仮面ライダー鎧武オルタネイティヴ   作:瀬久乃進

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ウッホッホウッホ!
チーム鎧武のリーダー・角居裕也は、戦極ドライバーで、アーマードライダー鎧武に変身した!
一方、ヘルヘイム果実を尻から摂取してオレンジインベスとなった葛葉紘汰は、同じくヘルヘイム果実を尻から摂取してメロンインベスとなったユグドラシルの呉島貴虎を仲間にする。
裕也とチームバロンのリーダー・駆紋戒斗もユグドラシルに加わり、人類救済のために戦うのであった!


第6話「紘汰の新しい力!」

角居裕也だ。

俺がXVideosに投稿した紘汰がシドの尻にヘルヘイム果実を捻じ込む動画が、ゲイ向けアダルトサイトで「ロックオープン!謎の怪物がイケメンヤクザの肛門フルーツバスケット!ゲテモノの極みアッー!」として紹介されてしまったため、その火消しが大変だったと貴虎が嘆いていたが、俺の知ったことではない。

 

さて、晴れてユグドラシルの正社員となった俺と紘汰と戒斗だったが、さっそく壁にぶち当たった。

10年以内に70億の果実を揃えなくてはならない。

そのためには、一日に約190万のヘルヘイム果実を収穫する必要があるのだ。

社内でのプレゼンでその計画の無謀さを役員に指摘された貴虎はもう涙目だ。

だが、そこで紘汰が助け船を出した。

 

「貴虎、大丈夫だ。俺は、ヘルヘイム植物を自在に操ることができるようになったんだ」

 

紘汰は、一瞬で会議室をヘルヘイム植物で埋め尽くした。

 

「これなら、俺が毎日頑張れば、一日に190万くらいは堅い。週休二日貰うとして、ヘルヘイムで現地調達する分は、週に380万、一日に50万と少しで済むんだ」

 

貴虎は感嘆の声を上げた。

 

「流石だ葛葉!一日50万程度なら、なんかなんとかなるような気がしてきた」

「だろ?」

 

ここで、役員が異論を唱える。

 

「ちょっと待て、その力でヘルヘイムそのものの侵攻を食い止めればいいんじゃないのか?」

「誰かを救える力があるのに使わないなんて、俺にはできない。

この力で、70億人分の果実を用意するんだ」

「いや、だから、その力でヘルヘイムの侵攻そのものを食い止めたらいいんじゃないのか?」

「何だと!あんたらのやり方だと、全員に果実が行き届かない!

それで良いって言うのか!」

「いや、だから…」

「まだ言うか!これ以上続けるっていうなら、お前はもう」

「葛葉!」

 

紘汰の至極真っ当な怒りを、貴虎が抑えた。

貴虎は、役員に向かって、落ち着き払った様子で言った。

 

「ここは主任である私に任せては頂けませんか。

葛葉紘汰がもたらしてくれた、人類救済のための希望。

必ずや、実現させてみせます。

どうか、私にお任せを」

 

紘汰と貴虎がインベスとしての武器である鉤爪を構えていることとは無関係だろうが、役員は押し黙り、会議はそこで終了となった。

 

「上手くいったが…実際、一日に50万も収穫できるのか?」

 

戒斗が、ソファに座ってトランプマジックを披露しながら貴虎に問い掛ける。

俺たちは、貴虎のオフィスでくつろいでいた。

 

「確証の無いことは言えない。だが、ただひとつ言えることは―――」

 

貴虎は、窓際に立ち、夜の沢芽市を見下ろしながら、こう続けた。

 

「―――なんかなんとかなるような気がする」

「お前が選んだのはハートの4だな」

「すっげえ!なんでわかったんだ、戒斗!」

 

紘汰は戒斗のマジックに感心していた。可愛いやつめ。

 

「ところで貴虎」

「なんだ、角居」

「あんた、苗字"呉島"だよな?」

「そうだが」

「もしかして、弟っている?」

「ああ。光実という。10個下の可愛い弟だ。

小さい頃はずっと俺の後ろに着いて回ってな、お兄ちゃん、お兄ちゃんって、本当に可愛らしいんだこれが。

最近はな、もう16になるからな、昔みたいに甘えてくることはなくなったが、それでも俺に対する尊敬の眼差しをひしひしと感じるよ。

だが、呉島の人間としての自覚が少し足りないようにも思える。

学校の成績も少し伸び悩んでいるようだ。

ここ数日は、思い詰めた表情で何かをぶつぶつと呟いていたり、部屋から高笑いが聞こえることもある。

多感な年頃故、色々と悩むことも多いのだろうな…

兄心から、つい口うるさくなってしまうのが最近の悩みだ。

だが、俺自身、父に色々と口うるさく言われることを煩わしく思っていた時期もあったが、今では感謝している。

父の教育があったからこそ、俺は今、人類を救済するプロジェクトの最前線で戦うことができている。

父が目をかけてやれないからこそ、兄である俺が光実を陰ながらしっかりと導く必要がある。

あいつの将来のためにもな。

そして俺は、あいつが生きる未来を守るためにも、このプロジェクトを必ず成功させなくてはならない。

お前たちと共にな」

 

「お前が選んだのはクラブの7だな?」

「すっげえ戒斗!」

「どうやったんだ戒斗!」

 

つづく




あとがき

私事で恐縮なのですが、この小説はスマートフォンのメール作成画面で執筆した後、パソコンに送信、コピペしてハーメルンに掲載しています。
その際、パソコン側のメールボックスに、二分の一程度の確率で迷惑メールとして振り分けられます。
よろしくお願いします。

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