ウルトラ5番目の使い魔   作:エマーソン

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第63話  魅惑の妖精亭は今日も繁盛Ⅱ

 第63話

 魅惑の妖精亭は今日も繁盛Ⅱ

 

 知略宇宙人 ミジー星人

 三面ロボ頭獣 ガラオン

 宇宙三面魔像 ジャシュライン

 デハドー星人のアンドロイド 登場!

 

 

 見つめあう目と目。その視線の先には、それぞれみっつの顔が並んでいる。

 

「じー……」

 

 横に、怒り、泣き、笑いのでかい顔が並んでいる三面ロボ頭獣ガラオン。

 縦に、怒り、笑い、無表情の顔が胴体についている宇宙三面魔像ジャシュライン。

 ガラオンを見つめるジャシュライン。ジャシュラインを見つめるガラオン。

 トリスタニアの街のド真ん中で、こんな変な顔同士のにらめっこが起こるなどと誰が想像しえたであろうか? トリスタニアの市民は唖然とし、ウルトラマンダイナに変身しようとしていたアスカも、思わず変身を忘れて呆然としていた。

「なんだアイツら、親戚か……?」

 んなわけないが、初見ではそう思ってしまってもしょうがないだろう。ともかく、一体でもヘンな奴が二体も現れたのだ。

 どうなるの? これからどうなるの? 誰にもまったくわからない。

 見つめあう、見つめあう、見つめあーう。

 まるでお見合いの席で初対面した初心な男女のように、両者は熱い視線をかわしあい続ける。

 しかし、お見合いはハッとしたジャシュラインの次男が止めさせた。

「あ、兄者! いつまでボーッとしてるんでシュラ。見とれてないで、さっさとやっちまうでシュラ!」

「あ、おう、そうだったジャジャ! 俺様たちは、こんなことをしてる場合じゃなかったジャジャ」

「そうだイン! どこの誰かは知らないけど、ワシたちの邪魔をする気なら、お前から先に始末してやるイン!」

「いくぞジャジャ!」

 正気を取り戻したジャシュライン三兄弟。ジャシュラインはひとつの体に三人の兄弟の人格が同居しており、それぞれ得意技が違う。まずは長男が主導権をとって腕につけている円形の盾を外すと、それが羽をあしらったブーメランに変わり、豪快なフォームから投げつけてきた。

 だがガラオンも黙ってはいない。ミジー星人たちも遅ればせながら正気に戻り、カマチェンコとウドチェンコがコクピットの天井から垂れ下がった吊り輪を引っ張ると、ガラオンはその不格好な巨体からは想像できないほど俊敏にブーメランを避けてみせたのだ。

「なにぃジャジャ!?」

 これに驚いたのはジャシュラインだ。必中だと思ったブーメランをやすやすとかわされたことで、彼らの宇宙ストリートファイターの血が騒いでくる。

「やるなシュラ。では今度はボクちんが相手になってやるでシュラ!」

 格闘戦に優れた次男とチェンジして、ジャシュラインは直接ガラオンに襲い掛かってくる。

 むろん、ミジー星人たちも負けてはいない。

「危っぶないわねえアイツ。なによ急に凶器出してきちゃって」

「ううん、やはりあれは大悪党の顔だったな。しかも顔が三つなんて、我々のガラオンをパクりやがって。どうする? どうする?」

「決まっているわ! 真の大悪党は我々ミジー星人であることを、あのニセモノに思い知らせてやるのだ。いくぞ!」

「ラジャー!」

 こっちはこっちで目的をきれいさっぱり忘れ、組み付いてくるジャシュラインをガラオンの体当たりで押し返す。

 トリスタニアのド真ん中で早朝から起こった怪獣同士の大バトル。その衝撃に、トリスタニアの市民たちもようやく我に返って逃げまどい始めた。

「うわぁ離れろぉ! つぶされるぞぉぉーっ!」

 ガラオンとジャシュラインは当たり前のことながら、足元の民家に配慮などしない。当然人間もモタモタしていたら気づかれずにぺっしゃんこにされてしまうというわけだ。

 まずい、このまま二体が暴れ続けたらトリスタニアは瓦礫の山になってしまう。アスカは二体に向かって駆け出し、リーフラッシャーを空に掲げる。

「あいつら! これ以上好きにさせられっかよ!」

 平和を自分たちの都合で乱す奴らを許してはおけない。ウルトラマンダイナの出番が来たようだ。

 だが、アスカがリーフラッシャーのスイッチをポチッとしようとした、まさにその瞬間だった。アスカの鼓膜はおろか、町全体に響き渡る音量で魅惑の妖精亭から声が轟いたのだ。

