椿の日常   作:ウサガミ

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青いものが好きなやつに悪いやつはいない!




青い髪の少女

 

 

 

 

「なんで!?なんでなの!?

行程は完璧だった筈なのに!」

 

「確かに君の娘は金髪、

こんな青い髪なわけはないな。」

 

「ええ!そうよ!こんな失敗作!!」

 

パシッ

失敗作と呼んだものを処分しようとする女の研究者の手を男の研究者は止める。

 

「何のつもり!?」

 

「何、私個人としてはこの変質体が面白いと思ったのでね。」

 

「なんですって!?」

 

「私はなぜ変質してしまったか解き明かしたいのだよ。」

 

「そういう事ならアリシアの記憶を消してから貴方に渡すわ。どうせ私にとっては不要なものだし。」

「ありがとう。」

 

――――――――――――

 

時は流れ、海鳴に男の研究者と青い髪の少女が降り立った。

 

「君のいう『前』の記憶によれば、

この第97管理外世界、地球の海鳴というこの地に例のものはあるんだな」

 

「うん、そのはずだよ。」

 

青いペロペロキャンディーを舐めながら青い髪の少女は大した事ではないかのような口調で返答していた。

 

「管理局の介入は?」

 

「僕の知る限りならあいつらが行動を開始しなければまだないはずだよ。」

 

「その前に何か事件があったりはしないよな?」

 

「あっペロペロキャンディー無くなっちゃった。」

「人の話を聞け!」

 

「なんだよ!?僕にとってはそんな話よりペロペロキャンディーの方が大事だよ!」

 

「・・・あの、お取り込みのところ、すいません、お嬢さんにこれを。」

 

「良いのかい?」

 

「ええ、まとめ買いした内の1つですから。」

 

そう言って通りすがりの栗色の髪の少女は男に青いペロペロキャンディーを渡していた。

その様子を見て青い髪の少女はプルプル震えている。

 

「しゅ、しゅ、」

 

「しゅ?」

 

「シュテルん!!」

 

そう言って青い髪の少女は栗色の髪の少女に抱きつく

 

「こら、レヴィ初対面の子に何をやってる!」

 

「だってシュテルんなんだよ!」

 

「前に言ってた仲間のか?

にしてはこの子の反応はおかしいと思うぞ。」

 

「あはは、誰かと勘違いされてませんか?」

 

「何言ってるのさシュテルん!

僕だよ、レヴィだよ、雷刃の襲撃者だよ!」

 

「何か物騒な単語が聞こえましたが、私は聞き覚えはありませんね。」

 

「そんなぁ・・・。」

 

「ほれ見ろ違っただろ、お嬢ちゃん、アメをくれたのにすまなかったな。」

 

「いえいえ勘違いは誰にでもありますから。」

 

そう言って栗色の髪の少女は、夕日の方に帰るべきの家へと帰っていった。

「・・・レヴィ、あれは転生体か何かか?」

 

「僕には難しい事はわからないけど、姿、形はシュテルんと同じだったよ。」

 

「ふむ・・・、やはりこの世界は君にとっては2巡目以降か平行世界なのかもしれんな。」

 

「ところでさ、早くペロペロキャンディーくれない?」

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

家に帰ってから、

私は今日の出来事を思いだし、何か引っ掛かると思っていた。

 

今日はお小遣いでお菓子を買いに行ったのだが、駄菓子屋さんに付いたら、青いペロペロキャンディーが何故か凄く気になってしまい、少し多目に買ってしまいました。既知感というやつだろうか?

帰り道少し変な親子?の子供が駄々をこねていました。

内容からして青いペロペロキャンディーがもっとほしいのかもしれないと思い親御さんに声をかけ、青いペロペロキャンディーを渡した。

 

にしても何故こんなにも都合がよく需要と供給らしき関係が成り立ったのだろう?

