IS〜世界を変革する者たち〜(凍結中)   作:剣舞士

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今回は楯無との絡みが主です。

一斗とセシリアのバトルシーンがちょっと雑になってるかもですが…許して下さい…>_<…


第6話 潜入

あれから、刹那とロックオンは、空港を離れ、とある住宅街へと来ていた。

 

 

 

 

「ここを見て回りたいのか?」

 

「うん、もう二年も経つからどうなったか見てみたくて」

 

 

 

刹那の運転するバイクをおりて、二人は歩き出す。そう、今二人がいるのは、かつて自分達が住んでいた住宅街だ。

 

 

 

「確かに、ここら辺に家なんか建ってなかったな…あれからもう二年も経ったのか…」

 

「ねぇ、兄さん。あの公園って…」

 

「あぁ、よく俺たちで遊んだよな。おまえと一緒にブランコに乗ったり、砂の城を作ったりさ」

 

「懐かしいね」

 

 

 

 

 

幼い頃の記憶がまるで昨日のように思い出してくる。他人から虐げられてた自分達だが、それでも楽しかった思い出もある。学校では、親しい友人なんかはいなかったが、それでも楽しかった。

そして、長らく歩き回って、懐かしい風景を眺める二人だった。

 

 

 

 

「この先は…篠ノ之神社か……。あまり、寄り付かない方が良さそうだな。兎がなんらかの仕掛けをしているかもしれない…」

 

「そうだね…でも、最後にちょっと行きたいところがあるから、そこまで付き合ってくれない?」

 

「ああ、いいぞ。それで? 何処に行くんだ?」

 

「こっち…」

 

 

 

 

最後にロックオンの行きたい場所があるみたいで、刹那はロックオンの後ろをついて行く。そして、着いた所は『墓地』だった。

 

 

 

 

「なんでこんとこに…」

 

「私達って、死亡扱いになってるでしょ? だから、本当にそうなってるのかって気になって…」

 

「…………」

 

 

 

 

そして、やがて『織斑家之墓』と書いてある場所へたどり着く。そのには、間違いなく、俺、織斑 一夏と織斑 マドカの名前が記載されていた。

 

 

 

 

「やっぱり、私達って…」

 

「みたいだな…墓は荒らされてるような形跡はないな。流石に故人の墓を荒らそうなんて常識はずれの事をするやつはいなかったか」

 

 

 

 

それだけは唯一の救いだ。俺たち二人共、千冬や一斗と比べられて、卑下されてきたのだから、何かしらのイタズラをされているのではないかと、心配していたのだが…何事をなくて良かった。

 

 

 

「ロックオン、もう行こう。あまり浸ってると昔の俺たちに戻ってしまいそうだ…」

 

「うん、そうだね。ごめんね兄さん…私のわがままに付きあわせちゃって…」

 

「別に気にしてねぇよ。それじゃ、何処かで昼食とって、準備をするか?」

 

「そうだね。あっ! そういえば、IS学園付近に大型のデパートがあるから、そこで食べようよ!」

 

「そうだな。そうするか」

 

 

 

 

二人は再びバイクにまたがり、その場を後にした。

そして、二人はデパートへと着き、その中にあるレストランで食事をした後、海辺に行き、機体チェックをしていた。

 

 

 

「流石にガンダムで近づくわけにもいかんからなぁ…モノレールに乗って、近くまで行って、そこから隠密行動といくか…」

 

「それが無難だよね…兄さんは何処で試合を観戦するの?」

 

「出来れば観客席がいいが、他の生徒と鉢合わせるわけはいかない…人気のない所で見るしかなさそうだな…」

 

「だったら私は、デュナメスで遠方から待機しておこうか? いざとなったら応援にも行けるし」

 

「そうだな。それで頼む」

 

 

 

 

そう言って、俺とロックオンはその場で別れ、俺はモノレールに乗り、IS学園へと潜入し、ロックオンはデュナメスを展開して、IS学園から500メートル離れた地点で待機している。

 

 

 

 

 

 

 

〜IS学園アリーナピット内〜

 

 

 

「織斑君! 来ましたよ! 織斑君のIS!」

 

「織斑、すぐに装着しろ。アリーナの使用時間が限られているからぶっつけ本番でものにしろ」

 

 

そして、コンテナの扉が開き、そこに鋼色の物が鎮座していた。

 

 

「これが織斑君の専用機。〈白式〉です!」

 

「白式……これが俺の…」

 

 

そして、一斗は白式に乗り込み、システムを始動させる。

 

 

 

「これが白式か…」

 

「セシリアさんの機体は〈ブルー・ティアーズ〉。遠距離射撃型ISです」

 

「ブルー・ティアーズ…」

 

 

 

 

空中ディスプレーで相手、セシリア・オルコットの姿を捉える。大きなスナイパーライフルを持って一斗の登場を待っているみたいだ。

 

 

 

「…箒」

 

「なっ、なんだ?」

 

「行ってくる」

 

「あ、あぁ。勝ってこい!」

 

 

 

 

一斗は頷くとカタパルトに足を乗せて、勢いよくアリーナ内へと飛翔する。

そして、それを確認すると、刹那はジッと白式を纏う元弟の姿を見ていた。

 

 

 

「さて、お手並み拝見といこうか…賢弟」

 

 

 

 

その言葉の後に、試合が開始され、開始早々セシリアが一斗に対し先制攻撃を仕掛けるも、一斗はそれを見切り、躱わしてセシリアに接近する。対してセシリアも一斗が近接ブレードしか持っていない事をいい事に距離を取りつつ、ライフルで撃ちながら試合を有利に進めて行く。

 

 

 

 

 

(永遠、あの蒼い方の機体の情報をくれないか?)

