アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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サンシャイン!!の方も始めたのでそちらもよろしくお願いします!(宣伝)


いや、特にはby若葉

 穂乃果と若葉がキャッチフレーズを考えながら帰っていると、突然若葉の携帯が鳴る。画面を見ると夏希の名前が表示されていた。

 

「もしもし夏希? どうしたのさ」

『あぁいや、大した事じゃないんだが今ほのっちといるか?』

「穂乃果と? いるけど、どうして?」

『ちょっと来て欲しいんだが』

 

 若葉は電話をしながら穂乃果を見ると、穂乃果は首を傾げる。若葉の言葉から自分が話題に上がっている事は分かってはいるも、何の話をしているのかは分からない。

 若葉は電話を切ると穂乃果に訳を説明し、夏希に言われた場所まで向かう。

 

「おーい若。こっちこっち」

「まったく、急に呼び出して一体何の話?」

 

 ベンチに座っている夏希の元へ二人が駆け寄ると、隣にツバサがいるのを見て足を止める。

 

「悪いな、ツーちゃんがどうしてもほのっちと話したいって言ってな」

「わ、私と?」

 

 ツバサが穂乃果と話がしたいと聞くと、突然の事に穂乃果は驚く。そして夏希は立ち上がると座っていた場所に穂乃果を座らせ、若葉の首に腕を回すとそのまま立ち去る。

 

「ゴメンなさいね。どうしてもリーダー同士話しておきたくてね」

「いえ、お兄ちゃんも分かっていると思いますから」

「練習は頑張ってる?」

「はい! 本選ではA-RISEに恥かしくないライブをしようって、皆張り切ってます」

「そう」

 

 そう言ってツバサは一度言葉を切る。穂乃果は心配そうにツバサを見て気になっていた事を聞く。

 

「あのA-RISEは……」

「心配しないで、ちゃんと練習してるわ。「ラブライブ!」って目標がなくなってどうなるかって思ったけど、やっぱり私達は歌うのが好きなのよ」

 

 ツバサの言葉に穂乃果は良かった、と少し笑う。ツバサはそのまま正面を見ながらただ、と続ける。

 

「ただどうしても聞いておきたくて。私達は最終予選で全てをぶつけて歌った。そして潔く負けた。その事に何の蟠りもない……て、思っていたんだけどね。ちょっとだけ引っかかってるの。なんで負けたんだろうって」

「そう、なんですか」

「理由が分からないのよ。確かにあの時、μ'sは私達よりも多くのファンの心を掴んでいたし、パフォーマンスも素晴らしいライブだった。結果が出る前に私達は確信したわ」

 

ツバサはそう言うと少し間を空けて続ける。

 

「でもなぜそれが出来たの? 確かに努力はしたんだろうし、練習も積んできたのは分かる。チームワークも良い。けどそれは私達も一緒。むしろ私達はあなた達よりも強くあろうとしてきた。それがA-RISEの誇り、スタイル。だから負けるはずがない。そう思っていた。けど負けた。その理由が知りたいのよ」

 

 ツバサは穂乃果を見ると、μ'sを支えるもの、原動力がなんなのか、それを穂乃果に聞く。真剣な眼差しで聞いてくるツバサに穂乃果は少し困った表情を浮かべた後、ごめんなさい、と頭を下げる。

 

「私よく分からなくて……」

 

 

 

「で、なんで俺達はここにいるの?」

「何でもなにも何話してるか気になるだろ?」

「いや、特には」

 

 若葉はそう言いながらも遠くに見える二人を眺める。夏希は若葉の行動を見て呆れた様に息を吐くと、穂乃果とツバサに背を向ける様に手摺に寄り掛かる。

 

「どうやらツーちゃんはμ'sを動かしてるもの、支えてるものを聞いてるみたいだな」

「夏希聞こえるんだ」

「俺の聴力をなめるなよ?」

 

 夏希がドヤ顔を浮かべて言うと、若葉は両手を丸めて目に当てる。

 

「俺も双眼鏡でもあれば読唇術紛いの事やって、何となくは分かるんだけどな~」

「読唇術ってお前……」

 

