アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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ちょっと急ぎ足で進みます。

今回はあとがきのやり取りはないです。(いるか分からないけど)楽しみにしてくれていた方々、申し訳ない!(>人<)
では本編をどうぞ!


花陽ちゃん意外と大胆だな〜by若葉

「やっと着いたね花陽ちゃん」

「は、はい…」

 

時間が掛かったのは若葉が迷うからだ、などと言えなく只頷くしかない花陽。

 

「それにしても大きいね」

「凄いなぁ…」

「取り敢えず押そうか」

 

若葉と花陽の視線の先にはインターホン

 

ピンポーン

 

を押したのは花陽だった。

 

「花陽ちゃん意外と大胆だな〜」

「そんな事ないですよ」

 

今度は2人があははーと笑い合う。

 

『はい、どちら様でしょうか?』

 

とインターホンから女性の声がする。笑うのを辞め2人は自己紹介をする。

 

「えーと、西木野さんと同じ学校の高坂若葉と」

「クラスメイトのこ、小泉花陽です」

『今開けるわね』

 

返ってきた女性の声は少し嬉しそうだった。

少しして玄関の扉が開いて出て来たのは真姫そっくりの女性だった。

 

「初めまして。私、真姫の母の西木野詩音です。ささ入って入って」

 

笑顔で2人を迎え入れる詩音にお辞儀をしてから入る。

 

「真姫は今病院に顔出してると思うから」

「病院…ですか…?」

「そう。あの子ウチの病院を継ぐのよ」

「病院を、ですか」

「ええそうよ。それより…」

「はい?」

 

詩音が若葉をジーッと見ながら続ける。

 

「あなた達、お付き合いしてるのかしら?」

「………え?」

「………はい?」

 

詩音の突然の質問に2人とも間の抜けた声を出す。

 

「だから、2人はその…恋人同士なんじゃ……?」

「え、あぁ。違いますよ。花陽ちゃんとは高校の先輩後輩な関係でして」

「そ、そうです!恋人なんかじゃ、ないです」

 

若葉は笑って否定し、花陽は語尾を強めて否定した。余談だが花陽の台詞で若葉が精神的ダメージを負ったのはここだけの話。

 

「じゃあ真姫と?」

「いえいえ残念ながら自分年齢イコールな人なんで」

 

少し自虐っぽく笑って言う若葉。

 

「な〜んだツマラナイな〜」

「ツマラナイって……」

「あはははは…」

「ただいま〜」

 

そんな事を話している間に玄関の扉が開く音と真姫の声が聞こえた。

 

「それにしても安心したわ。高校に入ってから友達1人遊びに来ないから。あ、この話は真姫には内緒ね?」

 

と小声でそれだけ言って部屋から出て行く。部屋の外から真姫と詩音の会話が聞こえる。どうやら詩音はお茶を淹れに行ったようだ。

 

「あら、あなたは…」

「こ、こんにちは」

「や!西木野さん」

 

真姫が扉を開け部屋に入って来たので2人は挨拶をする。

 

「ごめんね。急に来て」

「何の用ですか?」

「これ、落ちてたから…西木野さんの、だよね?」

 

若葉の謝罪を流して用件を聞く真姫に花陽は生徒手帳を渡す。真姫は手帳を確認し、自身のである事を確認する。

 

「何であなたが?」

「ごめんなさい…」

「なんで謝るのよ…」

 

謝る花陽に突っ込む真姫。そして何か思い当たったのか

 

「あ、ありがとう」

 

と礼を言った。

 

「それ、μ'sのポスターの所に落ちてたんだよ?ポスターを見てた、とか?」

 

2人が黙ってしまった為若葉が言うと

 

「私が?知らないです。人違いじゃないですか?」

 

顔を逸らせながら答える真姫。

 

「でもチラシも取って行ってたし…」

 

花陽の一言で椅子の横の鞄を見る真姫。そこにはμ'sのチラシが2つ折りにされて入っていたが、机の影になって居て若葉と花陽からは見えなかった。

 

「ち、違うの!ちg…いった、あ、ゔぇああ!」

 

立ち上がって否定しようとして右膝を机にぶつけ、そのまま椅子ごと後ろに倒れる。

 

「「大丈夫!?」」

 

若葉と花陽の声が重なる。若葉は真姫に歩み寄りながら手を貸す。

 

「全く変に慌てるから」

「あなた達が変な事を言うからじゃないですか!」

「クスクス」

「もう笑わない!」

 

花陽に注意しながら若葉の手を取り起き上がる。真姫を起こした後に椅子も起こす。そのタイミングで扉がノックされる。

 

