白狼天狗の朝は早い。
日がま登り始めた頃に起床して、剣や体術の鍛錬を行うか、独学で兵法の知識を深める。その後に朝食を取り、各自仕事の確認の為に閃牙殿へと向かっていく。大まかな任務は夜間哨戒任務を終えた白狼天狗との交代であるが、稀に「待機せよ」と実質的休暇になったり、「本殿へ出頭せよ」と重大な任務を任せられることもあった。
この一連の流れが一般的な白狼天狗の生活であった。先に述べた夜間哨戒任務の場合は変わってくるのが、基本的にはこれである。
これまでといつも通り、椛は小鳥のさえずりを聞いて起きると、布団を畳んで身なりを揃えた。庭から外に出て井戸の水を汲み上げると、それを三度ほど小さくすくい、顔を洗った。
聡士郎はまだ寝ているのだろうかと、椛はふと思い立った。彼は護衛であるため、椛の生活リズムに合わせなければならない。いつ何時もそばにいるわけではないのだが、基本は付き添わなければならなかった。それが、文書に書いてある露草からの任である。
「・・・走り込みだけは済ませよう」
椛はそう呟いて部屋に戻り、玄関で下駄に履き替えようとした。しかし。
「あれ?」
思わず椛は声を出した。玄関には自分と楓の下駄はあるのだが、聡士郎の履いていた草鞋が無かったのだ。
もしやと椛は思い立ち、急いで聡士郎に与えた部屋に向かうと勢いよく扉を開いた。
部屋の中を見渡と、聡士郎の姿はおろか、部屋を使った痕跡すら見当たらなかった。厠に行ったのかと一瞬思ったが、刀は持って行かないはずである。それ以前に布団が一寸も動いておらず、支給された天狗装束にも手を付けている様子が無かった。
「くっ!やはり人間は信用できないの?あの言葉は出任せだったの!?」
椛は玄関で下駄に履き替えると。そのままの勢いで外に出た。
人間の足ならまだ追いつけるかもしれない。追いついた時には叩き斬ってやると椛は怒りを抱えた。あんなに大それたことを言っておいて逃げだしたのだ。結局は口だけなのか。人間とはそう言う生き物なのか。少しでも認めた自分が愚かなのか。椛は頭に血が上っていた。
しかし、そんな椛の怒りは空を切った。門の柱に誰かがもたれかかっていたのだ。
その誰かとは、言わずと聡士郎であった。
「来たか。ん、どうしたのだ?そんなに慌てて」
聡士郎は気楽な表情で、「おう」と手を上げた。
あまりにも唐突だったので、椛は数秒時が止まった。まさか自分より早く起きているとは思わなかったのだ。
「えぇ!?あ、あの・・・お早いですね」
自分の勘違いだったので椛は無償に恥ずかしくなり、顔を赤く染めた。
「いつも通りだが・・・あ、すまん少し話を盛った。起きるのはもう少し遅いか」
聡士郎は不思議そうに言うと、額の汗を拭った。少し火照っている様子から聡士郎は走り込みを行って、帰ってきたのだと椛は勘付いた。
「私は今から、走りこむつもりですけど・・」
一つ咳払いをして、椛はいつも通りの表情を繕う。すると聡士郎は一つ頷いた。
「お、そうなのか。では一緒にどうだ?」
「えっ?」
「不服であったか・・・?」
不思議そうに、聡士郎は言う。
この男は先ほど走ったはずなのに、まだ走ると言うのか。椛は何故だか悔しい気持ちがこみ上げてきた。自分より早く起きて、なおかつ走り込みも済ましている。まるで出し抜かれた気分になったのだ。
「行きますよ!莫迦にしないでください!」
「ワシがいつ莫迦にしたのか・・・」
「してませんけど…。ああもう!私についてきてください!」
椛は大声で言うと、聡士郎の返事も聞かずに走り始めたのだった。
*