 今度は呆れた視線を送る夏希。それから遠目で穂乃果とツバサが握手したのを見て若葉と夏希が二人に近付く。

 

「話は終わったみたいだな」

「ええ。なっ君もわざわざセッティングありがとね。それじゃあ高坂さんに高坂君も今日はありがとうね」

 

 ツバサは手を振り夏希を連れてその場から去って行く。

 

「お兄ちゃんはさ、μ'sを突き動かしてる原動力ってなんだと思う?」

「μ'sを動かしている原動力ねぇ……やる気、とか?」

「やる気かぁ……」

 

 帰路につきながら穂乃果は先程ツバサに聞かれた事を若葉に聞く。若葉は少し考えた後に疑問形で返す。穂乃果はその答えに納得がいかなかったのか、難しい顔をしたまま「穂むら」に入って行く。

 

「あ、お姉ちゃんにお兄ちゃんおかえり~」

 

 二人が中に入ると居間から雪穂が顔を出す。穂乃果はそれに軽く返して二階の自室に向かう。

 

「あれ、雪穂は勉強中?」

「うん。受験が近いからね」

 

 若葉は居間に入ると雪穂の隣に座る。

 

「今日はこっちで勉強してるんだ」

「うん。あ、そうだお兄ちゃん。ここ教えてよ」

 

 雪穂が解けない問題を若葉に聞く。若葉は問題を見て分かり易く教える。それから少しの間雪穂の勉強を見ていた若葉は、ふと気になり雪穂に質問をする。

 

「ねぇ雪穂。雪穂から見てμ'sってどう映ってる?」

「どうしたの? 急に」

「いいから答えて答えて」

 

 若葉が半ば急かす様に聞くと、雪穂はシャーペンを顎に当て少し考える。

 

「う~ん、心配。あとは危なっかしい。頼りない、ハラハラする」

「一応地区代表なんだけどね……」

「そうなんだけどね~。でもなんか心配になっちゃうんだよね~。けどな~んか応援したくなっちゃうんだよね」

「それは身内だからって訳じゃなく?」

「うん」

 

 若葉が聞くと雪穂は即答する。雪穂の答えに若葉はふ~んと返す。その時二階から穂乃果が階段を駆け下りて来る。

 

「お兄ちゃん! 雪穂! お母さん知らない!?」

「お母さんなら台所にいるけど……」

 

 雪穂が答えると穂乃果は駆け足で台所に向かう。居間にいる二人は穂乃果の行動に顔を見合わせる。

 

 翌日。店の前の通りに穂乃果の呼び掛けで「穂むら」に集められたアイドル研究部のメンバーと、臼と杵のセット。

 

「はい若葉、これね」

「ありがとっ!」

 

 若葉は裕美香からもち米が入った容器を受け取ると、臼の中に米を引っ繰り返し、そばでは穂乃果が赤い半被を着て杵を構える。若葉は穂乃果の準備が整ったのを確認すると、青い半被を着て臼の横に水の入った桶を置き、腕捲りをしてしゃがみ込む。

 

「それじゃあお兄ちゃん行くよ!」

「あいよ。俺は穂乃果に合わせるから、好きな様に突いてね」

「うん!」

 

 穂乃果は頷くと持っていた杵を振り下ろし、持ち上げる。若葉はその間にもち米をクルリと返す。双子なだけあってその息はピッタリ合っていた。

 

「あぶなーい!」

 

 それから暫く、二人が餅を突いていると、突然若葉は横から突き飛ばされる。若葉はうまく受け身を取ると、自分を突き飛ばしたまま抱き着いている人物を見る。

 

「って亜里沙ちゃん!?」

「ダメです! 兄妹で喧嘩はダメです!」

 

 亜里沙の言葉でどういう状況かを把握した全員は一斉に笑い出す。いきなり笑い出した皆に亜里沙は不思議そうな顔をする。若葉は立ち上がりながら、一緒に立ち上がった亜里沙に優しく微笑みかけながら説明する。

 

「亜里沙ちゃん。これは餅つきって言ってね、別に喧嘩をしていた訳じゃないんだよ」

「おもち? スライム?」

 

