海の世界、汐鹿生では野口さんや諭吉さん・・・・・・。
千円札などの紙は濡れないのだろうか?
朝・・・・・・俺の寝ている部屋に目覚まし時計の音が鳴り響く。俺は一人、布団の中にくるまって入っている。父さんがこの家を出て行って数年・・・・・・。俺は今は小学4年生、何もない日々をただ1人で過ごしている・・・・・・。
「・・・・・・はあ~、6時か・・・・・・朝食を作らないといけないな・・・・・・。」
俺は1人になってから、いまだに誰にも頼らず、父さんが光の家に行けと言っていたが、
それすらもしていない・・・・・・。そのおかげか、俺は店で出される料理と同じくらいには、俺の料理は上手くなっている。
俺は布団から起き上がり、ほぼ日課となっている朝食作りの為に布団から這い出ると、俺はタンスから服を取り出して着替える。そして数分後・・・・・・着替えた俺は、脱いだ服を洗濯機に放り込んで、キッチンに向かう。冷蔵庫をあけると、中には昨日買った食材が大量に敷き詰められており、いろいろと出しづらくなっている。
「・・・・・・昨日、買いすぎたな・・・・・・。でも、楽だしいいか・・・・・・。」
俺は適当に材料をひっつかんで取り出して、調理を始める・・・・・・。今日はハムと目玉焼きという、
普通のメニュー・・・・・・。光達が俺を呼びにくる前に、食べて片づけなければいけない。時間は結構ある・・・・・・別に、呼びに来なくてもいいだろ。俺はそんな事を考えている間に料理が完成。俺はフライパンを流しに突っ込み、皿の上のおかずをリビングのテーブルに運んで座り、テレビをつける。
俺は朝のニュースを見ながら食べていると、画面の端にある時間を見る・・・・・・時刻は7時、光達が俺を呼びにくる30分前だ・・・・・・。俺は食べ終わった食器を流しに持って行き、洗い始める。そうして終わったのが7時15分・・・・・・後、15分で光達が来る。
「はあ~・・・・・・光達、先に行けばいいのに・・・・・・。」
愚痴をこぼしながら俺は準備を終えると、時刻は7時25分・・・・・・5分前だった。俺は母さんが亡くなってから、毎日何故か光達に迎えに来られる。最初は、俺は独りで学校に行っていたのだが、光が、「お前が来ないのが悪い。」とか意味不明なことを言い出した。俺は、独りで学校に行きたいのに、光達はそれをさせない。傍迷惑な奴だよ・・・・・・昔から変わらない。変わったのは俺、それも全部わかっている。あの日から、俺は楽しいこと、嬉しいことも全部無くなった。
「お~い! 誠、出てこ~い!! 学校行くぞ!! 出て来ないと、玄関をぶち壊してでも引きずり出してやる。それが嫌なら来い!」
俺は迷惑な奴だと思いながらも、玄関に出る。そこには光とまなか、ちさきに要の姿がある。俺は靴を履いて外に出る・・・・・。
「おはよう、まーくん。」
「おはよう誠。」
「おはよう、誠・・・・・・今日も光がうるさくてごめんね?」
「ああ・・・・・・おはようみんな・・・・・・。」
最初にまなかが挨拶、それに続いて要、そしてちさきが光のことを謝りながら挨拶・・・・・・。これは結構昔から・・・・・・。それも、小学校に入ってからすぐに始まった朝の挨拶。これも変わらない返事で返す。そうして、歩き始める光をみんなが追うようにして歩いていき、俺はその後ろについて行く。
「そう言えば、今日はテストだよね? 光はちゃんと勉強した?」
「ああ・・・・・・勉強してねえ。今日はテストか~、まなかはどうだ?」
「ええ~、ひーくん勉強しなきゃ駄目だよ!」
俺は後ろからその会話を眺めて、俺はその会話に加わることはない。毎回俺の前で会話し出すが、
俺は興味すらなく、ただ歩き続けるだけ・・・・・・なんで、そんな俺にかまうんだろうな? こいつ等は俺を放って置いてもいいって一度言ったのに、なかなか聞かない。
「ええ、え~と・・・・・・まーくんはどうかな? 勉強した?」
「・・・・・・別に、関係ないだろ・・・・・・。」
俺はいつもこの調子で会話すら避ける・・・・・・。見るからにまなかは落ち込んでいるが、俺には知ったことじゃない。周りのやつはダメだったか・・・・・・みたいな顔をしている。要は、そんな光景を見ても、顔色ひとつ変えない・・・・・・。相変わらずのポーカーフェイスだ・・・・・・。
