ウルトラ5番目の使い魔   作:エマーソン

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第58話  CREW GUYS再集結!! アニマル星SOS

 第58話

 CREW GUYS再集結!! アニマル星SOS

 

 大海亀怪獣 キングトータス、クイントータス、ミニトータス

 さすらい怪獣 ロン

 カプセル怪獣 アギラ

 高次元捕食獣 レッサーボガール

 高次元捕食体 ボガール

 ウルトラマンタロウ

 ウルトラマンレオ 登場!

 

 

「テッペイ、コノミ、よく来てくれたな!」

 フェニックスネストに、CREW GUYSの懐かしい声が響き渡る。

「お久しぶりです。リュウさん、ミライくん」

「二人とも元気そうね。最近のみんなの活躍、幼稚園のみんなも頼もしく見てたのよ」

 かつてリュウやミライとともに、エンペラ星人の脅威と戦った前GUYSの仲間、クゼ・テッペイとアマガイ・コノミが帰ってきた。二人は、テレビの報道などで最近のCREW GUYSの活躍は耳にしていたが、つい先日トリヤマ補佐官から声をかけられてやってきたのだった。

「それにしても、さすがお二人ともすごいですね。僕たちが、まだまだだってことがよくわかりました」

 カナタも二人の助っ人参戦に喜びと、未熟さへの苦笑を混ぜた笑みを浮かべた。ペスターの攻略法を的確に教えてくれたテッペイと、テッペイにガボラが出現する前兆があると言われて、あらかじめ発電所近辺で待機していたコノミによって、ペスターは撃破され、ガボラはミクラスの怪力に負けて地底に逃げ帰っている。いずれも、現在のGUYSのメンバーだけではなし得なかった戦果だ。

 

「けど、お前たちどうして?」

 リュウはそこだけは不審気に聞いた。二人がやってきてくれたことは確かにうれしいが、二人ともGUYSのほかにも、テッペイは医者になるために医大に通う道、コノミにも幼稚園の先生としての道がある。まさかとは思うが、それを放り出してきたのではと思ったけれども、二人はそんな様子は微塵も感じさせなかった。

「大丈夫です。僕がスケジュール管理がうまいのは知っているでしょう。GUYSと医学生の両立、昔ほどこちらにい続けるとはいきませんが、可能な限りお手伝いさせていただきます」

「私は、ちょうどこれから幼稚園が夏休みだから。リュウさんたちのお手伝いが少しでもできればと思って」

「お前ら……だが」

「おっと、勘違いしないでください。もちろんそれもありますが、僕たちも、安心してそれぞれの道に行くためにわざわざ時間を割いてこっちに来てるんです」

 頭の上にクエスチョンマークを浮かべているリュウに、テッペイは微笑しながら続けた。

「つまりです。また、全宇宙規模の危機がおとずれようとしているかもしれないときに、今のGUYSの戦力では心もとないですが、彼らが早く一人前になってくれれば僕らも安心して引退できるということです」

 つまり、テッペイたちは新人たちの先輩として、その指導をしてくれるということだ。考えてみれば、教官としてこれ以上の人材はない。それに、今はともかく一人でも優秀な人材が欲しいのも事実だ。

「そうか、そういうことなら、悪いが頼む。このひよっこたちをビシビシ鍛えてやってくれ」

 リュウは、カナタをはじめとする新人たちを見渡して、よく通る声で言い放った。特に、さきほどの戦いでペスターの分析に手間取った新人のオペレーターはテッペイに直接敬礼を返している。

「本当にありがとうございます。テッペイさん、コノミさん」

「なんの、水臭いですよミライくん。地球のこともそうですが、ミライくんのお兄さんがピンチだってときに、僕たちが黙ってられるはずがないじゃないですか」

「そうよミライくん、みんなで頑張ってウルトラマンAを助け出しましょう」

 ミライは、テッペイとコノミの思いやりに涙が出る思いだった。このメンバーでまたいっしょに戦えるということは、それだけで笑みが漏れてくる。だが、GUYSにはまだ二人メンバーが残っている。ミライは、喜び合う若者たちを眺めながら、話しかける機会をうかがっていたトリヤマ補佐官に話しかけた。

「そういえばトリヤマ補佐官、ジョージさんやマリナさんには声をかけたんですか?」

「ん? ああ、連絡はついたんだが、二人とも今はスペインリーグとレースで日本を離れていてな。もう少ししたら日本に戻るというから、暇を見て来てくれるそうだ」

「そうですか、お二人とも忙しいのに……トリヤマ補佐官、お気遣いありがとうございます」

「いやあ、あははは」

 照れくさそうに笑うトリヤマ補佐官に、今回ばかりは頭が上がらない。そんな和気藹々とした雰囲気を、サコミズ総監や、ミサキ女史は微笑みながら見守っていたが、次の瞬間そんなサコミズ総監の笑顔を引きつらせる声が響いた。