それから聡士郎と椛はしばらく走りこんだ。村を抜け山道、と言うより獣道をひたすら走った。権現村から少し離れた小川で一息つくとそこから折り返し、犬走家へと戻ってきた。
椛は普段より、意気込んで走っていた。聡士郎に出し抜かれた感じが嫌で、その悩みを打ち消そうと無我夢中だった為である。嫌な事があったり、もやもやしたり、そんな時には体を動かすのが椛の性格だった。しゃがみ込んで落ち込むより、動いた方が気持ちも晴れるのだ。
一方、聡士郎は椛に着いて行く事が出来なかった。白狼天狗は大地を風の様に走ることができ、多少の障害物も難なく飛び超える事が出来る。そんな運動神経に長けた白狼天狗に、人間如きがついて行ける訳が無いのだ。聡士郎は足の速さは人間の中では一般人に毛が生えた程度の実力であったが、道が完璧に整備されていない悪道であった為、もはや走ると言うよりもただ追う事しかできなかったのだ。
ふう、いい汗かきましたね。松木様」
さわやかな表情で、椛は縁側にくたびれている聡士郎の隣に座ると、同意を求めた。
「こんな事を毎日やるのか・・・春までに身が持たんわい」
聡士郎はげんなりすると、椛が座ると同時に置いた握り飯を一口だけ入れた。一般的な三角の形をした握り飯である。具が入っていなかったが、よく塩加減が効いて味覚を刺激し、動いた後のため大変美味であった。
「これは旨いな。椛、お主が握ったのか?」
食に勢いがついた聡士郎はがつがつと塩むすびを口に運び、あっという間に二つを平らげた。
「えっ?あ、はい。私が握りました。軽い物で申し訳ないんですけど…」
聡士郎の絶賛に、椛は思わず照れて、頬を人差し指で掻きながら、顔を赤くした。
「そう言えばお主は食べぬのか?」
「はい、食べませんね。天狗は基本、食事と言う概念が薄いですから、朝食や昼食をとることは少ないです。食べると言っても基本はお酒と肴くらいでしょうし。あ、昨日の夕食の様に料理を作る時もありますね」
天狗は基本、酒と肴、稀に菓子しか食べない。その理由の一つとしては、彼らにとって食事と言う概念が、椛も言ったように薄いからである。人の様に必要不可欠であるタンパク質や炭水化物などの栄養素を摂取しなくとも、生きていけるのが妖怪なのだ。勿論、毎日料理を作る天狗はいるのだが、それは一般の天狗から見れば趣味の領域であった。莫迦にされると言うわけではないが暇な奴だとみられ、その趣味を露呈する者は少ない。
因みに大天狗と呼ばれる種族は酒や肴すら口に入れることが少ないと言われている。彼らは酒の代わりに霞を摂取し、肴は美しい風景で事足りるのだ。このような生活が何の支障もなく数百年も続けられるのは、悟りを開いているからであろう。
「そうか・・・ワシだけ食べるのは、申し訳ない気分になるな」
聡士郎は指先に着いた米も残さず食べて、低い声で言った。
「そんな、お気になさらないでください。むしろ満足に栄養を取らせないと、怒られるのは私だと思います。客人も持て成せないのかーって」
「何度も言うが、ワシは客人ではない。仕事は果たすつもりだぞ・・・」
あくまでも椛は聡士郎を『客人』と言い、護衛として見ていない様子であった。
聡士郎は若干不快感を覚えたが、ギスギスした空気になるよりはその様に見てもらっていた方が良いと思い、深く言わなかった。別に彼女に護衛として見てもらうことを強調するのに意味も無いし、要するに彼女を過激派の連中から守ればよいのだろうと、聡士郎も思っていたからである。
「しかし・・・まあ、あれだ。この先一人だけで食べるのは、ちと寂しいな」
「寂しい・・・?何故ですか?」