「コラーッ! ドルちゃんウドちゃんカマちゃん! 何よそ様に迷惑かけてるの! 暴れるなら広いとこでやりなさい!」

「はいぃぃぃ!」

 突然の怒声に、ガラオンは反射的に「気を付け」の姿勢をとり、アスカは変身を忘れて固まってしまった。

 そのままガラオンは、またも唖然としているトリスタニアの人々と「??」というジャシュラインの見ている前で、そそくさと民家を避けながら、前にアボラスとバニラが暴れた「怪獣を暴れさせるため用の広場」へと駆け足で走っていった。

「お、おーいでシュラ?」

 さっぱり訳のわからないまま、ジャシュラインも広場で手招きしてくるガラオンのところに駆けていく。

 そして、はっとしたミジー星人たちは、なぜこんなことをしてしまったのかと冷や汗をかいていた。

「ま、まさか……我々は毎日の雑用の日々の末に……潜在意識レベルでジェシカちゃんに服従するようになってしまったのでは!」

 ウドチェンコのつぶやいた言葉に、ドルチェンコとカマチェンコも「ま、まさか……」と青ざめるが、体が勝手に動いてしまったものはしょうがなかった。

 そのガラオンを、またも唖然と見守るトリスタニアの人々やアスカ。とはいえジャシュラインはバカにされたみたいで腹を立てている。

「なにをボーッとしてるんでシュラか!」

 棒立ちのガラオンにジャシュラインの蹴りが炸裂した。

 たまらずにミジー星人たちの悲鳴ごと、泣き顔を上にしてすっころぷガラオン。ガラオンのコックピットは座席もなくて立ちっぱなしで操縦するので、ミジー星人たちも洗濯機の中のシャツみたいにくしゃくしゃだ。

 だが、そのショックでガラオンの中に残っていた”もうひとつのコクピット”の中で、再起動した者がいた。

「ワタシは……消去サレタはずでは?」

 ミジー星人たちは何も気づいてはいない。いや、それよりも目の前の敵を相手にするだけで手いっぱいなのだ。

「畜生、反撃だぁ!」

 ドルチェンコの叫びで、起き上がったガラオンは目から破壊光線を放ってジャシュラインを狙い撃った。

 けっこう威力のある光線を浴びて、ジャシュラインの体がぐらりと揺れる。

「なかなかやるでシュラ!」

「では今度はワシの出番だイン!」

 ジャシュラインの縦に三つついている顔の一番下、無表情の顔の三男のランプが点灯して体の主導権が移ったようだ。

 もちろん、得意技もこれまでとは違う。ジャシュラインはガラオンが再度光線で攻撃を仕掛けてくると、手のひらを向けて気合を入れた。

「ハアッ!」

 するとなんと、ガラオンの光線が空中でピタッと止まってしまったではないか。

「そら、お返しするでイン!」

 さらに三男が気合を入れると、光線はUターンしてガラオンへと直撃してしまった。

 ジャシュラインの三男は、強力な念動力の使い手だったのだ。ガラオンは怒りの顔から火花をあげてよろめく。

 だが、そのときなぜか悲鳴をあげたのはミジー星人たちのほうではなかった。

「ああっジャジャ!」

「ん! ちょっと兄者、急にどうしたんでシュラ?」

「い、いや、なんでもないジャジャ」

 突然叫び声をあげた長男に次男が驚くが、長男はごまかした。

 気を取り直して、隙だらけになったガラオンに対して、また次男が主導権をとって殴りかかっていく。

「さっきのお返しをしてやるでシュラ!」

 痛い目にあわされた恨みで、怒り顔のガラオンに突撃していく次男のジャシュライン。

 しかし、それはガラオンにとって思うつぼだった。コクピットのウドチェンコがレバーを引くと、ガラオンはくるりと笑い顔のほうを向けて、口からガスを噴射して浴びせかけたのだ。

「なんだこれは! 毒ガスか! いや、あひゃひゃ! どうたんでシュラ、あひゃひゃひゃ!」

「どうだ、ガラオンの笑気ガスは。強烈だろう」

 腹をかかえて笑い転げるジャシュラインを見て、ミジー星人たちも高笑いした。

 実際このガスの威力は強烈で、かつてはウルトラマンダイナも笑い転げて戦闘不能にされている。もっとも、このときミジー星人たちは気づいていないが副次的な効果を生んでいた。ガスが風で流れて、今度こそ変身しようとしていたアスカが笑い転げて変身不能になっていたのだ。

 笑い転げているジャシュラインの姿に、攻撃態勢に入ろうかとしていたトリステイン軍の竜騎士たちもあっけにとられてしまった。あいつらは戦っているのかふざけているのか。

 逃げようとしていたトリスタニアの市民たちも、ジャシュラインの笑い声に足を止めて振り返ってくる。そして、笑い声を聞いてにわかに騒ぎだした者たちがいた。

「いいぞーっ! 景気がいいじゃねえか、もっとやれーっ!」

 それは、魅惑の妖精亭の前から大勢の声となって響き渡っていた。

 見ると、顔を酒精で赤く染めた大勢の男たちが歓声をあげている。彼らは、魅惑の妖精亭の店じまいギリギリまで飲んでいた筋金入りのうわばみどもだ。閉店時間で追い出されかけていたところで、外で思いもよらない騒ぎが起きたので、喜び勇んで自分たちも騒ぎ出したというわけだ。

