ミヲリさんが死んでから、約三年の月日がたった・・・・・・。あれからは、俺は陸に上がる事もなくなり、一度も至さんと美海とも会っていない。最初は俺も落ち込んでいたが、母さんが死んでからのことが役に立ったのか、立ち直れた。でも、最初の数ヶ月は光達ともろくに喋らず、母さんがなくなってからと同じ状態が続いていたが、ある日に俺は思い至った。それは、目の前で助けられなかった人を助けられるように『医者になろう』。それが俺の初めて持った夢で、いきる意味だ。それからは、医学の勉強に没頭した。
ピーンポーン!!
どうやら、誰かが俺を呼びにきたみたいだ。玄関のインターホンがなり、誰かが来たことを告げる。俺はもう食事をすませ、あとは制服を着るだけだったので、少し待つように言うために、玄関に向かった。ドアを開けると、そこにいたのはまなかだけ・・・・・・。
「おはよう、まなか。光達はどうした? それに、その制服って浜中のだろ? 光は波中の制服を着て来いって言ってなかったか?」
「おお、おはようまーくん。・・・・・・えっとね、私は波中の制服着てったら、異分子とかそういう扱いされるんじゃないかな~、って思ってね。その・・・・・・まーくんも浜中の制服着てくれないかな?」
「ああ、1人だけそれ着るのが怖いのか。わかった。俺も浜中の制服着てくよ」
「ああ、ありがとう、まーくん!」
マナカにお礼を言われるが、言われる覚えはない。だって、まず、浜中の制服じゃなくて波中の制服を着て行く方がおかしいのに、光が言い出したことだ。内容はどうでもいいので忘れたが、『波中魂』がどうとかこうとか言ってたな。
「じゃあ、少しの間、待っててくれ。あ、やっぱり先に行くか?」
「えっ、ううん。私1人じゃ嫌だし、待ってるよ!」
どうやら、マナカは光に怒られるのが怖いようだ。俺はそんなマナカを放っておいて、自分の部屋に着替えに行く。そして、クローゼットから浜中の制服を取り出して着ると、玄関に鞄を持って歩いていく。
「あ・・・・・・」
「ん? どうしたマナカ?」
「えっと、まーくんって何でも似合うよね。っと思ってさ。だって、波中の制服も似合ってるし、浜中のを着ても凄く似合ってるよ?」
「そりゃ、どう致しまして。そんなことより、早く行くぞ」
玄関につくと、何故かマナカに褒められるが、時間もないので早く行くことにした。俺とマナカは玄関を出て、いつものように集合場所に向かう。そして、集合場所につくと、待っていたのはチサキと要だけだった。
「おはよう、チサキと要」
「おはよう・・・・・・あれ? ねえ、昨日は光が波中の制服を着てくるようにって言わなかったかな? もしかして、夢の中だけ?」
「いや、確かに言ったぞ。でも、今日はマナカに言われてこっちにしたんだ」
「そ、そう・・・・・・良かった。もしかしたら、私達が光が『波中魂』がどうとか言って、その夢を見たから間違えて着て来ちゃったかと思ったよ」
それは嫌な夢だな・・・・・・。でも、俺がこっちを着てきたからって、その反応は無いだろ。
第一、人を基準にするのを止めてほしいところだ。毎回俺が基準じゃ、こっちが分けわからなくなってくる。そんなことを思っていると、光がきた。
「おっす、おはようチサキに要、マナカに・・・・・・誠、お前とマナカはなんで波中の制服着てねえんだよ! 言っただろ、浜中の奴らに目にもの見せてやろうぜって!」
光が俺とマナカに詰め寄り、何かの宗教的な教えを説くが、意味が分からない。陸で長い時間を過ごしてきた俺にとっては、波中魂とかどうでもいい。それに、陸の人とは仲良くなれると思う。まあ、全部が全部、上手くはいかないけど。
「光、俺は3年前は陸で長い時間を過ごしてきた。でも、お前らのその精神がなくならない限り、仲良くなるのは無理だと思うぞ」