「おっと、助っ人はここにもいるわよぉ」

 いつの間にか、ドアのところに白衣をまとって、髪を後ろで留めた博士風の女性が、活発そうな笑みを浮かべて立っていた。

「フジサワ博士!」

「はぁーい、元気してたあ? お久しぶりね、フシギちゃん」

 いたずらっぽくミライに微笑んだのは、異次元物理学の権威、フジサワ・アサミ博士であった。まだ若いが、かつてヤプールの異次元ゲートを封印するために使われたメテオール、『ディメンショナル・ディゾルバー』や、エンペラ星人の暗黒四天王の一人、不死身のグローザムにとどめを刺した『マクスウェル・トルネード』などを発明した天才科学者だ。また、サコミズ総監やミサキ女史とは旧知の仲で、特にミサキ女史とは名前で呼び合う親友だけども、サコミズ総監とは。

「サコちゃんも元気そうねー……けーど」

「う、うん久しぶりですねフジサワ博士」

 フジサワ博士に横目で睨まれて、サコミズ総監は手に持っていたコーヒーカップを机に置いた。

「私の前では絶対飲まないでって、言ったよね? コーヒー」

「う、うん、大丈夫、すぐに歯を磨くから」

 ただ、大変にコーヒー嫌いのために、大のコーヒー党のサコミズ総監は昔からこの人がやや苦手なのであった。総監が隊長であったころから平然と高圧的に接してくるし、今でも総監に向かって上から目線で言えるのはこの人くらいだろう。

「まあいいわ、今回は私のほうが突然押しかけたことだから許したげる」

「ほっ、けどフジサワ博士、どうして突然?」

「ヤプール相手に、この私を呼ばないなんてほうが失礼じゃない? それに、私は奴に借りがあるのよ。あいつは私の『ディメンショナル・ディゾルバー』で異次元のゲートを塞いだはずなのに、あっさりと復活してくれたからね。このままにしておけるわけないじゃない」

 科学者として、発明品の失敗をそのままにしてはおけないと、彼女の瞳は熱く燃えていた。ともあれ、フジサワ博士の助力は正直とてもありがたい。サコミズ総監は多少微妙な感じだが、一同は揃って博士を歓迎した。

「よしよし、ジョージがまだいないのが残念だけど、じゃあ再会を祝して乾杯といきますか!」

「博士、まだ勤務中ですよ」

「だーれが宴会までするって言ったの? 景気づけにジュースかなにかで一杯飲むだけよ。あ、もちろんコーヒーは抜きでね」

 こうなれば、もう総監にも拒否権はない。それに、乾杯程度ならすぐ終わるし、景気づけも悪くない。

「じゃ、そうと決まれば善は急げ、みんなコップを持って明るいところに集合!」

「おーっ!」

 鶴の一声で、新旧GUYSの面々は、暇なときにはよく空を見たりしているフェニックスネストのデッキに集まった。

 

「かんぱーい!」

「乾杯!」

 隊員たちの唱和とともに、歓声が空に吸い込まれていく。昔は怪獣退治に成功したお祝いにビールで乾杯したこともあったそうだが、さすがに今のご時世ではそうはいかず、オレンジジュースでの乾杯となった。

 短い時間だが、和気藹々とした空気が流れる。これからまた怪獣が現れ、死闘の連続となるのだろうからこんな時間も必要だろう。

 しかし、コップの中身を喉に流し込んで空を見上げたとき、ミライとセリザワの目に空に輝く光の文字が映ってきた。

「メビウス……」

「はい、ヒカリ」

「どうしたんですか?」

 突然空を見上げて深刻そうな顔つきをしている二人にテッペイが尋ねてきた。

「光の国からの、ゾフィー兄さんからの、ウルトラサインです」

 怪訝な顔をしているテッペイたちに、ミライはそう説明した。ウルトラマンが他の惑星にいる仲間に連絡をするときに使うウルトラサインは、地球人の目には見えないのだ。

「ウルトラの星からの! そ、それでなんて言ってきているんですか!?」

「はい、それが……」

 興奮するテッペイや仲間たちに、ミライはウルトラサインで送られてきた驚くべき内容の事件を話していった。それは、すぐ前に、ウルトラの星のあるM78星雲の一角にある、とある惑星で起こったことだった。

 

 

 そこは、通称アニマル星と呼ばれる地球に環境のよく似た星で、かつてウルトラセブンのパートナーとして地球で活躍したカプセル怪獣アギラの故郷であった。ここでは、今は任を解かれたアギラがのんびりと暮らし、ほかにもかつて地球を離れて親子で宇宙に旅立った大海亀怪獣キングトータス、クイントータス、ミニトータスの親子が海辺で遊び、地底では同じく地球から運び出された冬眠怪獣ゲランが卵といっしょに眠り、キングゼミラの生んだ卵がいつの日かの孵化のときを待っている。