 

(あれは、イギリスの第三世代機 ブルー・ティアーズ。見ての通り、遠距離射撃型の機体でイメージインターフェイズと言う技術でユニットに取り付けられた『ビット』と呼ばれる兵器を自在に操れるみたいよ)

 

(なるほど。だが、それもビットとライフルの同時攻撃が出来なければ意味をなさないがな)

 

 

 

 

試合では、セシリアがビットを展開し、多方面攻撃によって一斗を追い詰めて行く。だが、刹那の言った通りセシリアはビットの攻撃中に動きを止め、自分で攻撃している時には、ビットを格納している。まだうまく使いこなしていない証拠だ。

それに、一斗も気づいたのか無茶ではあったがレーザーの弾幕を掻い潜り、しまいにはビットを全て落としていった。

 

 

 

「ほう、中々にやるな…スメラギさんの予測じゃあ、まだ二回しか乗っていないと言っていたが………んッ!?」

 

 

 

 

すると、背後から誰かに見られているような気配を感じ、とっさに銃を突きつけ、威嚇する。

 

 

 

「誰だ? こそこそと」

 

 

 

刹那の威嚇に応えるように、一人の少女が現れた。水色の髪が外側へとはねており、真紅の目はこちらを警戒した眼差しで見ている。ここにいる生徒で間違いないが、その全身に纏ったオーラはかなりの強者だと、刹那を警戒させた。

 

 

 

 

「こんなところで試合見学だなんて、物好きな人もいるものね」

 

「おまえは……更識 楯無…だったか」

 

「あら、お姉さんの事を知ってくれてるなんて、お姉さん照れちゃうなぁ♪」

 

 

 

 

おちゃらける楯無だが、その姿に付け入るスキがまったくない。

 

 

 

「生徒会長さんが、俺に何のようだ?」

 

「『何のようだ?』とは、ご挨拶ね。ここはIS学園、許可なく、ここに入るって事は侵入者として捕縛されるって事を知ってて入っているのよね?」

 

「ほう、そうだったのか? いや〜知らなかったよ…次からは気を付けるよ」

 

 

 

 

一瞬の油断が勝敗を決める。言葉の駆け引きでも気は抜けない。

すると、大きい爆発音が聞こえる。

 

 

 

「「……ッ!?」」

 

 

 

爆煙に包まれる白式。勝ったのは、セシリアか…と思いきやその爆煙の中から白い機体に包まれた一斗が出てきた。

 

 

 

「あれは……」

 

(ファーストシフトしたようね)

 

「あの剣は……ッ! 雪片?! 永遠!」

 

(ちょっと待って。……やはり、雪片で間違いないわ。あれはその発展型みたいだけど…)

 

 

 

 

雪片…かつてモンド・グロッソ2連覇を達成した織斑 千冬の代名詞とも言える武器。バリアー無効化攻撃を搭載しており、たとえどんなにエネルギーを残した機体であってもこの攻撃を受ければ、バリアーを斬り裂き、本体に直接ダメージをあたえ、エネルギーを減少させる。ただ、その際、自分のシールドエネルギーを攻撃に転化する為、エネルギーの消費が激しい。つまり、諸刃の剣なのだ。

 

 

 

(暮桜はもうない…なのに、なんであの機体に雪片が? それに、それが本当だったら、あいつの機体には、〈ワンオフ・アビリティー〉が搭載されてるって事だよな…)

 

(あの機体は、とても不思議な機体よ…とてもデータ収集のためだけに作られたとは思えないわ)

 

(お前もそう思うか。だが、今はこの状況をどうにかしねぇとな。永遠、ロックオンに通信を…エクシアを展開してここを離脱するぜ!)

 

 

 

そう思ってたいた時、ちょうど試合が終わった。結果は一斗が雪片を何とか使いこなし、セシリアに逆転勝ちを収めた。

 

 

 

「さてと、試合も終わっちまったし、俺はこの辺で帰るとするか…」

 

「私が見逃がすと思う?」

 

「おいおい、俺は何もやっていないんだが? ここは見逃してくれてもいいんじゃないか?」

 

「悪いけど、あなたには、まだ聞きたい事があるからこのままおとなしくしてもらえないかしら? 亡国機業のメンバーさん?」

 

 

 

 

不敵な笑みを浮かべ、臨戦態勢をとる楯無。しかも、刹那が亡国機業の人間だとばれている…だったらもう致し方ない。

 

 

 

 

「悪いが……断る!!」

 

 

 

 

一気にアリーナの最上階から飛び降りる。

 

 

 

「じゃあな! 生徒会長殿!!」

 

「なッ!? 無茶苦茶な事するわね!! でも、逃がさないわよ!」

 

 

 

そう言うと楯無は自分の専用機…ミステリアス・レイディを展開して刹那を追う。

 

 

 

「チッ! やっぱりそう来るよなぁッ! ……こい! エクシア!」

 

 

 

刹那の体が緑色の粒子に包まれて、やがて蒼い機体の姿になる。その機体こそ、刹那の専用機…ガンダムエクシアだ。

 

 

 

「なっ?! ……ガ、ガンダム!?」

 

 

 

刹那はGNドライヴを作動させ、楯無を撒くために全速力でIS学園から離れる。

 

 

 

「ますます、逃がすわけにはいかないわね! 行くわよ!」

 

 

 

だが、楯無も負けじと追いかける。こうして始まったガンダムとISの追跡レースは熱くなる一方であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






この中で出てくる永遠のイメージは剣舞のレスティアの翼がないバージョンです。

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