Gate/beyond the moon(旧題:異世界と日本は繋がったようです)   作:五十川タカシ

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年末を終え、仕事は何とか一段落付きましたが……今度は私生活にてトラブルが発生してしまいました……ORZ
なのでしばらくは更新ペースが鈍化したままだと思います。本当に申し訳ありません。
その為、感想返しは部分的に行っていきます……誠にすいません。


グダオは何故だかいつの間にかドレイク姐さんの宝具レベルが4に
それほど課金していないと云うのに一体何故なんだ……!?

それと乳上ことオルタランサーの胸部装甲がああなっていることを鑑みれば、いずれは聖槍の影響で事件簿のグレイたんの胸も!!(ル・シアン君並み感)



第四十五話「異邦人たちの集い。もしくは死の女神の訪れ」

「大丈夫じゃったか! レレイ?」

 

 慌てた様子で賢者カトーはロバの牽く馬車から降り、レレイへと駆け寄った。

 普段は好色ジジ……好々爺のカトーではあるが、幼少期から孫のように世話を焼いてきたレレイに何かあれば一大事だと――珍しく焦った様子である。

  ……が、心配するカトーをよそにレレイは無表情のまま暴れ馬の騒動が起こった方向を指さす。

 

「師匠、私は平気。それよりもあっち」

「なに? アッチじゃと。アチラになにが……」

 

 レレイに促されて顔を向けると、そこには緑を基調とした斑色の服を纏った集団が(せわ)しなく動いていた。

 破損して道を塞いでいた馬車をどかし、怪我人を看護し、町の外へと避難する村人たちの交通整理を行い、誘導をしている。

 服装が統一されていることに加え、見事に統率された集団であるとカトーは心の中で感心していた。

 しかし彼等が何故自主的に村人を助けているか、カトーはよく分からなかった。もしかしたら避難の道中での護衛の売り込みをかけているのかもしれない。

 

「で、彼等がお前を助けてくれたのか?」

 

 レレイは一旦カトーに頷いてから、口を開く。

 

「肯定――でもそれだけではない。彼等はとても興味深い。彼等の乗っている緑の御車にはそれを牽く馬が居ない。何らかの仕掛けで動いている可能性がある。――それに彼等が携帯している鉄の長得物(ながもの)。最初は杖かと考えていた。けれど馬が暴れた際……彼等は即座に引き金のような部分に指をかけていた。なので弩弓(クロスボウ)にも似た武器の可能性がある」

 

 そうレレイに告げられ、カトーも緑の人たちに興味が湧いてきたが……同時にレレイが何を云いたいのかも理解する。

 けれど己の勘違いである可能性を考慮して、賢者カトーは好奇心の塊である弟子レレイにあえて問いかける。

 

「……それで何が云いたいんじゃ、レレイ?」

「しばらくは様子を見て。可能ならば彼等の道中に同行したい」

「ふむ――やはりそういう話じゃったか。学都ロンデルに向かう予定はどうする。お主の義姉のアルペジオには顔を出さなくても良いのか?」

 

 しかしカトーの言葉にレレイはかぶりを振り、

 

「それこそ、いつでも出来る事。加えてこの時期の姉は研究費の工面の為の写本作業に忙しいはず。顔を合わせても文句を聞かされるか、でなければ金銭の貸し借りを求められるのがオチ。それに――アルヌスの丘の噂は師匠も耳にしている筈」

「……やはりお主もその可能性に気付いたか」

 

 カトーの目付きが若干鋭いものに切り替わった。レレイも相変わらずの無表情ではあるが、纏う雰囲気には変化があった。

 学者であるカトーやレレイには独自の情報のネットワークがあり、帝国が異界へと繋がるアルヌスの丘の門を設置、開通したことは耳にしていた。

 さらにここ最近、アルヌスの丘周辺の地域の治安が急速に悪化しつつあることも噂として耳朶に触れている。

 軍属から離れて山賊へと転身するものは、帝都から離れたこの地域でも定期的に現れるのだが……今回は少しばかり規模の大きさが違う。

 帝国に従属する周辺諸国の軍まで駆り出された話を考慮すると、帝国は門の向こう側からきた何者かに圧されている可能性が浮上する。――未知の世界、未知の文明からやってきた何者(なにもの)かに、だ。

