えんとつそうじのネタ帳   作:えんとつそうじ

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転生の奇術師の第六話目です。暇つぶしにでもどうぞ。


第五話:奇術師の決闘。VS異次元の王(3)DD魔導賢者ケプラー、ガリレイ

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零児

LP:3500

手札:三枚

場:DDD烈火王テムジン

  DDD疾風王アレクサンダー

  DDD怒涛王シーザー

 

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 三人のDDD、異次元の王を前に、久遠はいつもの笑みを浮かべていたが、内心ではこれ以上ないほど焦っていた。

 

 

「(これは少々、まずいですね。DDD疾風王アレクサンダーの攻撃力は2500。ブラック・マジシャンと同じ攻撃力。つまりアレクサンダーと相打ちにされれば残り2体の攻撃で私のライフは0になる。……まだ発動させたくはなかったが、ここはあのカードを発動させるか?)」

 

 

 だがそこで彼は今自身がいる場所から少し離れた街灯に一枚のカードが落ちているのを見つけた。アクションカードだ。

 

 

 しかし零児はそんな彼の様子に気づいていないのか、そのままさらに一枚の魔法カードを発動させる。

 

 

「そして私は魔法カード「運命の宝札」を発動。私はサイコロを振り、出た目の数だけデッキからカードをドロー。そしてドローした数だけデッキの一番上からカードを除外する」

 

 

 

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運命の宝札

通常魔法

サイコロを1回振る。出た目の数だけデッキからカードをドローする。

その後、同じ数だけデッキの1番上からカードをゲームから除外する。

 

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 そしてその彼の言葉とともに空中からサイコロが落ちてきたかと思えば、それは「3」の数字を表した。

 

 

「出た目は3。よって三枚のカードをドローし、さらに三枚のカードを除外する」

 

 

 

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零児

手札:三枚→六枚

 

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 運命の宝札の効果により三枚のカードを引いた零児はドローカードを横目でそのまま確認しながらも次の行動に移る。

 

 

「それではバトルだ。―――行け、アレキサンダー!!」

「ちッ!?(やはり相打ち狙いか!!)」

 

 

 自身に迫る大剣に、久遠は舌打ちを一つすると、急いで街灯へと駆け寄りカードを拾うと、その中身を確認し、そのまま発動させる。

 

 

「私はアクションマジック「回避」を発動!!このカードによりアレクサンダーの攻撃を無効にする」

 

 

 

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《回避》

通常魔法

①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にする。

 

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 回避の効果によりブラック・マジシャンがアレクサンダーの攻撃を交わすのを見て、零児はしかしなぜか満足げな笑みを浮かべた。

 

 

「ふっ。さすがにそう易々とは破壊させてくれないか。ならば私はカードを三枚伏せてターンエンドだ」

 

 

 

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零児

LP:3500

手札:三枚

場:DDD烈火王テムジン

  DDD疾風王アレクサンダー

  DDD怒涛王シーザー

魔法、罠:伏せカード三枚

 

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「さあ、君のターンだ」

「……私のターン。ドローします」

 

 

 

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久遠

LP:4000

手札:三枚

場:ブラック・マジシャン

魔法、罠:伏せカード二枚

 

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 デッキからカードを引いた久遠は、とりあえずブラック・マジシャンの攻撃でDDDを一体でも減らそうとしたのだが、そんな彼の内心を見透かしたのか零児は一枚の伏せカードを発動させる。

 

 

「私はこのターン、「和睦の使者」を発動。このカードの効果により自分フィールド上のモンスターはこのターン戦闘で破壊されることはなくなり、ダメージは0となる」

「なッ!?」

 

 

 

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和睦の使者

通常罠

このターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になり、

自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

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「このカードによりこのターン。私はダメージを受けず、私のモンスターは破壊されることはなくなる」

「くっ!?」

 

 

 笑みを浮かべる零児の姿に、自分の考えを先読みされたせいか久遠は屈辱で歯噛みするが、それも一瞬頭から振り払い、気を取り直す。

 

 

「……ならば私は「マジシャンズ・ヴァルキリア」を守備表示で召喚し、ターンを終了します」

 

 

 

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マジシャンズ・ヴァルキリア

効果モンスター

星4/光属性/魔法使い族/攻1600/守1800

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は他の魔法使い族モンスターを攻撃対象に選択できない。

 

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久遠

LP:4000

手札:二枚

場:ブラック・マジシャン

  マジシャンズ・ヴァルキリア

魔法、罠:伏せカード二枚

 

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 久遠のフィールドに戦装束に身を纏った少女の魔法使いが現れ、その瞬間零児の眼光がぎらりと光り、彼はさらなるカードを発動させる。

 

 

「私は君のターン終了時、罠カード「DDDの人事権」を発動!このカードの効果により自分フィールド上のDDDモンスター3体をデッキに戻し、その後デッキからDDと名のついたモンスター2体を手札に加える!!私はこのカードによりデッキから「DD魔導賢者ケプラー」、「DD魔導賢者ガリレイ」の2体を手札に加える」

「なんだとッ!?」

 

 

 

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DDDの人事権

通常罠

①:自分フィールドの「DDD」モンスター3体をデッキに戻す。

その後、デッキから「DD」モンスター2体を手札に加える。

 

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 零児のその行動に、久遠は珍しく声を荒げる。それだけ彼の行動が予想外だったのだ。

 

 

「どういうことです?せっかくのDDDを全てデッキに戻すなど?正気の沙汰とは思えない」

「なに、せっかくだから私のとっておきも見せてさしあげようかと思ってね?」

「なに?」

 

