ブラック・ブレット-蘇りしリべリオン部隊-   作:影鴉

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テラフォーマーズ(気に入ったキャラ死に過ぎィ!!)×ブラック・ブレット(幼女死に過ぎィ!!)=この作品(可能な限り死亡キャラを無くす予定)

この作品には以下の成分が含まれております。

・この物語は「ブラック・ブレット」×「テラフォーマーズ」のクロスオーバーです。
・この物語にはオリジナルキャラ、オリジナル組織が登場します。したがって原作キャラが一切出てこない話が発生する可能性があります。
・メインクロス相手である「テラフォーマーズ」は技術や能力、用語のみのクロスとなっております。
・能力上、パワーバランスの崩壊が生じる可能性があります。
・メインクロス以外に他版権作品(兵器、武装、設定、用語)が多重クロスオーバーします。
・クロスオーバー作品の知識が無い場合、理解が難しい描写や表現が生じる可能性があります。
・装備、話の都合上によるご都合展開が起きる可能性があります。
・話の展開上、残酷な描写や流血表現が生じる可能性があります。
・オリジナルキャラと原作キャラでのカップリング要素が含まれます。
・原作キャラの魔改造が発生する可能性があります。
・独自解釈、オリジナル設定が発生します。
・オリジナルのストーリー展開が発生する可能性があります。
・様々なネタが話の中に含まれます。
・括弧は以下のように使用します。
  「」:発声による発言、会話
  【】:無線等の機械音声、通信機での会話
  『』:施設・物等の名称
  ():思考、心の声

・目指すはハッピーエンド!!
・以上の成分をご理解上、スコップが爆☆砕しても当方は責任を取れません



始まり

日本 S県D市

 

 

『阿鼻叫喚』

非常な辛苦の中で号泣し、救いを求める様や非常に悲惨でむごたらしい様。または、地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意である。

 

 そして今、男がいる街は正に言葉通り、阿鼻叫喚の地獄と化していた。

 

 建物が、車が、道が燃えている。

 時折、爆発音と共にヒトだったモノや異形の残骸が宙を舞う。

 砲撃音や悲鳴、絶叫、誰かを必死で呼ぶ声が聞こえる。

 そして其処等中で横たわっている死体、死体、死体…

 

そして、何より

 漫画や映画で見る様な、異形の怪物達が街中を蹂躙していた。

 

 

『ガストレア』

寄生した生物の遺伝子を書き換え、肉体の巨大化や性格を狂暴化させる『ガストレアウイルス』に感染した生物達の総称であり、人間であっても感染すれば例外無く人類の天敵となる。その攻撃性は然ることながら、驚異的な再生力によって重火器を用いても簡単には死なず、時間が経過するに連れて進化し、更に強力になっていく驚異の存在である。

 

 

 昆虫型や獣型のガストレア達が朱い眼を光らせながら津波の様に押し寄せて来る。建物を破壊し、逃げ遅れた市民や兵士に襲い掛かり肉片へと変えていく群れの姿はまるで死の河だった。そしてその侵攻を止めるべく自衛隊が砲撃や爆撃を続けていた。

 

 

「もはやこれまでか…」

 

 

 目の前の惨状を見詰めながら男は呟く。トレンチコートに包まれたその男の周囲にはガストレアの死骸が山となっていた。

 ふと、男の後ろの死骸の山が蠢く。そして死骸を撒き散らしながら黒い影が男へ飛び掛かる。

 

が、

 

「大将、蟲共の数が多すぎる。とてもじゃねぇが抑えきれ無ぇよ」

「……脱出は完了したのか?」

「無問題。今は自衛隊が置き土産で砲撃をぶちかましてるさ」

「そうか…」

 

 

 少年が男に迫っていた黒い影の正体である蜘蛛型ガストレアの頭を飛び蹴りで叩き潰しながら報告する。

 

 

「ドクターの脱出、間に合うのかな?」

「分からん、だが脱出する迄は持ちこたえなければならん」

 

 

 彼らの目的、其れは彼らの指導者であり、この街に拠点を構えている研究者を研究データと共に脱出させる事であった。

 

 

【隊長、B地区の最終防衛戦が突破された】

【こっちもや、多勢に無勢過ぎるで】

「被害は?」

【あたしは無事だけど、逃げ遅れた避難民とそれを助けようと無理をした自衛隊員が数名やられたよ】

【こっちも同じく。おまけに感染者による2次被害が起きとる】

「撤退しながらで良い、可能な限り侵攻を抑えろ」

 

 

 無線から防衛網を突破されたという報告が下る。街を護る為に出撃した自衛隊の攻撃を援護する形で参戦している彼等であるが、押し寄せて来るガストレアの数に対抗し切れず徐々に押されていた。

 

 

