えんとつそうじのネタ帳   作:えんとつそうじ

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今回の話は本当は連載か短編集の形式で書こうと思ったのですが、他の連載があり、短編でしまいにしようと思っていたために一時諦めたものです。そのうち落ち着いたら書こうと思いますのでよろしくお願いします。


魔法先生ネギま~おりーしゅくんのゆううつ~:魔法先生ネギま!?

書かない理由:他の連載があり、まだプロットが練りあがってないため(魔法先生ネギま!?)

 

 

 

 イギリスがウェールズの山奥にメルディアナ魔法学校はある。

 

 この学校は世界中に点在する魔法関係の教育機関の中でも多くの優秀な魔法使いを輩出してきた所謂名門で、魔法世界(ムンドゥス・マギクス)で起きた大戦争、「大分裂戦争」の英雄である”千の呪文の男(サウザントマスター)”を生み出したこともあり、今ではこの学校に入学を希望する魔法使いは、年々増加の一途を辿っている。(尤も当のサウザントマスターはこの学校を中退していることを知っている者はほとんどいないのだが)

 

 そんなメルディアナ学園の渡り廊下を、一人の少年がをにこやかな笑みを浮かべながら歩いているのが見える。

 

 紫の瞳に艶やかな黒髪を持つその少年は、まるで名工が彫った彫刻のように整った容姿をしており、機嫌よく鼻歌を歌っているその姿はまるで天使のようにも見えた。

 

 その証拠に先ほどから彼とすれ違う人々の視線は男女問わず彼に釘付けとなっているのだが、しかしそれには気づいていない、

 

 彼は決して鈍感なほうではなく、むしろこういった人の視線には敏感な方なのだが、今回ばかりはとある理由により、その限りではなかった。

 

 その理由としてはいたって単純。彼がとある理由から気分がとてもよかった。

 

 つまり、

 

 

 

 

「(ははははは!これでやっとあいつ(・・・)から開放されるぜ、ちくしょうめ!!)」

 

 ―――最高に「ハイ」ってやつだったからだ。

 

 そんな彼の名は「オリーシュ・ランペンルージ」。

 

 今年十一歳になる少年であり、たった今このメルディアナを次席で卒業した学生。

 

 そして―――

 

 

 

     ―――『転生者』である。

 

 

 

 

 

 

 

 俺の名前はオリーシュ・ランペンルージ。転生者だ。

 

 俺が自身に前世の記憶があるのを自覚したのは五歳の誕生日の時、テーブルに載ってるケーキの蝋燭の火を吹き消したとたん、気を失うほどの頭痛が俺に襲い掛かり、目が覚めたら全てを思い出していたのだ。

 

 前世の俺は、都内の大学に通うオタクの入った学生で、夏コミや冬コミ。ネットアイドル発掘にアニメ鑑賞など、そんなことに青春を注ぐ駄目学生だったのだが、三年になってさすがにこれはだめだと一念発起。

 

 約一年ほどかけて、なんとかこの不景気の中一流と呼べる会社に内定を決めることができ、浮かれながこのことを報告するために実家に帰省する途中に、突然道路から道をはずれたトラックに轢かれて死んでしまったのだ。

 

 そりゃないよ神様とか考えながら、俺はそのまま意識を失ったのだが、目を覚ますとなぜか見知らぬ場所で見知らぬ老人の前に立っていた。

 

 そしてその老人は俺がなにか尋ねる前にこういったのだ。

 

 

 

『―――おめでとう、君は選ばれた』

 

 なんでもその老人はこの世界で尤も高次元に位置する存在、つまり俺たち人間の言葉でいう”神様”てきな存在らしく、時々俺みたいに唐突に死んでこの世に未練を残した人間の魂を適当に選び、特別な才能を持たせ転生させ、世界にどういう影響を与えるか。その様子を観察するという暇つぶしが趣味なんだそうな。

 

 「テンプレきたー!」とか思いながらもなんて趣味が悪いやつなんだろうと思ったが、よくよく考えてみれば神様なんてどうせ永遠に生きるだろうから仕事以外にこういういつでもできる趣味(もちろん神様がいつでもできるという意味だが)でも持たないと暇を持て余してしまうのだろう。

 

 そのことに若干の同情の念を抱きつつ、でもまあ俺も死んじまったし、こうなったらもらえるもんもらって第二の人生を有意義に過ごそうとさっそくもらえるという特別な才能がなんだか聞いてみたら、それはある程度自分で決められるらしく、俺はさっそくそれを要求してみた。

 

 

 

『俺をイケメンにしてくれ!!』と。……我ながら欲望丸出しである。

 

 い、いや、ちょっと待ってくれ、これは違うんだ。実はこの時俺はこれを俺の夢だと思ってたんだ。

 

 だって突然事故にあって気がついたら神様に出会って転生って、確かにオタクなら垂涎の状況だけど、だからこそありえないと思った俺は、どうせ夢だからと、前々から思っていた「俺もイケメンに生まれて美人の彼女を捕まえていちゃいちゃしたい」という願いをぶちまけたのだ。本当にただそれだけなんだ!