 若葉が突かれた小さく千切って餅を皿によそい、亜里沙に渡す。亜里沙は渡された餅を見て珍しい物を見る目を向ける。そして花陽に勧められるままに食べると、目を輝かせる。

 それから突き手を若葉に、返し手を夏希に交代して餅つきが再開される。

 

「それじゃあ夏希。早く行くよ」

「俺が素人だって事を考慮した速さで頼むな」

 

 二人の徐々にスピードが上がる餅つきを見て、真姫が発案者の穂乃果に聞く。

 

「それにしてもなんで餅つき?」

「在庫処分?」

 

 希の言葉に穂乃果は違うよー、と否定する。

 

「考えてみたら、学校の皆に何のお礼もしてないなぁって思って」

「お礼?」

「うん。最終予選突破できたのは皆のお蔭でしょ? でもそのまま冬休み入っちゃって、お正月になって」

「だからってお餅にする必要はないじゃない」

 

 にこが餅な事に疑問を持つも、穂乃果は他に何も思い付かなかった、と返し続ける。

 

「それに学校の皆に会えばキャッチフレーズが思い付くかもしれないし」

「思い付く……お餅だけに!」

 

 穂乃果の言葉でにこが思い付いた様に言うと、皆が一斉ににこから距離を取る。それはにこの隣で箸と皿を構えた花陽から、高速餅つきをしていた夏希と若葉まで揃っての行動。

 

「にこちゃん寒いにゃ」

「さすがに今のはないですね」

「何よ! ついよ、つい!」

 

 凛と愛生人が手を取り合い、先程のギャグに辛辣なコメントする。にこもつい魔が差したと叫ぶように言う。そして、再び高速餅つきに戻ろうと若葉が杵を持つと、夏希から待ったがかかる。

 

「なぁ若、今量産しても意味なくないか? まだ学校のやつ誰も来てないし」

「でもそろそろ来る頃だと思うよ? ほら」

 

 若葉が遠くの道を差すと、そこには翔平と利幸が並んで歩いて来ていた。その反対側からはヒデコ、フミ、ミカを先頭に穂乃果達の友達が歩いて来ていた。

 

「よっす若葉明けおめ」

「今年もよろしくな」

「もう盛り上がってるね~」

 

 全員が揃い突き手を利幸、返し手が若葉になり夏希と若葉以上の速さと正確さで餅を突いていく。集まった人達はそれを見て写真や動画を撮っていたり、餅を醤油やきな粉で食べたりとお餅パーティが始まった。

 

「皆来てくれてよかったですね」

「冬休みなのにずいぶん集まったわね」

「きっと皆一緒だからだよ。皆がいて、私達がいて、だからだと思う」

 

 夕方、片付けをしながら海未、絵里、穂乃果が話していた。若葉はそれを聞きながら臼と杵を家の中にしまう。

 

「それがキャッチフレーズか?」

「う~んもう少しで出て来そうなんだけどな~」

 

 夏希の言葉に穂乃果は喉元に手を置くも、言葉が上手く出て来ないのか、言葉に出来ないでいる。

 そして片付けが終わり練習をする為、既にお馴染みとなっている神田明神に来ていた。

 

「はぁ。さすがにお餅つきの後の階段ダッシュはキツイや」

「でも穂乃果は自己ベスト更新だよ」

「それに今日は階段ダッシュで終わりなんだから、身体を休める為に境内でも歩いて来な」

 

 夏希に言われた穂乃果は、ほぼ同時に階段ダッシュを終わらせた真姫、ことり、花陽の三人と一緒に境内を歩く。境内を歩いていた四人は、境内の一部に掛けられた多くの絵馬を見つける。

 

「見て見て! たくさんの絵馬!」

「本当だぁ!」

 

 四人は駆け寄り、絵馬を見ていく。そこに書かれている願い事は様々で

 

『お金が溜まりますように』

『とにかく頑張る!』

『彼女が出来ますように』

 

 などといったものが掛けられていた。

 

「ここにいたのね」

「あ、海未ちゃん」

 

 四人が絵馬を見ていると、他のメンバーも絵馬の元へとやって来る。

 

「あ、見てください。これ」

 

 皆が海未の見付けた絵馬を見るとそこには

 