「あらあら楽しそうね」

 

入って来たのは紅茶のカップを持って来た詩音だった。

 

「そんな事ないわよ。ママ」

「ハイハイ後は若い者同士に任せますよ」

 

終始笑って部屋から出て行く。

 

「面白いお母さんだね」

「そんな事…」

「ないの?」

「あるかもですけど…」

 

だよね〜と笑いながら答える若葉。

 

「西木野さんは…その、スクールアイドルとかやらないの?」

「私がスクールアイドル?」

 

花陽の突然の質問に疑問で返す真姫。

 

「うん、私放課後いつも音楽室の近くに行ってたの。西木野さんの歌、聞きたくて」

「私の?」

 

花陽の答えにキョトンとする真姫。若葉は黙って紅茶を啜る。

 

「うん。ずっと聞いていたいくらい好きで、だから」

「確かに西木野さんのピアノは良いよね」

 

花陽の言葉に頷きながら賛同する若葉。真姫はソーサーにカップを置き

 

「私ね。大学は医学部って決まってるの。だから私の音楽はもう終わってるって訳」

 

そう言いながらどこか寂しそうな顔で今まで取った賞を見る。

 

「それよりあなた、アイドルやりたいんでしょ?」

「え?」

 

いきなり話を振られた花陽は変な声を出す。

 

「だってこの前のライブの時、夢中で見てたじゃない」

「その割りには西木野さんも夢中そうだったけど?」

 

若葉が少し意地の悪い笑みを浮かべながら真姫に言う。

 

「私の話は良いのよ。それよりやりたいならやれば良いじゃない。そしたら少しは応援、してあげるから」

「ありがとう」

 

真姫の言葉に満面の笑みで答える花陽。それから少し雑談し、日が傾いて来た頃。

 

「それじゃあそろそろお暇しますかね?」

「そうですね」

 

若葉と花陽は鞄を持って立ち上がる。

 

「それじゃあ西木野さん。また明日、学校でね」

 

花陽が部屋を出て行く。

 

「西木野さん。西木野さんもやりたい事やっても良いと思うよ?」

「?それは一体…?」

「じゃあね!明日も放課後に屋上で練習してるから!」

 

真姫の質問には答えず、それだけ言って若葉も部屋を出る。

 

「もう帰るの?」

 

玄関で靴を履いていると詩音がやって来た。

 

「ハイ、こんな時間までお邪魔しました」

「お邪魔しました」

 

2人はキチンとお辞儀をしてから西木野家を出る。

 

「さて、時間も遅くなりそうだし、送ってくよ。家はどっち?」

 

若葉が花陽に聞くと、こっちです。と指を指す。

 

「お、実はウチもそっちなんだ〜」

 

と並んで歩き出す。

それから穂むらまでは雑談、主にアルパカについて話していた。若葉はこの一ヶ月ことりと一緒にアルパカにご執心なのだ。

 

「あ、ここなんだけど、寄ってく?家族へのお土産とかでも喜んで貰えると思うよ?」

「それじゃあお母さんにお土産を買って行こうかな」

 

と花陽もノリ気なので店の扉を開ける。

 

「ただいまー!」

「お兄ちゃんおかえり〜」

「お、穂乃果が店番してる。偉いね」

 

若葉を出迎えたのは店番をしている穂乃果だった。

 

「あ、あなたは」

「先輩」

 

どうやらこの2人は話した事があるらしく知り合いらしい。

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん。店番代わって!今海未ちゃんが来てるの!」

「せめて着替えさせてくれない?」

 

両手を合わせて頼んでくる穂乃果の頼み事を受け花陽と一緒に2階に上がる。

 

「んーと悪いんだけど、穂乃果の部屋に海未がいると思うからそこでちょっと待っててね」

「わ、分かりました」

 

花陽が廊下の奥に進んだのを見ると若葉は自分の部屋に入って着替える。そして部屋から出ると廊下の奥でタオル一枚の雪穂と、制服の海未に挟まれている花陽が見えた。

 

「見ましたか?」

「見ましたね?」

「お前らは何しとんねん!」

 

取り敢えず雪穂に軽くチョップをし、部屋に戻す。

 

「海未、何があったか知らないけど、この後穂乃果と交代するから大人しく部屋で待っててね?」

 

と海未も部屋に返す。花陽は1人アタフタしている。

 

「あぁ穂乃果の部屋はさっき海未が入って行った部屋だよ」

 

と穂乃果の部屋の場所を教えてから下におり、穂乃果と店番を変わる。

 