どういう意味かと椛は目をぱちくりさせて、聡士郎に問う。
「人は団欒を好む。一人で食っては飯の旨さも半減するからな。それゆえ寂しいのだ」
天狗にはわからぬかと聡士郎は言葉を付け加えると、最後の塩むすびを手に取ろうとした。
しかし、聡士郎より先に椛が塩むすびを手に取ると、笑いかけてきた。
「・・・人間は時に良い事を思うのですね。私は基本一人で飲むことが多いですが、大勢で飲んだ時を思い返せばたしかに美味でした・・・。明日からはみんなで食べましょう。私もその方が良い気がしました」
太陽のような笑顔で椛は言うと、握り飯をおいしそうにほおばった。椛は素直に良い考えと思い口に出したのだが、聡士郎はこの時自分を気遣ってくれたのかと深く考えてしまい、とたんに照れ臭くなった。脈拍数も上がっており、初心な少年のような気持ちになっていると思うと、さらに恥ずかしくなった。
「も、椛・・・。その・・・だな」
「はい?なんでしょうか」
頬を掻きながら照れ臭そうに、聡士郎は椛に礼を言おうとした、その時であった。
襖が音もなくゆっくり開いたと思うと、楓が目元をこすりながら寝ぼけた表情で出てきたのだ。狙ったかのように絶妙なタイミングで顔を見せたので、聡士郎は言うタイミングを逃し、そのまま口をつぐんでしまった。
「ふぁあ・・・。おはようございます・・・」
一つ大きな欠伸をして、楓は起きているのか寝ているのか分からないゆるい声で言った。
「・・・楓、顔を洗ってきなさい。私たちは今から天来寺に向かうので、後の事は任せましたよ?」
「ふぁい・・・わかりました」
生返事をすると、楓は寝ぼけた様子で庭の井戸に向かってゆく。彼はどうやら、白狼天狗らしからぬ、朝が弱いと言う欠点を持っている様であった。
「うおっほん。あー楓よ。おはようさん」
聡士郎は先程の浮いた気持ちを引き締めようと咳払いをし、楓に挨拶を交わそうとする。
「あぁ・・・?お前にはいってねーよ、莫迦」
そう言い残すと楓は何事もなかったように井戸にたどり着き、水をくみ上げ始めた。
「・・・これでも仲が良いと言えるか?椛よ」
「彼は照れ屋さんですからね」
くすっと椛は笑うい、返事を返した。聡士郎はそれを見ると頭を掻いて、困った顔をしたのだった。
*
食後一息を着くと、聡士郎は支給された天狗装束に着替えて椛と共に天来寺に向かった。
天狗装束は普通の服とは違い着にくく、何よりも聡士郎の感覚では動きづらかった。その為聡士郎は嫌がったが、椛に着なければ白い目で見られると言われ、しぶしぶ袖を通すことにした。彼女の立場もあるので、こればかりは仕方ないと納得したのである。
寺の正面門に着くと、椛は門の前で待ってほしいと言い、聡士郎を置いて中に入っていった。それほど待たせることも無いだろうし、中に入っても気まずいだけだろうと、椛なりの配慮であった。それに加え、天来寺に人間を入れることを極力避けたかったのもある。
聡士郎も椛の言った意味に勘付いて、素直に待つことにした。門の近くの壁にもたれ掛って、懐から紙巻煙草を取り出すと、マッチで火を付けてゆっくりと煙を肺に入れた。
紙巻煙草は人里でも普通に売っている。煙管は携帯性に優れず、持ち運びが困難であるため、近年幻想郷にもその技術が入ってきた。しかしこの世界の紙巻たばこは商品名が掛かれた箱やフィルターなどは無く、たばこの葉を紙で撒いただけの物であった。その為煙管とは対照的に安全性は優れておらず、人里での扱いは、本当の愛煙家が所望するものであると言われていた。まだまだ万人向けではない為、大きく広まっているわけではない。