 もちろん、正気の者たちは、あいつらは一体なにをやってるんだ! と、怒りと困惑を抱く。しかし、この光景を見てミジー星人たちは大いに勘違いした。

「おお! 我々に向かって手を振っているぞ。あれは我々を応援してるのに違いない」

「きっと我々の恐ろしさを見て、無条件降伏しようとしているんですよ。やりましたねとうとう、感動だなあ」

「そうかしら? なーんか違う感じがするんだけど」

 カマチェンコがこう言ったものの、サービス精神旺盛に手を振って返すガラオンの姿に、関係ない人々も唖然としてしまう。

 だが、その間にジャシュラインは笑気ガスを浴びた次男から三男へとパトンチェンジして反撃を仕掛けてきた。

「いつまで調子に乗っているでイン!」

 念動力で動きを封じられ、手を振っていたガラオンがぴたりと止まる。

「どうだ、動けまいでイン。このままじわじわと痛めつけてやるでイン」

 ジャシュラインの念動力は強烈で、ガラオンの巨体が静止映像のように止められてしまっている。

 しかし、ミジー星人たちはやる気十倍で叫んだ。

「んんんんん! ファンが応援してくれているのに負けられるか。パワー全開ぃぃぃ!」

「ラジャー! エンジンフルパワー」

 なぜかガソリン車みたいな排気音を響かせ、ガラオンがじわじわと動き出す。これにはジャシュラインの三男も驚いたが、彼も自分の力に自信を持っていた。

「おのれ、可憐な見た目に反して力持ちでインね。でも、その場で足踏みするくらいで精一杯だろイン!」

「なんの、我々ミジー星人の威力を見せてやる。作戦Aだ!」

 すると、その場で足踏みするくらいしかできないガラオンが、足踏みしながらグルグルと回転しだしたではないか。これには三男もあっけにとられて、さらにガラオンは三つの顔が見えなくなるほど回転を速めると、回転しながら光線を撃ってきた。

「わあーっ!?」

 回転しながら前触れなく撃たれたので、ジャシュラインは対応しきれずにもろに食らってしまった。

「見たか! これぞ必殺、回ればなんとかなる、だ! わはははは」

 そして拘束から解放されたガラオンは、ジャシュラインに突進していく。

 迎え撃つジャシュライン。奇想天外な能力を持つ二体の怪獣の戦いは、どうなるか先の読めない大スペクタクルともなってきた。

 と、なると。これを利用しようと考えるのが人の常だ。これを肴にすればめっちゃ酒が進むだろうと、スカロンとジェシカは外にテーブルを運び出して宣言した。

「さあさあ皆さん! 世にも珍しい三面vs三面の、合わせて六面の大決闘! これを見逃せばタニアっ子の名折れ! さあさあさあ、ご見物はこちらから。特別営業開放セールで、お飲み物をお安くしておきますよーっ!」

「おお、わかってるじゃねえか! じゃんじゃん持ってこーい!」

 たちまち酒盛りが始まった。これを見ていた人たちは「なにやってんだこいつら!」と再び思うが、そこはスカロン抜け目はない。

 ジェシカが店内に戻っていったかと思うと、再び戻ってきたときには、体のラインをはっきりと浮き上がらせる黒いビスチェを身に着けていた。そしてジェシカは用意されたお立ち台に上がると、よく通る声で話し出したのだ。

「さあ、そこ行くあなた、ちょっとこっちを見てください。難攻不落のトリスタニア、そんなに慌ててどこへ行く? ちょっとその前、一息ついて、喉をうるおしていってください。お酒以外も取りそろえ、あなたの街の魅惑の妖精亭です!」

 ジェシカの呼びかけに、道行く人々が足を止めて振り返り始めた。そして、ジェシカの情熱的なプロポーションを見て、フラフラと店に寄って行ってしまう。

 もちろんこれにはタネがある。ジェシカの身に着けているのは魅惑の妖精のビスチェといい、その名の通り『魅惑』の魔法がかかっている。要するに見た人間をアレにしてしまう効果があるのだが、それを店で一番の美少女であるジェシカが着ているのだから効果は倍増となる。

 もちろん魔法といえども完璧ではなく、見た人間にそれなりの心構えがあれば振り切られる。しかし、ジェシカは父譲りで巧妙だった。酒以外にもソフトドリンクの提供もするよと付け足したおかげで、通行人も「酒じゃないならいいか」と、気を緩めてくれたのだ。