「なっ!? お前は陸で長い時間を過ごしてきたかもしんねえけど、俺たちは波中の生徒だろ! 波中の魂だけでも受け継がなくてどうする!! それに、マナカはなんで浜中の制服
着て来てんだよ! 言っただろ! 波中が潰れても、『波中魂』だけは忘れないために、浜中の制服じゃなくて、波中の制服を着るんだって!」
熱弁する光に押されたのか、マナカが狼狽えだした。全く、こいつは自分でやりかけたことをすぐに人の意見に左右されやすいからな。
「わわ、私は異分子とか、そういう扱いされるんじゃないかな~って、思って。みんな仲良くできれば、怖いものはないと・・・・・・着替えてくる!」
マナカは言いかけたが、途中で最後まで言えなくなって、家に向かって走り出した。最初に誘ったのはマナカなのに、無責任な奴だな。まあ、俺も着替えてくるけど。
「じゃあ、俺も着替えてくる」
「おう、先に行ってるからな」
「マナカをちゃんと連れてきてね?」
「ごめん。先に行ってるよ」
俺はそう言って、家に向かって泳ぎだした。
それから数分後、俺とマナカは集合場所に着いたのだが、突然マナカが泣き出す。
「う、うわぁぁーーん! まーくん、ひーくんやちーちゃんにおいてかれたよう!」
「おい、先に行くって言ってたから、泣きやめよ」
相変わらず、メンタルの弱い奴だ。まあ、俺も人のことを言える立場じゃないし、俺も母さんやシヲリさんが死んだときは、殻に閉じこもってたからな。そんなことを考えていると突然、網が俺達に向かって進んできた。俺は咄嗟に避けるが、マナカは気付かずに網に捕らわれてしまった。そしてそのまま、陸に引き上げられていく。俺は追いかけずに、大丈夫だろうと思って、光達のところに行くことにした。
それから学校につき、今は教室で、教卓の前に立っている。あの後、マナカは無事に網の中から下ろされ、学校に到着した。そして、今は先生が事情を説明している。
「は~い、みんな静かに・・・・・・って、静かだね。まあ、今日から、波中が廃校になったため、浜中と合同になることになりました。じゃあ、自己紹介してくれるかな?」
先生がそう言うと、チサキが自己紹介を始める。
「えっと、私は比良平 チサキです。その・・・・・・よろしくお願いします」
「僕は、伊佐木 要です。趣味は特にないです」
そうして、自己紹介が光に回ってきたとき、周りがざわつきだした。というか、凄く明らかに嫌な態度で、挑発してくる。
「ああ、クセェ~クセェ~。すげえ、塩臭いなぁ~。もしかして、魚の糞とか被ってんじゃねえか?」
その言葉を聞いて、周りも笑い出す。それを聞いて、挑発に乗ってしまった馬鹿が約一名いた。勿論、それは光だ。
「ああ、本当にくせえな! まるで、クソだらけの豚小屋に入れられたみたいだぜ! 誠にマナカもなんか言ってやれ!」
「はぁ~、お前なぁ~。まあ、それは放っておいて、自己紹介をしよう。俺は長瀬 誠。趣味は料理で、あとは医学の勉強をしている。それと、得意なことは家事全般だ」
周りがざわつくのを止めて、固まった。まあ、あれだけざわついていたのに、俺が普通の自己紹介をしたことに逆に戸惑ったんだろう。それからマナカの自己紹介が終わり、授業が始まった。
そうして、今は体育の時間で、男は全員走っている。俺の後ろには、今朝、マナカを釣り上げた紡という男子生徒とが走っている。光は後ろの方で他人を追い越して、こっちに追いつこうとしてる。
多分、嫉妬か何かだろう。それも、マナカを釣り上げた男に対しての・・・・・・。
あの時は、流石に何処のドラマだよ? とか思ったからな。奇跡的な出会いとか、運命とかは本当にあるんだろう。マナカがある漁師に釣られて、恋に落ちる。・・・・・・うん、はっきり言うと、今朝のそれが正しいだろう。それに、自己紹介の時もマナカは紡を見て、横の光はそれに気づいて、嫉妬してたし。