 そう、ここは悪意はないが、その存在そのものが脅威となって住む星を追われた多くの平和的な怪獣たちが、仲良く暮らしている星である。

 そこへ、ある日突然次元を破って多数の高次元捕食獣レッサーボガールが出現し、平和に暮らしていた怪獣たちや動物たちに襲い掛かってきたのだ。むろん、怪獣たちも自分たちを守るために必死になって応戦した。その先頭に立ったのは、言うまでもなく、任を解かれたとはいえ勇敢さにはひとかけらの曇りも陰らせていなかった、あのアギラであった。

 アギラは、持ち前の素早い動きで一匹のレッサーボガールの懐に飛び込むと、トリケラトプスのような角を奴の腹に引っ掛けてひっくり返し、腹の上にのしかかって何度もジャンプして苦しめた。そうなると、本来戦いを好まない怪獣たちもアギラの勇気に奮起して、この無礼な侵入者たちを撃退しようと反撃を試みていく。キングトータス、クイントータスが手足を引っ込めて空中へ飛び上がり、レッサーボガールどもの頭の上から火炎球を投下し、地球に居たときより成長したミニトータスも、手足を引っ込めた円盤状の形態で高速回転して体当たりをかける。他にも、地球では名も知られていない怪獣たちが殴りかかったり、火を噴いたりして応戦し、本当に戦う力のない者たちを逃がそうとする。たとえ非力な集団でも、リーダーが勇猛であればその勇気が伝染し、より以上の実力を発揮するという好例であった。

 

 それでも、今度のレッサーボガールたちは最初から巨大なものばかりであり、次元の裂け目から最終的には十体もの大群で現れたために怪獣たちも押され始めた。奴らが目と手から放つエネルギー弾や、凶悪なパワーによってアギラやトータス親子も傷つき、そしてついに奴らが巨大なハエトリグサのような口を大きく開き、怪獣たちを捕食しようとした、そのときだった!

 

『ストリウム光線!!』

 

 突如天空から降り注いできた虹色の光が先頭をきっていたレッサーボガールの一体を吹き飛ばし、次の瞬間、真紅に輝く光の玉が舞い降りてきた。そしてその中から現れる猛々しい巨躯と、天を睨む大きな二本の角を持つ巨人。見よ、ウルトラ兄弟六番目の弟、ウルトラマンタロウの雄姿を!!

「トァァッ!!」

 タロウは十匹ものレッサーボガールの群れに敢然と正面から立ち向かっていった。大地を強く蹴り、天高く跳び上がったタロウの体が空中で目にも止まらぬ速さで回転しながら不規則に宙を舞う。そしてその速度を最大限にまで高めたとき、獲物を求めて急降下する燕のように蹴りつけた!!

『スワローキック!!』

 顔面に直撃を食らった一匹がたまらずに吹っ飛ばされ、地面を勢いよく二百メートルは吹っ飛ばされた。

 だが、レッサーボガールどもは狂犬の群れのようにいっせいにタロウに襲い掛かってくる。

「トォッ!!」

 それに対してタロウは再び宙に跳び、スワローキックの連続で対抗していく。超高速での飛行と急降下キックの連続に、レッサーボガールどもはまったく対応できない。あっという間に群れは散り散りになり、個別にタロウを追い回したあげくに味方同士でぶつかって転んでしまう始末だ。

 タロウは思うさまに敵を翻弄すると、着地してアギラを助け起こした。

「アギラ、よくやったな。後はまかせろ」

 傷ついたアギラの背を軽くなでて、タロウは仲間たちを連れて下がっているように指示した。アギラは、言葉をしゃべることはできないが、タロウの意思を理解してよろめきつつトータス親子やほかの怪獣たちを引き連れて下がっていく。かつてリッガーと戦ったとき、ダンが時限爆弾島の中枢を破壊するまで食い止めたように、敵を倒せないまでもここの怪獣たちを守り抜くという使命は立派に果たしたのだ、恥じるべき何者もなかった。

 そして、アギラから使命を受け継いだタロウは敢然と、怒るレッサーボガールたちに再び向かっていった。

「いくぞ!!」

 一匹のレッサーボガールと真っ向から組み合ったタロウは顔面を殴りつけ、ひるませたところに膝蹴りを叩き込み、そのまま流れるように投げ飛ばした!