もっとも聡士郎は大の愛煙家と言うわけではない。付き合い上煙草を吸う機会が多い為、持ち運びが苦ではない紙巻煙草を知ると、次第にキセルより多く利用するようになった。特に里の外に出る場合、煙管を吸うために必要である煙草盆を持ち運べないのでこうして紙巻きたばこを持ち歩いていた。
さて、聡士郎の紙巻煙草が半分ほど燃えた頃であった。
白狼天狗の一団が、天来寺の中に入って行くのが見えた。数からして一個小隊、九人ほどである。彼らは疲れ切った顔をしており、大きな欠伸をする者も居た。
「む?何だろうか…?」
「あれは夜の哨戒から帰ってきたワンころ達ですかねぇ?」
ぼそりと聡士郎が独り言をつぶやくと、何処からかその答えが返ってきた。
聡士郎は無意識に、追風を抜いた。いわゆる抜刀術という物で、体をねじりながら風を切る速度で後方に一閃した。
しかし、弱い風が起きたと思うと、それは空振る結果に終わった。聡士郎は反撃を受けないように素早く正眼に構えると敵意を込め、前方を見た。
そこに立っていたのは黒き羽を持つ鴉天狗であった。短く切った黒髪が特徴である彼女は、腰に手を当てて手帳を持ちながらにこにこと不気味な笑顔をしている。
「どうも!清く正しい射命丸文です!」
陽気な態度を示すと、射命丸文と名乗った鴉天狗は肩に掛けているバックからおもむろに新聞を取り出し、聡士郎に渡そうとする。だが、聡士郎は受け取らず、慎重に『追風』を帯刀すると、構えを解いて彼女を睨み付けた。
「ほう、天狗はちゃんと名乗るところが素晴らしいな、だがワシの死角を取るのは感心せん」
警戒心を解かず、聡士郎は文を凝視する。彼女は一見好意的な感じに接しているが、どこか只ならぬ雰囲気を醸し出している。聡士郎は直感的に強者であると感づいた。
「あやや・・・そんな警戒しないでほしいですね。私はただ、お話をしに来ただけです」
「話すことはない。とっとと失せろ」
「むーん。これは第一印象悪かったですかね・・・」
腕を組んで考え込むように、射命丸は唸る。
「悪いも何も、ここが権現村ではなかったら深く踏み込み、切り捨てておったぞ。裏を取るとはそういう物だが?」
「おお、怖いこわい。ですが私は戦おうなんてこれっぽっちも、一寸も思っておりませんからご安心を」
「安心できぬな、お主鴉天狗だろう?ワシを白い目でみて莫迦にしておった癖に話そうなどと・・・まったく良く言えたものだな」
あくまでも友好的な態度を見せない聡士郎に、文は思い切りため息を着いた。
「はぁ・・・それはきっと無知な莫迦ガラスどもですよ。と、言うか私を見たことないんですか?人里でよく顔を見せていると思いますが」
「・・・ああ、思い出したぞ。お主、文屋の射命丸か」
聡士郎は思い出したような表情をした。かつて、聞いたことがあったのだ。
人里でよく新聞をばらまいて、博麗の巫女やその他を追っている鴉天狗がいるとうわさが広がっていた。そこで十手持ちの一人が情報収集の為、彼女に接触しようと試みたことがあったのだ。
しかし神出鬼没である彼女を捉えることは難しく、その十手持ちは面倒になり諦めたと言っていた。何でもその十手持ち曰く、射命丸は興味を持った者にしか接触せず、それ以外は話すことすらないと酒場で愚痴をこぼしていた。
聡士郎は途中聞くのが面倒になり右から左に言葉が抜けていたので、思い出すのに時間が掛かってしまった。もっとも、そんな話題に興味も無かったし、まさか自分がこんなことになるとも思っていなかったからである。
「それで、文屋がワシに何か用か?」
ボリボリと頭を掻きながら、面倒くさそうに聡士郎は言った。
