これでショップのカードガチャでなぜか三枚揃ってしまったトゥーンのもくじが活用できる!!あまりにもボロボロで買い取り不可されて邪魔で困ってたんですよ(おい
さて、今回はこのハーメルンで投稿されている方の作品を見ていた時に思いついた短編となります。なので、ネタが思いっきりかぶっていたところがありますが、トラブル回避のためにその方の許可はちゃんととってあるのであしからず。
ただ、宣伝のためにその方の作品のタイトルと名前を出したと思われるのも嫌ですので、その参考にした作品のタイトルと作者様のお名前はここではなく後書きに書かせていただきますので、この作品を読んでくださるという方はぜひそちらの方を読んでみてください。こんな短編よりもそちらの方が断然おもしろいので(笑)
それでは、暇つぶしにでもどうぞ。
”
第一回モンドグロッソの優勝者にして、その圧倒的な実力から『
現在は次代のIS業界を担う人材を育てる施設である「IS学園」で教育者の道を歩んでいる彼女には、実は一人の弟がいたことはあまり知られてはいない。
その弟の名は”
彼がまだ小さいころに彼女たちの両親は失踪しており、そのため千冬はまだ学生の身でありながら、女手一つで苦労しながら彼のことを育ててきたのだが、その甲斐あって、両親に捨てられた(実際は失踪なので本当に捨てたかどうかはわからないが)という、一見不幸ともいえる境遇でありながら、少し……いや一部物凄く鈍感なところ(主に恋愛的に)もあるが、歪んだ様子も見せず、まっすぐで誠実な少年へと育っていく。
そんな彼の成長を見るのは千冬にとって人生の楽しみといってもよく、無自覚に異性を惹きつけたり、その相手がどんなにアプローチしても全く気づかないそのいっそ病的なまでの鈍感さに呆れることはありながらも、彼女にとって彼は自分の全てを犠牲にしても惜しくない、大切な宝物だったのだ。――――そう、あの時までは。
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第二回モンドグロッソ。前回優勝者として彼女が参加したその大会で、事件は起こってしまう。
前回の大会で八面六臂の戦いを見せた千冬。そんな彼女の活躍をテレビ画面で見ていた一夏は、今回は会場で直接応援したいと、千冬に頼み込みその会場にやって来ていた。
愛しの弟の声援を受けて、彼女は意気揚々と戦場へと赴き、そしてその圧倒的な強さで見事二回目の優勝を決めた。
試合を終えた彼女は、さっそく一夏とその喜びを分かち合い、二人で祝杯でも上げようかと考えたのだが、そんな彼女に残酷な事実が知らされることとなる。
そう、最愛の弟である
――――――『一夏が誘拐された』という事実を。
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その電話は千冬がモンド・グロッソ決勝に向かう直前に、今回の開催国であるドイツの日本政府大使館へとかかってきた。
その内容は簡単にいえば「織斑一夏を誘拐した」というもの。
そうその電話の相手は、一夏の身柄と引き換えに、前回のモンド・グロッソ優勝者である千冬の出場を取りやめるよう、要求を突き付けてきたのだ。
これには日本政府も慌てた。
千冬の唯一の身内である一夏を誘拐し、彼女の出場を妨害するというのは彼らも予想していた。だからこそ、凄腕の護衛も彼につけていたはずだったのだ。
なのにその護衛が気づかない内に無効化され、護衛対象が奪われてしまったというのだ。失態という言葉だけですむ事態ではなかった。
そして、そのことを日本政府から聞き知った当時の千冬の担当官はさっそく千冬に報告する――――はずだった。 彼女は千冬が弟をどれだけ大切に思っているかを彼女から聞いて知っていたから、おそらくこれを知れば千冬は大会どころではないと考えたからだ。
しかし、結局彼女が弟が誘拐されたことを彼女に伝えることはなかった。なぜならば日本政府の高官から、情報と一緒に千冬にこの事態を、一夏が誘拐されたことを決して伝えるなという命令も一緒に伝えられたからだ。
千冬にとっては何より大切である一夏の存在も、日本政府にとってはただの子供。いや、むしろ誘拐されて千冬のモンドグロッソへの出場辞退の材料にされてしまっている現在の状況から、一夏は日本政府の威信を貶めかねない害悪な存在へとなってしまっていた。
だが、国益のためとはいえ自国民を見捨てたと知られては外聞が悪い。少なくとも今回の責任者の首が飛ぶことは必然。だからこそ、日本政府は非公式な形で担当官への命令を出した。