 地面を転がる一匹を踏み越え、さらに二匹が迫ってくる。タロウは奴らよりはるかに素早い身のこなしでこれをかわし、さらにエネルギー弾を撃ってきた奴にチョップを打ち込み、肩を掴んで巴投げで別の奴へとぶっつける。

 そうかと思えば、突撃してきた奴に足払いをかけて転ばせ、腕力に自信を持って向かってきた一匹を、さらに強力なパンチでグロッキーにしていく。その圧倒的な身のこなしとパワーには、さしものレッサーボガールどももきりきり舞いさせられるしかない。ウルトラ兄弟最強のパワーの持ち主は、東光太郎時代に培ったボクサーの軽やかなフットワークも加わって、いわばライト級とヘヴィ級、両方の長所を併せ持つウルトラ級パンチャーであったのだ。

 こんな相手を敵にしては、以前メビウスを苦しめた怪獣であろうと勝負にならない。否、あのときのメビウスとタロウではそもそもの実力差が大きく開いている。

「それにしても、いったいなぜこの星にこいつらが……?」

 戦いながらタロウは浮かんできた疑問の答えを考えていた。このレッサーボガールという怪獣が、メビウスが地球滞在していたときに戦ったものと同種であることは、光の国からメビウスの戦いを見守り続けていたタロウは知っている。しかし、生き残りがいたとしても、光の国のすぐそばのこの星を狙ってくるとは無謀としか言いようがない。

 単に食欲に駆られてのことか? それにしてもこれほどの群れが一度にとは、こいつらはそれほど仲間意識のある怪獣ではなかったはずだが、誰か先導した者でもいたのか。

 ともかく、場所がM78星雲の中だったために、光の国に滞在していた自分はすぐさま駆けつけることができたが、光の国の庭先とも言うべきこの星が襲われるとは、由々しき事態に間違いはない。それに、せっかく安住の地を得て平和に暮らしている怪獣たちの生活を脅かすとは許せない。タロウは怒りを込めて、一体のレッサーボガールのどてっぱらに、渾身の正拳突きをお見舞いした。

『アトミックパンチ!!』

 タロウの超パワーのパンチはレッサーボガールの腹を突きぬけ、背中まで貫通した。タロウは致命傷を負ってもだえるその一体から腕を引き抜くと、今度は別の一体の頭上へと高く飛び、急降下してその首に手刀を叩き込む!

『ハンドナイフ!!』

 一撃でレッサーボガールの首が寸断されて宙を舞う。タロウは一瞬のうちに二体を格闘技のみで葬り去り、さらなる余裕を持って、残った八体へと向かっていく。圧倒的な実力差、タロウに太刀打ちするのならレッサーボガールでは余りに格が違いすぎた。

 しかし、このまま戦えばタロウの圧勝かと思われたとき、突如レッサーボガールどもは攻撃目標をタロウから、逃げようとしていたこの星の怪獣たちに向けて襲い掛かっていった。

「なに!?」

 タロウは慄然とし、そして焦った。残り八匹のレッサーボガールと戦って撃破するなら、実力差から申し分ない。しかし、八匹を食い止めなければならないとしたら話が違う。自分に背を向けてアギラに先導されて逃げていく怪獣たちへと向かうレッサーボガールに、タロウは組み付いて投げ飛ばし、背中からキックを入れて転ばせるが、群れ全体の進行は止まらない。

「くそっ、どういうことだ!?」

 知能が低く、統率された行動などとれないはずのレッサーボガールの突然の方針変換に、タロウはやはりこいつらには操っている黒幕がいるのではと当たりをつけたが、今はともかくこいつらを止めるしかない。

 だが、怪獣たちに向かうのを止めようとするタロウの前に、三匹のレッサーボガールが振り返って立ちふさがってくる。足止めをするつもりか! やはりこの知的な行動はレッサーボガールのものではない。しかしその黒幕を探している時間はない。

 一方、タロウが残った三匹を相手に一方的だが時間を浪費する戦いを強いられている頃、この星の豊かな森林の影から戦いを見守る人影がいた。別世界でジュリと戦ったあの女だ。こいつは、レッサーボガールが現れる前にこの星に現れて、絶好の餌場となるここへ手下の群れを呼び寄せ、怪獣たちが充分弱ったところでまとめて捕食しようと狙っていたのだが、予想以上に早くウルトラマンタロウが駆けつけてきたために出て行くことを中止して、テレパシーで手下を操っていたのだ。

 そして、今タロウを足止めできているうちに、残った手下で怪獣たちを捕まえてと意図していた。だが、その邪悪な企みは、同じ森に住んでいる八メートルほどの小型怪獣の鳴き声で打ち砕かれた。飛んで逃げようとしていたミニトータスを長く伸びる舌で捕まえ、助けようとするキングトータスとクイントータスをも組み伏せたレッサーボガールの頭上に新たな赤い球が出現し、それは奴らが気づいた瞬間には、真紅に燃える彗星となって舞い降りてきていたのだ!

 

『レオ・キック!!』

 

 彗星が、一匹のレッサーボガールのシルエットと重なり、すれ違った瞬間にはその一体の上半身は消滅していた。文字通り、下半身だけを残して恐るべき破壊力によってもぎ取られていったのだ。そして、その一撃をもたらした者こそ、大地に降り立った赤き獅子の勇者!!

