生徒会変態共!   作:真田蟲

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十九人目

 

【奥手好き?】

 

親睦を深める生徒会の毎年の恒例行事ということで海に行くことになった生徒会一行。

その前日、それぞれは家で明日の海水浴のための準備をしているのだった。

津田も今現在、自分の部屋でリュックに水着を詰め込んげいるところだ。

 

「いいなぁ、タカ兄。私も海行きたいな~」

 

彼が準備している光景を眺めながら、兄のベッドに腰かけているコトミがつぶやいた。

 

「お前は今年受験生だろ?」

 

しっかり勉強しろ、と妹に釘をさす津田。

本来なら今も自室で受験勉強をするべきなのに、この妹と来たらまた彼の部屋にさぼりに来ている。

 

「も~タカ兄は駄目だな~。

 やろうとしてる人にやれって言うのは逆効果だよ?」

 

「逆効果って言ってもなぁ……」

 

前提として津田は自分の妹が勉強にやるきを出しているところを見たことがなかった。

元々やる気ならそれも当てはまるだろうが、彼女に関してはむしろもっと言った方がいいのでは?

などと考えてしまう。

 

「Hの時だってヤろうとしてる時に向こうからヤってって言われたら萎えるでしょ?」

 

「まぁ、恥じらいは大事だよな」

 

でも想像してみれば、津田的には向こうから誘ってくるのもアリといえば大いにアリである。

 

「まぁ、勉強はお前のペースに任せるにしても、海は諦めろ」

 

「うぇ~~……」

 

「お前焦らしプレイ好きだろ?

 逝きたい、でも逝けない。もう少しで逝けるのに~ってやつ」

 

海も同じに考えればいい、と津田は言う。

その彼の言葉に想像するコトミ。

 

「海も同じ……」

 

 

 

↓以下妄想。

 

『あぁ~ん!(海に)逝きたいのに、逝けない!

 もうすぐそこまで(夏が)来てるのに、もうちょっとなのに……逝けない~~~~ん!』

 

妄想終了。

 

 

 

「ハァハァ……そんな……このままの状態で、一年なんて……私狂っちゃうよ~~……」

 

なんだか枕を抱いてくねくねとしている妹を見て、津田は優しく微笑んだ。

今日も津田家は平和である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【保護色】

 

「かくかくしこしこで、海にやってきたぞ!!」

 

翌日、いろいろありつつも海水浴場に到着した面々。

眼前に広がる青い海を前に、声高らかに到着を宣言するシノ。

「わー」と小さく歓声をあげて拍手する津田とアリア。

スズは砂浜に見える人の多さにちょっと顔をしかめていた。

同じく運転手兼保護者の横島先生もテンションが上がらないのかしかめつらだ。

すぐさま水着になるために備え付けの更衣室で着替えをすますことにする。

ちなみにシノと津田は私服の下に水着を着てくるという中学生のようなことをしていた。

そのため更衣室に入らずにその場で脱いでしまい、スズに怒られた。

アリアは二人の真似をして脱ごうとし、しかし下に水着も下着も着ていなかった。

そのため途中で肌色が多いことにいち早く気づいたスズが更衣室に連行していった。

アリアが彼女にもっと怒られたのは言うまでもない。

 

「シノちゃん赤いビキニ決まってるねー」

 

「ふふ、そうだろう?今日のために買ったのだ」

 

「……」

 

色々ありつつも全員無事水着姿になった生徒会共。

先のセリフからもわかるとおり、シノは真っ赤なビキニ。

くびれたウエストと、腰の骨が浮き出たラインが艶めかしい。

健康的な肌に鮮やかな赤が栄え、なかなかな色気を醸し出していた。

しかし赤いからと言って通常時の三倍のボリューム感があるわけではない。

アリアもシノと同じビキニタイプの水着を着ている。

ただしこちらの色は清潔感漂う白だ。

同性でも目を引いてしまう彼女の豊満なバストが、白に包まれ母性を強調している。

白と言う清潔感漂う色に対し、ある種暴力的なほどの色気がある。

彼女たちの横で無言なスズはワンピースタイプの水着を着ていた。

ピンク色の水着で、色気よりも可愛らしさを前面におしだしたようなデザイン。

彼女の身長と体型から、このような水着しかなかったのではあるが。

わかってはいても同年代であるはずの先輩二人の水着姿を見て憂鬱になるのだった。

 

「なんで赤にしたの?」

 

「そりゃあの日が近いからな」

 

「いつ来ても大丈夫だね」

 

「……んなあほな」

 

ちなみに皆さんのご想像通り、津田はすでに股間を押えて砂に顔を埋めている。

まぁ、彼女たちの水着を見て彼がどのようなリアクションを取ったのかはあえて語るまい。

ちなみに彼は普通のトランクスタイプの水着を履いていた。

突きだすように上に掲げられている尻は、薄布一枚隔てていても他のメンバーにも負けず劣らずのハリがあるぷりっけつだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【注意事項】

 

「引率兼ドライバーの横島先生、引率らしく何か一言」

 

パラソルの下で気だるげに座っていた横島先生にシノが話しかけた。

見れば生徒会の面々が先生の前に勢ぞろいしている。

津田も復活を果たしていた。

 