 通行人たちが魅惑の妖精亭に集まっていく。さて、こうなると避難しようとしていた同業者も黙ってはいなくなる。たちまちトリスタニアのあちこちで大怪獣バトル見物の飲み会が始まった。

「さっすがトリスタニアの人たちは肝が据わってるわねえ。うんうん、これで店の立て直しの赤字も消し飛ぶわ」

「でもミ・マドモアゼル、怪獣が暴れてるのに街の人を引き留めるなんてマネして本当によかったんですか?」

「いいのよ、どうせドルちゃんたちがそんな大事をできるわけないし、ほんとに暴れだしたらミ・マドモアゼルとジェシカちゃんが止めるから、あなたたちは安心してお客さんからチップをいただいてきなさい」

 三人組のことを知り尽くしているスカロンは余裕しゃくしゃくであった。なおトリステイン軍は攻撃を仕掛けようとしたときに「邪魔だ」とばかりに、こんなときだけ仲良く放たれた念動力と笑気ガスで追い払われてしまった。

 そして、スカロンのこの予言は、この後すぐに現実のものになるのである。

 

 さて、自分たちが見世物にされているとは気づかずに、ガラオンとジャシュラインの戦いはなおもヒートアップしていた。

 それぞれが顔の使い分けによって多彩な能力を使用可能なガラオンとジャシュラインの戦いは、空を飛びかうブーメランや、色とりどりのビームは見る目にも楽しく、それでいてどちらも短気でコミカルな動きをするので見物人は飽きなかった。

 しかし、戦いが続くと人々は妙な違和感に気づいた。ジャシュラインが長男に代わったときに投げるブーメランがまったく命中しないのだ。

 もちろん、それには次男と三男も気が付く。一回や二回なら避けられたとかもわかるが、何度投げても当たらないのはわざと外してるとしか思えない。次男と三男はついに堪忍袋の緒を切らして長男に詰め寄った。

「兄者、さっきからいったいどうしたんでシュラ? ブーメランの名手の兄者らしくない、もっと真剣にやってくれシュラ!」

「あ、いやそのジャジャ」

「さっきから思ってたけど、おかしいでイン。わざと手を抜いてるんでイン? そうでないなら、アレができるはずでイン?」

 腹を立てた次男と三男は、まだ早いと思いつつも切り札の使用を強要した。

 ジャシュラインの三つの顔のランプが一気に点灯し、頭についているトーテムポールの大きな羽飾りが金色に輝く。

 これはジャシュラインの切り札、必殺光線ゴールジャシュラーだ。金色の粒子を敵に浴びせ、ヒッポリト星人のヒッポリトタールと同様に敵を黄金像に変えてしまう。ジャシュラインはこれで黄金像に変えた敵をコレクションして宇宙に悪名をとどろかせていたのだ。

 しかし、ゴールジャシュラーは発動したものの、ピカッと光っただけで光線が発射されることはなかった。当然ガラオンはなんともなく、腹の立つ顔を見せ続けている。

 不発。なぜならゴールジャシュラーは三兄弟が力を合わせなければ撃てないからだ。次男と三男はそのつもりだったから、当然やる気がなかったのは長男ということになる。

 もう疑いない。次男と三男は声を荒げて長男に詰め寄る。すると、長男は頭を抱えて叫びながらうずくまってしまった。

「う、うおぉぉぉぉ! だってしょうがないだろジャジャ! あんな可憐な美女を傷つけるなんて、俺様にはできないジャジャーッ!」

 

 

 なんと、ジャシュラインの美的感覚では、ガラオンが絶世の美女に見えていたのだ!

 

 

「えええええええぇぇぇぇぇぇーーーっ!?」

 度肝を抜かれて開いた口がふさがらなくなるトリスタニアの市民たち。世間にはいろんな好みの人がいる、だがまさかこんな好みがあったとは……いや、才人やギーシュに惚れる女がいるくらいなのだからこれも正常なのかもしれない。

 怒り顔をしているジャシュラインの長男は、ガラオンの怒り顔にすっかり一目惚れしてしまって攻撃することができなくなっていた。

「うおおお、あの情熱的な瞳に見つめられると、俺様の胸は張り裂けそうジャジャ。あんな美しい人には出会ったことがないジャジャーッ!」

「落ち着くでシュラ。あれは敵でシュラ、ぼくちんたちには大事な目的があるのを忘れたでシュラか!」

「そうでイン。ワシたちは、ウルトラマンを倒して、かつての雪辱を晴らさなきゃいけないんだイン! あんなヤツに手こずってる場合じゃないでイン」

 次男と三男が説得しようとしている。しかし長男は熱く叫んだ。

「うるさいジャジャ! お前たちこそ、あんな美しい人に二度と出会うことができると思ってるんジャジャか!」

「うっ、確かにそれはでシュラ。ああ、ダメでシュラ! そんな優しい笑みでぼくちんを見ないでくれでシュラ!」

「お前までどうしたんでイン! でもワシも、その憂え気な横顔を見ると胸が熱くなってくるでイン。こんなの初めてなんだイン!」

 次男と三男も実はまんざらではなかった。まさかの恋煩いによる戦意喪失、何度も怪獣との戦いや戦争を乗り越えて、神経の太さを鍛えてきたトリスタニアの民たちも、これはさすがに意外すぎたようであっけにとられている。