「エイャァ!!」

 戦え!! ウルトラ兄弟No.7、ウルトラマンレオよ!!

 レオはキングトータスとクイントータスを襲っていた二匹を蹴り倒し、ミニトータスを襲っていた一匹の舌に向かって、赤いエネルギーをまとった手刀を振り下ろした。

『レオ・チョップ!!』

 張り詰めたゴムがちぎれるように、レッサーボガールの舌が千切れ飛んでミニトータスが解放される。

「レオ!!」

「タロウ兄さん、ご無事ですか?」

 思いもよらぬ弟の救援に驚くタロウの目の前で、レオは残った四匹のレッサーボガールを同時に迎え撃つ。宇宙拳法の達人であるレオにとって、力任せに襲ってくるだけの怪獣など恐れるにも値しない。タロウにも劣らぬ俊敏さで一匹の懐に入り込んでパンチの連射を叩き込み、怒った他の三匹が同時にエネルギー弾を放ってくるのを、流れるようなサイドステップとバック転でかわす。いくら連射しようと、ケンドロスのブーメラン攻撃や、ノースサタンの含み針をすべて見切れるレオに当たるわけがない。

 お返しにと、間合いをとったレオは右手にエネルギーをため、赤く輝く光の球に変えて投げつけた!

『エネルギー光球!!』

 直撃を受けた一匹は頭部を粉砕されて、倒れた体も一歩遅れて砕け散る。残りは六体!

「タロウ兄さん」

「レオ、いくぞ!」

 タロウとレオは視線をかわし、同時に残ったレッサーボガールに構えをとる。いまだ数では二対六と不利。しかし、兄弟が力を合わせればこの程度の数の差など問題にならない。

 タッグを組んだタロウとレオは、前転して勢いをつけると、同時にキックを打ち込んだ!

「イヤァァッ!」

 マネキンのようにあっけなく倒れるレッサーボガールを乗り越えて、さらに四体が二人の前に立ちふさがる。しかし、そのときにはすでにレオは空高く跳び、タロウは両手を前にかざして光の壁を作り出していた。

『タロウバリヤー!!』

 四体分のエネルギー弾の乱射はすべてバリヤーにはじき返され、落下してきたレオの手刀が一閃する!

『ハンドスライサー!!』

 縦一文字の斬撃炸裂! 食らった一体が左右真っ二つに寸断される。

 最初の半分に数を落としたレッサーボガールは、それでも無価値となった数の有利を頼んで戦意と殺意を失っていないが、タロウとレオの攻撃は緩みはしていない。タロウのスワローキックの連続と、レオの格闘攻撃が真上と真下の三次元攻撃となって襲い掛かり、対して連携などとりようもないレッサーボガールは個別に反撃を試みるだけで、二人にはかすりもしない。

 そしてタロウの空中攻撃に対抗しようと三匹が背中合わせに固まったときに、レオも跳んだ! タロウに目を取られて動けないでいる三体の上空から、回転しながら勢いよく直角に降下したレオのキックが同時に炸裂する。

 

『きりもみキック!!』

 

 かつて双子怪獣レッドギラスとブラックギラスを葬り去った必殺技が炸裂し、三匹の首が一辺にはじけ飛ぶ!! さらに今度は両手を高くかかげたタロウの体が急速回転を始め、大気を渦巻かせる巨大竜巻を発生させた!

『タロウスパウト!!』

 一瞬で最後の二匹を飲み込んだ巨大竜巻は、抵抗などまったく許さぬ勢いを持って上空高く吹き飛ばした。

「ようし、とどめだ、レオ!」

「はい、タロウ兄さん」

 上空から回転しながら落ちてくるレッサーボガールへ向けて、二人は最後の一撃の体勢をとった。

 両手を頭上で合わせ、腰に落としたタロウの体が虹色のエネルギーで輝き、レオが両手を体の前で高速でクロスさせると同時にエネルギーがスパークし、タロウは腕を逆L字に組み、レオは両腕を突き出して必殺の光線を放った!!

 

『ストリウム光線!!』

『シューティングビーム!!』

 

 虹色と赤色の破壊光線が、レッサーボガールを一寸の狙い違わず撃ち抜いた時、二つの火炎の花がこの戦いの終焉を告げた。この星を襲った十体のレッサーボガールは、天を焦がす大爆発を最後に、二人のウルトラ兄弟の前に全滅したのだった。

 アギラやトータス親子をはじめとする怪獣たちも無事だ。タロウとレオは満足そうにうなづいた。

「ところでレオ、どうしてお前がここに?」

「ロンが、私を呼んでくれたのです」

 見ると、レオの足元に小さな怪獣が駆け寄ってきた。それは、かつてレオの故郷、L77星でレオのペットだった怪獣、ロンだった。昔、ロンはレオと同じくマグマ星人によってL77星が滅ぼされたときに故郷を失い、宇宙をさまよっているうちに巨大化し、性格も荒くなって地球で暴れていたことがあった。しかし、レオによって正しい心を取り戻されて元の大きさに戻され、今はこの星で暮らしているのだった。

