Gate/beyond the moon(旧題:異世界と日本は繋がったようです)   作:五十川タカシ

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年末のトラブルが何とか解決しましたので投稿再開。

ヒロインXさんの宝具がキ○トさんのスターバースト・ストリームにしか見えない今日この頃、最近のfategoの目ぼしい成果は呼び符で召喚出来た乳上ぐらいです(震え






第四十六話「赤と黒の交錯。または伊丹耀司の受難」

 結論から云えば……戦闘にはならなかった。その代わりエムロイの使徒を自称する少女――ロウリィが伊丹たちに同行することになったのである。

 

「あら~。いいわ、中々の乗り心地ね」

 

 助手席に座る伊丹の膝の上に腰を下ろした黒ゴスの少女は、魅力的なヒップを小刻みに揺らしながら非常に艶めかしい笑みを浮かべていた。なので誰がどう聞いたとしても意味深なセリフにしか聞こえない。

 

「羨まし過ぎますよ、隊長ぉぉぉぉっぉぉ!!」

 

 伊丹の隣で数時間ずっとアクセルのベタ踏みを続ける倉田が絶叫を上げる。極度の羨ましさからくる魂の雄叫びであった。

 黒川など、エルフの少女を看護しながらもあからさまな軽蔑の目線を送っている。

 凛はコダ村の子供を相手にしながらも呆れたような表情をしており、モードレッドは多少警戒した様子でロウリィから預かったハルバートの近くに腰を下ろしていた。

 どうしてこうなった……伊丹は十数前の出来事を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――十数分前。

 高機動車の前に出た伊丹はモードレッドを伴い、黒ゴスの少女に対して交渉を試みた。

 

「サ、サバール・ハル・ウル(こんにちは、ご機嫌いかがですか?)」

 

 一応最初は日本語で呼びかけたのだが、黒ゴスの少女は小首を傾げるばかりで反応がなく……伊丹はすぐさま特地の言葉に切り替えた。

 随伴するモードレッドは、どこからともなく取り出した剣を肩に担いだ状態で伊丹の護衛に付いていた。

 伊丹がサーヴァントという単語を出したせいだろう。もはや隠す気もないらしい。

 

『あなたたちはどこからいらしてぇ、どこへいかれるのかしら?』

 

 甘ったるい猫撫で声であった。

 どこかの哲学の引用のようなセリフだったとか、そんなことは伊丹には分からない。もう少し頑張って言語習得すべきだったとか……そんな向上心に溢れた気持ちも特に湧かなかった。

 伊丹はさっと翻訳指輪を取り出し、カタコトで黒ゴスの少女に説明する。

 

『このユビワ、ハめる。コトバ、ツウじる』

 

 伊丹は相手を安心させるために先んじて指輪を填めるが、ほぼ同時に全く物怖じした様子のない黒ゴス少女が躊躇うことなく指を装着し……刹那、伊丹の体に電流が奔った。

 

「え?」

『あら?』

 

 何かの回路が接続されたかのような感覚。直後、膨大な情報が伊丹の中に流れ込んでいく。その殆どを伊丹は知覚することが出来なかったのだが……。

 

(なんだこの光景? どこかの結婚式……いや、乱入して妨害しているのか?)

 

 どこかの誰かが結婚をご破算にしようと奮闘する記憶が伊丹の中で少しだけ再生された。

 けれどその状態は長く続かず……突然、両名が填めていた指輪が独りでに破損した。

 

「あれ、え? えぇぇぇ!? なんで?」

 

 何度も『貴重品ゆえ取扱いに注意するよう』にと厳命されていた伊丹は、ショックで声を荒げてしまう。そしてまるで教練で空の薬莢を拾い集めるかのような迅速さで、砕けた指輪の欠片を拾い集めた。

 この時の伊丹は知る由もなかったことだが、翻訳指輪は魔力を媒介として使用者の魂を擬似的に繋ぐことで互いの言葉を理解するツールであり、残り数十年あまりで神霊へと昇神する特殊な魂を持つロウリィへの接続などは完全に想定外であったのだ。

