異世界より”超高校級”が参戦するようですよ!   作:ヤッサイモッサイ

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今回はレティシアを連れ去られて欝になった日向君と花村君が具体的に何に絶望してどういう状態であそこに来たのかです。流石に深くまではまだ書きませんが花村編はこれで完結です。
ちなみに花村君の方便や一人称がイマイチわからんので自分の基準で「僕」「オイラ」をかき分けて基本いつもの「〜だね」口調でまとめました。
こんなの違うと思う方は筆者にレクチャーしてくだされば変えますよ☆


回想・高校級の希望が絶望した二つの理由

超高校級の希望が絶望した二つの理由

 

 

 

 

 

レティシアを連れ去られた。

 

 

黒ウサギを止めた

 

 

 

間違えた?

 

いや間違えてない

 

でもそれは正しい?

 

 

───タダシクハナイ

 

 

今まで俺は仲間を見捨ててきた

自分が生き残るためだと自分に言い聞かせて何人もの仲間を処刑台へと送って来た

 

それじゃあさっき見捨てた理由はなんだ?

他にいくらでも対抗策は考え付いていたじゃないか

あの程度の絶望なんてわけないとあれだけ侮っていたじゃないか

 

 

それがこのザマか?

 

 

…………俺は希望として…………希望として?違う、それは希望じゃない

 

俺は狛枝を見て知ったじゃ無いか

希望は名乗るものじゃないと…………

 

俺は苗木誠に見たじゃないか

真に希望と呼ばれるその理由を…………

 

俺は知っていたはずじゃないか

そこに存在するだけで絶望になる存在を…………

 

 

 

俺ってなんだ?日向創はそもそもなんなんだ?

外に出たことは正しかったのか?

箱庭に残ったことは正しかったのか?

 

 

 

 

────わからない…………わからないよ七海

 

お前は俺に色んなことを教えてくれたけれど…………俺は…………頭が良くないんだ…………一度じゃわからない

 

 

もう一度………………もう一度だけ……………………………………教えてくれよ

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

────死んだ

 

 

オイラは───死んだ

 

 

ミサイルが幾つも飛んできて島の上空を縛られたままヘリで振り回されてしまいには火口にドボンっだ。

下味も無し、工夫もなし。誰に食べられるでもない醜悪で最低な料理。

 

今まで散々料理をしてきて色んな人の料理を評価してきて…………最後の最後で調理道具を殺人に使って…………人を殺したそれを料理に隠して…………最高の料理人と言われた僕の最後にある意味ふさわしいのかな。

 

 

カァチャン…………どうしてんだろう。

 

みんなは大丈夫かな…………

 

狛枝に惑わされてないかな………………

 

 

 

 

 

 

 

 

イヤだよぉ………………何もわからず死んだ………………そんなの………………無いよ。

 

あの修学旅行は何だったのさ何が目的なのさモノクマとかあのモノミっていうのは何なのさ!僕らが………………オイラが何をしたっていうんだ!!

 

 

「知りたいの〜ぅ?」

「えっ?」

 

…………気の所為?

声が聞こえたような…………いやそんなわけが…………

 

「コラコラ!気のせいじゃないよぅ!」

「へ?………………ってうわぁっ!!」

 

モ、モノクマ!!なんでここに…………てモノクマがいるってことは僕生きてるってこと?

 

「えぇ?そんなわけないじゃない。命は一人一個。取り返しのつくなんて安い物じゃないんだよ!たとえスーパーのタイムセールでも値段が変わったりしないんだからな!!…………売れ残ったら変わるけどね。」

「じゃ、じゃあ!なんで僕はこうしてお前と話してるんだよ!これは僕が生きてることの何よりもの証明だろ!」

「ザナドゥ!!…………とかいうと思った?甘い…………甘いよ甘すぎるよ!梅…………を使った何かよりも甘いよ!」

「それ梅干と梅ジュースでだいぶ変わるよね!?」

「ヤマザナドゥッ!!…………なんて言わないからな!いくら花村君の言葉が辛辣だったからって弱音を吐いたりなんかしないんだからな!具体的にはわさびかまぼこぐらい辛かったです」

「意味が違うし辛さの方向も違うよ!!?しかもそんなにツンっとこないよね!!」

 

何だこれは……僕はこんな漫才をしている暇なんてないのに……!