そうして、学校について俺は自分の席に・・・・・・。光達は俺がいすに座ると、声をかけずらくなるのか、こっちを見ているだけ・・・・・・。というより、最初は話しかける事が多かったのだが、そのたびに素っ気ない態度で追い返しているので、光達も非常に気まずいのだ・・・・・・。
それから光達は俺に話しかけれずに、学校が終わる・・・・・・。
時は変わって放課後の光の家・・・・・・。ここには光とまなか、ちさきに要、それと光の親父の灯さんとあかりさんの姿がある・・・・・・。勿論、ここに誠はいない・・・・・・。
「では、みんな集まったので、第何回目かもわからない。誠を元気にしようの会議を始めたいと思います。司会は俺、先島 光が行います。」
そうすると、周りの人は不機嫌そうに光を見る・・・・・・。これは元気の会とか言っているが、実質は光の愚痴が多い会になっている。それを、周りは永遠と聞かされるのだ。
「さて、まずは俺からいこうか・・・・・・。あれから数年、誠も4年生・・・・・・俺やまなかも四年生になったんだが、一向に元気にならない誠をどうするか、決めたい。」
光が周りに問いかける。それを聞いている灯さんが声を出す。
「光・・・・・・お前の不満もわかるが、家の中に引きこもるよりもましじゃないか。それに、あと数年もすれば元気になるだろ。待っていた方がいいんじゃないか?」
「そうよ、父さんの言うことも聞くべきよ。光・・・・・・あんた、また不満を漏らすためにみんなをここに集めたの? そうじゃないでしょ。それに、誠君も立ち直っている途中だと思うよ?」
そう家族に言われる光は黙り、周りは苦笑い。この数年で誠は大人しく、前の誠のような正確は冷静なところだけ・・・・・・。それに、一番光達にとって、支柱のような存在だった。それが、今じゃ学校の中では空気になりかけている。
「だって、あの誠の影が学校の中で一番薄くなってんだぜ? それに、昔は俺たちの止め役だったりしただろ。一番すごかった誠がこんな空気・・・・・・。絶対おかしい! あいつがいつも通りにならないと俺らが俺らじゃねえんだよ!!」
「「「「・・・・・・」」」」
最後に光が愚痴を漏らして、まなかとちさき、要は沈黙・・・・・・。そうしてその日の会議はお開きになり、みんな帰って行った。
それから翌日・・・・・・。誠はいつものように朝速く起きて、朝食を食べる・・・・・・。そうして、片付けなどを終わらせた誠は靴を履いて外に出た。この家に訪ねてくるのは光達だけで、他は気を使って訪ねてこない。だから、俺は誰にもかかわらずに・・・・・・父さんが居なくなってからも、俺は誰にも一人暮らしのことを知られずに生きてきた。
そうして、俺は泳いで陸を目指し、海の上に出ると、そこはいつもと変わらない陸の世界が、母さんと過ごした思い出の場所が広がっていた。俺はすぐに海から出て、山上を目指す。今向かっている場所は、母さんと一緒に最初に来た場所・・・・・・。思い出のひとつだった。
「変わらないな・・・・・・。ここも、俺と同じ・・・・・・時が、止まってるんだ。」
俺は山の上の草の上で寝転がる・・・・・・。昔、俺が母さんと来ていた時にやったことだ。海の中ではそんな事は出来ない。うみに浮かぶことは出来るけど。俺は目を閉じて、そのまま風の音を聞きながら眠った・・・・・・。
「ほら、起きて・・・・・・ここだと風邪引いちゃうよ。」
「・・・・・・母さん、違う・・・・・・誰?」
俺はすぐに起き上がり、周りを確認する・・・・・・。俺の目の前にはひとりの女性がいる。どうやら、
俺はこの人に起こされたようだ。
「誰ですか・・・・・・別に、風邪なんて引きません。」
「君、海の子でしょ? それに珍しいなと思って声をかけただけだよ。それに、君がなんで泣いているのか知りたかったしね。」
俺はそう言われて顔に触れてみると、俺の頬には涙が伝っていた・・・・・・。なんで俺は涙を流しているんだろうか? これまで、一度も泣いたことがないのに・・・・・・。それに、母さんが死んだときだって、光と喧嘩したときだって、泣いたことはなかった・・・・・・。
「・・・・・・別に、関係ないでしょ。俺を1人にしてください。」
