アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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まだだ…まだ本編に入らんよ!
さっさと入れって話ですけどね(苦笑)

既に感想、ご指摘を貰い嬉しい名無しです。
そしてUAがなんと2.000を越しました!これからもこんな名無しを宜しくです!


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4話と5話を統合しました。
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加筆修正


まさか…いやいや、そんな事無いよね?by穂乃果

 次の日、若葉は何時もより早く目が覚めて居た。理由は簡単で

 

「んー私服で行くか、制服で行くか」

 

 そう、前日に彩から服装は自由にして良いと言われたので迷っているのだ。

 

「音ノ木坂の制服は穂乃果のを見ればいいとして、いや、変な意味じゃないよ?」

 

 と誰に対してでもない弁明をする。因みに穂乃果に聞いたところ、今日共学化する為の試験生が来る事は知っているが誰が来るかまでは知らされてない様だ。

 

「じゃあサプライズで行くかな」

 

 そう言って母の元へ向かう若葉だった。

 

 ☆☆☆

 

「ねぇねぇことりちゃん。結局誰が来るかとか教えて貰えなかったの?」

「うん。お母さんも見れば驚くわよーとしか教えてくれないの」

「ことりが驚く、と言うことはことりの知り合いなのでは?」

 

 音ノ木坂学院の2-1では理事長の娘の南ことりと、その親友の高坂穂乃果と園田海未が話していた。

 

「ん〜どうなんだろう。あ、でもお母さんが転校生はウチのクラスなんだって言ってたよ」

『本当!?』

 

 三人の会話に耳を澄ませていたクラスメイト達が一斉に声を上げる。

 

「はーい皆座ってー」

 

 クラスが騒然とし始めた時、担任の二島姫子が入って来た。皆朝のHRで転校生が紹介されると思い、皆そそくさと席に座る。

 

「えーと先ず、昨日発表のあった転校生なんだが」

 

 姫子はそこで一度言葉を切ると、ややめんどくさそうに頭を掻く。

 

「……実はまだ来てないみたいなんだよね〜」

 

 少し溜めた後に出た言葉にクラスメイト達は、がくっとかたを 落とす。

 

「いや~理事長曰く、少し話したら連れて来るって言ってたから、もしかしたらHRの途中に来るかも……」

 

 姫子がそこまで言うと、不意に教室の扉がノックされる。姫子は首を捻ると手に持っていた出席簿を教卓に置き、

 

「は〜い。今開けま〜す」

 

 先生がドアを開け対応する。ノックした人物はドアから離れているのか、教室内から見ることが出来ない。最初先生の驚きの声がして、教室内を慌てて見る。そしてとある人物が居るのを確認するとまた教室を出る。

 

「まさか…いやいや、そんな事無いよね?」

 

 先生に見られた人物、高坂穂乃果は見られた事が分かったので少しばかり焦る。

 

「どうしたの? 穂乃果ちゃん」

「いや、もし私の思った通りなら確かに驚くなぁ、ってね」

 

 穂乃果は何処か遠い目をして窓の外を見ながら応える。

 

「は〜い。今ちょうど転校生が来たから紹介するよ〜」

 

 先生が少し悪戯な笑みを浮かべて教室に入って来る。

 

「それじゃあ入って来て〜」

 

 教室中の視線が開かれたドアに集まる。そしてそこから出て来たのは

 

「皆さんこんにちはー高坂穂乃果でーす」

 

 少し声は低いのだが、オレンジの髪を右側でサイドポニーにした紛れもない高坂穂乃果だった。

 教室にいた穂乃果はやっぱりか〜、と言いながら机に突っ伏した。

 クラスメイト達は席に座って突っ伏してる穂乃果とドアから入って来た穂乃果を見比べる。

 

「ほ、穂乃果が二人ぃぃ!?」

「どどど、どうゆうこと!? あれかな?ゲシュタルト崩壊ってヤツかな!?」

「それを言うならドッペルゲンガーです」

 

 少しパニクってるクラスメイト達に冷静にツッコミを入れる海未。そして

 

「お兄ちゃん!!」

 

 立ち上がった穂乃果の叫びと共に

 

『えええぇぇぇぇ!! お兄ちゃん!?』

 

 クラスが騒然となるのは当たり前だろう。どう見ても穂乃果本人にしか見えない転校生が穂乃果の兄なのだから。

 事の発端はHRが始まる前に遡る。

 

 

 数十分前。若葉は彩に言われた通り理事長室に来て居た。

 

「えーと貴方本当に若葉君?」

「失礼ですね彩さん。俺は正真正銘穂乃果と雪穂の兄、高坂若葉ですよー」

「いえ、しかしね? 若葉、君」

「何で詰まったのかは聞きませんよ」

 

 彩は悪く無いだろう。目の前に居るのが若葉ではなく高坂穂乃果にそっくりなのだから。違う箇所と言えば瞳の色と声だけだった。制服も何故か音ノ木坂のを着ている。

 

「で、なんでその格好なのかしら?」

「多分彩さんの事だから俺のクラスは穂乃果と同じだろうな〜と思ったので、サプライズです。それと制服は母のを借りました。いや〜デザインが変わってなくて安心しましたよ」

「サプライズって…それに貴方もしかして女装趣味……?」

「そんな趣味は無いです!」

 

 彩の言葉を間髪入れずに否定する若葉。

 

「でも流石に今日一日その格好じゃマズイんじゃない?」

「大丈夫です。着替えは持って来ているので、HRが終わったら着替えますよ」

「そう……」

 

 若葉の言葉に彩は少し呆れながら溜息をつく。それから立ち上がる。

 

「じゃあ教室まで送ってくわ」

「ありがとうございます」

 

 そして二人は理事長室を出て、若葉の教室である二年一組に向かう。そしてプレートに二年一組の書かれた教室に着くと彩がノックする。ドアが開き担任の先生と思われる人が出て来る。

 

「此方が今日転校して来た高坂」

 

 彩の話の途中で若葉を見た先生は慌てた様に教室に戻りまた帰って来る。

 

「えーと初めまして高坂穂乃果の"兄"の高坂若葉です」

 

 現在若葉は音ノ木坂の制服を着て穂乃果と同じ格好をしている為、若葉は兄の部分を強調して自己紹介する。それを聞いた姫子は頷くと教室に戻り、話を進める。

 

「は〜い。今転校生が来たから紹介するよ〜」

 

 教室に入る時、姫子が悪戯な笑みを浮かべているのを見逃さなかった。

 

「それじゃあ入って来て〜」

 

 若葉は呼ばれたので既に開いているドアから教室に入り

 

「皆さんこんにちはー高坂穂乃果でーす」

 

 教室に入るとクラスの皆が若葉と穂乃果を見比べる。後は知っての通り穂乃果によるネタバレで若葉の悪戯は幕を閉じた。

 

 

 




それでは誤字脱字、感想、アドバイス等をお待ちしております。


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