異世界より”超高校級”が参戦するようですよ!   作:ヤッサイモッサイ

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やっほい聞いて驚けストックがもう切れたぜヒャッハー。







台風の時に引きこもって書こう。
作者は携帯で執筆して携帯で投稿派なんで電車でも書こうと思えば書ける。



読んでる作品を諦めれば。


千の目で見る元の世界

千の目で見る元の世界

 

 

 

 

 

「なんでそんなことになっているのですかあぁぁあ!!?」

 

帰りも行きと同様十六夜に物理的に振り回されながら石造りの街へとやって来た。

入ってすぐドーム状の天井の話を聞かされながら進み近場の喫茶店の前で飛鳥や耀、そして俺たちのコミュニティのリーダーらしい十一歳の少年ジン=ラッセルと合流したのだが…………そこで黒ウサギが吠えた。

なんでも俺たちが世界の果てを観光している間にここいらを牛耳るコミュニティのリーダー、虎の獣人ガルド=ガスパーとの勝負を決めてしまったらしい。

 

しかもこちらが得られるのは自己満足だけという確かに怒鳴りたくもなるような内容だ。

 

 

それでも俺は飛鳥達と同じように行動したと思うが。

 

「聞いているんですか三人とも!」

 

「「「ムシャクシャしてやった、今は反省している」」」

 

「黙らっしゃい!」

 

まぁ黒ウサギの気持ちもわかる。だが…………人の命ってのは何かと比べるものじゃない。

 

「まぁいいじゃねぇか黒ウサギ。見境無くケンカを売ったわけじゃねえんだ。」

 

確かにここでゲームを行わなくとも地道な証拠集めから入ればそのうちガルド率いるコミュニティは解散せざるを得なくなるだろう。ガルドだって罪に問われる。

 

 

でもそれじゃあ遅い。

 

その間にまた新しい犠牲者が出たら?

口封じのために俺たちのコミュニティから人がさらわれたりしたら?

 

 

白黒つけられるのなら…………それはどんなに嫌なことでも付けるべきだと俺は思う。

 

「ハァ、仕方ないですがまぁいいでしょう。腹立たしいのは黒ウサギも一緒ですしフォレスガロ程度ならば十六夜さんと日向さんがいれば「何言ってんだ、俺と日向は参加しないぞ。」───え?」

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

「当たり前よ。あなたなんか参加させないわ。もちろん───日向君もね。」

 

「ちょ、ちょっと待てよ。確かに力になれるかもわからない俺はともかくとしてなんで十六夜は!」

 

「これはこいつらが買ったケンカだ。お前の主義主張が違うのはさっきのでわかったがそれでも今回は当の本人たちがいらないって言ってるんだ。ここは引いとけ。」

 

「あら?わかってるじゃない。私達は十六夜君の助けも必要としていないしましてや────負けることを良しとするような人の助けなんか死んでもごめんよ。」

 

「──────ッ!!?」

 

 

これは…………”亀裂”だ。

 

俺は俺自身のことがわかっていない。

先程の辺古山の力だって十六夜の言葉を聞いてから昂っていた気分のせいでよく覚えていなかった。

 

だから俺はやっぱり飛鳥達のように自信を持てないし、逆に矜持やプライドを持つ飛鳥達は俺のような負け犬を認められない。

 

十六夜や黒ウサギはさっきの俺を見ているからか評価が高いみたいだけど…………

 

「あぁ、そうだな…………俺は今回手を出さない。」

 

「日向さんまで!?」

 

「黒ウサギもあんまりしつこいとその耳引っこ抜くぞ」

 

「ヒィッ!」

 

十六夜の冗談めかしたガチの脅しに黒ウサギも涙目になって耳を抑えながら折れる

 

「わかりました。もう好きにしてください。」

 

 

 

…………ごめんな。でも今は相手の主張を曲げるべきじゃない。相手が不要だと言っているんだ…………無理して亀裂を広げることも無いだろうしな。

 

「それで、この後はどうするんだ黒ウサギ。案内はもう終了か?」

 

「あ、はい。まだもう一件…………大型コミュニティ《サウザンドアイズ》の支店に行こうかなと。」

 