「お前速いんだな」
「ん? ああ、運動なら誰にも負けない自信がある。と言ったら、嘘になるけど。ある程度は鍛えたからな。まあ、それもあることの為だけにね」
俺が考え事をしていると、いつの間にか横に並ばれていた。そうして話しかけてきた紡は無表情に見えて、なにを考えているか分からない。
「ところで、ちゃんとした自己紹介しようよ。俺は長瀬 誠。趣味は朝に話したとおりで、他には話すことはないけどね」
「そうか・・・・・・俺は木原 紡。一応、じいちゃんの手伝いで漁師をやっている。でも、お前は凄いよな。まるで他の人と雰囲気が違う。それに、挑発にも乗らなかった。お前は、あいつらの中でも、特別にいいやつだ。友達にならないか?」
「ん? じゃあ、今日から友達だ。これからは名前で呼ぶからよろしく。それと、光は切れやすい性格だから気をつけろよ? 他に聞きたいことは?」
「・・・・・・じゃあ、海について知りたい」
「じゃあ、明日話そうか。時間をあけておくよ」
「・・・・・・わかった」
俺と紡がそんな約束をしていると、後ろから何時の間にか追い上げてきていた光がいた。はっきり言って、無理な加速は疲れるだけなんだけどな。そんなことを考えていると、突然、光が足をもつれさせて、こっちに思いっきりダイブしてきた。それを俺は避けるが、紡は直撃する。
そして、光は紡と一緒に地面に転がった。
「おい、紡、光、大丈夫か? それと、光は少し気をつけろ。追い抜かそうとするのはいいが、他の人を巻き込んで、クラッシュするな」
「りょ・・・・・・了解」
「・・・・・・ありがとう、誠」
俺は二人を引っ張り上げて、立たせるが、光は終始、紡の事をにらんでいた。そうして、今日の体育の授業は終わった。
それから放課後、俺と光は二人で帰り道を歩いていた。この道は、昔、シヲリさんと通った道そのもので、俺の心をズキズキと痛ませる。それを感じるということは、俺はまだ割り切れていないのだろう。そんなことを考えていると、サヤマートの前を通りかかり、アカリさんに声をかけられた。
「お~い、光と誠君。今日の学校はどうだった?」
「ああ、アカリさん。こんにちは」
「アカリ・・・・・・別に、何ともねえよ」
そうか・・・・・・光は隠し通す気か。お前のせいで印象悪くなったのに、これは放っておくのも面倒だな。いっそのこと、反省してもらおう。
「そうだ、友達は出来たの? 光は地上で友達なんて初めてでしょ?」
「はぁ? 出来るわけねえだろ。第一、誠の性格がこれなのに、友達が出来るなんて無いだろ」
なんか光が言ってくるが、正直言うと、もう出来てたりする。というか、昔だったらいたんだが、
今じゃ1人だけだしな。
「はぁ~、全部お前のせいだろ。まあ、俺は友達出来たけど、光は大変ですよ? 自己紹介で口喧嘩はするわ。人を巻き込んで転ぶとかで、散々ですよ。印象最悪ですね」
「・・・・・・へぇ~、出来たんだ。でも、光はそんなことをして帰ってきたと・・・・・・うん、やっぱり誠君はしっかりしてるけど、光はねぇ?」
「なっ!? なんでバラすんだよ! 誠の裏切り者! というか、あの空気の中で何時話しかけたんだ? どうやって作ったんだよ?」
「そんなの決まってんだろ。お前の睨んでた奴。あいつはいい奴だぞ? 木原 紡って言って、少し感情が薄そうだけど、他の奴よりは性格はいい方だ」
俺がそう言うと、難しい顔をして、光は悩み始めた。その時、光と俺の目に二人の少女が積まれているものの裏で、何かをしているのを見つける。こっちを見て、気付かれたと思ったのか、慌てて逃げ出した。
あれは、もしかして・・・・・・美海? と横の奴はわからないが、美海は大きくなっているものの、俺にははっきりとわかった。一年くらしか一緒に居なかったけど、俺が見間違えるはずはない。