そう言うと、その女の人は俺を見て怒る・・・・・・。いや、どっちかと言ったら、不機嫌になったと言うべきだ。その人はいきなり俺の手を掴み、立ち上がらせた。俺は意味の分からないまま、抵抗できずに立ち上がらせられる・・・・・・。
「よし、決めた。ちょっとお姉さんと一緒に家に行こうか。話しはお茶を飲みながらにしよう。それに子供の君が心配だよ。ついて来て。」
そう言って、その人は俺の前を歩いて行く・・・・・・。何故か、強引なところが母さんに似ている。そう思った・・・・・・。俺が動かずにいると、その人は振り返ってまた言ってくる。
「もう、早く君もついて来る! 遠慮しないでいいから、速く来なさい。じゃないと、おいってちゃうよ。」
そう言って再び歩き出す人を・・・・・・初対面の筈なのに、俺は歩いて追いかける。もしかしたら、俺は影を重ねていたのかもしれない・・・・・・。でも、勝手に足が動いて、俺はその人のあとについて行ってしまった。普段なら、俺はついて行かないだろう。でも、母さんに似ていたんだ・・・・・・。姿がじゃない。その人の強引なところが、母さんに似ていた・・・・・・。
それからその人について行くと、俺は一件のアパートの前についた。その女性は階段を登っていくと、俺を手招きして『こっちだよ。』と伝える。この人は初対面で、子供を連れてくるとか、どれだけお人好しなんだろうか? 不思議だ・・・・・・。
「ほら、君も速くおいでよ。外は暑いんだしさ。それに、そろそろ塩水を浴びないと、エナが乾いて体調悪くなるよ。」
「・・・・・・。」
俺は無言で階段を上り、その人のところに行くと、ひとつの部屋の鍵を開けて中に入っていった。
俺は玄関で固まる・・・・・・。ここまでついてきたが、なんで俺は此処に・・・・・・。そんな事を思っていると、またせかすように話しかけてくる。
「ほら、遠慮しないでいいから、上がって。今は至さんは仕事行ってるし、美海は遊びに行ってるからいないんだ。あ、至さんは私の旦那さんで、美海は私の子供だよ。」
「・・・・・・そうですか。」
俺は軽く返して、部屋の中に上がる・・・・・・。連れてこられたとはいえ、抵抗しかない。名前も知らない人にいきなり家に連れてこられて、びっくりしない方がおかしいだろう。
俺がテーブルの前で座っていると、女性が俺の前にオレンジジュースを出して置く・・・・・・。そうして座ると、何故か笑顔で話し出す・・・・・・。
「えっと、まずは自己紹介をしよっか? 私は潮留 みをりって言うんだ。君はなんて名前?」
「俺は長瀬 誠・・・・・・。」
そう言って俺に自己紹介・・・・・・。俺は反射的に答えてしまう・・・・・・。なんか強引だが、凄く優しい雰囲気のする人だった。光とは違う太陽のようだ・・・・・・。光はやんちゃで荒い太陽だとすると、このシヲリさんは優しい月の光を持った、明るい太陽・・・・・・。
「えっと、誠君、君はなんであんな所にいたの? それに、泣いていた理由も聞かせてほしいな。なんで寝ながら泣いていたのか・・・・・・怖い夢でも見たの?」
「あそこは死んだ母さんが連れて行ってくれた場所だから・・・・・・。それに、俺も何で泣いていたのかわからない。寝てたら急に起こされた・・・・・・。」
「そっか・・・・・・ごめんね。嫌なこと聞いて・・・・・・そうだ、誠君、ここで夕飯でも食べてよ。私も至さんも大歓迎だし、美海も大丈夫だから。」
俺の話を聞いて、ミヲリさんは夕飯を此処で食べて行けと言うが、なんでここまでするのだろうかわからない。それに、旦那さんと自分の子供の承認なしに話を進めている。
「遠慮します・・・・・・。それに、旦那さんとあなたの子供に悪いでしょ。知らない俺がいきなり家にいて、それに夕飯まで食べていくって・・・・・・。」
そのとき玄関から、元気な声と男性の声がした。どうやら、その旦那さんと子供が帰ってきたようだ。凄くタイミングがいいな・・・・・・でも、駄目だと言われればあきらめるだろう。
「ただいまお母さん!」
「ただいまミヲリ。誰か来てるのか?」
「あ、お帰りなさい。美海、至さん・・・・・・実は、この子も一緒にご飯を食べたいと思うんだけど、駄目かな?」
そう言ってミヲリさんは座っている俺を指差す・・・・・・。それを見て、旦那さんと女の子はいいよと返事を返し、こっちに来た。何これ・・・・・・何でそんなすぐに決めれるんだ?
