あ、ホントだ!若葉先輩ありがとうございました!」

 

と凛は窓に駆け寄り、花陽の姿を確認するや否や若葉に礼を言ってから広場に向かった。

 

『あーあーあーあーあー』

 

凛が走り去ってすぐに発声練習でよく聞くリズムの声が聞こえた。どうやら花陽と真姫が2人で発声練習をしている様だ。と、そこに先程別れた凛が現れる。

 

「ん〜イマイチ聞き取れないなぁ〜」

 

若葉はそう呟き、近くの階段を降りて広場に近付く。物陰に隠れて3人の会話を聞く。どうやらμ'sの練習の事は忘れている様だ。

 

「なんで西木野さんが凛とかよちんの話に入って来るの!?」

 

少し語尾を強めた口調で凛が真姫に言う。

 

「別に!歌うならそっちの方が良いって言っただけ!」

 

真姫は最初は驚いた感じで言葉に詰まっていたが、凛と同じように語尾を強めて言い返す。

 

「かよちんはいっつも迷ってばっかりだから、パッと決めてあげた方が良いの!」

「そう?昨日話した感じじゃそうは見えなかったけど」

「あの、喧嘩は…」

 

無言で睨み合っている2人を花陽は宥めようとするが特に意味もなく

 

「かよちん行こ。先輩達帰っちゃうよ」

「待って!」

 

凛に引っ張られて行かれそうになった時、真姫が花陽の空いてる手を取って引き止める。

 

「どうしてもって言うなら私が連れて行くわ。音楽についてなら私の方がアドバイス出来るし、μ'sの曲は私が作ったんだから!」

「え、そうなの!?」

「いや。えぇっと…」

 

真姫は花陽と凛の反応を見てから自分の言った事に気付く。その会話を物陰から聞いていた若葉は、やっぱりかぁ~。と天を仰ぎ見ていた。

 

「とにかく行くわよ」

「待って、連れてくなら凛が!」

「私が!」

「凛が!」

 

と同じ事を言い合いながら花陽の腕を片方ずつ掴み、花陽の抵抗虚しく引き摺られて行く。

 

「誰か、誰か助けてぇぇぇ……」

 

若葉の横を通り過ぎるも3人は気付かない。少し離れた所から花陽のSOSが聞こえるが、若葉は先程の2人を止める術を知らない。なので

 

「尊い犠牲になった花陽ちゃんに、合掌…」

 

体の前で手を合わせ、花陽達の去った方へ合掌をする。

 

「……若葉先輩、何してるんですか?」

 

声のした方を見ると、少し引いた感じの愛生人がいた。誰だって廊下の真ん中で合掌している人がいたら少し引くだろう…。

 

「お、いい所に!よし、愛生人君も行こう!」

 

ちょ!どこにですか!?と言う愛生人をを無視して先程の凛と真姫同様、愛生人の腕を引っ張る。愛生人も半ば諦めた様で、なるようになれと軽く悟っていた。

 

「到着!」

 

暫く引き摺られた愛生人は、若葉の目的地に着いたらしく、腕を解放される。

 

「ここって屋上の入り口ですよね?」

「ササッ、ここから覗いてみなよ」

 

若葉が扉を少し開け扉の前から退く。屋上では今シートに穂乃果達が座ってる正面に花陽達が立っていた。

 

「なんか花陽ちゃんの持たれ方グレイみたいだよね」

「…プッ」

 

若葉の空気の読めてない――敢えて読んでない可能性大な――発言に思わず吹き出しそうになるアキト。

 

「つまりメンバーになりたいって事?」

「はい。かよちんはずっとずっと前から、アイドルやってみたいと思ってたんです」

 

凛と真姫から説明を受け、ことりが3人に聞く。それに対して凛が答える。

 

「そう言えば凛ちゃんと何かあったの?」

 

屋上では花陽のPRが行われてる中、若葉は先程の凛とのやりとりを思い出して愛生人に聞く。

 

「え、なんでですか?」

「いや、何となく」

「……詳しい事は省きますが……」

 