 カトーは緑の服をチラリと横目に捉えた。

 

「これは……もしかするかもしれんのう」

 

 アルヌスの丘は聖地に指定されて以降、帝国お抱えの学者でさえ許可がなければ立ち入れない場所となっていた。しかし今ならば……。

 

「まぁ……結論を急ぐ必要はなかろう。しばらくは彼らの動きに注視するとしよう」

 

 コクリとレレイが頷く。

 その後、村長から「ジエイタイ」と名乗る彼らがコダ村の避難民の警護を自主的に買って出てくれたと聞いたカトーとレレイは、しばらく付かず離れずで彼等の行動を観察することとなった。

 これが伊丹耀司とレレイ・ラ・レレーナの深い縁の切っ掛けであり、後に(色々な意味で)伝説として語られる伊丹のハーレム立志伝の始まりであることを、今はまだ(海苔緒などの例外を除いて)誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばし時を遡り、遠坂凛たちとの邂逅の場面へと戻る。

 そこには黒川を手伝い、慣れた手付きで負傷者の手当てを行う凛と、住居の石壁によりかかり射抜くような目付きで伊丹たちを見据えながら佇むモードレッドの姿があった。

 出会ってそうそう驚きの声を上げた凛と伊丹の両名であったが、馬車の車軸の損傷によって負傷した家族を前にして、凛は手当の手伝いを半ば強引に始めたのだった。

 黒川も初めは咎めようとしたのだが、余りに正確で熟練した手並みであったため、なし崩しに凛のサポートを認めてしまう。

 

「どこかで医療従事の経験が?」

 

 本当ならば『銀座で拉致された被害者の方ですか?』等と黒川は聞くべきであったが、年端のいかぬ少女ながら自分以上に場数を踏んでいるように思えてならない手並みの凛に、思わずそう聞いてしまった。

 凛は目線を変えず、負傷者の治療に集中しながらも黒川に答える。

 

「以前NGO団体に所属していたことがあるわ。その時は医療機器のシステム管理技士の真似事をしていたのだけれど、その時は全然人手が足らなくて。おかげで医療処置の大半を現地で全部教わったわ。その後も色んな最貧国を回ったのだけれど……その経験が随分役立ったわよ。ところで貴方たちはどこの国の軍人なの? どうやら皆、日本人のようだけれど?」

 

 凛の知る日本は20世紀の末に起きた大災害によって国家が破綻し、今は無政府状態と化している。生き残った日本人の大半は西欧財団の庇護を受けて移住していた。

 そういった事情から凛は、伊丹たちが西欧財団の属する軍人かと警戒していたのだが……、

 

「我々は日本政府より派遣された陸上自衛隊の隊員です。貴女は銀座事件の拉致被害者ではないのですか?」

「日本政府ですって? 日本の行政機関は1970年代の大崩壊(ポールシフト)の二次被害で起きた自然災害でとっくに壊滅した筈よ!! 貴方たち、西欧財団の所属じゃないの!?」

「え?」

「あっ!」

 

 凛が思わず口が滑ったと思った時には――既に後の祭り。

 モードレッドから得ていた平行世界の情報を鑑みれば、相手との齟齬は十分考えられた事態である。

 壁に寄りかかって腕を組んでいたモードレッドは、深く嘆息しながら『大丈夫なのか、コイツ?』と内心で呟ていた。

 こうして優雅たる()遠坂一族の伝統芸能『うっかり』によって、両者の話は急速に先へと進んだのだった。

 

 

 