 しかし、ここで空気を読まないのがミジー星人だ。ドルチェンコが、顔をそむけてうずくまってしまっているジャシュラインを指さして叫んだ。

「わははは、なんだか知らんが今がチャンスだぞ。それ、必殺光線だぁーっ!」

 だが、うんともすんとも言わず、ガラオンから光線が放たれることはなかった。

「どうした? それ、必殺光線だぁーっ!」

 繰り返すドルチェンコ。しかしやっぱり光線は発射されない。

 そのとき、モニターを凝視するドルチェンコの肩がチョンチョンと叩かれた。

「なんだ? 今忙しいんだ。必殺光線だぁーっ!」

 しかしやっぱり光線は放たれず、代わりにドルチェンコの肩が叩かれる。

 いったいどうしたというんだ? ドルチェンコが怒ってウドとカマを怒鳴りつけようと振り返ると、そこにはいつの間にかボッコボコにされて伸びている二人と、サングラスをかけた冷たい雰囲気の美女が立っていた。

「えーっと……ど、どちら様でしょうか?」

「……よくも私のワンゼットをこんな姿にしてくれたな。下等生物め、報いを受けさせてやろう!」

「ぎゃーっ!」

 こうしてドルチェンコもボコボコにされてしまった。しかし、いくらミジー星人たちが弱いとはいっても人間ばなれした強さだ。

 それもそのはず、この女は人間ではない。ワンゼットを作ったデハドー星人が、自身に代わって地球侵略を遂行するために作ったアンドロイドなのだ。かつて、ワンゼットを指揮するために内部に乗り込んで操縦していたが、ミジー星人がワンゼットの内部にぽちガラオンを潜り込ませて暴れさせたため、コントロールがめちゃくちゃになって消滅してしまっていた。しかし、ワンゼットがガラオンに再構成されたついでに復活したのだった。

 ミジー星人の三人をギッタギタにしたアンドロイドはガラオンのコントロール権を取り戻した。ずいぶん原始的な操縦方法だが特に問題はない。

 アンドロイドは、内蔵レーダーによって付近にウルトラマンダイナの反応があることを察知した。自分の任務は失敗だが、ウルトラマンダイナの打倒はデハドー星のためになるだろう。アンドロイドは、自分の最後の存在意義を果たすために動き出した。

 操縦装置を握り、攻撃対象を地上にいるアスカに向けようとするアンドロイド。しかしそのとき、モニターにこちらを向いてきたジャシュラインの姿が映った。

「はっ……!」

 その瞬間、アンドロイドの電子頭脳にスパークが走った。

「な、なに、あのお方は……ああっ、メイン動力炉が異常発熱している。なんだ! 私に原因不明の異常をもたらす、あの美しい男性は!」

 

 胸を押さえてもだえるアンドロイド。

 なんと、デハドー星人の美的感覚ではジャシュラインが最高のイケメン男子に見えたのだ!

 

「えええええええええぇぇぇぇぇーっ!?」

 今度はミジー星人たちがおったまげる番だった。

 まさか、こんなことが。どうやら高度にプログラミングされたアンドロイドの頭脳が、作ったデハドー星人の嗜好をも再現してしまったようだ。なんという奇跡か。

 アンドロイドは身もだえし、ガラオンの操縦どころではない。ドルチェンコは、この隙にガラオンを取り戻そうとしたが、そこへカマチェンコが割り込んで押しのけて、アンドロイドに熱く語りかけた。

「あなた、それは恋よ」

「コイ? 恋とはなんだ?」

「宇宙のあらゆる生命が繁栄するために、一番必要な尊いものなのよ。すごいわあなた、こんなところで新しい恋の誕生に出会えるなんて、私感動しちゃったわ」

 カマチェンコの熱い呼びかけに、アンドロイドもうなづいた。

「恋? アンドロイドの私が、恋だと」

「関係ないわ。恋は宇宙のあらゆる法則を超える最強の原理なのよ。あなたは今、アンドロイドを超えた存在になったのよ!」

「なんと、オオ……同志よ!」

 感動の涙を流しあうふたり。人は、男か女かのどちらかの心を持って生まれる。しかし、オカマは男と女の心を併せ持つことにより、通常の二倍、さらに魅惑の妖精亭での経験がさらにプラスされたことにより、さらに倍の四倍の説得力となった魂のパワーはアンドロイドの心をも溶かしたのだ。