 

 

 ………あれ?ひょっとして言い訳になってない?

 

 

~閑話休題~

 

 ま、まあそんなわけでその記憶が戻り、俺はようやくその時のことが夢ではなく現実だったと知ったわけだ。

 

 俺はそれを知ったとき、絶望しそれを後悔した。

 

 なぜかって?それは俺が転生した世界に理由がある。

 

 俺が転生した世界。それは魔法と剣どころか銃やロボットなんかが交錯し、魔法や気なんていう不思議エネルギーが存在するリリカルではないがマジカルな世界。―――

 

 

 

                          ―――『魔法先生ネギま!』の世界である。

 

 

 

 

 

 

 

【魔法先生ネギま!】

 

 これは週間マガジンで連載されていた漫画で、連載された当初は所謂ドタバタラブコメ要素が強かったが、物語が進むにつれ本来のテーマである「父親越え」が表面化し、それに係わる者達との「バトル」路線と、従来の「ラブコメ」路線とが交互に描かれるようになる

 

 その設定とストーリーの緻密さ。そしてひと癖もふた癖もある魅力的なキャラクターたちにより、一躍ベストセラーとなった。

 

 一オタッキー(死後)を自称する俺ももちろん愛読していたのだが、それとこれとは話が別。

 

 なにせ、前半はともかく後半はいつ死んでもおかしくない、死亡フラグだらけなのだ。

 

 他の二次創作のように「むげんのけんせい」やら「げーとおぶばびろん」なんてもらってたらもっと前向きでいけたかもしれないが、俺が貰ったのはあくまで「イケメン(笑)」。

 

 確かに容姿は抜群によくなったが、戦闘能力や生存能力にはなんの恩恵もないのだ。絶望しても仕方ないだろう。

 

 幸い俺が転生した場所はイギリスではあるがネギまの主人公であるネギとは全く関係ない村に生まれたので、悪魔襲撃事件には巻き込まれないだろうし、それなりに有名らしい(母親談)魔法使いの家に生まれたので魔法を習う環境には困らなかったので、自衛手段として必死に魔法での戦闘方法を修行することにした。最初は別に原作に関わらなきゃ大丈夫だとも思ったのだが、よくよく考えてみればネギまのクライマックスではなんか世界規模で大変なことになってたのをかろうじて覚えていたので、どっちみち自分の身を守れなくちゃ命の危険があると思ったからだ。

 

 そんな俺の様子に両親ははじめ困惑していたが、学習意欲が高いのはいいことだと協力してくれ、このメルディアナに入学するまでには単純な戦闘技術では少なくとも同年代には負けないと自信を持っていえるほどになっていた。

 

 尤も俺が望むのはまず第一にこれからこの世界に起きる大事件に巻き込まれないこと。

 ここで仮に目立ったとしたら無事卒業してどこぞの魔法関係の仕事に就職しても、兵士代わりに使われる可能性が高いことに気づいた俺は、メルディアナにいる間は実力を少し優秀なくらいに落とし、選考も魔法戦闘ではなく、錬金術。つまりは魔道具製作関係の科目を選考した。オリジナル魔道具ってなんか憧れるし、これなら事件が起こっても兵士代わりにされることはないだろうと考えたからだ。

 

 なので俺は隠れて先頭の訓練を続けながらも、メルディアナで勉強を続けていった。それが俺の生活の平穏に繋がると信じて。

 

「(―――尤もそれも無駄に終わっちまったんだが)」

 

 と、そこで俺は渡り廊下の向こうから近づいてくる一つの影に気づいた。

 

「オリーシュさーん!!」

 

 先頭に立つ眼鏡をかけた赤毛(・・・)の少女の声に俺は思わず自分の頬が引き攣るのを止めることができなかった。

 

 そう、彼女こそ俺の平穏を乱した張本人だからだ。

 