「そうか、そうだったのか」

 これで、今は任務で光の国を離れているはずのレオが駆けつけてこられた理由がわかった。タロウはレオといっしょにロンの頭をなでてやって礼を言った。おかげで、この星の危機を犠牲を出さずに切り抜けることができたと。

 

 だが、平和が戻ったと思われたそのときだった。

 突如、森の一角から禍々しいオーラが立ち上り、人間の姿が宙に浮かんだかと思うと、それが一瞬で変異して、レッサーボガールとよく似た、しかし比べようもなく邪悪な雰囲気を持つ怪獣が現れたのだ。

「お前は!?」

「ボガール……」

 タロウには、そいつの姿に確かな見覚えがあった。かつて宇宙の星星を荒らしまわり、あらゆる生命を食いつくし、絶滅させていった凶悪な食欲の権化、高次元捕食体ボガール。これでレッサーボガールどもがこの星に大挙して現れた理由もわかった。

 けれど、ボガールは確か数年前、地球でメビウスとヒカリによって倒されたはずなのに。

「ボガール、きさま、生きていたのか」

「キサマラ……ヨクモ、テシタドモヲ……マタ、ショクジノジャマシタナ」

 片言でしゃべるボガールは怒りをあらわにして、タロウとレオに攻撃態勢をとってくる。どう見ても、話の通じる相手ではないと理解した二人も再び身構える。

 しかし、両者が激突する前に、ボガールの後ろの空間が割れて、赤黒い次元の裂け目が生じた!

「ボガール貴様、勝手に何をしている!?」

「グ……キサマカ」

 次元の裂け目から響いてきた禍々しいエコーのかかった声に、タロウとレオも思わず立ち尽くした。それが、異次元でボガールの人間体と話していたクロムウェルの声だと彼らが知るはずもないが、空間を割って移動するやり方には、はっきりと心当たりがあった。

「ヤプール、やはり貴様が黒幕についていたのか!!」

 タロウはかつて地球で二度ヤプールと戦ったことがある。特に、Uキラーザウルスと戦ったときの印象は強烈で、そのときの邪悪なオーラと今次元の裂け目から漂ってくるものの質は同じだった。ただし、ヤプールとは多数のヤプール人の意識集合体なので、今話しているヤプールは、あのときのヤプールとは同一人物とも別人ともいえる。

「ぬぅ……ウルトラマンタロウか。ボガールの馬鹿め、貴様が先走ったおかげでウルトラ兄弟に我らのことが知られてしまったではないか!」

「シルカ……アレシキデ、ワタシノウエハミタサレン」

「ともかく戻れ。エースを倒すまで、貴様の能力を失うわけにはいかんのだ!」

 次元の裂け目は急膨張すると、ボガールを強制的に引き込み始めた。これはかつてギロン人がアリブンタのえさとなる人間を捕らえるために使った異次元蟻地獄の変形だろう。ボガールは抵抗するが、なすすべなく引き込まれていく。

「待て、逃がさんぞ!」

 タロウとレオは、ここで逃がしてはなるまいと光線で追撃をかけた。

『ストリウム光線!』

『エネルギー光球!』

 二人の攻撃は、消え行くボガールまであと一歩と迫ったが、わずかに次元の裂け目が閉まるほうが早く、空しく空を切って飛び去っていった。

「逃がしたか……」

 異次元に逃げ込まれてしまっては、こちらとしては追撃のしようがない。だが、残念そうに拳を握り締めるタロウに、レオは今の会話でわかっただけの情報と、希望を示した。

「タロウ兄さん、奴を逃がしたのは残念でした。けれど、これでヤプールが復活しているということと、ヤプールとボガールがつながっているということがわかりました。そして何より、奴はこう言いました。「エースを倒すまで、貴様の能力を失うわけにはいかない」、と、つまりエース兄さんは今もどこかで無事でいるということです」

「そうか! 思い出してみれば、ヤプールならボガールを復活させられても不思議ではない。それにしても、今回は餓えたボガールが独断で行動したらしいが、我らにとっては貴重な情報を得れたことになるな」

「そうですね。それに今のボガールはメビウスが戦ったときに比べて、かなりパワーダウンしていたように見受けられました。だからヤプールも慌てて回収したんでしょう」

 もしヤプールがボガールを無理矢理にでも回収しなければ、奴は間違いなくタロウとレオに葬り去られていただろう。それでも、存在を知られるのを覚悟で出てきたのは、ボガールにそれだけのことをする価値があるからだ。

「これは、大きな転機になるかもしれん。とにかく、ゾフィー兄さんに急いで報告しなければならんが、レオ、私はこの星の怪獣たちのために、もう少しここに残りたい。すまないが、宇宙警備隊本部へ直接報告へ行ってくれないか?」