 結果として許容オーバーを起こし、翻訳指輪は自壊したのだ。けれど翻訳指輪の耐久性がもし高かったなら、その場合は伊丹の魂の方が過負荷で焼き切れていただろう。

 指輪は自壊した際モードレッドはとっさに身構えたが、伊丹が情けない声を上げながら指輪の欠片を拾い集めるさまを見て、呆れたように肩を竦めた。

 黒ゴスの少女――ロウリィは目を丸くしながら指輪の填まっていた己の手をしばらく眺めた後……。

 

『会ったばかりの相手といきなり魂を繋ごうなんて不躾な道具ね』

 

 ロウリィの言葉に、欠片を拾い集めていた伊丹の動きが止まる。

 

「あれ? なんで言葉が……」

 

 ロウリィの言葉は現地のものだったが、伊丹の頭の中のその日本語訳がすらすらと浮かんだのだ。

 

『まぁ、今回は事故みたいなもののようだし。これについては不問にしておくわぁ。それに――』

 

 今まで様子を伺っていた複数のコダ村民が近づいてくる。皆エムロイの信徒であった。彼等にとっては地獄に仏のような心境だったのだろう。

 彼等は一様に跪き、ロウリィに祈りを捧げる。

 

『おお聖下! 斯様な場所でお目通りが叶うなど! 我ら一同、喜びに我を忘れてしまいそうです』

 

 そう口にした信徒の一人は、実際に涙を流しながら身を震わせていた。

 

『近隣のエルフの村落が竜の襲撃を受け、私たちは村を捨ててここまで避難してきました。どうかこの旅の無事をエムロイの名の下に祈っては頂けないでしょうか?』

『竜の襲撃?』

 

 ロウリィは眉を顰めた。ここまでの道中で良くない噂を耳にしていたからだ。一つは五十年早く活動期に入ったという炎龍の噂。もう一つはハーディが封印していた邪竜が復活したという報。

 ハーディの性格をよく知っているロウリィには、それ等が意図的に起こされたように思えてならない。

 翻訳指輪を介した伊丹との接触によって大方の事情(・・・・・)を察したロウリィはこれから行動に関して決断を下した。

 つまり……、

 

『お祈りならお安い御用よ。それと――「ねぇ貴方、アルヌスの丘まで同行させて頂いてもよろしいかしらぁ?」』

「あ、え……?」

 

 指輪の欠片を全て拾い集めて立ち上がった伊丹は、ロウリィに突然日本語で話しかけられて硬直した。しかも『アルヌスの丘に連れて行ってくれ』と云っているのだ。

 伊丹は気付かなかったが、伊丹にロウリィの情報が流れ込んできたのと同様に、ロウリィの中にも伊丹の情報が流れ込んでいたのだ。

 しかも亜神であるロウリィは断片的な情報しか知覚出来なかった伊丹と違い、伊丹の記憶の多くを知覚していたりする。

 

 

 ――それ故に興味も湧いた。

 

 ロウリィはチロリと舌なめずりをしながらごく自然に視線を伊丹に合わせる。その挙動は完全に捕食者のソレだ。

 曖昧な笑みを浮かべながらもどうするべきか思案した伊丹は、信徒ににこやかな笑みを向けるロウリィを見て取り敢えずの脅威はないと判断し、高機動車に連れ帰ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「改めて名乗らせて貰うわね。私はロウリィ・マーキュリー。断罪と死を司る神――エムロイに仕える使徒よぉ」

 

 ロウリィの自己紹介は聞く人が聞けば、――闇を纏わされ逆十字を標された(以下略のような中二病的名乗りにしか聞こえないのだが、推定数十キロのハルバートを片手で軽々しく扱っているとなれば話は別だろう。

 高機動車に搭乗する際ロウリィがモードレッドに預けたのだが、その重さに多少なりとも眉を顰めたほどだった。

 さらに云えば自衛隊の面々は既に、銀座で捕縛した捕虜たちの情報から亜神の存在について聞き及んでいた。

 