と少し考えた後話し出す愛生人。

 

「ふ〜ん成る程ね」

 

愛生人から話を聞き屋上の会話に耳を澄ますとどうやら穂乃果達は凛と真姫も誘ったようだ。2人が誘いを受けた事を確認すると

 

「なら愛生人君。やる事は一つだよ」

「え?」

「ちゃんと謝って来ーい!」

 

若葉はそう言って愛生人を蹴る。イキナリ蹴られた愛生人は何の抵抗もなく屋上に出る。

 

「アキ君!?」

「若葉!?」

 

屋上にいた6人はイキナリ現れた愛生人と若葉に驚く。

 

「お兄ちゃん来るの遅いよ!」

「あははは。ごめん完全に忘れてた」

 

穂乃果の文句を笑って流す若葉。

 

「それで、愛生人君はどうするの?」

 

若葉は笑顔から一転少し真面目な表情になり愛生人に聞く。

 

「……凛ちゃん。昨日の昼休みはごめん!僕…」

「大丈夫、分かってるよ。だから謝らなくてもいいにゃ」

 

愛生人の謝罪を凛が途中で遮る。大丈夫、言いたいことはわかってるから、と。

 

「その代わり!今度アキ君には買い物に着いて来て貰うにゃ!」

 

凛が笑顔でそう言い、愛生人は了承した。

 

「それでそれで?愛生人君もμ's入るの?」

「僕ですか?」

 

穂乃果の質問に驚き、少し考える。

 

「……分かりました。僕もμ'sに入ります!」

「やったにゃー!」

 

凛が花陽に抱きつきながら喜ぶ。花陽も嬉しそうに凛に抱きつく。

 

「じゃあ明日から凛ちゃん、花陽ちゃん、西木野さん、愛生人君も朝練参加ね」

 

凛達の騒ぎが落ち着いた頃合いを見計らって、若葉が朝練の連絡をする。

その日は時間も時間だった為解散となった。

 

次の日の朝。若葉と穂乃果が神田明神の階段を登っていると

 

「真姫ちゃ〜ん。真姫ちゃん。真姫ちゃん。真姫ちゃん真姫ちゃ〜ん」

 

と境内から凛の元気な声が聞こえた。若葉と穂乃果は顔を見合わせて笑い、境内に向かう。そこには真姫に抱きつく凛と

 

「あれ?花陽ちゃんコンタクトにしたんだ」

 

眼鏡からコンタクトにした花陽がいた。

 

「はい。おかしくありませんか?」

「うん大丈夫だよ。凛ちゃんと西木野さんも仲良さそうで」

 

花陽の質問に答えながら荷物を降ろす若葉。そんな若葉に真姫は近付き

 

「あ、あの。これからは下の名前で呼んでくれませんか?私だけ名字って嫌だし……」

 

と少し顔を赤くしながら若葉に言う。若葉は少し驚いたあとに

 

「分かったよ真姫ちゃん」

 

と笑顔で返した。暫くして海未とことりもやって来たので

 

「よーし、新しいメンバーが入っての始めての朝練始めるよー!」

 

穂乃果の元気な声で朝練が始まった。

 

 

 

 




若「さぁ慣れてきたこのコーナー。今日のゲストはこちら!」
星「にゃーん。にゃーん。にゃーん♪」
若「星空凛ちゃんでーす」
星「よろしくにゃん♪」
若「そういえば愛生人君と仲直り出来て良かったね」
星「うん!それに今度一緒に買い物に行くよ!」
若「ほぉほぉつまりデート、と?」
星「そ、そんな事より!凛達の知らない所で若葉先輩が知らない人と会ってたにゃ!」
若「あ、話逸らした」
星「一体どうゆう関係なんですかー?」
若「……凛ちゃんさっきから動揺してる?言葉遣いがごっちゃだけど」
星「次回のアニライブ!」
若「タイトル変えるな!」
星「次回『あれはもしや(仮)』!」
若「あ、まだ決まってなかったんだ…」
星「それじゃあ感想待ってるにゃん♪」
若「誤字訂正とアドバイスもね!」


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