 

 その彼の言葉に、久遠は訝しげに眉を顰めるが、零児はそんな彼の様子に笑みを浮かべるだけ。

 

 

「くく。私のターン、ドロー!!」

 

 

 

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零児

LP:3500

手札:六枚

魔法、罠:伏せカード一枚

   

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 零児はドローカードを確認すると、久遠のほうに視線を向ける。

 

 

 それは敬意とともに、このターンで決着をつけようという決意のようなものが見えた。

 

 

「(来るか……!!)」

 

 

 そんな彼の感情を感じ取ったのか、零児は再び口を開く。

 

 

「……見事だったよ、遊緋久遠。まさかここまでやるとは思わなかった。―――だからこそ見せよう。私の本当の全力を!!」

 

 

 そういうと彼は、二枚のカードを目の前に掲げる。

 

 

「私はスケール1の魔導賢者ガリレイとスケール10の魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールをセッティング!!」

「なんだと!?」

 

 

 

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DD魔導賢者ケプラー

ペンデュラム・効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

【Pスケール:青10/赤10】

①:自分スタンバイフェイズに発動する。

このカードのPスケールを5つ下げる。

その後、このカードのPスケール以下のレベルを持つ、

P召喚した自分フィールドのモンスターを全て墓地へ送る。

【モンスター効果】

①:1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを手札に戻す。

 

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DD魔導賢者ガリレイ

ペンデュラム・効果モンスター

星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

【Pスケール:青1/赤1】

①:自分スタンバイフェイズに発動する。

このカードのPスケールを倍にする。

その後、このカードのPスケール以下のレベルを持つ、

P召喚した自分フィールドのモンスターを全て墓地へ送る。

【モンスター効果】

①:このカードが戦闘を行う場合、

このカードの攻撃力は、自分のPゾーンのカードの攻撃力の合計になる。

 

~~~~~~

 

 

 零児のその言葉に驚きの声を上げるのは久遠。その表情にはあまりの驚きからか、いつもの飄々とした態度が完全に消え去っているのが見て取れる。

 

 

 だが零児はそんな彼の様子を尻目に、ペンデュラムスケールにセッティングした2体の悪魔がフィールドに無事に現れたのを確認すると言葉を続ける。

 

 

「これでレベル2からレベル9のモンスターが同時に召喚可能!!」

 

 

 そして観覧席の面々もまさかのペンデュラムモンスターの登場に驚きで沸いた。

 

 

「あれは、ペンデュラムモンスター!?」

「そんな!!」

「嘘!?」

 

 

 だがそんな彼らの中でも最もその登場に驚いていたのは、今まで自分が唯一のペンデュラムの使い手だと信じていた少年、榊遊矢だった。

 

 

「……なんで?どうしてあいつがペンデュラムを!?」

 

 

 半ば茫然自失としている遊矢を横目で確認した赤馬理事長は、やがて興味を無くしたかのようにその視線をデュエル場へと戻す。

 

 

「(あの様子では彼は榊遊勝から特になにも聞いていないようね。たぶんなにもいわれずにペンデュラムカードを渡された。つまり彼は何も知らないことになる。……となるともう警戒する必要はなさそうね)」

 

 

 そして赤馬理事長は口元に笑みを浮かべながら、その視線を久遠へと向ける。

 

 

「(うちの零児さんを相手にここまでやる腕は見事だったけど、どうやらここまでのようね。―――さあ、とくと見なさい、遊緋久遠!零児さんの真の力。我らレオ・コーポレーションの技術の結晶を!!)」

 

 

 そしてそんな彼女の言葉に答えるがごとく、零児は力強く、それでいて謡うようにそのモンスターたちを呼び出した。

 

 

 ―――そう、最強の異次元の王たちを。

 

 

「我が魂を揺らす大いなる力よ。この身に宿りて闇を引き裂く新たな光りとなれ!

 

 

 

 

 ―――ペンデュラム召喚、出現せよ私のモンスターたちよ!!」

 

 

 そして空に浮かぶ光りの渦から3体のモンスターが現れる。

 

 

 その姿を見て、唖然とする遊勝塾の生徒の一人、フトシが掠れるような声を漏らす。

 

 

「なんだ……あれ…?」

 

 

 だが彼がここまで驚くのも無理はない。

 

 

 零児が呼び出したまさに振り子(ペンデュラム)を模したような巨大な3体のモンスターはそれほど大きな威圧感(プレッシャー)を放っていたのだ。

 

 

「全ての王をも統べる3体の超越神、「DDD死偉王ヘル・アーマゲドン」召喚!!」

 

 

 

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DDD死偉王ヘル・アーマゲドン

ペンデュラム・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守1000

【Pスケール:青4/赤4】

(1):1ターンに1度、自分フィールドの

「DD」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで800アップする。

【モンスター効果】

(1):1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、

そのモンスター1体を対象として発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、

対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。

この効果を発動するターン、このカードは直接攻撃できない。

(2):このカードは、このカードを対象としない魔法・罠カードの効果では破壊されない。

 

~~~~~~

 

 

 

 そのあまりの重圧に圧倒させられたのか、呆然としている久遠の姿を零児は片手で眼鏡の位置を直しながら鋭く見据える。

 

 

 

~~~~~~

 

零児

LP:3500

手札:一枚

場:DDD死偉王ヘル・アーマゲドン×3

魔法、罠:伏せカード一枚

 

~~~~~~

 

 

 

「―――さあ、そろそろ決着を着けようか」


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