「何しに行くんだ?」

 

「皆様のギフトを鑑定してもらいに行くのですよ。皆様も自身の力の出処が気になるのではないですか?」

 

そう気分良さげに聞いてくる黒ウサギだが対する俺たちの反応は芳しくない。

興味が無さそうなほか三人とは違い俺は大いに興味を持っている。

 

 

 

───だがそれだけだ。

気になる理由は”自分の物じゃないはずの力がなぜ使えるか”であって自分の力ではない…………そういうのは……もう諦めた。

 

だからあまり期待していないだけ。

 

「本当は皆さんを歓迎するために素敵なお店を予約して色々とセッティングしてあったのですが……不慮の事故続きで、お流れとなってしまいました。また後日、きちんと歓迎を」

 

「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティって崖っぷちなんでしょう?」

 

あれ?まだ黒ウサギはその話をしていないし共謀してたと思われるジンが話すとは思えないんだけど…………なんで知ってるんだ?

 

「久遠はなんで知ってるんだよそんなこと?」

 

「あの悪人が色々と話してたからよ……。私は組織の水準なんて気にしないから文句なんてないわ。それで、春日部さんは何かあるかしら?」

 

「私も怒ってない。そもそもコミュニティがどうの、とかどうでもいい…………あ、でも───」

 

「どうぞ、気兼ねなく言ってください。僕らに出来る事なら最低限の用意をさせてもらいますから」

 

ジンが、コミュニティの状況をわざと黙っていたことへの詫びのつもりか、身を乗り出して尋ねる。

 

「そ、そんな大それた物じゃないよ。ただ私は………毎日三食お風呂付きの寝床があればいいな、と思っただけだから」

 

 

 

────その三食風呂付きすら怪しいから水を買いに行ってたんだよな…………。よくもまぁそんな状態で集団生活ができてたもんだよ。

 

 

「それなら大丈夫です!十六夜さん達がこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから!これで水を買う必要も無くなりますし、水路を復活させる事も出来るのです♪」

 

物凄く嬉しそうにそう語る黒ウサギ。

 

というかやっぱりウサギでも女の子であることには変わりないんだな。やっぱり俺も一度引いとくべきだったかな、あの耳。

 

「私達の国では水が豊富だったから毎日入れたけれど、場所が変われば文化も違うものね。今日は理不尽に湖に投げ出されたから、お風呂には入りたかったところよ」

 

「それには同意だぜ。あんな手荒い招待は二度と御免だ」

 

「あう……それは黒ウサギの責任外ですよ………」

 

「俺は十六夜に水弾を飛ばされた気がするんだが」

 

「だってよ黒ウサギ」

 

「私じゃありません!十六夜さんでしょう!?」

 

「未遂だからノーカンで」

 

「らしいぞ、黒ウサギ」

 

「だから私じゃないのデスよ!?何で日向さんまで私に振るのですか!」

 

「一回濡れたのは確かだし。ダイナミックに落とされたのは中々記憶から消えないな。」

 

「ですから私のせいじゃ………もういいです。好きにしてください。」

 

先程までの飛び跳ねんばかりの元気は消え失せ、今や肩を持ち上げる力もないようだ。

やっぱりウサミに似ている。

そのせいだろうか?こうも弄りたくなるのは。

 

「そんじゃその発育の────」

 

「性的なことはダメです!!」

 

「んじゃ水も手に入ったことだし、今日は豪勢にうさぎ鍋でも───」

 

「ヒィッ、物理的に食べられるっ!!?」

 

「二人とも、もうよしなさいよ。黒ウサギがかわいそうじゃない。」

 

 

好きあらば自分も弄るくせによく言うな。

 

「んじゃ、話を戻すが《サウザンドアイズ》ってどんなコミュニティなんだ?」

 

「店っていうからにはなんか売ってるのか?」

 

だとしたらお金は大丈夫なのだろうか?