「やっぱ俺達6人じゃ無理だって。武器だって有り合わせだし」

「少しでも時間を稼げているんだ、そう言うな」

「ドクターだってもっと被験者を募れば良かったのに、この時代金が欲しい傭兵なんてごまんといるんだから報酬金を餌にすればホイホイ集まるのにさ?」

「無茶を言うな。唯でさえ適合手術の成功確率が低い上に因子サンプルの数も少ないんだ。確実に適合する者にしか使えず、適合者か確認するにも時間が掛かるのだから文句は言えん」

「とは言ってもさぁ…」

「文句があるなら他の地区の防衛をしている連中の援護にでも行け」

「う~い」

 

 

 ブツブツと文句を言う少年に男は叱り、少年は渋々別働隊の元へ向かって行った。

 暫くして研究所の警備を担当していた仲間から無線が入る。

 

 

【リーダー…】

「どうした? ドクターの脱出の準備が整ったのか?」

【蟲共が地下から攻めてきた。それで……ドクターが…死んだ】

「何だと…!?」

【必要なデータは纏め終わった。だが、次の作業に入ろうとしたところに床をぶち抜いてきて…床の真上に居たドクターは……】

「………くっ」

 

 

 突然の訃報に男は苦虫を噛み潰した様な表情になる。彼らの指導者であり、技術提供者であったドクターが死んだ今…

 

 

【データチップこそ確保出来たが、それ以外の資料がまだ回収出来ていない。だが、集めようにも蟲共で溢れかえっていて俺一人では回収がほぼ不可能だ】

「……」

「回収するには少なくとも後2人欲しいが可能か?」

「編成次第送り込む。待ってろ」

「大将、ヤツが来た!!」

「ゾディアックか…、こんな時に」

 

 

 別働隊の援護へ行った筈の少年が叫びながら戻って来た。地平線にはステージVのガストレアが山の様な巨体でビルや建造物を吹き飛ばしながらこちらへ進んで来る姿が見える。もはや躊躇する時間は無かった。

 

 

「メンバー全員に告げる」

 

 

 男は無線機越しに仲間達へ語り掛ける。

 

 

「蟲共が地下から研究所進行し、ドクターが死亡した」

【!! …嘘やろ!?】

【そんな…】

【これからどうすんだ!?】

【……】

【それってヤバいんじゃないですかぁ?】

「おまけに一部データが集め終えれていない上にゾディアックが接近中だ。従って、作戦を変更する。良く聞け」

 

 

 男の言葉に先程まで動揺していたメンバーは静まり返る。

 

 

「防衛戦を研究所手前まで下げ其処を決死線とする。2番と5番は研究所へ行って7番と資料回収を手伝え。残りは俺とゾディアック達が研究所に辿り着かないよう、決死線での防衛だ。良いな?」

【【【【【【【了解!!!】】】】】】

「それでは…」

 

 

 男は懐から仮面を取り出し、顔に付けた。

 

 

「作戦開始!!」

 

 

 仮面越しに獰猛な笑みを浮かべ、男はガストレアの軍勢に駆けて行った。

 

 

数時間後

 

 

 D市はガストレアの侵攻によって壊滅。犠牲者は決して少なくなかったが、救助隊の活動が滞りなく進んだことによって、他の襲撃された都市と比較すると極めて少なかった。その理由として謎の戦闘集団が一騎当千の活躍で市民の脱出までガストレアの侵攻を遅らせた為であったという。しかし彼等は街の壊滅と共に姿を消し、生死不明である。

 そして2021年、人類とガストレアとの戦いは人類の敗北で終わり、開戦前に80億人いた世界人口は9割近くも減少した。

 残った人類はガストレアを衰弱させる特殊な金属『バラニウム』で造った巨大壁『モノリス』で残った生活区域を囲んで『エリア』を創り、束の間の平和を手に入れたのであった。

 

 現在、D市で活躍した謎の集団について知っている者は殆ど居ない。だが数少ない目撃者の証言によると…

 

曰く、軍人のような姿をしていた。

 

曰く、槍や斧といった一般的な武装のみでガストレアを大量に仕留めていた。

 

曰く、人ならざる動きでガストレアを歯牙にも掛けなかった。

 

そして何より、戦っている際に仮面の目の部分が朱く光っている様に見えたと言う。

 

 

彼らは知らない。

D市を防衛していた者達が特別な存在である事を、

 

彼らは知らない。

その者達が『機械化兵士計画』の様にガストレアに対抗するべく秘密裏に行われていた”ある計画”の被験者である事を、

 

 

その計画は『リべリオン計画』

 ガストレアの能力を人間に移植し、同等以上の力を持った兵士を生み出してガストレアに対抗する計画である。

 

 

 そして西暦2031年現在、日本にあるエリアの一つ「東京エリア」を舞台にD市で行方を晦ました『リべリオン計画』で生みだされた7人の戦士達の新たな物語が始まる。




今後暫くは原作前における各メンバーの話になる予定。

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