異世界より”超高校級”が参戦するようですよ!   作:ヤッサイモッサイ

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どーも。学校の文化祭が近く高校三年生は出ちゃ駄目ということで休みが馬鹿みたいに続くのでもう書いちゃおうということで書きましたー。
かなり急ぎ足ですがとりあえずペルセウス決着までは書けたので今回と次回で決着、まだ書いてないその次でペルセウス編完結ですかね。
それ以降は大学合格まで完全不定期。投稿しない可能性もありますがまぁ応援しといてください。
ペルセウス決着は正午投稿しますー。


春日部さんのセリフミスってたのでちょい改稿。そんで見直してみて絶望してしまいそうなほどの駄文だった。今回はほかに例を見ない酷さ……直したいな……。


政治家は政治に殺され、貴族は金に殺される

政治家は政治に殺され、貴族は金に殺される。

 

 

 

 

 

 

十六夜が何処かへと消えてから特に何かあるわけでもなく俺たちは春日部の待つノーネームの居住区へと無事に帰ってきていた。

俺の勝手な暴走を咎めるような視線を黒ウサギから受けながらレティシアの話を続ける。

黒ウサギにとってそう簡単に諦められる事では無い筈なのに当の本人が諦観モードに入っているのが気に入らないけど……まぁ無理もないといえば無理もない。

なにせつい最近こちらに来たばかりの俺たちよりも余程、この世界の理不尽を経験してきたんだろうしな。

 

「──だからって仲間を見捨てる理由にはならない。」

 

黒ウサギは……もう少し強欲になるべきだ。

久遠も春日部も遠慮をするところが違う。どうせ自由に振る舞うのならば十六夜のように突き抜けてこそだ。

 

「……だったら───どうすればいいんですか!?」

 

だがそんな思いだって言葉にしなくちゃ伝わらない。しかもそれが知り合ってからそう日も長くない奴ならばなおさらだ。

 

「助けたいですよ!えぇ、私だって見捨てたいだなんて思ってないです、思うわけが無いです!でも!!……どうしようも、無いんでございますよ……。」

 

左右から久遠と春日部の視線が突き刺さる。それほどまでに今の黒ウサギは脆く……弱い。

原因は確実に俺だ。白夜叉のところから帰って以来どこか責め立てるような口調になってしまっている。……これは純粋に学級裁判の弊害だと思うが……。

 

「……それでも打てる手はあった。ペルセウス伝統のギフトゲームならば真っ向からだって挑めた。……お前がそれを知らない筈がないだろ黒ウサギ?俺らは信頼できないか?」

「───できませんよ!!日向さん!あなたは……信頼することができません!!」

「ちょっと黒ウサギ、感情的になりすぎよ。それに日向君までさっきからなんなのその態度は?」

「……頭……冷やすべき。」

 

信頼出来ない……か。自分で聞いておいてなんだけど結構来るな。

 

「悪い……でももう少しだけ話させてくれ。なんで俺は信頼できない?何をすれば信頼に足るんだ。」

「……日向さんはいいました。私が皆さんに隠しごとをしていると……それがあるうちはコミュニティに入ることはできないと!でも日向さんは!……隠し事をしているじゃないですか。」

「……確かに気になることはいくつかあるわね。あまりプライベートに口を出したくはないけれど……でも確かに貴方は話すべきだわ。信頼とか……そういう話を出すのであればなおさらね。」

「……時々怖い。」

「私達のギフトゲームの時もどこかへ行っていたようだし?」

「……あとロンゲの不審者って何?」

 

……なるほど。確かにフェアじゃない。要求しておいて自分はその要求を拒むような奴を信頼できるわけがないか……でも────

 

「───話せないな。」

「な、なんでですか!!そんなに黒ウサギ達が信用出来ないのですか?だって日向さんは───」

「黒ウサギ……やめましょう。」

「ですが!」

「あなたの秘密は話す義務があった。彼がどんな言い方をしたにせよ、彼がどんな秘密を抱えているにせよそれが彼のことであるならば……話す義務はないわ。それがわたし達の信用よりも大事なものだというのは……少し意外だけれど。」

 

……嫌な言い方をするなよ。最近は不安定過ぎてそういう言葉ですらきついんだから。

 

「……創は……なんでわたし達に言えないの?……信用してないから?」

「違う、そうじゃない。でも……こればかりは譲れない。十六夜の言葉で言うならこれは俺の喧嘩だ。」

「……身勝手ね。私あなたのそういうところ嫌いよ。」

「……知ってるさ。」

「────お話中失礼!」

 