なので、ここで担当官が命令を無視することも一応はでき、彼女が千冬に一夏の現状を伝えればまだ一夏が助かる可能性はあった。
なにせ、
だが、悪いことにこの担当官。実は当時から流行していた所謂「女尊男卑主義者」というやつで、千冬の担当官になったのも、女性の強さの象徴(千冬にとってはおそらく不本意なことながら)である千冬に密かに憧れ、あわよくば彼女と個人的にも親しくなるために自ら志願した。
そんな彼女だからこそ、度々千冬との会話で話に上がる一夏の存在を不快に思っていた。嬉しそうに一夏のことを喋る千冬の姿を見て嫉妬したということもあるが、彼女にとって織斑千冬は完璧な存在でなくてはならなかった。だからこそ彼女の欠点となり得る一夏が邪魔だったのだ。
だからこそ、彼女は最初は千冬に誘拐があったことを伝えようと考えたのだが、その命令があったことをいいことに千冬に一夏誘拐の情報を彼女が帰ってくるまで伝えることはせず、彼女が帰ってくるとさも大変だという雰囲気で初めて彼女に一夏が誘拐されて現在も行方不明であるということを知らせたのだ。(尤も彼女はその後千冬に八つ当たりとばかりに全力で殴り飛ばされ、さらには今回の責任の全てを負わされ千冬の担当官どころか、左遷されてしまい、出世コースから完全に外れてしまうのだが)
それらのことがあり、試合会場から帰還し初めて一夏が誘拐されたことを知った千冬は、前述したようにその場で担当官を殴り飛ばしそのまま暴れ始めたのだが、そんな彼女の元に、ドイツ軍から一夏の誘拐場所と思わしき場所を発見したという情報がもたらされる。
その情報を聞いた彼女は、ISを身に纏い一縷の望みをかけてその場所に向かったのだが、時既に遅かったようで、その場にはなぜか誘拐犯のものなのか、複数の死体しか残っておらず、彼らに攫われたはずの一夏の姿は影も形もなかった。
その場には血痕も残されていたが、DNA検査の結果、それは一夏のものではないと判明し、それを聞いた千冬は一応安堵する。つまり一夏は未だ生きている可能性が残されているのだから。
千冬は今回の情報提供、そして今後の一夏を捜索することへの謝礼として、ドイツ軍のIS舞台で教官として働きながら一夏を探し続けた。
しかし、親友の束の手を借りながらも千冬は必死に探し続けたのだが一夏の姿は一向に見つからず、結局彼女は失意と共に帰国し、そのままIS操縦者として引退することに。
一夏を失ったことにより、心にぽっかりと穴が空いてしまったような千冬は、もはや何もする気が起きず、まるで死んだような日々を送っていたが、そんなある日、彼女は知り合いからIS学園で教員をやらないかという誘いを受けた。
ISは最強の性能を誇るとはいえ、まだ若い兵器。千冬の最強のIS相乗者としての経験がこのままダメになるのは惜しいと考えたゆえの誘いであったが、どうやら千冬自身もこのままではいけないと考えていたようで、その知り合いが考えていたよりあっさりとその誘いに乗り、こうして彼女はIS学園の教師という道を歩むこととなった。
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千冬がIS学園の教師となり数年が経ち、初めは戸惑うばかりだった千冬もドイツでの教導の経験が生きたのかすぐに慣れ、その持ち前のカリスマ性もあいまって、今では教師からも生徒からも一目置かれる存在へと成長していた。
頼りないところはあるが気のいい同僚たちや、騒がしく喧しいが自らを無邪気に慕ってくる生徒たちと関わる日々は、千冬に休みの少ない多忙な日々を送らせていたが、しかし自慢の弟を失ってしまった虚しさを、すこしはまぎらわせてくれた。
そんなある日のことだった。千冬の前にその青年が姿を現したのは。
『―――
「………ッ!?」
突如現れたISを動かした男。
その身柄の保護のため、情報がマスコミに流れる前に、男はIS学園へと入学するという形でその身柄を移送することとなり、そのため教師の代表者として千冬がその男と面会することになったのだが、千冬はその男の顔を見て思わず息を呑む。――――なにせ、その男の顔は自分の弟である一夏そっくりだったのだから。
「(髪は銀色で瞳の色も燃えるように赤いが……私にはわかる。こいつは一夏、大切な私の弟――――一夏が帰ってきた!!)」
あまりにも衝撃的な出来事にしばし呆けていた千冬であったが、そのことを理解すると、彼女の体は一夏が行方不明になって以来の歓喜の感情で包まれる。