「じゃあ、一応自己紹介でもしようか。僕は潮留 至、そしてこっちが美海。これから仲良くしてくれるよね。」
「俺は長瀬 誠・・・・・・海に住んでる。なんで至さんは俺を嫌わないんですか? 陸の人は海の人間が嫌いだと思いますけど・・・・・・。」
「あれ? 誠君、知らないのかい? ミヲリは海の人間だよ。てっきり僕は知っているものだと思っていたんだけど、ミヲリは話してないのかい?」
「アハハ・・・・・・ちょっと誠君の話を聞くのに夢中で、つい忘れちゃった。」
どうやら至さんは陸の人・・・・・・ミヲリさんは海の人・・・・・・。珍しくない組み合わせだが、まさかこの人が海の人だと思わなかった・・・・・・。
「誠! 一緒に遊ぼう。」
「・・・・・・え? いきなり呼び捨て?」
「アハハ・・・・・・ごめんね。美海は初対面でもこうなんだ・・・・・・。そうだ、誠君も美海を呼び捨てでお願いね。そうじゃないと、美海は膨れちゃうから。」
「・・・・・・わかりました。美海、遊ぼうか。」
俺はこのまま何もしないわけにはいかないため、美海と遊ぶことを選ぶ・・・・・・。料理を手伝おうかと思ったが、客人に手を出させないタイプに見える・・・・・・。だとしたら、もう遊ぶ以外に選択肢はない。
それから美海と遊んでいると、ミヲリさんが俺と美海を呼ぶ。美海は片付けずにテーブルに向かっていった。俺は折り紙などいろいろなものを片付ける・・・・・・。簡単なものしか使っていなかったために、片付けはすぐに終わった。そして俺は美海の横に座っていると、ミヲリさんが料理を持って歩いてきた。置かれた皿の上には、オムライスが・・・・・・。そう言えば、最後に母さんと食べたのもオムライスだったな~・・・・・・。
「ほら、遠慮しないでいいから食べて誠君。」
「そうだよ誠君。ミヲリのオムライスは美味しいから。きっと気に入ると思うよ。」
ミヲリさんと至さんが言い、俺は美海の方をみると、おいしそうに食べている美海の姿が目に映る。俺の視線に気づいた美海は手を止め、首を傾げる。
「どうしたの? お母さんのオムライス美味しいよ。」
俺は目の前に置かれたオムライスにスプーンを突っ込み、すくい上げる・・・・・・。それを俺は口に運んで噛むと、涙が溢れてきた・・・・・・。あの日食べたオムライスより美味しく、それでいて優しい味がオムライスからする・・・・・・。
「え? え??? どうしたの誠君!? もしかして美味しくなかった?」
「ち・・・がい・・・ます。美味しいです・・・・・・。それに、俺、誰かと家でご飯を食べたのは久しぶりだったから、目から涙が・・・・・・止まらないだけです。」
俺はそのまま泣き出す・・・・・・。これまで、一度も泣かなかった・・・・・・。母さんが死んだ時だって、
俺は泣けなかった・・・・・・。でも、この家族の温かさが俺を包んだんだ・・・・・・。
ヤバイ・・・・・・会話が続かない・・・・・・。
こういうアニメはどう書けばいいのだろうか?
小説って難しいよね。