「つまり貴女は中東に居た筈が……気付いたらこの世界に漂流していた、と。そして貴女から見て私たちの世界は数十年前の過去の世界という訳ですか。俄かには信じらせません」

「端的に云えばそうなるわね。但し厳密には、違う未来を辿った平行世界なのだけれど。しかも日本政府が存続しているだけでも私から見れば奇妙なのに……挙句異世界から門が開いて、ローマだか十字軍が侵略にやってきたって……どんなファンタジー小説よ」

「いえ、月で外来の知的生命由来らしき遺跡が発見されたという貴女の世界も十分SFの範疇だと私は思いますけれど……」

 

 極めて低速で移動する装甲車両の中で凛と黒川がそんな言葉を交わしていた。

 凛とモードレッドはコダ村の村民の避難に付き添うこととなった伊丹たちに、同行している。

 車輌の速度はコダ村の人々の逃避行に合わせてのことだ。突発的な大移動の中で次々と問題が発生し、行軍の列は遅々として進まない。

 現在も車両内には伊丹たちや凛だけではなく、コダ村の子供や妊婦、負傷者などを積載限界まで搭乗しているのだ。

 そんな状況下ゆえに伊丹たちが凛やモードレッドと会話をする時間はいくらでもあった。

 黒川などは最初、凛が銀座で拉致された影響で錯乱し……ありもしない平行世界などという誇大妄想で現実逃避をしているのではないか? と考えていた。

けれど、それにしては受け答えがはっきりしており、凛が語る平行世界の情勢もひどく具体的な内容だったため、次第に黒川も凛の話を信じ始めている。

 まぁ、それでも銀座事件後がなければ、信じようとは思わなかっただろうが……良くも悪くも銀座事件やハルケギニア、エルダントなどの異世界の存在が人々の常識に影響を及ぼした結果だろう。

 ……しかしながら伊丹や倉田、美埜里の三名は別の意味で凛の存在が信じられないのである。

 

「それでさ何度も確認するようだけど……本名は『遠坂凛』で良かったんだよね?」

 

 助手席に座る伊丹が後ろへ振り向き何とも云えない表情を浮かべながら尋ねる。隣でアクセルペダルのベタ踏みを続ける倉田も平静を装いながら、隠しきれない興奮の入り混じった顔をして聞き耳を立てていた。

 凛はうんざりとした様子で、

 

「だから何度も云ってるでしょ! 本名よ! 本名! 確かに見た目は日本人には見えないかもしれないけど4分の1は日本人の血が入っているわ! そもそも私の名前は祖父の本妻の娘である叔母様にあやかって同じ綴りが与えられたの! だから漢字で『遠坂凛』なの!! 付け加えるなら私の服装や髪形も叔母様の影響よ! ――悪い!?」

「いや別に悪いとか、そう云うことが云いたいわけじゃなくて……」

 

 伊丹は引き攣りそうな笑みを浮かべ、言葉に詰まってしまう。普段ならば余計に回る舌も今は上手く動いてはくれない。

 すると意を決した倉田が会話に口を挟んだ。

 

「りり、り、凛ちゃん、は!」

「ハァ! 凛ちゃん?」

 

 いきなりの倉田の『ちゃん』付けに凛はドスの効いた声色で返す。

 レジスタンスに居た頃(伊丹たちにはまだ話していない)は、歴戦の勇士に囲まれてずっと子供扱いされてきた凛にとって『ちゃん』付けは許せるものではなかったのである。

 凛の反応に倉田は慌てて訂正した。

 

「り……遠坂さんは、名前の同じ叔母さんと似てたりするんですかね?」

 

 叔母さんという単語の部分に凄まじい抵抗を感じながらも倉田が云いたかったことを吐き出すと、凛は少し考える様に小首を傾げ……、

 

「似ていると思うわ。叔母様の子供の写真を見せて貰ったけれど、髪の色以外はそっくりだったもの。日本の“冬木市”にある本家に顏を見せに行った時も色んな人にそっくりだって色んな人に云われたのを覚えているもの」

