インフィニット・ストラトス Dark Knight Story   作:DASH君

30 / 30
大変長らくお待たせしました!!
リアルが色々と忙しすぎて執筆する暇がないほど忙しかったので
ようやく続きを書く事が出来ました!!
本当に申し訳ない!!



MISSION 27 友からの切なる願い

千冬の発言によってこの場に居る専用機持ち全員が1つの大部屋に集められた。

その大部屋は大きな機材が数多く占領しており、簡易司令室と呼んで良い状態であった。

何故こういう状態になったのかと言えば、アメリカ・イスラエル共同開発された

第3世代型軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走し、

この周辺に来てしまった事でIS学園に後始末を押し付けられたと言うものだった。

勿論どの様なスペックを持っているか不明なので情報開示をしてもらう。

その中で一夏たちはある部分に疑問を感じていた。

 

「うん?『無人機』?」

 

「へぇ~・・・・無人兵器なんだねこのIS。」

 

「つまりコイツをぶっ壊して止めれば終わりって事だね。」

 

「いや、コイツは本当に無人機なのか?」

 

「どうしたの?ラウラ?」

 

「いくら共同開発をしてもこんな短期間で無人機を・・・・それも人に近いサイズまで

出来る事に疑問を持っているのだ。」

 

シャルと春斗は何の疑問を感じず素直な発言をしたが、残った面子は何度読み返しても

『無人機』と言う文字が目立っていた。

特に過去に無人機と遭遇した事がある4人と観戦していた1人はこの違和感が大き過ぎていた。

ラウラは遭遇した事が無かったのだが、軍人としての経験なのか

短期間で無人機を開発できる事に疑問を持っていたのだ。

周りを見ると束が平静を装っているが怒りに近い表情をしている事がわかった。

そしてそのまま束が発言をする。

 

「へぇ~、アメリカもやるもんだね。

私ですらこんな小さい無人機を造った事が無いのに・・・・」

 

この発言によってこの『銀の福音』は『無人機』である可能性が限りなく低い事がわかる。

そうなるとこの機体は有人でパイロットごと証拠を消す為に依頼してきた可能性が高い。

そんな中、突然緊急通信が入電してきた。

 

「どうした!?」

 

「機密通信です!!発信源は・・・・『不明』です。どうしましょう?」

 

「繋げてみろ。」

 

千冬の指示で真耶はこの通信を繋げる。すると一部のメンバーにとって懐かしい顔が見えた。

 

「・・・・こえ・・・・聞こえるか!?ってあれ?繋がっているのか?これ?」

 

「イーリス!?イーリスじゃないか!!久しぶりだな!!」

 

「おお!!一夏!!それにセシリアと鈴も!!元気そうだな!!」

 

画面に現れたのはアメリカ軍所属であり代表であるイーリス・コーリングで

紫炎の稼働実験以来の登場であった。

セシリアと鈴も思わず喜びの声をあげていたが一夏が懐かしむのを止めて発言する。

 

「状況が状況だから世間話をしに通信している訳じゃないよな?」

 

「ああ、そうだな。率直に言うぜ。ダチ公を助けて欲しい!!」

 

「ダチ公?じゃあ、銀の福音にはイーリスの友達が搭乗しているのか?」

 

「ああ!!アメリカ政府は銀の福音をダチ公ごと揉み消すつもりでいる。だから・・・・」

 

これまでの考察とイーリスからの通信で全員は状況を全てを理解した。

このままではパイロットの命が危なく、救出するのも分の悪すぎる賭けになっていたのだ。

これまでの事を考えて一夏はイーリスに問いかける。

 

「なあ、イーリス。世の中確実なんて無いものなんだが

この分の悪すぎる賭けに俺たちを賭けるか?」

 

「ああ!!正直お前たちしか頼れねえ!!結果命を落とす事になってもだ!!」

 

「だってさ。どうするみんな?」

 

「分の悪すぎる賭けなんてやる訳・・・・」

 

「そんなの断る理由ないじゃない!!」

 

「へっ?」

 

「そうですわ!!きっと・・・・いえ必ず救出してみせますわ!!」

 

「えっ!?」

 

「銀の福音のパイロットさんも僕と同じ被害者だもん!!助けなきゃ!!」

 

「ちょっ!!」

 

「軍内だったらバカげた行為なのだが、面白い。やってみせよう!!」

 

「確実なんてないけどやらないよりはやろう!!」

 

「諦めろ春斗。皆はやる気があるから止められん。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

春斗は現実的に見て不可能と考えるものの

それ以外のメンバーはやる気十分で救出しようとする。

イーリスも画面越しにその様子を見て安心した表情をしていた。

 

「ありがとう!!最後にこのデータが銀の福音の全スペックだ。有効活用してくれよ!!」

 

「そんな事をしたら貴様の立場が悪くなるのではないか?」

 

「心配御無用だ織斑 千冬(ブリュンヒルデ)。誤魔化す手段はいくらでもある。だから頼んだよ!!」

 

そう言ってイーリスは通信を切り、それからすぐにデータが届き閲覧していく一同。

内容はイーリスの言う通りで『銀の福音』の全てが記されていた。

これはさっきまでのブリーフィングの時には無かった全ての内容を送ってくれたのだ。

 