だがそれも仕方ないことだろう。なにせ、半ばその安否を諦めかけていた最愛の弟が帰ってきたのだから。
だからこそ彼女は、いろいろ聞きたいところではあるが、人目をはばならず飛びつきたい衝動に襲われながらもなんとかそれを堪え、瞳を潤ませながらも普段の彼女を知る者がいたら驚愕するような柔らかな笑みを浮かべた。
「お帰り、一夏。会いたかったぞ」
万感の思いを込めてそう口にする千冬であったが、そんな彼女の言葉に男が返したのは、彼女が予想だにしていない言葉だった。
「人違いです」
「え?」
これは、行方不明になってしまっている間に謎の変貌を遂げてしまった青年織斑一夏と、そんな彼をどうにかしようと悪戦苦闘する乙女たちの物語。
「……え?なんであんなことになってんのあいつ?」
――――ではなく、織斑一夏と全く関係ないのに、容姿が似通っていたために間違われてしまった青年鬼龍院翔と、そんな彼の幼なじみであるために事あるごとに騒動に巻き込まれてしまうこととなる地味にハイスペックな少女
「………どうしてこうなった」
「いや、あんたのせいなんだけど!?」
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■藻部愛
主人公兼不幸な人その1。
幼い頃両親を事故で亡くし、親戚をたらい回しにされた結果、ある孤児院に引き取られ、今回の騒動の中心である鬼龍院翔とはそこで出会った。
翔とは文字通り兄弟のように育っており、だからこそ翔を一夏と勘違いしている千冬、箒、鈴の三人にはありえないといっているのだが、彼女たちには聞いてもらえず、若干敵視されはじめているという。(特に一夏に恋していたという箒と鈴には闇討ちされかねないほど敵視されている)
見た目は整った顔立ちではあるが、原作一夏ラヴァーズのような飛びぬけた感じではない。いわば「地味美少女」。
しかし容姿と同じく地味にハイスペックで、中学のときは決して1位はとれなかったが殆どの科目の二番手におり、そのため彼女のことを知るものからは、「ネオ・モブ」「ミス・セカンド」などと呼ばれていたりする。
将来の夢はお金持ちになり孤児院をリフォームすることで、IS学園に進んだのも将来職に就くさい有利になると思ったから。
翔と幼馴染ということでさまざまな騒動に巻き込まれていくという巻き込まれ型の不幸な人(笑)
■鬼龍院翔
主人公兼不幸な人その2
生粋の日本人なのに銀髪赤眼というまるで踏み台転生者のような容姿なのだが、実は本当に転生者という裏設定が。
しかし、よく踏み台に選ばれるような「皆俺の嫁」とかいう悪質な性格の転生者ではなく、謂わば神様の楽しみのために無理やり転生させられた道化型転生者。
ちなみに転生特典は戦闘の才能と優れた容姿。だが、実は戦いの才能はともかくこの優れた容姿という特典は、神様の独断と偏見で、転生先の世界でイケメンと呼ばれる容姿をこの特典を得た転生者の容姿として設定するというもので、そのため一夏と彼が似ているのは、転生先で多くの女性を虜(笑)にした一夏に似た容姿を選んだから。
そして髪が銀色、瞳が赤かったのは翔以前にこの神様に転生させてもらったまさに踏み台的思考とでもいうべき性格の転生者が容姿を頼み時にこの設定にしていたため、この色が人の好みなのかとサービスとしてつけた。
しかし、その髪と瞳の色のせいで転生した世界で彼を生んだ両親は自分たちの容姿の特徴を受け継いだ様子のない彼の姿を不気味に思い、なんとダンボールに入れて川に流すという暴挙に。
そして川に流されている最中、彼が現在住んでいる孤児院の院長に拾われ、その孤児院の一員となった。
まったく関係ないのに、神様のせいで一夏とそっくりな容姿にされてしまったため、いろいろな厄介ごとを惹きつける吸引型の不幸な人(笑)
無口に見えるがただのコミュ障。
どうでしたでしょうか?……はい、そうです。実は最後の場面を書きたい衝動にかられ、ここまで一気に書き上げました。なんかすみません(笑)
ちなみに参考にさせていただいた作品は、このサイトの常連の方、もしくはインフィニット・ストラトスの二次小説を読み漁った経験のある方ならお分かりになる方もいらっしゃると思いますが、壬生咲夜様の「勘違い(ガチ)」という作品となります。
他者様の作品のネタばれをするわけにはいかないので説明は省かせていただきますが、ネタが斬新でおもしろいので、ぜひ皆様も読んでみてください(あれ、宣伝?
それでは、また次回。とりあえず、書きたい短編のネタが溜まっているので、しばらくはそれを消化する作業になりますが、あしからず(笑)