 

 冬木市の名を聞いて伊丹と倉田はビクリと反応した。車外で難民たちの行軍のサポートに出ている美埜里も、きっと同じ反応をしただろう。

 ただ黒川だけは不思議そうに凛へと尋ねる。

 

「冬木市……聞いたことのない地名ですね。それにそちらの世界では1970年代の災害で日本の行政は崩壊し、殆どの日本人は欧州に移住したのでは?」

「殆どは、ね。けど一部の人間は各地にコミュニティを作って日本に残ったのよ。冬木市のコミュニティもそう。遠坂の本家は冬木のコミュニティのまとめ役をしていたわ」

「……そうなのですか」

 

 先入観のない黒川が凛と言葉を重ねていく中……伊丹はいつ切り出そうか考えあぐねていた。

 それは“とあるゲーム”に関する話であり、同時に凛と共に現れた人物の正体の核心に触れる……、

 

「リン、戻ったぞ」

 

 そんな時、ちょうど(くだん)の人物――モードレッドが荷台側から車内へと戻ってきた。満員の中、黒川の隣で眠っているテュカの横に空いた僅かなスペースに座り込む。

 その過程でテュカの長い耳を目に入れたモードレッドは戸惑いの混じった苦々しげな表情を数秒だけしていた。

 

「お疲れさま、モードレッド。それで外の様子は?」

「落伍者が徐々に増えてきてはいるが、想定の範囲内ってやつだろ。道から外れた馬車は全部引き戻してやった。それと破損した馬車はそこの伊丹ってヤツの指示通り、最低限の荷物だけ持たせて持ち主に火をかけさせといたぜ」

「……そう」

 

 モードレッドの言葉を聞いて、凛は憂鬱そうに顔を浮かべた。

 凛の要請を受けてモードレッドは自衛隊の活動を手伝っていた。特に泥濘にはまった馬車を押し出す作業などは彼女の独壇場だったと云っても過言ではない。

 自衛隊員数人がかりでも押し出せなかった馬車をモードレッドが片手で軽々と押し出した時などの表情は筆舌しがたいものがあった。

 しかし全く気負いのない表情を浮かべて『火をかけさせた』と口にするモードレッドに対し、怒りを抑えられず黒川は睨みつけた。

 けれどモードレッドは特に怒る気配はなく、むしろ呆れた様子で……、

 

「あのな――ならアンタだったらどうするんだよ? 抱え込めねぇ量の荷物を前に呆けているヤツをどうやって前へと進ませる?」

「それは……」

 

 言いよどむ黒川に、モードレッドは案の定と云った表情で言葉を続けた。

 

「どんなに“完璧な王様”だってな、場合によっちゃ村一つ犠牲にする時だってあるんだよ。――でなきゃ村一つどころじゃ済まねぇからだ。竜の襲撃だけじゃねぇ。どうやらここら一帯、自衛隊(アンタら)が討ち漏らした残党が山賊に鞍替えして蔓延(はびこ)ってるみてぇだからよぉ。全体の逃げる速度が下げれば下がるほどほど襲われるリスクは上がるぜ。アンタは竜の生餌にされるか、畜生どもの慰み者にされるか……どっちが幸せだと思う?」

 

 モードレッドはこの逃避行での危険の原因の一端が自衛隊にあることを暗に告げていた。

 衰退していくブリテンで騎士王の背中と共に数えきれない犠牲者を見てきたモードレッドの言葉には、経験に裏打ちされた確かな実感がこもっている。

 過去の光景がよぎったせいか、モードレッドはゾっとするような笑みを浮かべた。言葉の通じないコダ村の人々を含め、皆車内の温度が数度下がったかのように感じたほどだ。

 その笑みを直視した黒川は思わず聞いてしまう。

 

「貴女、本当に一体何者なんですか? 遠坂さんとはまた別の世界から来たと仰っていましたが……」

「さぁな、アンタには何に見えるんだ?」

 