『μ'sがラブライブのステージで最高のパフォーマンスが出来ますように!! がんばれー! μ'sだいすきっ!』

『μ'sをみて、音ノ木坂に入りたいと思いました。μ'sがラブライブで優勝できますように。そして音ノ木坂入学してμ'sに入れますように。μ's大好き! 希先輩大好き!』

『りんちゃん輝け!! 世界一だよ!! ニャー!!』

 

 とμ'sを応援する絵馬が多数掛けられていた。穂乃果はその中に雪穂と亜里沙の絵馬を見つけ、今までの事を思い出す。

 

「そうか。分かった、そうだこれだよ! μ'sの原動力。なんで私達が頑張れるのか、頑張ってこられたのか。μ'sってこれなんだよ!」

 

 穂乃果は絵馬を手で示すと振り返る。

 

「一生懸命頑張って、それを皆が応援してくれて、一緒に成長していける。それが全てなんだよ。皆が同じ気持ちで頑張って、前に進んで、少しずつ夢を叶えていく。それがスクールアイドル。それがμ'sなんだよ!」

「皆の力」

「それがμ's」

 

 穂乃果の言葉に絵里と海未が繰り返す。そして皆の中でμ'sのキャッチフレーズは決まり、紹介ページに書き込まれた。

 

 

 

 μ'sがキャッチフレーズが提出した翌日、UTX高校の大型ディスプレイに提出済みのグループのキャッチフレーズが流れていく。

 

『No.12 μ's みんなで叶える物語』

 




【音ノ木チャンネル】
夏「キャッチフレーズ決まったな」
若「そんな事より!」
夏「そんな事じゃねぇよ!」
友「まぁまぁ夏希さん落ち着いて下さい」
愛「あれ? なんで友香ちゃんがここに?」
若「前回、前々回ってゲストが来たからね。せっかくだから来て貰ったの」
友「はい。お姉ちゃんが静岡県に行っちゃって寂しいんですよ」
愛「て事は次回も?」
友「あ、いえ。今回だけです」
若「まぁ友香もいるけど、話す事はあるから話していくよ〜」
夏「話す事あるならゆかりん呼ばなくても良かったんじゃ……」
愛「一応本編に出てきた絵馬は、作者が中の人が考えたやつじゃ? って思ったやつです」
友「ここで重要なのが「あくまで作者がそうだと思ったやつ」なんですよね。ネットとかで調べれば正確な事が分かりそうな事なのに、それをしない作者マジ作者」
若「はいはいそんな事言わないの」
愛「そう言えば若葉さんって、読唇術使えるんですか?」
若「まぁ基本的なものなら」
友「これで真空状態の場所でも安心ですね!」
夏「普通そんな所行く事ないけどな」
愛「ちなみに最後の「No.12」は音ノ木坂学院のアイドル研究部の部員数を現してたりします」
夏「アニメだと何番なんだっけ?」
若友愛『さぁ?』
夏「おい!」
若「チャットマッテテね。今見返してくるから」
愛「あ、若葉さんがおもむろにノートパソコンを取り出した」
友「そしてアニメのBDをセット!」
若「イン!」
夏「この流れ何よ?」
(どんなときもずっと〜♪)
夏「おい、もうそのシーン終わっただろ?」
若「待って。もう少しだから!」
『次回のラブライブ! 私たちが決めたこと』
夏「もう次回予告なんだが……」
愛「夏希さん、静かに!」
『〜♪』
夏「なぁ、おい」
友「夏希さん今いい所なのでお静かに」
『112……113……』
夏「もう次の話始まってんじゃねぇか!」
若友愛『あ……』
若「なんで電源落とすのさ!」
愛「見たかったのに!」
友「夏希さんのケチ!」
夏「それで? 何番なんだったんだ?」
若「あぁ11番だったよ」
愛「さ、早く続き見ましょう」
友「そうしましょう」
夏「まったく、お前らな。見るならせめてこれが終わるまで待てよ……」
若「分かった」
愛「それでは終わりましょう」
友「それじゃあ皆バイバーイ」
若「さ、続きを見よう」
夏「適当だな……それじゃあ皆さんまた次回!」

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