「それでそのエムロイの使徒様とやらが、なんで全身から血の匂いを漂わせながらこんな辺鄙な場所を徘徊してやがんだよ?」

 

 皆がロウリィの存在に圧倒されている中、モードレッドは躊躇うことなく切り込むようにして言葉を投げた。さすがは“叛逆”の二つ名持ちである。

 モードレッドの相手を威圧するような視線と物云いに対し、ロウリィはさして動揺することもなく悠然した調子で答える。

 

「あら嫌だわぁ。ちょっと“おいた”が過ぎる方々が居たからエムロイの信徒の責務に従って“ご喜捨”をして頂いただけよぉ」

「それで命を“寄付”してもらった訳か……おっかねぇ宗教だぜ。まぁ大方相手は野盗だろうけどな。この近辺を竜が飛び回ってるなら他の村からも逃げ出すだろうし、慌てて単独行動に奔るやつも出てくる。群れから外れた羊ってのは、いつの世も野盗(ノライヌ)共にとって格好の獲物(カモ)になりやがる」

 

 モードレッドの指摘は的を射たものだった。

 ロウリィが処断したのはこの近辺を荒らし回っていた野盗の一団だ。彼等は躊躇も慈悲を持ち合わせず獣の如く何もかもを殺して犯して奪っていった。だというのに……。

 

「仰る通りよ。どうしようもない輩だったわぁ。自分たちはさっきまで獣のように振る舞っていたのに、いざ自分の番が来たとなると、連中まるで人のように慈悲を乞い始めたの。ホント最悪の気分よぉ」

「成程、そりゃ半端モンだな。野良犬にだって野良犬なりの矜持(プライド)はある。――だがそれすらなけりゃそりゃ……ただの畜生だ」

 

 周囲はロウリィとモードレッドの会話に、色んな意味で付いていけなかった。現代日本とは余りにかけ離れた価値観。両名共に幾度も修羅場を潜り、殺し奪うという形で数えきれない命に触れてきた故の共通認識のようなものだ。

 彼女たちが触れてきた命の総量は、療従事者として働いてきた黒川や、ベテラン自衛隊員として幾度も災害救助活動に従事してきたベテランの桑原陸曹長ですら遠く及ばないだろう。

 モードレッドの暫定マスターをしている凛だけは内心で理解を示していた。エキストラ世界において長くレジスタンスでの生活を送ってきたことと、月の聖杯戦争のパートナーであったランサーが語るケルトの常識(非常識)に触れてきた成果といえよう。

 

「ええその通り――貴方、話が分かるわね。我が主神エムロイは善悪を語らない。あらゆる人の(さが)を受け入れるわぁ。但し、自ら選んだ道を汚すような真似は我が主神の怒りに触れると覚えておいてちょうだい」

「へぇ――じゃ聞くが、例えば王に牙を剥いて国を滅ぼした反逆者だとしてもアンタの神は祝福してくれるのかよ?」

 

 その問いは自然とモードレッドの口から零れていた。『王に刃向う反逆者』というワード

を耳にした伊丹はいよいよモードレッドの正体を確信する。

 

(遠坂凛に同名でそっくりな恰好をした少女に、モードレッドという名前のサーヴァント。まさかと思ったけど……やっぱり。ああ! どうやって報告すればいいだよ、こんな事態!!)