 見た目は少女のようであったが、中身は違うと黒川の本能が訴えていた。

 普通の人間は自分の数倍の体重を持つ馬を、物理法則を無視して数メートル先に蹴り飛ばすなどという芸当出来る筈もない。

 ただそこに居るだけで強烈な重圧を放つ存在。黒川にはその正体がまるで人ではないモノのように思えたのである。

 

「それについては俺から聞いてもいいかな?」

 

 ここで伊丹が口を挟んだ。アルヌスの丘に戻ってから説明して暴れられても困るのだ。伊丹たちが基地へと帰還する頃にはこの地に“彼等”がやってくる予定であった。切り出すタイミングはここしかないと、伊丹の勘が告げている。

 

「あらかじめ云っておくけど俺達は君たちと敵対する気は全くないんだ。OK? 分かった? 理解してくれた?」

 

 伊丹は深く念押しする。

 

「なによ、一体なんの話?」

「もったいぶらずにさっさと云いやがれ」

 

 凛とモードレッドに促された伊丹は一度大きく深呼吸をしてから覚悟を決めて口を開く。

 

「もしかしたら“サーヴァント”って単語に聞き覚えがあったり……なんて?」

 

 瞬間、車内の空気が一変した。『真の英雄は眼で殺す』と某英霊は云っていたり、バロールの魔眼は見ただけで相手を殺すと語られたりするが……苛烈な殺気を湛えたモードレッドの双眼に射抜かれた伊丹は自分が死んだかのような錯覚を感じた。

 より正確に説明すると伊丹は自分の首と胴が離れる光景をこの時、幻視していた。

 後の伊丹がこの事を思い返す度……失神しなかった自分を褒めてやりたくなったと云う。

 

「――おいてめぇ、どういうことだ。説明しろ?」

 

 凄まじい怒りを秘めたモードレッドの声。

 伊丹は歯をガタガタと震わせながらも必死に舌を回した。

 黒川には当然の如く何の話か分からずに蚊帳の外である。

 

「ちょ、ちょっとタンマ! 待って! だから説明するから落ち着いて!! ただタイミングが掴めなくて話さなかっただけで、決して君たちを騙すつもりは……っと!!」

 

 伊丹の弁解の途中で低速で移動していた車が停止した。倉田がブレーキを踏んだのだ。

 

「伊丹隊長……前! 前見てください!!」

「何云ってんだよ、倉田! 今それどころじゃ……」

「ゴスロリ少女が居るんすよ! それも目と鼻の先に!!」

 

 伊丹はモードレッドに睨まれていることも忘れて正面へ振り返る。

 

「うお、マジだ! 本物のゴスロリ少女!?」

 

 すると眼前の少し遠方には身の丈に合わないハルバートを手にしたゴスロリ服の少女が道の真ん中に座り込んでいた。

 

(銀座事件で連れ去られた娘? いや……)

 

 モードレッドのことが頭に浮かび、伊丹の中で嫌な可能性に気付いた。故に……、

 

「すいません、話の続きはまた後でしますので……今から前方で道を塞いでいる人物と接触してきます。モードレッドさん、護衛を頼んでもいいかな?」

 

 モードレッドは直ぐに察した様子で。

 

「……あぁ、そういうことか、分かったよ。その代わり洗いざらい知ってることを話してもらうぞ」

「……分かりました。俺に話せることなら」

 

 冷や汗をかきながら伊丹は頷く。

 黒川を話に参加させるか考えつつ伊丹はモードレッドを伴って、無数のカラスに囲まれた黒いドレスの少女に近づいていき……後、数メートルの距離でモードレッドが忠告するように囁く。

 

「気を付けろ。あの女……体中に血の匂いがこびり付いてやがる」

 

 伊丹はその言葉にゾクリと背筋を震わせた。

 




次回はロウリィとの邂逅です

では、

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