だんだんと収まりがつかなくなってきた会話を断ち切るように扉を蹴っ飛ばして部屋に入ってきたのは十六夜だ。

その手には麻袋に入れられた大きな球状のものが2つ。

 

「───なんだ辛気臭い空気だな?日向よくわかってんじゃねぇか。こういうのは話したら面白くねぇ。」

「……?十六夜くんは知っているの?」

「アァン?当たり前だろ、俺が聞いたんだから。」

「───待てお前らは盛大に勘違いしてる。」

 

久遠は多分俺の話だろう、そして十六夜のはペルセウスへとギフトゲームを挑むためのギフトの話。たぶん自分が取りに行っていることを話すと面白くないから自分が帰ってきて驚かすまでいうなってことだったんだろう。

 

「あ、そうか?んじゃまぁこれお土産。」

「……スイカ?」

「スイカ……ってどこに行ってたのよ。」

「────まさか……。」

 

十六夜が持ってきた麻袋を重い音と共に机に置くと他の三人が各々の想像をしながら袋へと寄った。

たぶん黒ウサギの反応は中身の想像がついたからだろう。

 

「「……珠?」」

「……これはただの珠じゃありません……ペルセウスにギフトゲームを挑むためのギフト……でもこれはそんな一朝一夕で手に入れられるような物じゃ……!!」

「あー、まぁいいじゃねぇか手に入ったんだから。素直に喜べよ、な?」

「……はい!」

 

……まぁ暗い空気が晴れて何より。コミュニティのなかだと余計立場が悪くなった気もするけど……どう考えても非はこっちにあるし……とりあえずペルセウスのことさえ乗り切れればしばらくはそう忙しいこともないだろう。その間に信用してもらえるようにすればいいさ……。

 

 

俺はそう自己完結して大きいテーブルの反対側で騒ぐ四人の姿を……一人眺めていた。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

その後二つの珠を黒ウサギがペルセウスへと持ち込み正式にノーネームとペルセウスのギフトゲームが決まった。

ルールはペルセウス側が用意したペルセウス伝統のゲーム……要はペルセウスの城を隠れんぼしながらルイオスを探して倒せば勝ち。ただし道中でペルセウスメンバーに発見されたものはルイオスへの挑戦権を失ってしまう。

俺たちはギフトゲーム開始直前にペルセウスの城の前で最後の打ち合わせをしていた。

 

「さてギフトゲームも決まって内容も決まったところでそれぞれの役割を決めようか。」

「……役割って?」

「ゲームの内容からして全員が全員ルイオスに挑むのは効率が悪い。初めから何人かがペルセウスメンバーの目を引いてその間に本命がルイオスを倒すってのが効率的なんだよ。」

「そーいうこと。というわけでお嬢はとりあえず陽動な。」

「……わかったわよ。今回は譲ってあげる。」

 

しぶしぶ引き下がった風を出しているがたぶん自分の実力的に厳しいと察したんだろうな。なんだかんだ言ってもルイオスは魔王を従属させていて巨大コミュニティサウザンドアイズの傘下の幹部でもある。本人だって生半可な力じゃないだろう。

 

「へーへー、ありがたき幸せっと。そんで?ゲームに参加できない黒ウサギはおいておいて春日部と日向はどうするんだ?」

「十六夜はどうせ意地でも本命だろ?」

「もちろん。」

 

だったら道中で十六夜は使えないと思った方がいい。かと言って道中は見つかるだけでアウト……筋力とかはあまり関係がない以上十六夜一人じゃルイオスまではたどり着けないか……。

 

「……私が護衛する。」

「……それがいいな。相手は不可視のギフトを持ってる。熱、匂い、音までどうなってるかはわからないけど感知能力もあり戦闘力もある春日部がベストだ。」

「それじゃ日向はどうするんだよ?ちなみにジン坊ちゃんは俺のお付だ。」

「俺もそうしたいところだけど……俺も陽動でいい。俺がいっても何もできそうにないしな。」

 

走り回ってれば何とかなるだろう、幸い体力には自信があるほうだしな。

 

「消極的だなおまえ……まぁいいや、それじゃぁ───」

 

話を終えて十六夜が足をあげて扉へと体を向ける。

上げた以上下ろされるのは必然───振り下ろされた足は巨大な門を吹き飛ばし入口付近を舞い上がった煙で多い隠した。

 

「素敵に名無しの城落としを始めようじゃねぇか!!」




日向くんマジ嫌われもの。
遂には黒ウサギとまで亀裂が入りましたぜ兄貴。
まぁあんまり長く喧嘩させとくのもアレだし仲間割れパターンはもうない筈ですわー。

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