 

 そして、愛の伝道師はひとりだけではなかった。

 初恋の衝撃を受け止めきれず、動揺し続けるジャシュライン。宇宙ストリートファイトで連勝街道を突き進んできた彼らも、恋という内なる敵を相手にはなすすべがなかった。

「俺様たちはいったいどうすればいいんジャジャ」

「もうぼくちんは戦えないでシュラ。あの子の笑顔を見ると、体から力が抜けるでシュラ」

「ワシたちはもうダメかもしれないでイン。忘れようと思っても忘れられないでイン! こんなのなら、死んだままでいたほうがよかったでイン!」

 街中に響くほどの声で弱音を叫ぶジャシュラインの姿は、けっこう滑稽なものであった。トリステイン軍は、さすがにこれに攻撃するのはどうかとためらっているし、アスカもここで変身したら自分のほうが悪者なんじゃないかと思ってためらっていた。

 しかし、恋煩いほどこじらせたらヤバいものはない。

「うぉぉぉ! こんなに苦しいなら、もう生きてたくなんてないでシュラ!」

「こうなったら、この星の地殻を刺激して、なにもかもまとめて消し飛ばしてやるでイン!」

 そう叫ぶと、ジャシュラインは柱のように直立して高速回転をはじめた。そのまま土煙をあげながら地中に潜り始める。

 まずい、あいつパニック起こしてこの星ごと無理心中をはかる気だ。アスカはそれを止めるべく、ウルトラマンダイナへ変身しようとリーフラッシャーを掲げた。

 だがその瞬間、鋭く厳しい声がジャシュラインを叩いた。

「待ちなさい! 逃げようとしてるんじゃないわよ、この臆病者!」

 その針のように鋭く響く声に、ジャシュラインの動きがぴたりと止まった。

 誰だ? 相手を探すジャシュラインの目に、家の屋根の上に立ってきっと自分を見据えてくるジェシカの小さな姿が映った。

「お前かジャジャ? この俺様に向かって臆病者とはどういう意味だジャジャ!」

 いつの間にかジャシュラインのすぐ前にまでやってきていたジェシカを、ジャシュラインの巨体が見下ろしながら指さしている。

 なにをしているんだ! 危ない! アスカや街の人々は口々に叫ぶが、ジェシカは毅然として叫び返した。

「ええ臆病者よ。自分の気持ちが整理できずに逃げ出そうとしている奴を臆病者と呼んでなにが悪いの? そんなのじゃ、女房の愚痴をきくだけの酔っ払いのほうがマシよ。それでも男なの!」

 うぐっ! と、ジャシュラインが気圧されるほどジェシカの指摘は鋭かった。

 さすがは魅惑の妖精亭の看板娘。肝の太さが並ではない。人々が息をのんで見守る中で、ジェシカはジャシュラインを指さして言った。

「あなたみたいに、ケンカは強いけど肝心なときに勇気の出せない男っているものよ。あなた、これまで女の子とまともに話したこともないんでしょ。違う?」

「うっ、確かにぼくちんたちは宇宙ストリートファイトに明け暮れる毎日で、女の子と会う機会なんかなかったでシュラ」

「でしょうね。だから、いざ理想のタイプに巡り合えたらどうしていいかわからなくなったのね。けど、それは恥じることじゃないわ。男も女もね、それは誰でも一生に一度は勝負に出なくちゃいけない場所なのよ。それがどんな戦場より勇気が必要な瞬間だったって言う人を、私は何人も見てきたわ。あなたは今、人生で最大の戦場に立っているのよ、それはむしろ光栄に思うことなんだわ」

「これが、人生で最大の戦いだっていうんでイン? ワシにはわからんでイン。こんな戦い、想像したこともなかったでイン」

「大丈夫、恋の戦いは誰にでもできるわ。その戦い方を、私が教えてあげる。それはとても、楽しいことでもあるんだかね」

 しだいに声色を優しく変えながら諭すジェシカの話に、ジャシュラインは自然に聞き入っていっていた。

 ただの少女が、見上げるばかりの巨大怪獣を諭している。魅惑の妖精亭のほかの少女たちは、どうしてジェシカが店の不動のナンバーワンなのかを改めて理解し、街の人々も。

「女神だ、女神様がいる……」

 と、あがめるようにジェシカを見つめ、そのうちの幾割かは近いうちに魅惑の妖精亭に行こうと決意していた。なお、ここまでジェシカが計算していたかはさだかではない。

 ジェシカの教えで、ジャシュラインはこれまで知らなかった未知の世界への扉を開いていった。

「俺様はこれまで生きてきて、こんな気持ちがあるなんて知らなかったジャジャ」

「宇宙ストリートファイトで名を売ることだけを喜んできたでシュラが、世の中は広いものでシュラ。なんかもう、メビウスへの復讐とかどうでもよくなってきたシュラ」

「それで、ワシらはどうすればこのくるおしい気分から逃れることができるんでイン?」

「そんなの決まってるわ、告白するのよ」

「こっ」

 