 だがいろいろな理由から彼女を遠ざけることができなかった俺は、彼女を拒絶することもできずに表情を無理やり笑みの形に変えながらも、その少女を迎え入れる。

 

「どうした、そんなに慌てて?」

 

 そんな俺の言葉に、その少女は不満そうに可愛らしく頬を膨らませながらも口を開く。

 

「―――どうしたもこうしたもないですよ!卒業式が終わってからすぐにどっか行っちゃうんですから。探したんですよ?皆で卒業記念のパーティをするって約束したじゃないですか!!」

「あーなるほど……」

 

 そうか、そういえば卒業式が終わってあまりに嬉しかったからすぐに会場から出てきちまったんだっけ。すっかり忘れてた。……嘘だ。それもあったが有耶無耶にして出席したくなかっただけなのだ。せっかく卒業して縁が切れると思ったのに、出席したらこのままなし崩しに縁を持ち続けることになりそうだからだ。

 

「(まあ、面と向かってそんなこといえるわけがないがな)」

 

 そんなことを頭で考えながらも俺は言葉を続ける。

 

「悪い悪い。すまなかったな、すっかり忘れてたよ」

「もう、仕方ないですねえ」

 

 少女は俺の言葉に呆れたのか、ため息を一つついたが、すぐに満面の笑顔になると、俺の手を掴むと、再び口を開く。

 

「ほら、早くいきましょオリーシュさん!二人ももう待ちくたびれてますよ!」

「ははは、それは怖いな。わかった、すぐにいくからそう急かすなよ―――

 

 

 

                                ―――ネギ(・・・)」

 

 

 そう、彼女の名前は『ネギ・スプリングフィールド』。

 

 英雄”ナギ・スプリングフィールド”の一人娘にして今年のメルディアナ魔法学校の主席卒業生。

 

 

 

 ―――そしてこの『魔法先生ネギま!』の世界の主人公でもある。

 

 ………なぜか『女の子』になっていたが。

 

「(―――本当にどうしてこうなったんだろうな?)」

 

 そして俺は思い出す。彼女と知り合うことになった出来事を。

 

 

 

 

 

 

 

 それは約一年前のこと。俺が錬金術の教師に頼まれ資料を運んでいる最中、たまたま通りかかった図書館の裏あたりからなにやら争うような声が聞こえてきたのだ。

 

 その時はその日の講義は全て終わっているはずの時間で、図書館ならともかくその裏にいるなんてなにかおかしいと感じた俺は、いったん資料を図書館においてその現場まで行ってみると、そこで見たのは一人の女生徒を数人の男子生徒が囲んでいる姿だった。

 

 どう見ても暴行現場だったので、とりあえず母さんに習った身体強化を使いそいつらをぼこぼこにしてその女子生徒を助け出した。いくら目立ちたくないからといってこんな現場に出くわしてなにもしないほど外道ではないつもりだし、この世界の両親の教えで、イギリス紳士として女性に優しくするということを細胞レベルまで教え込まれていたので、それ以外の選択肢はありえなかったのだ。

 

 俺はなにが起こったのかわからず、尻餅をつきながら放心していた彼女を引っ張り上げる。

 

「―――怪我はないか?」

 

 そんな俺の言葉に未だ呆然としていた彼女は我に返ると、なぜか頬を赤くしながら突如あわあわと慌てだす。

 

「だ、大丈夫です!どうも助けてもらってありがとうございます……」

 

 恥ずかしそうにそういう彼女はあまりに可愛らしく、一瞬抱きしめたい衝動に襲われたのだが、そこで俺はあることに気づいた。

 

 今まで出会ったことがないはず(・・・)のその少女の顔を、どこかで見たことがあるような既視感を感じたのだ。

 

 俺はなにか嫌な予感がしながらも、その予感が外れるように祈りながら口を開く。

 

「―――ところで君の名前を聞いてもいいか?君がなんで襲われていたのかも知りたいし」

「あ、そうですね。わかりました」

 

 そして彼女は答えてくれた。

 

 ―――俺にとっての衝撃の名を。

 

 

 

 

 

 

「―――ぼくの名前はネギ・スプリングフィールドといいます。よろしくおねがいしますね♪」

「………は?」

 

 それが俺と本来なら少年であるはずの少女、ネギ・スプリングフィールドの出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 いやー、あの時はおどろいたぜ。まさか要注意人物として出会わないようにしていた主人公が女になっているなんてなー。

 

