IS〜世界を変革する者たち〜(凍結中)   作:剣舞士

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今回はクラス代表決定戦に合わせる形で話を進めます。


第5話 日本へ

今朝のニュース。

 

どうやら、日本で世界初の男性IS操縦者が発見されたそうだ…その名前は『織斑 一斗』俺、刹那・F・セイエイこと、織斑 一夏の弟であり、ロックオン・ストラトスこと、織斑 マドカの兄だ。だがしかし、それももう昔の話だ。今の俺たちは何も関係ない赤の他人としか思えない。だが、この賢弟の出現のお陰で、世界が混乱すると言うことは見逃せない事実でもある…全くもって、俺たちに流れている『織斑の血』は、どこまで残酷な物なのか…

 

 

 

 

 

 

 

〜プトレマイオス艦内〜

 

 

 

「世界初の男性IS操縦者現る…かぁ、なんとも言えないわね」

 

「そうですね。そして、おそらく彼は、IS学園に入るでしょう…ヴェーダでもその確率が高いと送られて来ています」

 

「確かこの人って、セイエイさんとストラトスさんのご兄弟だったんじゃ…」

 

 

 

 

プトレマイオスの指令室でスメラギ、フェルト、ミレイナが今現在読み上げられたニュースについて、話している。

 

 

 

 

「あの二人は、この事を知って、大丈夫なんでしょうか?」

 

「心の問題だからねぇ。『大丈夫』とは、完璧には言いきれないわね」

 

「しかし、俺たちが会った時には、平然としていたが、心穏やかでは無いかもな」

 

 

 

ラッセも刹那やロックオンの事を心配している。それはもちろんエレンやカレンも同じだ。

と、そんな話をしていた時、ヴェーダから新たな情報が入り込む。

 

 

 

 

「ヴェーダからの暗号通信です! これは……ッ!?」

 

「どうしたのフェルト?」

 

「例の織斑 一斗に専用機が用意されるみたいです…それも近いうちにです」

 

「……彼の存在自体がそもそもイレギュラーなだけに、おそらくはデータの収集が目的だと思うわ。でも、ISを作るのには結構時間をかかる筈なんだけど……」

 

 

 

そう、IS自体作るのに結構時間がかかる。基本武装からスペックの調整、そして、データの収集など。ましてや専用機ともなるとさらに個人データが必要になってくるのだから更にかかると言っていい。

 

 

 

 

「おそらく……」

 

「おそらくは、他の代表、もしくは代表候補の機体を放って、最優先で作られたか…」

 

 

 

そこから全く別の声が聞こえ、全員がそちらの方を向く。

 

 

 

「刹那…」

 

 

そこには、蒼い制服に袖を通した刹那が立っていた。

 

 

「スメラギさん、俺に日本への潜入の許可をくれ」

 

「日本への潜入? 潜入してどうするの…? まさか…ッ!」

 

「あぁ、IS学園に潜入して、その機体を見極めたい…それに、“あいつら” がどうするのか次第で俺たちの武力介入の対象になるのかそうで無いのかもハッキリする! だからスメラギさん、許可をくれ…」

 

「“あいつら”って誰の事ですか?」

 

 

 

ミレイナの質問にフェルトが答える。

 

「たぶん、篠ノ之 箒って子の事だと思う…篠ノ之 束の妹で彼女もIS学園に入ってるから…」

 

「あぁ、あいつもある意味で危険な感じがするんだ…それが俺の思い過ごしならいいが…もしもの時はいつでも動ける様にしておきたい!」

 

 

 

刹那の言うことは最もだったため、スメラギも止めようとはしなかった。

 

 

 

「はぁー、いいわ…! でも、一人での潜入は禁止! ロックオンと一緒に日本へ行って! これが条件よ」

 

「わかった。ありがとうスメラギさん!」

 

 

 

そう言うと、刹那は微笑み、礼を言って指令室を後にする。

 

 

 

「刹那…最近、あの笑顔が出来るようになって良かったですよ」

 

「えぇ、最初の頃は無表情が当たり前だったから……余計にね」

 

「ストラトスさんもセイエイさんが来てから嬉しそうですし!」

 

「雰囲気は良くなったんじゃねぇーか? あいつら自身も俺たちも」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

それから数時間後、刹那は、日本の羽田空港に来ていた。今は、ロックオンと合流するために空港無いの喫茶フロアでコーヒーを飲んでいる。白い長袖シャツに黒いズボン、そしてその上に藍色のベストを着ている。

 

 

 

「兄さん!」

 

「おぉ、来たか」

 

「ごめん、待った?」

 

「いや、俺も今来たところだ。気にするな」

 

 

 

そう言って、刹那はロックオンの頭に手を置き、なでなでする。ロックオンはロックオンで「えへへ♪」と言いながら顔をほころばせる。インナーの上に半袖の上着を羽織り、黒のミニスカート、ニーソにスニーカーと言う服装で今時の女の子っと言うような姿だ。

 

 

 

「よし、そんじゃ行くか」

 

「あっ!でも、スメラギさんからのメッセージで、なんでも今日の午後5時…つまり放課後にイギリスの代表候補生と決闘する…とか言ってよ」

 

「なるほど。早速、あいつの実力を見れるいい機会だ…しかし、5時までまだ時間があるな」

 

 

 

そう、刹那達が今いる羽田の時刻は午後12時過ぎ、まだまだ時間はたっぷりとあるのだ。

 

 

 

「だったらさ、兄さん…少し寄り道していかない?」

 

 

 

確かに時間はまだあるし、ロックオンも俺も久しぶりの日本だ。少し見て回るのもいいかもしれないと思った。

 

 

 

「そうだな…じゃあ少し外を歩いてみるか? なんならお前が行きたいところがあれば一緒に行くが?」

 

「ホント⁈ じゃあ、最初は色々見てまわろ! その後にちょっと寄りたいところがあるから、それでいい?」

 

「あぁ、構わんぞ。それじゃ、行くか…」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

そう言うと刹那はコーヒーを飲み干し、ロックオンと共にゲートを抜け、日本に上陸するのであった。

 

 






次回は寄り道とIS学園に潜入…かな?


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