ただのオリジナル作品で、しかもよくあるストーリーだったりしますが、
良かったら読んでみてください。
のらり
(6月28日(土))
ゲームの世界に入り込む。ファンタジー小説でよくあることだとワタクシは思う。
でもそれが実際に起こるなんて・・・ワタクシもそんなこと想像しなかったよ。
まあもしそうなったらっていう空想ならしたけど。
だけどいざそうなると結構大変なんだなぁって思う。
ワタクシはこのゲームではかなりの古参だけれど、ゲームの時は背景だったものが今はちゃんと存在してるし、その影響かNPC(ノンプレイヤーキャラクター)も増えてる気がするよ。
けど、そんな事態にわくわくしてるっていうのが正直な気持ちかな。
こんなこと滅多にありえないもん。さっきから好奇心がうずいていてもたってもいられないよ。
とりあえず、日記を書こうかなぁって書いてるんだけどどうかな。
紙も鉛筆も売ってあるし、ちょっとサンドイッチも食べてるけどちゃんと味はするし。
日記なんか書いたことなかったのにね。
とか言ってるけれどもワタクシだってわくわくしてるだけじゃダメなのはわかってる。
これでもワタクシギルドのマスターなのよ?征夷大将軍なのよ?
ちゃんとひっぱっていかなきゃ。歴史の大英雄たちだってちゃんとしたじゃない。
ワタクシにもできるはずだよ。
ラッキーなことに、このゲームの機能にチャット機能ってあるじゃない。
ギルドチャットして収集しようかな。やっぱりみんなで行動したほうがいいし。
それだったら急いだほうがよさそう。ここまでにしよう。書くこともないし。
現実的なゲームの世界にわくわくする如月ショウでした。
なんか見覚えのある風景が目の前に広がっている。
思い出してみれば、これはパソコンの前でずっと見ていた風景だ。
だけど、これはどう見てもリアルである。バーチャルだった世界がリアルに変換している。
なにがあったか整理してみようと思った矢先、空白だったギルドチャットに発言があった。
如月ショウ:「ギルドアジト集合な。遅れたら罰則として水入ったバケツ×2を持って廊下に立たせるから」
いつもとかわらないギルドマスターだった。
なぜか今回はありがたく思えた。
ふふっと笑ってしまう。余裕が生まれた。
よしっと気合を入れて、ギルドアジトまで駆け出した。
私たちのギルド・・・『如月の幕府』はギルドマスターが歴史ヲタクであるために、歴史的な装飾がおいてあり、そしてこのゲームのサーバー内ではじめて御恩と奉公の関係を設立した有名なギルドである。
そして有名な理由はもう一つ、このギルドマスター、如月ショウ自身であった。
如月ショウは・・・有名な実況者であった。
もはや動画サイトなんて飛び出して、テレビ出演やラジオのMCなども務めたことがあり、特徴的な言葉遣いと低身長+童顔という型破りな実況者であった。
まあ容姿のほうは問題ではないが、言葉遣いが型破りという感じで・・・
第一人称が「ワタクシ」第二人称が「~~っさま」というめずらしい呼び方をするのであった。
そして性格もおもしろい性格で、たとえば私が「今花の形のにんじん食べてる」といったとき、彼は「鼻の形のにんじん!?」と間髪いれず答える・・・というスピーディなボケだった。それはこんな時でもぶれないあたり、洗練されているのかもしれない。
如月の幕府 アジト内にて
「皆集まったか~? 居ない奴手ぇ挙げろ!」
「居ない人は手を挙げないと思いますよ」
如月の幕府 アジト内には体育館のようなものがあって、舞台とマイクが付いている。
その舞台の上にいるのはギルドマスター如月ショウとサブギルドマスターの真桜02であった。
真桜02は一見普通そうだが実は最強メイド型アンドロイドと名乗っており、それを如月ショウが「長いから最強メイドロイドでよくね?」と言ったことからメイドロイドで定着している、いわゆる厨二病とかいうやつだった。
しかし、メイドロイドを名乗ってるだけあってきっちりメイド服を着こなしている。
実を言うと、このゲームにはボイスチャット機能がないため、声を聴くのは初めてだったが、真桜02は声も性格と同じくきっちりとした声・・・というか落ち着いている声だった。
ちなみに如月ショウは声を聴いたことある(実況動画を見た)けど、こっちは逆で少年声である。
だが、この二人が相当な実力派であることは皆知っている。
如月ショウ。レベル100。職業、武士。
武士にしてはめずらしく、スピード重視の戦い方をする。