 

「いい加減にしてよ!いいからオイラをここから出せ!はやく……早く出せよ!」

「それは無理だよぉ。だって僕も死んでるんだもん。」

 

 

 

─────へ?

 

「だから〜僕も死んでるの!此処はいわゆる所のあの世って訳。ドゥーユーアンダースタン?はい復唱!」

「…………ふざけるのはよせよ…………そうやってまた僕を…………みんなして僕を…………そうだ。そうだそうだあれはみんなして僕をはめたに違いないんだ!そうじゃなければバレる筈がないんだ!完璧だったんだ!!出せよ…………ここから出せよぉ!!」

「…………あらあら、はじめの方の殊勝な花村クンはどこに行っちゃったのかな?」

「うるさい!!僕は殺してなんていない!!大体あんなところに暗視スコープなんて持ってくるわけが無いじゃないか!机の下の狛枝助ける必要もないしそんな偶然で犯人が分かったりなんかするものか!全部仕組まれていたに違いないんだァ!!」

 

そうだ…………僕は悪くない悪くない悪くない悪くない!!

 

「そうだね確かにことの発端までたどれば仕組まれていたと言えなくもない。あの修学旅行はね…………未来機関と呼ばれる組織が執り行ったものなんだよ。そしてそこに君が憎む日向クンたちも所属している。」

「…………!!…………やっぱりあいつらが…………!」

「でも君にはもう関係ないよね!君はもう死んじゃってるし君が気にしていた外の世界なんてもうないんだからさ」

 

…………?外の世界がない?

 

「な、何言ってるのさ。そんなわけないじゃないか。」

「嘘じゃなぃよぉ〜。あのジャバウォック島の外は日向クンによって既に壊されたあとさ。全ては彼から始まったんだ」

 

そんな…………すべて?

………………すべて!!?

 

 

「ま、まってよ!!それじゃあかぁちゃんは!!?花村定食は!!?」

「さぁね。でも外の世界は絶望に包まれた…………君も知っているはずだよぉ〜?ほらレッツインスピレーション!」

 

…………

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………超高校級の希望。

 

史上最悪の絶望的事件……………………殺し合い生活……………………………………未来機関……………希望化…………………修学旅行

 

 

 

「そうか…………日向君が元凶だったんだ」

「そうだよ。すべてはあいつから始まったんだ!花村クンは何も悪くない…………でもあいつのせいで誰も信じてくれない。だったら───」

「だったら?」

「殺っちゃっても…………しょうがないよねぇ〜?」

 

 

 

あぁうん。…………しょうがないよ。

 

 

「…………とってもデンジャラスなひと時になりそうだ」

 

 

 

日向創…………そう、全てはお前が絶望に落ちたから………………お前が悪いんだ…………お前が…………オマエがァッ!!

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「花村輝々は初めから僕を憎んでなんかいませんから。」

 

………………何を言ってるんだお前は?

絶望していない?そんなわけが無いだろう

僕はお前が憎くて憎くて憎くて憎くて…………

 

「…………何言っちゃってるの?花村くんの絶望の根底は君だよ」

 

「えぇ、だからあなたは彼を初めに僕に当てたのでしょう?でも当の花村輝々は僕の言葉を否定できない。」

 

…………なんで?否定しろよ僕。あれほど許せないと言ったんじゃないか。僕の世界を壊した張本人を!定食屋を!!かぁちゃんを!!!─────壊したのはコイツなんだ!!!

 

「…………なんで?」

「さぁ?ただ…………彼にも思うところがあった。それだけですよ。」

 

思う所?そんなのある訳が無い!!僕の料理を美味しいって言ったから!?それがどうしたっていうんだよ!!そんなのみんなが言ってくれたじゃないか!!そんなのもっと舌の肥えた奴らが言ってたさ!もっと言葉を凝らしていろんな奴らがそういってた!!

それを比べあいつらはただ美味しいって一言だけだぞ!!何を甘ったれたことを言っているんだよ!!

 

「…………そうだとしてもなんでそんなことが分かったのさ。花村くんの絶望は本物だったはずだよ?」

 

そうだそうさ本物だったよ本物だった!