「告白ジャジャ!?」

「告白でシュラか!?」

「告白だとイン!?」

 

 三兄弟が同時にうろたえた声をあげた。しかし、ジェシカは畳みかけるように告げる。

「告白よ! あなたの思いをまっすぐに相手に伝えるの。そうしないと、あなたたちは永遠に後悔したまま生きることになるわ。そしてそれは、あなたたちに本当の勇気があれば必ずできるのよ」

 ジェシカは魅惑の妖精亭で、何人ものさえない男が未来の女房を捕まえるために背を押したように、力強く、太陽のような笑みで告げたのだった。

「で、でもワシらみたいなのが、あんな美人に気に入ってもらえるなんて思えないんでイン」

 ちらりとガラオンのほうを振り向いて三男が弱音を吐いた。しかしジェシカは自信たっぷりに言う。

「大丈夫よ、あなたたちだっていい男なんだから、きっとうまくいくわ。この私が保証してあげる。さあ、男になるのは今よ!」

 ジェシカの励ましに、ジャシュラインは勇気を奮い立たせた。

 何者からも逃げない宇宙ストリートファイターのプライド。いや、男だろと言われて、ここで引き下がったらもう二度と自分は誇りを持てなくなってしまうに違いない。

 恐る恐る立ち上がろうとするジャシュライン。だがその前に、スカロンがやってきてジャシュラインに花束を差し出した。

「これを持っていきなさい。女の子のハートを射止めるのに、花は無敵のアイテムなのよ。このミ・マドモアゼルもそうしてお嫁さんをゲットしたの。頑張ってね、チュッ」

「かたじけないでシュラ。お前みたいなハンサムに言われると、少し勇気が出てくるでシュラ」

 あのミ・マドモアゼルがハンサム? やはり宇宙人の美的感覚は人間には理解しづらそうだ。

 人間の標準では大きな花束もジャシュラインのサイズでは指先で摘まめる程度しかない。しかし、それでもジャシュラインは勇気を振り絞ってガラオンへと一歩一歩歩いていった。

 

 そしてガラオンのほうでも、アンドロイドが近づいてくるジャシュラインを見て困惑していた。

「あ、あわわわ、あのお方がやってくる。わ、私はどうすれば」

「落ち着いて、逃げちゃダメ。こういうとき、女は落ち着いてどっしりと待っていなくちゃいけないの」

 カマチェンコがアンドロイドをはげまし、後ずさりしかけたガラオンは止まった。

 ドルチェンコとウドチェンコは完全に蚊帳の外で、事の成り行きを見守るしかできないでいる。

 

 全トリスタニアの人々が見守る中で、ジャシュラインとガラオンの距離が一歩ずつ近づいていく。

 しかし、もう少しというところでジャシュラインの足が鈍った。やはり、最後の最後でためらってしまったようだ。体の主導権を示すランプが点いたり消えたりを繰り返しているところを見ると「お前行けジャジャ」「お前行けシュラ」「いやいやお前がいけでイン」と、体の押し付け合いをしているのかもしれない。

 だがそこで、スカロンを先頭に街中から声があがりはじめた。

「がんばれーっ」

「がんばれーっ!」

 応援する声はどんどんトリスタニアの全体へと拡散していき、ついには王宮を含めたトリスタニア全体から響き渡っていた。

「がんばれーっ、がんばれーっ!」

 いまや声の主は数万にもなるだろう。ノリのいい市民たちであった。

 数えきれないほどの声に応援されて、ジャシュラインはついに決意した。ここで逃げたらもう二度と自分は男を名乗れない。兄弟三人で三つのランプを点灯させ、ガラオンの前に立ったジャシュラインは花束を差し出して深々と頭を下げた。

 

「お願いだ!」

「俺様と」

「ぼくちんと」

「ワシと」

 

「付き合ってくれジャジャ・シュラ・イン!」

 

 一瞬の静寂。そしてガラオンから、アンドロイドの声で感極まったような返事が響いた。

 

「喜んで。私なんかでよろしければ」

 