そして私はこのやり取りはどこであった気がするのだ・・・。

いったいどこで・・・?

 

――――――――――――

 

「それでね、この子を飼いたいの!」

 

それは突然の事でした。

 

妹のなのはが夕食の席でそわそわしているのはみんな気づいていたようでした。

フェレットとは不意討ちですが、とてもかわいいですね。名前は何故かわかりませんがシショーにしたいです。「それネズミか?」

 

「違うよ、恭ちゃん。フェレットだよ、かわいい!」

 

「本当にかわいいですね姉さん。」

 

「うーん。」

 

「良いんじゃないかしら。」

 

「そうだな、なのはがしっかり世話するなら飼っても良いぞ。」

 

「ありがとうパパ!」

 

「とはいえ翠屋の方には行かないように見た方が良いかもしれませんよ?お父さん?」

 

「うん?それもそうか。」

 

「そっ、その心配はないと思うの!」

 

「?、何故ですかなのは?」

 

「ユーノ君かしこいから!」

 

「ユーノ君?」

「へぇ〜、その子の名前もう決めたんだ、ユーノかあ。」

 

「もう決めたのですか、残念です・・・。」

 

「ともかくなのはがしっかり見るって事で良いんじゃないかしら?」

 

「そうだな。」

 

「そうだね。」

 

「確かにそうですね。」

 

皆一様に頷く、兄さんは当然といった感じでただ頷くだけだったが。

 

にしても名前・・・

 

――――――――――――

 

「・・・レヴィ、一昨日と昨夜のあれはなんなんだ?」

 

「僕は知らないよ!

・・・いや待てよ、これがオリジナルとシュテルんのオリジナルが出会った事件なのか!」

「おいおい、何もない筈じゃなかったのかよ・・・。」

 

「ごめん忘れてたよ。」

 

「・・・お前をあてにするのはもう止めにするよ。

後、1週間はペロペロキャンディー抜きだからな。」

「ええー!?クロウの鬼!悪魔!」

 

「何とでも言え!

ともかく俺はあれにおそらく記録されている、かの魔法を何としても手に入れなけりゃならないんだよ!」

 

「でもクロウが言ったような魔法本当にあるのかな?」

 

「逆説的な話だが、そうでなければ、お前はなんの問題もなくアリシアになってた筈だからな。」

 

「あー、また難しい話ー!」

「ああ、すまん。

ともかく管理局が地球に来るだろうから、これからの行動は慎重にな。」

 

「わかったよクロウ。」

 

――――――――――――

 

なのはの言った通りユーノ君は本当にかしこいです。

私の家は母屋、道場、喫茶の3エリアあるのですが、何日観察してみても、

ユーノ君は喫茶には全く行く気配がないのです。

美味しそうな料理の匂いがしていてもです。

それともフェレットというものはコーヒーの匂いが嫌いなのでしょうか?

 

そういう私もブラックのコーヒーはまだ飲めず、ホワイトかカフェオレで飲んでたりしますけどね。

 

「今日はアリサちゃんの家に行くんだけど、つばきちゃんも行く?」

 

「もちろん行きますよ、ただ、ごめんなさい、

前に図書館から借りていた本の返却期限が今日なので少し遅れるからとアリサに伝えてください。」

 

「そうなんだ、伝えておくよ。」

 

「それとユーノ君は?」

 

「もちろん連れてくよ♪」

 

「ユーノ君、ワンちゃんには気を付けてくださいね。」

 

ん?ユーノ君が冷や汗をかいていたような気がする?

ユーノ君は人間の言葉をわかっているのでしょうか?

 

まあ、ともかく図書館に行くとしましょう。

 

この時はまだそこでよく会う友人が後に私の運命を大きく変える存在だとは夢にも思いませんでした。

 





衝動を押さえきれず2話目を投稿しました。

一応1期の時期であるこの作品では魔法には関わりません。

魔法に関わる人物には関わりますけど。

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