「おい、そこのお前ら待て!」
「光、あれはいいのよ! 放っておきなさい」
アカリさんが追いかけようとする光を止め、さっきまで少女達がいた壁に近寄る。そこに俺と光も後ろから近づいていき、見てみると、ガムで『どっかい』と書かれていた。多分、『どっかいけ』と書こうとしたのだろう。アカリさんが掃除しながら、話し始める。
「なぁ、あれはアカリの知り合いか?」
「それは言えないけど、私はこれが最後まで書かれるのを見たいのかな? 『どっかいけ』って書こうとしたんだろうけど、理由がわからない」
「はあ!? 凄い酷い奴らじゃねえか! アカリは何もしてねえのに、海の奴だからって、こういう事をすんのかよ! やっぱり俺が捕まえて───」
「止めろ、光! あいつはそんなんじゃない! 絶対に、そんな理由でアカリさんにこんな事はしない! だから、あいつらを放っておいてくれ!」
「「───っ!?」」
光が怒り、また追いかけようとするが、俺は叫んで止める。というか、何時もならこんな事はないのに、取り乱してしまった。それに驚くアカリさんと光は、無言になった。そして、その空気を変えるかのようにアカリさんが話し始める。
「あ、そうだ光。今日はあんたが当番なんだから、早く帰りなさい。晩御飯は期待してるわね。それと、誠君はここで買い物して行くでしょ? 話がしたいから、光は先に帰って。もしかしたら、話が長くなりそうだから」
「・・・・・・ああ、わかった。後でな、誠。何の話してたか、後で聞かせてもらうぞ」
「ああ、話せたらな。それが個人情報だった場合は、話さないぞ」
光は俺に一言いって、汐鹿生帰るために海に向かって駆け出した。残された俺とアカリさんは居なくなったのを確認すると、話し始める。
「アカリさん・・・・・・あれは、美海ですよね? 俺がいない間に何があったんですか? 少なくとも、
美海はあんな悪いことする奴じゃありませんし、理由があるはずです」
「ああ~、やっぱり誠君は気付いちゃってたか・・・・・・。まあ、最初に話さなきゃいけないことは、光には絶対に内緒ね? 勿論、大人達にもだよ?」
「ええ、話しませんよ。それに、それは話さなきゃいけない事じゃないでしょ?」
「うん、ありがとう。で、まずはこれを知らないとダメだよね。えっと・・・・・・誠君、ミヲリさんが死んだのは知ってるよね? というか、知ってるから来なくなったんだよね?」
アカリさんは遠慮がちに話し始めた。先の内容は、ミヲリさんに関すること。俺はゆっくりと頷き、次の言葉を待った。
「それでね、私と至さんは・・・・・・付き合ってるんだ」
「そうですか・・・・・・それで、どうしたんですか?」
「あはは・・・・・・驚かないんだね。それでね、昔の誠君のように仲良くなりたいんだけど、それがうまく行かなくて、今は見ての通りの状態。何故か私は嫌われてて、その理由がわからないんだ」
「なるほど・・・・・・多分、それは・・・・・・」
「それは? 何かわかったの?」
「ええ、わかりました。でも、これは美海の問題というか、あなた自身の問題ですから、あなたには答えを教えるわけにはいきません。それでも、俺から言えることは、俺と美海は似ているかもしれないってだけです」
俺はそう言って、サヤマートの中に入っていく。アカリさんは難しい表情で、悲しい顔をしながら俺の後に続いて、俺を観察しながら、ずっと考えていた。
翌日、俺は光とチサキ、要と一緒にマナカの家の前にいる。いつもの時間になっても、マナカが集合場所に来ないから、光が心配になって、見てくるとか言いだしたので、俺達も一緒に来たというわけだ。
「お~い、マナカ! 早く出てこいよ!」