 

「この際絶望が本物かどうかは関係ないんですよ。問題なのはその絶望の原因を目の前にして彼の態度が何も変わらなかったこと。そしてついでにいうならば彼の絶望は本物じゃなかったということですよ。」

 

────ッ!!そんなわけがない!!おいらは!!オイラはァ!!!……………………おいらは………………絶望を……絶望を……

 

「お、オイラは確かに絶望して───」

「絶望した人間は絶望なんかに憎しみを抱きませんよ。持つのは十人十色の愛だけ…………ゲームは始まるまでもなく決まっていたんです。」

 

…………愛せないよ…………かぁちゃんを奪った世界なんて………………愛せる訳が無いじゃないか…………………………

 

「相手が(日向創)で良かったですね。そうじゃ無ければ今ここに花村輝々は無く、ただの絶望の端末が蘇っていたことでしょうから。」

 

……………………ごめんよ、みんな。

 

疑うような真似をしてごめん………………そして嘘をついて………………みんなが美味しいって言ってくれた料理を裏切って…………ごめん。

 

「────ゴメンよ…………日向君。」

「僕が言うことではありませんが謝る必要はありませんよ。君がそうであったように(日向創)も君を憎んでなんかいない。『仲間だからこそ疑う』…………あの絶望の中で(日向創)が学んだ真実ですよ。」

「仲間を疑うの?」

「無償の信用は無価値にしかなりません。でも懐疑の先に成り立つ信用は確かな価値がある。だからこそ信頼になり得る。意外と理にかなった言葉ですよ」

 

…………仲間だからこそ疑うのは当たり前。仲間だと思いたいから…………だから疑う。

でもそれは多分…………僕のやってた”疑う”とは別のことなんだろう。

…………でも………………

 

「…………仲間…………だからね!」

 

…………もう僕は疑わない。だって僕は裏切った側なんだから。

皆に疑われなくなるまで誠意を見せ続けるさ。

 

「…………だからまた僕の料理を食べてよ!目が覚めたら飛びっきり美味しいのを作るからさ!」

 

薄れる自分の体を見て僕は仲間にそう約束した。

 

「生ぬるい希望ごっこはいつ見ても胸くそ悪いですなぁ」

「中途半端な絶望ごっこをしたからそんなものをみることになるんですよ。」

「何をぉ!!…………まぁいいさ。君の顔を歪められただけで満足満足ぅ♪」

 

そう、モノクマの言う通り日向君…………いやカムクラの表情は歪められている

 

「わかっていたコトですよ。彼らは僕らの世界で眠っている…………ここにいる筈がないんです。ならばどうやってここに顕現しているのか?あなたの仕業以外に有り得ないでしょう。ならば希望になった彼をここにとどめておく必要は無い。醜悪でとっても絶望的であなたらしい僕への当てつけですね。」

「うぷぷぷぷっ、君ってほぉんと残念だね。まるで彼女みたいだ。」

 

心底嫌そうな顔でモノクマと対峙したあと彼はこちらへと向き直る。

 

「大丈夫、約束のためにも僕達(希望)が必ず君達を起こします。…………だからしばらくの間待っていて下さい。」

「…………うん。じゃあね。」

 

…………よかった。

……………………本当に良かった。

 

 

 

 

………………憎まずにいられて………………もう一度仲間にあえて………………()()()()

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

ギフトゲーム《絶望の味覚》

 

 

 

勝者 《ノーネーム》日向創

△△△△△△△△△△△△△△

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「…………チェ、つまらないなぁ。」

「今度は僕の真似事ですか?」

「うぷぷぷぷ、どうだろうね。なんにせよ楽しみにしておいてよ。花村君は四天王の中でも最弱………時期に第二第三の絶望が君を絶望させに来るだろうからね」

「色々混ざっていますが好きにすればいい。僕は全ての仲間を貴女の絶望から開放してみせますよ。」

「…………みんなが君を仲間だと思ってるかは別だけどね!また会おうよカムクラ君。そして────」

 

”今度こそ世界を絶望に染め上げようね”

 

彼女は最後にそう言って爆発をした。

 

 

…………最後まで落ち着きのない人だ。

 

 

 

「…………今回はサービスですよ。やはり僕に絶望の相手は無理のようですから。」

 

 

内より浮上するもう一人の意識を感じながら僕は最後の約束を忘れぬ様に思い浮かべ続けていた。

仮に(カムクラ)が目覚めたとき…………道を見失わぬことを祈って…………。




あれ?なんか花村君とカムクラくんの対話がラブコメに………………いやいやそんなバカな!
でも突然の別れがやってきた主人公とヒロインのような…………しかも約束だなんてまたベタな………………あれ?


みんなパンツ渡して欲しかった?

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