 

 伊丹の胃がキリキリと痛む。こんなにも自分が置かれた状況から逃げたいと思ったのは伊丹も久しぶりである。

 そんなことは知る由もなく、真剣なモードレッドに対してロウリィは明快な解答を示す。

 

「当然よぉ! その過程に何の曇りや迷いもなく、最後まで叛逆の道を走り抜けたというのなら、エムロイは喜んでその魂を祝福するわぁ」

 

 それを聞いたモードレッドはしばし目を丸くした後……腹を抱えて盛大に笑った。

 

「面白ぇな、アンタらの神様は。俺は基本的に神様ってヤツが大嫌いなんだが……アンタが仕えている神様なら好きになれそうだ。無論アンタのこともな」

 

 モードレッドにしては珍しい素直な賛辞だった。対してロウリィもモードレッドに好意的な言葉を返す。

 

「私もよぉ。こんな強い輝きを持った魂を見るのは久しぶりだわ。大きな光と大きな闇の両方を秘めた穢れなき魂。まるで無垢なる刃のよう。――そして向こうのあの子も」

 

 ロウリィが目を向けた先に居たのは……コダ村の子供たちの相手をする凛。

 凛は若干戸惑いつつも子供の相手を一時中断し、己を指さしてロウリィを見た。

 

「え、私?」

「そうよぉ。齢に似合わず何度も修羅場を潜り抜けたのが分かるわ。その試練の数々が貴女の魂を磨いてきた。故に貴方の魂は宝石の如き輝きを放っているわぁ」

「そうなの? そんな風に褒められたのは初めてのことだけれど『ありがとう』と返しておくわ。それに、そういう貴女も普通じゃないのよね。少なくとも見た目通りの年齢ではないのは確かでしょうし?」

 

 月の聖杯戦争に参加していた凛だからこそ分かる。ロウリィという少女が放つ存在感はサーヴァントに比類すると云っても過言ではない。

 しかもサーヴァントで云うところの神性スキルに近しいナニカを内包していることも凛は看破していた。

 

「あらぁ? レディに対して無暗に年齢を聞くのはマナー違反よぉ」

 

 軽い牽制程度のドスが込められたロウリィの声に釘を刺され、周りも萎縮する。運転手の倉田は『つまりそれはロリババァってことっすか!!』と大変失礼なことを考えていた。

 凛は軽く謝罪してから話を再開する。

 

「ごめんなさい。少し気になっただけだから忘れてくれると助かるわ。それより何でロウリィ……さんは、何でアルヌスの丘へ?」

 

 少し迷ってから凛はロウリィにさん付けをした。目上に対して敬意を示してのことだ。

 ロウリィは頭を振って凛へ訂正を促す。

 

「“さん”付けはいらないわぁ。気軽にロウリィと呼んでちょうだい。――それで私がアルヌスの丘に目指す理由だけど。ハーディがまた門を開いたって噂を聞いて様子を見に来たのよぉ。前の時は大したことにならなかったのだけれど……」

「ちょっと待った!! すいません、前の時って?」

 

 伊丹がロウリィの話を遮った。前にも……とは以前にも門が開かれたということでは!?

 

「あら!? 貴方たち知らないの? アルヌスの丘の近くに積み木みたいな大きな石材が円形に並んだ場所があるだけれど……そこも以前は世界と世界を繋ぐ開門装置だったのよぉ。数千年前にハーディが気紛れで作ったらしくて……ずっと放置された後、ちょうど数百年くらい前に使用されてたわ。……確か“ブリテン”とかいう国に繋がっていたと思うのだけれど」

「え!? あのストーンヘンジもどきが!!」

「はぁ、ブリテン……だと!!」

 

 伊丹とモードレッドの二人は同時に驚きの声を上げた。

 伊丹たち自衛隊もストーンヘンジに類似した遺跡について既に調査を開始していたが、まさかそこが開門装置だとは夢にも思わなかったからだ。

 モードレッドとしては自分の国が話題に出たことが純粋に驚きだったのだろう。

 

「前回は限られた商人たちが、交易に使っていただけだから特に問題はなかったのよ。主に衣服や染料を取引していて……この世界の衣料技術が上がったのもこの時だったわぁ。私の着ている神官服とかもその成果と云っていいわね」

「それって神官服だったんだ。つまりエムロイの神官はみんなそんな服を? もしかして年配の方も?」

 

 伊丹はゴスロリを着たお婆さんの姿を想像して、少しだけ気分が悪くなった。

 