「はい、取材させてください」
やはりか、聡士郎は心の中で呟く。
文は好意的な表情を崩さず、笑いかけている。もちろん営業スマイルと言う物だろう。聡士郎はそんな文が気に入らなかった。媚を売っているようで見苦しいからだ。
「断る。ワシは椛を待たなければならぬ」
「えぇー!椛が戻ってくるまでで良いですから!」
「そもそも、何も語る事は無い」
蚊を掃うか如く聡士郎は手を力なく振って、文と話すことを拒否する意思を示した。
「あらら・・・これは困りましたねぇ・・・」
如何にも困ったような顔を作り、文は考える仕草をする。そして直ぐに何かをひらめいたのか顔を上げて、再び営業スマイルを作った。
「では、写真だけでいいですから!ね?」
そう言うと文は、肩から下げている鞄からカメラを取り出し、人差し指を立てた。さすがに写真くらいは良いかと聡士郎は気を緩めて、承諾する返事をしようとした。
だが、その刹那。
風を切って勢いよく何かが聡士郎の頬を通り過ぎたと思うと、その何かは文に向かって飛んでいった。文は慌てて飛び上がると体を一回転させ、再び地面に着地する。
「危ないじゃないですか!椛!」
聡士郎は何事かと振り返ると、椛が怖い顔をして文をにらんでいた。両手にはクナイのような投擲用刃物を数本持っていて、唸り声を上げている。
「松木様!この人に写真を撮られるのは危険です。適当に編集して悪いことを描かれます!」
「ソンナコトナイデスヨー」
目線を逸らして、文は明後日の方向を向いた。どうやら本当のことらしい。危うかったと聡士郎は安堵の息を洩らした。
「まあそんなワンワン吠えないでください。あの記事は本当のことを書いただけですからね~」
にやにやと笑いながら、文は明らかに椛を挑発した。すると、椛は顔を赤くして怒鳴りつけた。
「私は哨戒任務中、寝てなんかないです!」
「あらぁ?そうでしたかぁ?あの時こっくりこっくりしていたのはだれでしたっけ?」
「そ、それは!うぎぎ・・・文さん!」
痛いところを突かれたのか椛はあたふたとすると、顔を赤くして牙をむいた。しかし、飛び掛からずに胸に手を当ててぼそぼそと何か呟き気持ちを落ち着かせ、一つ咳払いをした。
普通この場合、文の一方的ないじりが行われ、激昂した椛の文との追いかけっこ始まるのだが、今回は聡士郎が茫然とした顔で見ているのに気が付き、荒ぶる感情を抑えたのだった。
文はそんな椛を見て、どこかつまらなそうな表情をした。
「それで。何故文さんは松木様を取材しようと?」
「そんなこともわからないですか?面白いネタだと思ったからに決まっていますよ」
ブイサインをして、文は本心からくる笑みを作った。椛はそんな文を見て一つため息を着くと、再び睨み付けた
「残念ながら松木様は取材されるのが嫌みたいです。どうぞ快くお引き取り下さい」
椛はそう言うと、投擲用刃物を構え、文を威嚇した。
しかし文は、椛の事を無視して飛び上がると、聡士郎の後ろに降り立った。そして、そのまま聡士郎の耳元に顔を寄せた。ほのかに金木犀の香りがしたと思うと、文はこっそり呟いた。
「今回は諦めますが、今度は独占取材をさせてくださいね。松木さん」
「う、うむ・・・」
少しばかり照れくさそうな表情をして聡士郎は若干流されたように言った。それを確認した文は満足そうにうなずくと、営業スマイルを崩さずに手を振りながら空へと飛んでいった。
「まったく!あの人は人の話を―!!」
ぷんすかと音を立てて、椛は空へ吠えていた。聡士郎は女性にあのような事を初めてされた為、何とも言えない顔になった。