ペットとして武道丸という馬を飼っており、それに乗って戦場を駆け巡りながら戦う。
彼の立ち上げたギルド、如月の幕府はキャッスルコールの時に集まりボスを討伐した時に、如月本人からたくさんダメージを稼いだ人に装備や道具などをあげる・・・ということをする。つまり中身が鎌倉幕府なのである。ちなみに装備や道具はボス討伐の記念品だったり運営からのプレゼントとしてもらった課金ガチャチケットだったりする。
如月ショウ本人も如月の幕府も、どちらもサーバー内で1,2を争うトップであり、しかしそういう風に感じさせない気楽さと祭りのような騒々しさが人気を呼んで、超有名人(超有名ギルド)として名を広めた。
真桜02。レベル100。職業、黒魔導師。
闇属性攻撃魔法を得意とするメイドロイドさん。
特に闇+雷の合わせ魔法が得意で、それをさらに強くするため衣装は闇か雷の上昇効果と魔力上昇効果が付いている。
如月の幕府のいわゆる執権の位置であり、実質的リーダーである。
ギルドマスターとは初めて早々に合って彼のおもしろい性格が気に入りついてきたらしい。
彼女も相当な実力派で10位以内にはランクインする。
如月ショウとは反対の落ち着いた雰囲気とミステリアスな感じに魅せられる人が多い。
それに比べて私ときたら・・・とついつい思ってしまう。
もはや私とギルドマスターたちは別の世界の人間なのかもしれない。
「・・・よっし全員いるな!んじゃあ新しく役職わけしておこうか」
役職わけ。学校で言うと委員会の位置にある私たちのギルド特有の事柄だった。
「もうバーチャルからリアルになったんだ。現実世界での事も入れないと別のタブ開いて確認なんてできないんだしさ」
「その通りです。天文学が出来ない人に星を見させてどっちの方角かなんて聞いてもわからないんですから」
まあその通りなんだけど・・・。
「えーっとまずは・・・ワタクシが将軍の戦闘部隊!なりたい奴手ぇ挙げて!」
前も言ったが、如月ショウは人気実況者である。もはや現実と同じになった世界で人気実況者と一緒になれる機会を逃したくない!と手を挙げる人が・・・全員手を挙げてるじゃないか。私以外手を挙げてるじゃないか!
「・・・30人ぐらいでいいから・・・よーしじゃんけん大会だ!!」
そして如月の幕府、ギルドアジト内にある体育館みたいなところはじゃんけん大会会場となった。
ソードアンドマジックインエレクトリックワールド
ファンの間ではソドマジワールドと略されているかなりの人気MMOゲームである。
一人で楽しむソロプレイヤーもいるが、このゲームには大勢で楽しむ要素がたくさんある。
まずはギルド。ギルドを立ち上げるとギルドマスターになり、ギルドに加入するとギルドメンバーとなって、戦闘を手伝ったり、ある場所への行き方を教えたりすることができる。
特に人気なのはキャッスルコールという機能だった。
キャッスルコールは1か月に1回の頻度であって、その内容は、キャッスルコールのクエストを受諾して、その対象のボスをギルドメンバーで討伐し、討伐できたらそのギルドの経験値と資金が増えて、ギルドマスターには討伐記念品が贈られる。如月はこれを分け与えている。
そして如月の幕府はキャッスルコール目的でつくられたため、かなりの経験値と資産がたまっている。
ギルドは、プレイヤーと同じで経験値があり、経験値が貯まるほどギルドアジトが大きくなっていくという仕組みになっており、ギルド資産は、ギルドを飾る家具や装飾品だけでなく、特別な装備や道具を買うことができる。
めずらしくこのゲームにはサークルというのがある。
ギルドとは違って、趣味を共有する場所であり、オフ会を開く人が多い。
サークルにも経験値があって、レベルが上がるごとに人数が増えていくようになっている。サークルでの経験値は発言数で増えていく。
ほかにも上級職というのがある。
説明すると
初心者剣士 初心者魔法使い 初心者回復術使い
↓ ↓ ↓
剣士 魔法使い 回復術使い
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
武士 勇者 黒魔導師 白魔導師 心療官 演奏者
という感じになっている。そしてほかにも職があり、
忍者 踊り子 暗殺者 ギャンブラー 魔物使い
などがあって、それぞれの場所で手に入る職の巻物でこれになることができる。
どうも くらりです
おもしろかったでしょうか?
コメントや評価をさらにしてくれると嬉しいなぁと思ってます。
自分、強欲なんで。
また次も頑張りますね。
くらり