「安心してちょうだい。男性用の神官服のデザインは女性のものとは違うし、私みたいな例外を除いて、エムロイの女性神官服は年齢に応じてフリルの数が減っていくから貴方の想像しているようなことにはならないわ」

「はぁ――良かった」

 

 伊丹はほっと胸を撫で下ろした。『絶対に笑ってはいけないエムロイ神殿』といった事態が起こる可能性はなくなった訳だ。

 

「それで前回開いていたっていう開門装置ですが……今でも使えるんですか?」

「使えないわ。一度に開ける“門”の数は一つと決まっているの。仮に使用可能な状態で現存していても、アルヌスの丘の門が開いている限りは他の門は開かないのよ」

「そうですか……」

 

(イギリスかぁ……あの国にも“門”があると知れたらどうなることやら?)

 

 伊丹は内心で辟易とした。何せ数枚舌の外交を何百年と続けてきた腹黒紳士の国だ。 リーマンショックの影響で金融業に多大な打撃を受け、以降ゆるやかに国力が衰退している国でもある。

 自国にも門があると知れたら、日本に対し何らかのアプローチを始めるのは明白である。

 

(……まぁ、それは俺が考える事じゃないな)

 

 報告だけして後は政治家たちに任せればいいと、伊丹はそれ以上考えるのはやめた。

 しかし一難さってまた一難。

 今度は黒川がモードレッドに突っかかった。

 

「そろそろ教えてください、モードレッドさん! サーヴァントとは一体何なんですか! 貴女の正体は!?」

「ちょ、ちょっと黒川二曹! 落ち着いて……」

「伊丹隊長は黙っていてください!!」

 

 いつも冷静な黒川らしからぬヒステリックな叫びであった。短時間に衝撃的な情報を連続で聞かされ、混乱しているのかもしれない。

 黒川は改めてモードレッドにしっかりと視線を定めた。

モードレッドとしてはロウリィに警戒して棚上げしていたサーヴァントの話題を口に出す絶好の機会である。

 

「凛さんとも違う異世界から来たことは知っています。しかし先ほどの『反逆の騎士』の話といい、ブリテンという国名に反応したことといい。貴女はまるでアーサー王伝説に出てくる……」

「円卓を裏切った“叛逆の騎士”本人にだっていいたいだろ? そう通りだ。俺は騎士王アーサー・ペンドラゴンと魔女モルガン・ル・フェイの間に生まれた不貞の子――モードレッド当人だ。但し今の俺はサーヴァント……亡霊みたいなものだけどな」

 

 モードレッドは皮肉気に口端を釣り上げた。まるで得物を前にして牙を剥くライオンのようである。

 けれど黒川はそんな威圧に反応出来ないほどに動揺した様子だ。

 

「まさか本当に……でも亡霊って?」

「詳しい説明はめんどくせぇから省くが、“英霊の座”ってとこから召喚されて魔術師の使い魔になってんだよ。今は良くわかんねぇ状態で霊体化は出来ねぇがな。それで何でソッチの隊長さんがサーヴァントについて知ってんのかそろそろ話して…………あん!? おい、何かデカブツが空から近づいてやがるぞ! 二匹だ!!」

 

 モードレッドはいち早くその気配を感知する。

 伊丹は窓から顔を乗り出し、空を覗き込んだ。

 すると太陽を背にして二匹の巨大な飛行物体が接近していることにようやく気付いた。

 逆光に遮られたシルエットが露わになる……その正体は頭部に巨大な杭が刺さった二匹の巨大な竜。

 

『■■■■■■ッ―――――――――!!!!!!!』

 

 二匹の獰猛な咆哮が共鳴し、一帯の空気を激しく揺らす。

 一瞬にして広がる叫喚(パニック)

 今この時……エルダントより消失した二体の傀儡竜が、伊丹達とコダ村難民に襲い掛かった。

 

 




モードレッドはロウリィと意気投合。
次回は傀儡竜×2との戦闘です。

では、

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