 そして、声にならない歓喜の叫びがジャシュラインから放たれ、トリスタニア中に響き渡った。

 次いで贈られる、街中からの祝福の声。始祖ブリミルよ、見ていてくださいますか、今ここに新しいカップルが誕生いたしました。

 愛を確かめ合い、抱きしめあうジャシュラインとガラオン。

「こんな嬉しい日は初めてジャジャ。絶対にお前を離さないジャジャ」

「なんて幸せ。私が、こんな感情を持つときが来るなんて。これもあなたのおかげです」

 アンドロイドは、かつてのワンゼットのときと同じように機体と同化を始めていた。もうすぐ彼女はガラオンと一体となることだろう。

 カマチェンコは、もう私たちは邪魔ものね。と、ウドチェンコと、未練がましいドルチェンコを連れてガラオンを降りていった。

 もはやジャシュラインには悪意はない。守るべきものを手に入れた彼らは、温かく祝福する人々に見送られてガラオンとともに宇宙へと去っていった。

 

「この星のみんなーっ、ありがとうでシュラ。この恩は一生忘れないでシュラ」

「ワシたちはこれからは愛に生きるでイン! さらばでイーン!」

 

 青い空に消えていくふたつの影。「ジャジャ」「シュラ」「イン」という幸せそうな声が、最後に人々の耳を通り過ぎていった。

 アスカの手元には、結局最後まで使えなかったリーフラッシャーが寂しく残っている。けれど、これでよかったのかもしれない。「まっ、いいか」と気持ちを切り替えたアスカは、朝飯を食いに踵を返すのだった。

 

 一方、ミジー星人たちはどうしたのだろう?

 ガラオンを失い、お尋ね者の彼らが街中に現れたとき、彼らは当然とっ捕まった。

「ああああ、もうダメだ、お終いだ。このまま死刑になってしまうんだ」

「儚い人生だったなあ……」

「しかたないわね、もうこうなったら覚悟決めましょ」

 それぞれ縄でグルグル巻きにされる中で連行されていくが、それを救ったのはまたしてもジェシカだった。

「やあ、ドルちゃん、ウドちゃん、カマちゃん、ご苦労様。いい仕事だったわよ」

「へ? なにが」

「そりゃ、作戦成功ってね。ジャシュラインちゃんが現れるのを予感して、あの秘密兵器を取りに行ってたんでしょ。敵をあざむくにはまず味方からってね。そういうことだから衛士さん、こいつらを離してあげてもらえるかしら」

 と、いうふうに片づけてしまったのだ。

 少し考えれば、すぐ何か変だなということには気づくだろうが、このときはまだ衛士も興奮が残っていて判断力が鈍く、ジェシカはそこを勢いで切り抜けてしまった。それに、仮に多少は疑問を抱いたとしても、今や街中から女神のようにあがめられているジェシカの言葉にやすやすと逆らえるわけもない。

 こうして三人組は簡単に無罪放免ということになり、むしろなかば英雄扱いにさえなってしまった。

「俺、ウルトラマンよりジェシカちゃんのほうが怖く思えてきた」

「そうよねえ。あの子だけは敵に回しちゃいけない気がするわ」

 ウドとカマは、底知れない恐ろしさをジェシカに感じて体を震わせるのだった。

 もっとも、ジェシカは過ぎたことは気にも止めてはいない。いつもどおりの陽気さで、三人組に向けて言い放った。

「さあ、今日はとんでもなく忙しくなるわよ。三人とも、お客さんは待ってくれないんだからね!」

「ラジャー!」

 雇い主と従業員に分かれ、こうして彼らは元の生活へと戻っていった。

 その日、魅惑の妖精亭がかつてない繁盛を見せたのは言うまでもない。

 ついでに、三人組の処遇についてアスカはその後、なんやかんやで「しょうがねえな」と、あきらめたらしい。

 

 

 こうして、騒動は終わった。平和は戻り、事件は人々の記憶の中に刻み込まれて過去に去っていく。

 そして、あの黒幕の宇宙人もまた、やれやれと息をついていた。

 

 

「さて、いかがでしたか皆さん。お楽しみいただけましたか? 私はどっと疲れましたよ」

 

「いやはや、私もそれなりに生きてきたつもりですが、宇宙は広いですねえ……そして愛。私には理解しがたいものですが、生物の感情が生み出す力、なんとすさまじいものでしょうか」

 

「ウフフ、俄然やる気が湧いてきましたよ。今回は失敗でしたが、次は本当の意味でのスペクタクルをお送りすることをお約束しましょう。おや? また失敗しろですって? いやいや、それはないですよ」

 

「では、ごきげんよう。次のパーティーの上映にも必ずお招きしますのでお楽しみに。フフ、ご心配なく。私はこれでも約束はちゃーんと守るタイプですから」

 

 こうして宇宙人は、新たな企みを進めるために去っていった。

 ただし忘れてはいけない。愉快な姿を見せることがあっても、この宇宙人の本質は悪辣で卑劣であることを。

 また遠からず、奴はなにかの悪だくみを抱えて現れるだろう。

 しかし、平和で満ち足りた時間。それは、確かに今ここにあった。

  

 

 続く


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