いささか不安になるんだが…………

 

「《サウザンドアイズ》は特殊な“瞳”のギフトを持つ者達の群体コミュニティです。未来視や目的の鑑定なんかもそうですね。だから売り物は持ち込まれて買い取ったギフトなどが主です。」

 

「”瞳”…………かぁ。」

 

力を持っているのとは少し違うかもしれないが…………確かに瞳は不思議なモノがある。

 

狛枝なんかは覗き込むだけでこっちまで飲み込まれるように濁っていて…………それでいてその奥で鈍く、強く光るものが秘められていて。

七海なんかはすごくキラキラしていて、暖かかった。

 

 

そんな風に感傷に浸っていたので気付かなかったが何やら視線がこちらに集まっている。

 

「え…………どうかしたのか?」

 

「いや、ちょっと気になったんだが日向はどんな世界から来たんだ?」

 

やっぱり十六夜も俺たちの出身が違うことには気が付いていたのか…………それにしても俺たちの世界か。

 

「別に…………普通に生きて死んでいく。そういう世界だったよ。

服を見る限り十六夜の世界が一番近そうだな。学校があって勉強して仲間と前へ、前へ歩いていく。そういう世界だった。」

 

 

 

────確かにそういう世界”だった”。

 

「普通が悪いみたいに言うのね。」

 

久遠の何処か刺の含んだ言葉が俺に刺さる…………というわけでもないが随分と確信をついてきた。

 

「そういう風に聞こえたか?」

 

「えぇ、聞こえたわ。嫉妬や羨望に塗れた言葉に聞こえた。」

 

「おいおい、お嬢様。そりゃ踏み込みすぎだぜ。」

 

「あら、十六夜くんは気にならなかったのかしら」

 

そう聞いたのは十六夜も自身と同じような強者であり、プライドや誇りと言った譲れないものを持っていると思ったからだろう。

それは間違ってない…………でも受け取り方は違う。

 

「確かに気になることはあるが…………別に日向は俺らのことを羨んじゃいねぇだろ。そりゃお嬢様の勘違いってやつだ。」

 

「いや別に間違ってるわけじゃないさ。久遠の言うことは確かに一理ある。」

 

「羨んでないのに…………羨ましいの?」

 

春日部の言い回しがある意味一番近い。

複雑怪奇すぎる今の”日向創”は…………そう言った矛盾でしか表せない。

 

「そうだな。羨ましいよ…………でも羨ましくない。今ならそう思えるんだ。」

 

そうやって笑って見せるが周りの反応はイマイチ芳しくない。

 

「随分と耳にいい台詞ね。」

 

少しの沈黙を破ったのはそっぽを向いた久遠の言葉だった。

 

「飛鳥さん!」

 

黒ウサギの咎めるような声も聞こえるがまぁそれはいい。

俺には俺の、久遠には久遠の考えがある。

 

それを曲げない事が大事なんだろうから。

 

「えーっと……それじゃあ僕は先に戻ってるよ黒ウサギ。」

 

若干騒がしさが戻りつつあった中そう言ってジンがどこかへと走っていった

 

「話を遮って悪かったな。《サウザンドアイズ》の説明の続きをしてくれよ。」

 

十六夜のタイミングのいい発言で再び話がサウザンドアイズへと戻る。

 

「えー、では説明の続きですが、サウザンドアイズは箱庭の東西南北・上層下層全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くにその支店がありますから今はそこに向かってます。」

 

「ギフトの鑑定というのは?」

 

「言葉通り、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事です。自分の力の正しい形を把握しておいた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんもご自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

ここまでがさっきの話か。反応はさっきと変わらない。

あまり興味がなさそうな三人と少し興味がそそられている俺。

 

少しアンバランスなコミュニティだが…………この中で俺は上手くやっていきたいと、改めてそう思った。




なんかタグにアンチを付けるべきか悩めてきた。
「(ひなた君が)アンチ(される)」タグ笑

飛鳥はこんなに性格悪くないという方へ

ごめん。ひたすらにごめん。でも普通に弱い人とか頑張る人には優しいのよ?ただ弱いのにヘラヘラとしているとか悔しがるそぶりを見せないとか頑張っているところが見えないとかだと…………たぶん冷たくなるんじゃないかなぁーっていう予想。

てか今思えば自分ペスト終了までくらいしか知らないわけで。

そのあと十六夜くんのヘッドホンがおなくなりになるところまでしか知らないわけで…………行けるか?

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