艦これ道中記   作:鴉砲丸

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仕事に行く前に投稿

一回書くとちょっとはネタが浮かんでくるね


第五話「続々ぶらり鎮守府散歩」

演習場を後にした俺は適当にぶらぶらしていると工廠が見えてきた

 

工廠か、建造とかどんな感じなんだろうなちょっと覗いて見るか

 

ふと湧き出した好奇心に負け、工廠の扉を開ける

 

「どれど……」

 

「溶接機どこだ!?使うから用意しとけといっただろ!!」

 

「どいたどいた!!資材運搬が優先だぞ!!」

 

「馬ッ鹿ヤロウ!!鋼材はしっかり固定してからクレーンに乗せろと教えただろうが!!」

 

「おーい!もうすぐ一番の建造ドックが開くぞ!次の分の資材はまだかぁ!!」

 

「あぁん?あんかけチャーハン?(難聴)」

 

「ひゃあ!我慢できねぇ!高速建造剤だ!!」

 

「誰かあの馬鹿を止めろ!!熱でイカれてやがる!!」

 

ガチャ……

 

俺は何も見なかったし聞いてない

 

なんか危ないのもいたが気のせいだ、気のせいなんだ!

 

早くここから離れないと……

 

ガチャ

 

「ふぅー涼しいーって、提督じゃないですか。何か緊急の任務ですか?」

 

いざ離れようとしたら先ほど覗いたドアから汗だくの明石が出てきた

 

「…………」

 

明石に返事をしようとするが口が動かない

 

明石は普段はちゃんと指定の制服を着ているが、工廠にいる時はツナギを着ている

 

そして暑かったからか上半身は肌蹴ている

 

つまり何が言いたいかと言うと……

 

「んん〜?提督〜?どこを見てるんですかね〜?」

 

汗で透け気味のタンクトップシャツの胸部装甲がいやでも目につくのだ

 

「あ、いや〜その……」

 

明石はニヤニヤしながら胸を強調するように腕を組み少し前屈みになる

 

「んん〜いやらしい目付きですね〜。叢雲ちゃんにチクッちゃおうかな〜?」

 

「それだけは勘弁してください」

 

マジでそれだけはヤバい!ヤバいから!

 

「あっははは、冗談ですよ。提督も男だし仕方ないでしょ」

 

ほっ……よかった……

 

「でも!女性の胸をジロジロ見るものじゃないですよ?」

 

「はい、反省してます……」

 

クスクスと明石が笑い俺は居た堪れない気持ちになる

 

「それで提督。今日は何の用で?」

 

「実は急に休みを貰ってな、鎮守府を散歩してるところだ」

 

「なるほどついでに艦娘とも交流してこいってところですね」

 

うんうんと明石は腕組みをして頷く

 

「なら提督、丁度建造が終わった娘がいるので会って行きます?」

 

「そうだな、折角だから会って行こうか」

 

俺は明石の案内で工廠に入って行く

 

工廠内は暑く騒がしかったが事務所らしき区画に入ると静かになり涼しくなる

 

しばらくついて行くと控え室と書かれたドアを開けて入って行く

 

中に入ると茶色のブレザーに薄緑のロングヘアーの艦娘がいた

 

「お?もしかして提督さん?ちーっす、最上型重巡鈴谷だよ!よろしく!」

 

「あぁ、提督の御柱司だ。よろしく頼むぞ」

 

互いに敬礼しながら自己紹介を交わす

 

挨拶を終えると鈴谷は俺の周りを回りながらジロジロと見てくる

 

「ふーん……結構イイじゃん。どう?私を秘書艦にしない?」

 

気に入られたようだけど……今のところ叢雲から変える気はないしなぁ

 

「ふふふ、残念だけどそれは無理かもね。提督は現秘書艦の叢雲ちゃんにゾッコンだから」

 

「あ、明石!?」

 

ちょっおま!?