「わかりました。では、こちらはお任せします……ロン、よく私を呼んでくれた。元気でいろよ」

 レオは、かつての家族の頭をひとなですると、後は振り返らずに飛び去っていった。

 そして、残ったタロウはアギラやトータス親子など、傷ついた怪獣へ向けて両手を掲げて治療光線を放っていった。

『リライブ光線』

 きらめく光のシャワーが怪獣たちの傷を癒していく。ウルトラの母の血を引くタロウは治癒の力でも兄弟の中で群を抜いているのだ。けれど、タロウはこのままヤプールの跳梁を許せば、この何倍もの犠牲が出ることになると、背筋を寒くした。今回のヤプールとボガールの言動を見ると、奴らはもうしばらく力を蓄えるまで潜んでいるつもりだったのだろうが、尻尾を掴んだ以上必ず引きずり出してやる。

 その後タロウは、また先走ったボガールが攻撃を仕掛けてこないかパトロールの強化を要請するために、自身も光の国に帰還していった。だが、そのころにはすでにレオからゾフィー、そしてウルトラの父に事態が報告され、ゾフィーから地球のメビウスとヒカリへ向けてウルトラサインが放たれていたのだ。

 

 こうして、はるかM78星雲で起きた事件の全容をGUYSの皆に説明し終わったミライは、深刻に考え込んでいる皆を見渡した。やはり、かつて必死の思いで倒したボガールが復活し、さらにヤプールと手を組んでいるとなると平然とはしていられない。特に、ミライは目を閉じて瞑想しているように考え込んでいるセリザワ、ヒカリに声をかけた。

「ヒカリ……」

「わかっているメビウス、私は、大丈夫だ」

 その声には、こもった感情を理性で押さえつけているものがあった。ヒカリとボガールには、浅からぬ因縁がある。かつてボガールは、科学者であったヒカリが愛した奇跡の星アーブを滅ぼし、死の星に変えてしまった。そのときヒカリはアーブを守れなかった悲嘆から、アーブの怨念に取り付かれて復讐の戦士、ハンターナイト・ツルギと化して宇宙のあちこちで暴力をふるった。地球に来てから、メビウスやGUYSとの触れ合いでウルトラマンとしての心を取り戻し、ボガールとの復讐劇にも決着をつけたけれども、やはり心穏やかならぬものがあるのは仕方がない。

「ここ最近の怪獣の頻繁な出現は、ボガールのせいだったんでしょうか?」

 話を進めようと、ミライは皆にその話を振ってみた。ボガールは、自身の食料となる怪獣を地の底の眠りから蘇らせたり、宇宙から呼び寄せたりする能力を持っている。かつてのディノゾールをはじめ、本来現れずにすんだはずの怪獣が大挙ボガールのせいで現れて、結成当時のリュウたちは苦労したものだ。

「いえ、可能性は高いですが断定はできないですね。ボガールの仕業なら、食料にするために奴も現れるはずですが、今回のとおりヤプールはボガールを隠したがっています。となると、地球の混乱を狙ったヤプールの仕業ではないでしょうか」

 テッペイの仮説には証拠はなかったが、十分な説得力を持っていた。だがそれにしても、片方だけでもやっかいな相手が形だけとはいえ手を組んでいるとは先行きが思いやられる。ボガールの能力と、ヤプールの智謀が化合したらどんな恐ろしい手で攻めてくるか。考えただけで気が重くなる。

 その陰鬱な空気を変えたのはサコミズ総監だった。

「みんな、ヤプール、そしてボガールまで復活を遂げているのは確かに容易ならざる事態だ。しかも、ヤプールは行動を秘匿しようとしていたことからも、これまでにない規模での侵略、我々への復讐をもくろんでいるんだろう。しかし、同時にこれまで不明だったウルトラマンAの安否の一端も掴めた。ヤプールにすれば、慌てたはずみで口をすべらせたのだろうが、我々にとっては大きな前進だ。この宇宙のどこかで、ウルトラマンAは今でもヤプールの計画を阻んでくれている。我々も、早く彼を見つけ出そうじゃないか」

「……G・I・G!!」

 いっせいにCREW GUYSの隊員たちはサコミズ総監に向かって返礼した。隊長を降りても、この人がGUYSの大黒柱なのには変わりない。あっというまに隊員たちに満ちていたマイナスの気をプラスに変えてしまった。

 考えてみれば、これまでは漠然としていた、対ヤプール、ウルトラマンA救出作戦ががぜん現実味を帯びてきたのだ。リュウたちはさっそく訓練だと元気よく駆け出していって、テッペイは新人といっしょに情報分析、コノミはサポートと適材適所についていき、フジサワ博士も「さすがサコちゃん、やるじゃない!」と褒めていった後、対ヤプール用新型メテオールの開発に取り掛かっていった。