 あ、ちなみにあの時彼女を襲っていたのは、魔法使いの国『MM(メガロ・メセンブリーナ)』、通称『本国』のお偉いさんの息子たちだったらしく、英雄の娘である彼女と仮契約(パクティオー)を結ぼうとしたんだとか。

 

 仮契約とは、特定の魔法使いのパートナーとなる儀式のことで、どうやら自信の白付けのために彼女のパートナーとなろうとしていたらしい。

 

 俺はそれを聞いてお偉いさんの子供を殴るなんてやっちまったかなーと思ったのだが、どうやらやばかったのは英雄の娘にそんなことをやった彼らだったらしく、その事件のことを彼女の祖父という校長に話すとすさまじい勢いで激怒。さっそく手を打ち、俺の安全についても保証してくれた。……それから噂でネギを襲った男子生徒たちは魔力を永久封印され、彼女や俺に手を出せなくなる呪い(ギアス)をかけられ本国送り。彼らに指示を送ったお偉いさんは、どこからともかく現れた笑う眼鏡にぼこぼこにされ、とある鬼畜眼鏡の剣士議員に社会的に抹殺されたことを聞いたのだが、俺はそれを聞かなかったことにしたのはいうまでもない。

 

 まあここまではいいんだ。母さんの教えも守れたし、俺にとってのマイナスはせいぜい原作キャラとの接点を持ってしまった程度。それもこれから距離をとって生活すれば問題ないし。

 

 だがそこで一つの問題が生じた。俺が助けた少女、ネギ・スプリングフィールドがなにが楽しいのか毎日俺に付きまとってくるようになったのだ。

 

 授業以外はどこへいってもついてくる彼女を、さすがに少しうっとうしく思った俺は、原作キャラとあまり親しくしたくなかったこともあり、一度離れるようにいったのだが、

 

 

『―――め、迷惑でしたか?』

 

 

 そんなことを涙で潤んだ瞳で、上目遣いをしながらいわれたらいいえと答えるしかなかった。

 

 い、いやそれでも最初は断ろうとしたんだぜ?だけどよ、英雄の娘だからか、それとも彼女が類まれなる美少女だったからか、周りからすごい殺気が俺に集まり、彼女の姉という女性が黒いオーラを発しながら微笑んでこちらにプレッシャーを与えてくる状況でそれ以外どう答えろってんだよ!!

 

 それからの日々は大変だった。

 

 どこへ行くにもネギがついてくるので、プライバシーなんて無きに等しいし、とびっきりの美少女を連れているから男子生徒からの嫉妬の視線がすごいし、女生徒と話すときはなぜかネギの機嫌がものすごい勢いで悪くなり邪魔される。

 

 またさりげなく問題児である彼女は、いろいろ騒動を起こすのだが、彼女と知り合ってからはなぜか彼女はその騒動に俺を巻き込むようになっていったのだが、学校の教師がいうには俺が関わってからその騒動の規模が小さくなったらしく、そのまま彼女とその幼馴染の世話係に任命されてしまい、俺の苦労は日に日に増していった。

 

 ―――だが、それも学校の卒業で終わりを迎えた。

 

「(やれやれようやくここまできたなあ。苦労したぜ本当に。―――あれ、なんか涙が出てきた)」

 

 くたくたになるまで振り回され、ストレスに胃をおさえる日々がようやく終わるかと思うと涙腺が緩くなったのか、自然と瞳が潤みはじめるのを感じる。

 

 と、そこで俺はある女性たちの言葉により我に返った。

 

「―――何かのマチガイではないのですか?十歳で先生など無理です!」

「そうよネギったら、ただでさえチビでボケで……」

 

 彼女たちの名前はそれぞれ『ネカネ・スプリングフィールド』と『アンナ・ユーリエウナ・ココロウァ(通称アーニャ)』。主人公ネギ・スプリングフィールドの従兄弟と幼馴染だ。

 

 ちなみに今俺たちがいるのは、メルディアナ魔法学校の校長室。

 なぜこんなところにいるのかというと、あれから俺とネギはこの二人と合流したのだが、その際配られた卒業後の修行場所で、原作どおりに日本で先生をやることになり、こうして二人が校長室に詰問しに行く場に、なぜか俺もこうして連れてこられたというわけである。……まあ無駄だから無理に抵抗する気もなかったんだが。

 

 女性二人の詰問を受けている当のメルディアナ魔法学校校長、『マギ・スプリングフィールド』は、そんな彼女らの圧力にも動じず、悠然と答える。

 