「う~ん、そうね……」

 

特になにも考えてなかった彼女は、シノの振りに何を言おうか考える。

しかし暑さのせいで上手い言葉も思いつかない。

 

「あー、まぁ……みんなはめを外しすぎないようにね」

 

よって、出てきたのはありきたりな言葉だった。

そんなものだろうと考えていた面々は頷いている。

最初から何か為になるような話を期待していたわけでもないのだ。失礼な話ではあるが。

ただドライバーとしてだけでなく、一応引率としての立場からのけじめというものを

表そうとしただけにすぎない。

 

「ハメるのはいいけど」

 

「どっちも駄目だろ」

 

結局、引率らしいけじめすら彼女に期待するのは無駄であるようだった。

 

 

 

 

 

 

 

【侵入を許し流される】

 

波打ち際で遊ぶ生徒会共。

打ち寄せる波が、彼等の体にあたってしぶきを上げる。

 

「ひゃー」

 

「うわぁ、あはははは!」

 

「おお、結構波強いですね」

 

楽しそうに笑う面々を見ていて、ふと脳裏にあるイメージが思い浮かぶ津田。

まぁ漫画だからよくある場面なわけで、現実にはないだろうと考えた彼は現実のむなしさに鼻で笑った。

それに気づいたスズが彼に話しかけた。

 

「どうしたの津田、変な顔して」

 

「いや、そういえば水着がこういう場面で波に流されるシチュって漫画に多いよなって思って」

 

「馬鹿ね、漫画の話でしょ? 現実的にそんなことめったにないわよ」

 

「だよなー。あるわけないよなー」

 

「きゃ!?」

 

そんな二人の会話を裏切るかのように横から悲鳴があがる。

もしや誰かの水着が流されたのか? と今の会話の流れから想像する二人。

そこには自らの股間を抑えるアリアの姿。

しかし水着は問題なく着ており、何かあったようには見えない。

 

「どうしたんですか七条先輩?」

 

「今の波はすごかったねー、アハハ、水が膣に入っちゃったよ」

 

頬を赤らめつつものすごい発言をする先輩にスズはあんぐりと口をあけた。

津田はナニを想像してか鼻の下をのばしていた。

 

「ハッハッハ。さてはアリア、昨晩オナ○ーのしすぎで花びらが少し開いた状態だったんじゃないか?」

 

「もー、シノちゃんてばー」

 

「うおぅ!?」

 

先輩二人の会話に思考が停止しているスズの隣で、津田の声が響く。

何事かと皆の視線が彼に集中した。

 

「いやー、今の波は凄かったなー。波で水着が流されちゃったよ。ハハハハハ」

 

そこには股間を両手で隠した津田が全裸で立っていた。

 

「…………どうやったら男ものの水着が流されるんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【シノは語る】

 

遊ぶのを中断して、海を眺めながら休憩する生徒会共。

到着してからというもの、一時間ほどはしゃいでいたので少し疲れてしまった。

 

「海水浴場に来るたびに思うのだ」

 

「はい?」

 

それまで静かに波の音と、他の観光客の声を静かに聞いていた中。

急にシノが語り出した。

 

「巨大なサメが人を襲う映画」

 

「ああ、あれは怖いですよね」

 

「でももしあれが……あれがサメではなくタコやイカだったら18禁になってしまいそうだな、と。」

 

「ですねぇ、葛飾北斎は偉大ですねぇ」

 

「……」

 

シノの独白に津田が適当に相槌を打ち、馬鹿な内容にスズがつっこむのも疲れた顔をしている。

そんな中、何やらさきほどからごそごそしていたアリアが、シノに何かを手渡した。

 

「はい、シノちゃん」

 

「ん、なんだ?……ってタコ!?」

 

それは60センチはある生きたタコだった。

シノの腹の上に落とされたタコが、にゅるにゅると動きまわる。

 

「うわぁああああ!? とって、取ってくれぇえええ!!」

 

「ちょ、七条先輩!? なんでタコなんて持ってるんですか!?」

 

「うふふふふ」

 

予想以上の滑り感に鳥肌が立つシノ。

パニックに陥るシノを助けようと、津田が手を伸ばした。

 

「ひぃぃいぃい、気持ち悪いぃいいい!! にゅるにゅるしてるー!!」

 

「待っててください会長!! 俺が今取りますから!」

 

「ばっ、ちょ、どこ触ってるんだ津田!? ひゃっ、あん!」

 

「じっとしててください会長……いで!? いでででで!?

 吸盤が痛い、予想以上に痛い!」

 

シノの体の上を這っていたタコだったが、津田の伸ばした手に攻撃されていると思ったのか。

触手を彼の体に絡ませて吸盤で吸い付き攻撃してきた。

おかげで解放されるシノ。

騒ぐ間にもタコは腕をよじ登り彼の顔へと襲いかかる。

 

「イタ、痛い! マジで痛い!?」

 

その後、彼はタコを絡ませたまま海へとダイブしたことでタコが離れ助かった。

しかし至る所に吸盤の跡が真っ赤に残っていた。

 

 

 

 

 

 


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