「海未は一体何を見られたんだろうか…」

 

と考えてるとことりがやって来た。

 

「あれ?ことりちゃん?」

「あ、若葉君。こんにちわ〜」

「こんにちわ。そう言えばことりはどこ行ってたの?」

 

穂乃果達と一緒に帰ったのなら直接穂むらに来れば良いだけなのだ。だから気になった若葉はことりに聞くと

 

「お家にパソコンを取りに行ってたんだよ」

「パソコンなら穂乃果持ってなかったっけ?」

「調子が悪いんだって~」

「それなら俺のパソコンあるのに」

「あ……」

 

どうやら忘れていたようだ。

 

「穂乃果は上に居るよ」

「ありがとう~じゃあね~」

 

とことりは階段を登り2階に行く。ことりが2階に上がって暫くすると店の扉が開く。

 

「いらっしゃいませ~」

「よっ皆久しぶり」

「皆って今俺しか居ないんだけど」

 

やって来たのは翔平だった。

 

「で、どうしたの?」

「暇潰s」

「お帰りは、後ろで、ござい、ますっ!」

「分かった謝るから蹴らないで!」

 

何気に1番酷い扱いを受けている翔平であった。

 

「全く、俺だけ扱い酷くね?」

「大丈夫、気のせいだから」

「いや気のせいじゃないでしょ」

 

そんな事より聞いてくれよー!と言う翔平をスルーしつつ商品を包む若葉。

 

「あ、今日はほむまんもお願い」

「珍しいね。いつもは買わないのに」

「なんとなくそんな気分なんだよね~」

 

と翔平の追加注文を受けほむまんも一緒に包む。

 

「あ、そうだ。今翔平暇…だよね?」

「勝手に決め付けるなよ」

「忙しいの?」

「忙しくないけど…」

「ならちょっと待ってて」

 

そう言って奥に引っ込む若葉。翔平は近場の席に座り若葉を待つ。

 

「はいお待たせー」

 

少ししておぼんを手に若葉がやって来る。翔平は携帯から顔をあげ

 

「なぁ若葉?そのおぼんに乗ってるやつ…何?」

「何って…新商品?」

「なんで疑問形なんだよ!」

 

若葉の発言にツッコむも、ここに来ると偶にこうゆう試作品の試食をお願いされる事を翔平は知っているし、許容もしている。

 

「んで、最近はどうよ。廃校は阻止出来そう?」

「ん~まだ何とも言えないかな」

 

翔平が廃校の話を知っているのは雪穂辺りが話したのだろう、と結論付け返す。

 

「それにしても穂乃果ちゃん達がスクールアイドルとはね」

 

ケラケラ笑いながら試食をする。

 

「その情報はどこから?」

「え?この動画流したのお前じゃないの?」

そう言えば動画あげたなーと思いつつ翔平の見せてくる動画を見る。

 

「あれ?」

「どうしたんだ?」

「いやこれ、俺が撮ったやつじゃないよ」

「そうなのか?」

「俺が撮ったのは……これだよ」

 

と携帯の動画を見せる。

 

「確かに違うな」

 

2つの動画を見比べると確かに細部が異なっていた。

 

「誰がやっただろう」

「心当たりないのか?」

 

若葉はあの時その場にいたメンバーを思い浮かべる。動画を撮っていた若葉と、その隣でライブを見ていた夏希。夢中で見ていた愛生人、凛、花陽、真姫。謎のツインテール3年生。

 

「う~ん特に無いかな?」

「そっか、これ美味しかったよ。じゃあな~」

「ん、感想ありがとう。じゃあね」

 

店先まで翔平を送り、店に戻る。

 

「おーいもう外暗いから早く帰りなね~」

 

階段の下から若葉が呼び掛けるも反応が無い。不思議に思い階段を登ろうとすると、4人が降りてきた。どうやら丁度帰る所の様だ。

 

「送って行こうか?」

 

と3人に聞くもそこまでしてもらわなくても大丈夫と言われたので穂乃果と一緒に店先まで送る。

 

「それではお邪魔しました」

「また明日〜」

「お、お邪魔しました」

 

3者3様の挨拶をして帰路に着く。

 

 




そういえばことり母(彩)以降親の名前を勝手に決めていました。不愉快になられた方には申し訳ないです。

因みに今後出るであろう親の名前も此方の方で適当に決めます。
まぁあれです。彩さんはストーリーに一番絡んで来るのでゴニョゴニョ……

それでは誤字訂正・感想・意見・感想(大事なことなのでry)お待ちしております。

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