 

「ふーん……提督ってロリコン?」

 

「違う!俺は小さい子が好きなんじゃない!俺は叢雲がって何を言ってんだ俺!?」

 

ロリコンという不名誉な称号を付けられそうになったためムキになって反論してたら余計なことまで口走ってしまった

 

「あ、いや違……くはないがえーっと」

 

「はいはいごちそうさま。鈴谷は大人しく身を引きますよ〜っと。馬に蹴られたく無いしね」

 

暑い暑いと手で扇ぐような仕草をしながら俺から離れる鈴谷

 

「じゃあ提督、私はこれから鈴谷さんにいろいろ書類を書いてもらいますので」

 

「あぁ、わかった。ありがとな明石」

 

「いえいえ、じゃあ叢雲ちゃんと仲良くね〜」

 

「んじゃ、提督またねー」

 

俺は二人に見送られながら部屋を出る

 

色々とモヤモヤした気持ちのまま工廠を後にして再び散歩を始める

 

くぅー……まだ恥ずかしいぞ……

 

俺は足早に工廠を離れる

 

叢雲の顔ちゃんと見れるかな……

 

 

 

 

 

鎮守府を散々歩き周り、ようやく執務室のある建物まで戻ってきた

 

そして執務室の前までやってきていざドアを開けようとすると工廠での発言を思い出し顔が熱くなる

 

頭を振ってその時のことを振り払うと勢いよくドアを開ける

 

「叢雲ー帰ったぞ……お?」

 

ドアを開けて目に付いた光景は、秘書艦用の机じゃなく俺の執務机に上半身を乗せ眠る叢雲だった

 

俺は起こさないように静かに叢雲に近づき頭をそっと撫でる

 

「お疲れさん、ありがとな叢雲」

 

寝ている叢雲に感謝の言葉をかけると可愛らしい寝顔が少し笑顔になる

 

「むにゃ……きよ……」

 

「……寝言か、一体どんな夢を見てるんだ?」

 

俺はちょっと好奇心がわいたので寝言を聞こうと顔を近づける

 

そしてそういう時に限って神様は悪戯するようだ

 

目の前まで顔を近づけた瞬間叢雲の目が覚める

 

側から見ればキスをしようとしているように見える俺

 

あ、これヤバいわ……

 

覚悟を決めて目を閉じるとフワッと甘い匂いがして唇に柔らかい感触が……

 

目を開けると目の前には叢雲の顔があり俺はようやくキスしていのだと気付いた

 

「!!?」

 

俺はとっさに動くことができず驚きに固まっているとしばらくして叢雲のほうから離れていく

 

叢雲はゆっくり目を開けるとしばしぼーっと俺を見つめてくる

 

そしてしば見つめ合っていると叢雲の顔が赤くなり俺は流れるような動きで殴りかかってくる叢雲を最後に意識が途切れる

 

 

 

 

 

side〜叢雲〜

 

青葉の仕置きを終えた後、雑務を再開する

 

夕方頃に今日の分が終わったのでなんとなくあいつの机に向かう

 

さっきは青葉に聞かれちゃったけど口にして改めてわかった自身の気持ち

 

そのことを思うと顔が熱くなる

 

私は椅子に座り上半身を机に投げ出し目を閉じる

 

目を閉じると初めてあいつと会った時のことを思い出す

 

それと同時に一番最初の自分の相棒を思い出す

 

容姿も似てなければ性格も似てないどこも一緒な場所なんて無い

 

でも、ただ一つ似ているとしたら……

 

「……ふぅ何を考えてるのかしら私は」

 

そこまで考えて私は思考を打ち切る

 

あいつはあいつ、ただそれだけ……

 

アイツとは違う人間でアイツとは違う提督

 

色々考えてるうちに眠くなってきてそのままあいつの机で眠ることにした

 

ふと瞬間に目を覚ますと目の前にあいつの顔が迫っていた

 

私の目が開いてることに気付いたのかあいつは観念するかのように目を閉じる

 

この意気地無し……

 

私は思い切ってあいつとキスをする

 

しばらくして離れるとあいつはキョトンとした顔をしていて私はそれがおかしくてぼーっと眺めていた

 

…………よくよく考えたら何やってるの私は!?

 

自分からキ、キ、キスなんて…………!?

 

き、記憶を失えーー!!

 

腰の入ったパンチが綺麗にきまりあいつは吹き飛び気絶する

 

うぅ……恥ずかしい……

 

その後起きたあいつの記憶を確認して直前の事を忘れてるのがわかったためその日はそのまま部屋に帰った

 


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