「それで若葉と夏希はどうして呼び出されたのですか?」
「あーそれはね」
と若葉は理事長室での事を海未とことりに話す。夏希は机に伏している所を見るに、寝ている様だ。
「3人目の試験生、ですか」
「あ!」
「ど、どうしたの?」
いきなり大声を出した若葉に驚きつつ聞くことり。
「愛生人君に連絡先教えてない…ちょっと行って、ん?」
と、席を立ちかける若葉。
「メールだ」
「誰からですか?」
「1年生の凛ちゃんって子から」
「成る程。つまり若葉は転校3日目にして既に後輩に手を出した、と?」
「いやいやいやいや!出してないからね!?」
「で、何てメールだったの?」
若葉による弁解を無視してメールの内容を聞くことり。
「なんでも愛生人君に連絡先教えおきましたって」
「手間が省けて良かったじゃないですか」
「まぁね」
と話していると姫が入って来て朝のHRが始まった。幾つかの連絡事項を伝えた後
「最後に今日の6時間目は体育館で全校集会だからねー。時間までに整列して体育館に来る様に。あと高坂兄と佐渡、2人はHRが終わったらちょっと来て」
「「はーい」」
「よし、これでHRは終わり!1時間目に遅れないでねー」
HRが終わり2人が姫の元に向かうと、5時間目が終わったらスグに職員室に来る様に言われた。
☆☆☆
時間は流れ昼休み。若葉は屋上で寝転がっていた。
「んー……何を言おうかな……」
彼は今6時間目の集会でする挨拶を考えていた。
「なんだ、まだ迷ってるのか?」
若葉の隣で同じく寝転がっている夏希。その向こうでは弁当箱を広げて昼食を取っている愛生人。
「そもそも何を言えばいいのか分かんないんだよ」
「僕らが転校して来た理由で良いんじゃないですか?」
「あと俺ら3人の名前な」
人前に立つの苦手なのに彩さんももうちょい考えてくれても…と呟いてる若葉に夏希と愛生人が案を出す。
「それと自分達のクラスも言わないとですよ」
とそこに3人以外の声がする。
「海未良くここが分かったね」
若葉は上体を起こしながら梯子から顔を覗かせている海未に言う。
「貴方は昔から何か考える時は高い所に登る癖がありますから」
「ま、それは置いといて。彼が片丘愛生人君ね。愛生人君、彼女は園田海未。俺の幼馴染みで俺と夏希のクラスメイトだよ」
「片丘愛生人です。よろしくお願いします」
「あぁ貴方が。園田海未と申します。こちらこそよろしくお願いしますね」
若葉がお互いを紹介する。若葉は狙い通り話が逸れて安心している。
「で、海未ちゃんはどうしてここに?
「それなんですがグループの名前が決まったのでその事を伝えに」
「グループ?」
夏希の問いに答えた海未の言葉に首を傾げる愛生人。
「詳しくは新歓の日の放課後に講堂に来れば分かるよ」
とさり気なく愛生人を観客として招待する若葉。
「で、何て名前になったの?」
「実は5人で見ようって穂乃果がまだ見ないんですよ」
「成る程。だったらメールでも良かった気がするけど、あえてそこには触れないよ」
「じゃあそう言う訳だから。じゃあまたね愛生人君」
夏希と若葉は昼食を食べ終えた愛生人と別れ、海未と一緒に教室に向かう。
「にしても昨日の今日で良く入ってたね」
「何でも穂乃果が先程中を見たら入ってたみたいで」
「穂乃果って言えば絵里先輩に何か言われてたんでしょ?大丈夫だったの?」
「えぇ。もう立ち直ってますよ」
と雑談をしながら教室に入ると
「もう!お兄ちゃんに夏希君遅いよぉー」
「おかえりなさい」
穂乃果が元気良く、ことりが普段通りに言いながら近付いて来る。それから場所を移して中庭へ。
「それじゃあグループの名前を見るよ」
穂乃果の言葉に一斉に頷く4人。パラリと紙を捲りそこに書かれていた文字を見る。
「ミュー…ズ?」
「石鹸?」
「イギリスのバンド?」
「山下さんの楽曲?」
「どれも違うと思います。多分ギリシャの9人の女神の事だと思います」
上から穂乃果、ことり、若葉、夏希、海未の感想である。
「何にせよ私達は今日から『μ's』だぁ!」
と穂乃果が叫ぶと同時に5時間目開始を教える鐘が鳴り、慌てて教室に戻る5人。
因みに6時間目の集会での若葉の挨拶だが、全校生徒の前に立った途端に頭が真っ白になったらしく、記憶が無いようだ。
若「で、何で俺がここに呼ばれたの?」
やだなぁ。若葉さんが主人公だからに決まってるじゃないですかー
若「本当は?」
最初のオマケなので出来れば主人公らしい若葉さんに来て貰いました!
若「ハァ…で、ここは何するの?」
その回での感想とか、次回予告とか、あと来てれば質問とかに答える、とか?
若「感想ねぇ…」
因みにこのコーナーを定期的にやるかは未定です!
若「言い切るねぇ」
まーね。で、何かある?
若「そう言えば姫が「私の出番がぁぁ!」って叫んでたんだけど、何があったの?」
あぁそれはね。若葉が凛からメール貰ったじゃん?
若「ああ、愛生人君に連絡先教えてない!って言った時かな」
そうそう。実は原案だと凛からメールが無くてドアの所で姫と鉢合わせするんだよ
若「へ、へぇ〜」
で、軽くやりとりしてから出席簿の背表紙で若葉が叩かれる。ってのがあってね
若「その案なくなって良かったよ」
ま、その内NG集的なのでやるかもね
若「その内って事はやらない可能性も」
さあ若葉。時間だから次回予告しようか!」
若「無視しやがって」
ハイハイ、時間がきてるから早くね
若「次回はなんとまさかの1万字越え!全米を抱腹絶倒させる程の面白さ!そしてなんとあの人が登場!?次回、バッチリだよ!」
嘘の予告すな!しかも次回のタイトルしか合ってないじゃん!!
若「じゃあねー」
次回もよろしくお願いします!