「光、どこかのヤのつく職業の人みたいだぞ?」
「うっせえ、誠。というか、昨日は何の話してたんだよ! 俺にはなにも教えないし、お前等だけで俺に隠し事してるのか?」
「ハイハイ、隠し事ですから、愛しのマナカ姫でも起こしてきてください」
「なっ!? 誠、お前は何言って・・・・・・」
「ねぇ、早くマナカを連れてきてよ。学校、遅れちゃうよ?」
「ちっ! しゃあねえ、見てくる」
光は渋々という風に、二回に向かって泳ぐ。そうして数メートル先にたどり着いて、窓を開けてはいっていった。そして数分後、マナカと光が出てくるが、足にはハンカチ・・・・・・うん、うろこ様に呪われたんだな。マナカの奴・・・・・・またあいつは暇つぶしに人を呪ったのか・・・・・・。
「あ、おはようマナカ。今日はどうしたの?」
「あ、ちーちゃん、まーくん、おはよう。えっと・・・・・・『どうせ、うろこ様に呪われたんだろ』なんでわかったのまーくん!?」
「ん? 俺は毎回、うろこ様に呪われてるからな。多分、今までで10回くらいは呪われたかな?」
「お前・・・・・・うろこ様に何したんだよ?」
「え? それは陸にばっかいくもんだから、うろこ様に暇つぶしに呪われてたんだよ」
光達は俺の発言に、『えっ・・・・・・!?』とそれぞれに口にして、黙ってしまった。多分、うろこ様の気まぐれに呆れたんだろう。・・・・・・いや、そうであると願いたい。
それから放課後、俺は今、紡と一緒に廊下を歩いている。移動授業を終えて、教室に鞄を取りに行くためだ。そして、教室に着いたのはいいんだが、何かもめてる。
「止めてよ、嫌がってるでしょ!」
「ええ~、私達、エナを見せてもらってるだけだよ」
「そうだよ~」
なんか、マナカが腕をいろんな奴に掴まれて、もがいているように見える。というか、正直、エナを見たいんだったら、許可ぐらい取れよな。そんなことを思いながら止めようとするが、その前に紡が口を開いた。
「止めろ、嫌がってるだろ」
「あ・・・・・・紡君」
紡が女子達に声をかけると、みんなで一斉に紡の方を見て、マナカの手を取るのを止めた。そして、解放されたマナカが慌てて離れようとしたときに、膝を机にぶつけた。
ピギャッ!! プゥゥゥーーーー!!
うろこ様に呪われてついた魚が悲鳴? を上げる。確か、俺の時もあんな音だすやつをつけられた覚えがある。そんなことを思っていると、マナカが顔を真っ赤にして、教室から走って出て行ってしまう。チサキは追いかけようとするが、女子生徒が前にいたせいで追いかけられなかった。
「紡、少し手伝ってくれ」
「ああ、話を聞かせてくれる約束だったし、いい」
こうして、俺と紡はマナカを探すことになった。
それから俺と紡は山の中を探しているのだが、もうすぐ5時になる。このままじゃ、エナが乾いてしまい、少し危険だ。俺も、最初は気にせずにエナを放置してたら意識が遠くなりそうになったことがある。俺はさっき、探す前に海に入ったから、平気だ。
「ところで、聞きたいのは海のどういう所なんだ?」
「ああ、俺が聞きたいのは海の中ってどんなんだろうと思ってな。それに、俺もこの目で見てみたいんだが、それも出来ないからな」
俺が紡に海がどんなところか話しながら、森の中を歩いていると、草の向こうに倒れているマナカを見つけた。それと同時に、5時を告げる放送が流れる。
「見つけた。・・・・・・はいいけど、どうする?」
「ここからなら、俺の家が近いから、そこに連れて行こう」
俺はマナカをお姫様抱っこの形で抱えて、紡に相談する。すると、紡の家が提案された。ここから海に向かうより、近い方がいいだろう。俺は紡の提案に乗り、紡の家に向かうことになった。
アニメの終わりまでは投稿したいですね。
でも、場面の移り変わりが多すぎる・・・・・・。