「しかし卒業証書にそう書いてあるなら決まったことじゃ。立派な魔法使いになるためにはがんばって修行してくるしかないのう」

「ああっ」

 

 そんな彼の無常(?)な言葉にショックを受けたのか、ネカネさんはくらりとその場でよろめいたので俺はそれを片手で支える。

 

「大丈夫ですか?」

「あ、ありがとう」

 

 年下に世話になるのが、生粋のお姉さん気質である彼女は恥ずかしかったのか、頬を赤くするとすぐに立ち上がる。

 

「「むー」」

 

 そんな俺たちを見てなにやら面白くない顔で頬を膨らませるちびっ子二人。……なんで睨まれてんだ俺は。

 

 そんな俺たちの様子を楽しげに見ていた校長は、ひとつ咳払いして注目を自分に向けると、再び口を開く。

 

「―――安心せい。修行先の学園長はワシの友人じゃからの。ま、安心しなさい。―――それにさすがにネギだけでは無理があると思ってサポート用の人材を用意しているからの」

「「「サポート用の人材?」」」

 

 校長の言葉に三人そろって首をかしげるネギたち。……どうでもいいが関係ないなら帰ってもいいかな、俺。

 

 と、そこで俺は校長の視線がなぜかネギたちから視線をぼうっとしていた俺へと移る。え?なになに?

 

「ところでオリーシュよ。お主自分の修行場所がどこか確認したかの?」

「え?あ、そういえばまた見てなかったな……」

 

 その俺の言葉に、校長はなぜかニヤリと笑う。その視線は気のせいかどこかおもしろがっているように見える。

 

「おお、それはちょうどいい!ちょっとここで見てみるがよい」

「?はあ、わかりました……」

 

 校長の言葉に訝しく思いながらも、俺は校長の言葉に従い、卒業証書を開く。

 

 そこにはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

『日本でネギ・スプリングフィールドのサポートをすること』

 

 

 

 ………は?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■登場人物紹介

 

◆オリーシュ・ランペンルージ

 

 この小説の主人公で転生者。

 

 前世では元オタクが入った大学生で、とある会社の内定が決まり実家に帰る途中にトラックに轢かれて死亡。神様の暇つぶし道具に選ばれ、ネギま世界に転生する。

 

 転生特典は「イケメン」。つまりは容姿をよくすることで、そのおかげか名前のとおり、某反逆の王子並みの抜群の容姿を手に入れたが、実はこれは夢だと思ったかららしく、本人としてはネギま世界に転生すると知っていればもっと戦闘向きの特典を貰っていたらしい。

 

 とりあえずの備えとして二つ名を持つほどの腕利きの魔法使いである母親からいろんな教えを受けているため、戦闘能力は年齢に見合わず高い。(ちなみに母親の二つ名は「閃光」)

 

 可愛い彼女といちゃいちゃしたい程度の欲望はあり、今の自分の容姿が人並みはずれていることは自覚しているが、前世がオタクであったために女性経験が少なく、自分に否定的であるため、容姿がいいだけの自分に惚れる人などいないと思っている節があり、そのために鈍感なところがある。本来は女性に対しては初心。

 

 MMのお偉いさんを親に持つドラ息子に襲われていたネギを助けたら彼女に懐かれ、そのせいかさりげなく問題児であるネギの世話係として認定され、胃が痛む日々を送っており、卒業とともに開放されると思ったが、修行先もネギのサポート役に任じられてしまう不幸な男。

 

 タイプとしては「魔法剣士」。

 

 最近の悩みは距離をとりたいのに慕って自分についてくるネギの扱い。

 

 

◆ネギ・スプリングフィールド

 

 原作主人公にしてこの作品のメインヒロイン。

 

 英雄の娘のパートナーを狙うドラ息子に襲われていたところを主人公に助けられ、そこに父の影を見たのか、それから主人公に懐き、ついてまわるように。それが恋心かどうかは本人もまだわかっていない。

 

 原作とは違い、性別の違いからかそれほど父親に依存しておらず、それより村の皆の石化を直す方法や母親が誰かを探すことを重要視している。(尤も悪魔襲撃事件による復讐心はいぜん変わっていないが)

 

 この小説では見たとおりTSしているが、その頭脳、才能は変わらないためにメルディアナを主席で卒業している。

 

 原作では年齢が近く親しいものにはため口だが、主人公に対しては気になる相手だからか常に敬語を使う。

 




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