 こうして、GUYSは小さいながらも確実な一歩を踏み出した。

「エース兄さん、待っててください。すぐに助けに行きますからね」

「ボガール……次に会ったときには、今度こそ二度と蘇れないよう、完全に倒してやる」

 ミライは空を見上げ、見果てぬ先で戦っているであろう兄に誓い。セリザワは復讐心を押さえ、今度は宇宙警備隊員としてボガールの殲滅を誓った。

 

 

 だが、堤防のこちら側で大荒れだからといって、向こう側も同じだとは限らない。時空の壁を越えた場所では、まだ台風もその雲を陰らせてはおらず、平穏な陽光のもとで暖かな夏の日差しが少年少女たちを照らしていた。

「ふぃーっ……気持ちいい」

 ルイズは足を小川のせせらぎの中につけて、夏の猛暑の中で味わえる最高の快楽を満喫していた。

 すでに港町スカボローを出て一日。馬車でののんびりした旅とはいえ、ほろの中でも夏の暑さはこたえる。そんなときに見つけたのが、街道に平行して流れる幅五メイル程度の小川であった。見回せば、向こうではアイちゃんとキュルケが水遊びをしていて、ロングビルは監督役、タバサは水に足をつけながら本を読んでいて、シエスタは夕食に使うんだと魚を獲る罠をこしらえている。そんでもって才人はといえば。

「しゃあ、三回成功! 次は四回だっと。うーん、なかなかよさそうな石がないなあ」

 と、石投げの水切り遊びに熱中している姿はどちらが子供かわかりはしない。怒鳴りつけてやろうかとルイズは思ったが、足元から伝わってくる涼しさのおかげでどうでもよくなった。

「こんなことなら、水着でも持ってくればよかったわね」

 と、ルイズがつぶやいたのを才人は残念ながら聞き逃した。とはいえ、仮に準備があったとしてもこの世界の女性用水着はゆったりとした無地のワンピースのような色気のかけらもないものなので、期待したあげくに、間違いなく激しくがっかりしたことだろう。

 しかし、この暑さだと着衣のままでも水に飛び込みたくなる。どうせすぐ乾くだろうし、水遊びが楽しそうなキュルケたちを見ると、飛び込んじゃおうかなと思ったとき、彼女の足に川の流れに流されてきた何かが軽く当たって、それを水中から拾い上げた。

「……貝がら?」

 それは、ピンク色の光沢を持つ手のひらほどの貝がらだった。見ると、向こうでは才人も同じ貝がらを拾って水切り石の代わりにして遊んでいる。どうやら水切りにはちょうどいいらしく、記録が伸びたと喜んでいた。

「おーいルイズ、これけっこう面白いぞ。桜貝に似てるけど、なんて貝かな」

 そう言われても、いちいち貝の名前なんて知るはずがない。というか、けっこうきれいな貝なのだから「この貝がら、君の髪の色といっしょで首飾りにしたら似合うよ」くらいは言えないのだろうか? まぁ、かといってギーシュのように饒舌に口説き文句を言う才人など気持ち悪いだけなのだが。

 よく見ると、川原のあちこちには同じ貝がらが散乱している。ルイズたちと同じように休憩している旅人の中には拾って持ち帰ろうとしている者もいるようだが、宝貝などは見慣れているルイズは特に執着は持たずに投げ捨てた。キュルケたちも同じなようで、シエスタなどは魚のほうに興味があるようだ。

 ちなみに、試みにロングビルやタバサに貝の名前を聞いてみたが、知らないと言われた。まあどうでもいいことなのだが。

「この調子だと、明日には着くわね……ふわぁぁ」

 疲れが水の中に溶けていくような感触は、やがて眠気へと変化していった。

「キュルケおねえちゃん、この貝がらアイのたからものにするー」

「いいわね。大事にしなさい、じゃそろそろ上がろうか」

 川から上がってアイの足をタオルで拭いているキュルケの姿には、ルイズも自然と笑みが漏れてくる。にっくき宿敵でも、面倒見がよく子供受けするタイプだということくらいはわかる。いろいろと対象的な相手だが、こういうところはうらやましいと思った。

 この風景だけ見ると、とてもこの国で未曾有の内戦が続いているとは思えない。街道を行き交う人々もあからさまに武器をたずさえている人はほとんどなく、商人から自分たちのような旅人、作物を運ぶ農夫と様々な身なりの人々が額に汗して歩いている。中にはこの暑さにも関わらずに全身黒一色で固めて平然と歩いている人も見かけたが、すぐに雑踏の中に紛れていってしまったためにそこで忘れた。

 実際ルイズが見るところ、トリステインとあまり差がないように思われ、アルビオンは平和な大陸だったという噂は、これを見る限りは本当だった。

 白の大陸は暖かな自然に囲まれて、今のところは平和が続いていた。今のところは……

 

 

 続く


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