「ふむ、これならいくらでも対策が出来るな。」

 

「でも確実に機能停止させるには大きな火力を当て続けるか、一撃必殺でやる必要があるね。」

 

ラウラとシャルの発言で千冬は脳裏で作戦を考え、確実に実行可能な人選をする。

 

「現状で任務を遂行可能な人選は・・・・更識、織斑兄、行けるか?」

 

「私は大丈夫ですけど・・・・」

 

「えっ?どうして僕?」

 

「白式の『零落白夜』と打鉄弐式の『レッドクイーン』か!!」

 

「そうだ。最も速く最も高火力の兵器を持っているのはその2つしかない。」

 

「しかし、問題は私達をどうやって銀の福音の所まで運ぶかなんですけど・・・・」

 

簪の言う通り高火力を出すにはエネルギーを温存しなければならない。

勿論、移動する事も不可能なのだ。

そうなると高速で2人を運ぶ必要があるのだが・・・・

 

「オルコット、お前のISには高機動ユニットがあった筈だが・・・・」

 

「確かにあります。しかし・・・・」

 

「ちーちゃん、セシリアちゃんのISは調整中だから無理だね。」

 

「束、調整完了するまでどれくらいかかる?」

 

「私が急ピッチで調整してもあと2時間・・・・

いや1時間はかかるね。鈴ちゃんのISと同様に難しいから。」

 

セシリアと鈴のISには専用ユニットが存在しているがその調整は束でも難しいと言う。

束が言う『1時間』はクロエが先行調整したものを引き継いだ結果の時間なので

作戦参加は事実上不可能だ。

そこで真耶が思いついたように発言をする。

 

「でも一夏君と篠ノ之さんが代わりに運ぶのなら!!」

 

「確かに既に第4世代である2人のISなら問題ないね。」

 

「俺は大丈夫だが、箒は大丈夫か?」

 

「やってみなければわからんが、やるからには全力を尽くすさ。」

 

「だったら他にやらなければならない事は・・・・」

 

「簪ちゃんのISだね。専用ユニットは2人の物ほど難しくないからすぐに出来るよ。」

 

「そうか。」

 

「簪ちゃんのが終わったらシャルロットちゃんやラウラちゃんのISも短時間で調整可能だよ。」

 

「私よりもシャルロットから始めてください。性能差を考えればシャルロットの方が

早く現場に到着できます。」

 

「えっ?でも・・・・」

 

「シャルロットのIS方が速度が出るのは事実だ。」

 

「うん、わかったよ。」

 

こうしてそれぞれのやり取りと役割が決定していき作戦の準備をしていく。

少し時間が経ち海岸で実行班の4人はISを装備した状態で待機していた。

違いがあるとすれば簪のISが第4世代仕様に変更されている点だろう。

束は急いでシャルロットのISを調整していて見送る事が出来ない。

代わりにクロエが4人を第4世代の説明の為、見送る事になった。

 

「箒様、簪様。御二人に1つ追加された装備があるので説明します。」

 

「何でしょうか?」

 

「御二人のISにはフックショット型の兵器『ハンタークロー』と『オピオン』が

装備されております。」

 

「それはどの様な装備なんですか?」

 

「この装備はそれぞれ一夏さんのデビルブリンガーの技『スナッチ』と『ヘルハウンド』を参考に

開発された装備となっております。」

 

クロエの説明を聞いた2人は早速近くの岩で装備を試す。

『ハンタークロー』は岩を引き寄せ、『オピオン』は逆に岩に引き寄せられた。

これには2人共驚きを隠せなかった。

 

「今回の任務では使用する機会が無いかもしれませんが装備されている事を覚えてください。」

 

クロエが発言を止めると2人にお辞儀をして束の元へと戻って行く。

そして入れ替わる形で千冬が4人の元へ現れた。

 

「4人共、準備は出来ているか?」

 

『ハイ!!』

 

「今回の任務は超高難易度で小隊長を決めたい。織斑弟、頼んだぞ。」

 

千冬は一夏の肩に触れてそう発言した。一夏も千冬の言葉を受けて闘志を燃やしていた。

この人選には春斗以外全員が納得しており、反論が無かった。

春斗だけはバツの悪そうな顔をしていたが、すぐに平静を装う事にした。

 

「わかった。任されたからには全員生きて帰って来るぜ!!」

 

「織斑兄は勝手な行動は慎む様に。」

 

「えっ!?何でさ!!」

 

「貴様ならやりかねないからな。一応全員主観視点でカメラが取り付けられている。

全て見られているから注意するんだな。」

 

千冬なりの心配だが春斗は納得いかない様子。一夏は春斗をなだめるが無視されていた。

そんな2人とは別に箒と簪はお互い話し合う。

 

「簪、もしもだが・・・・」

 

「大丈夫だよ。だから私暴走しちゃったら・・・・・」

 

「ああ、大丈夫だ。必ず成功させるぞ。」

 

「うん!!」

 

決意を固める2人、箒が簪を、一夏が春斗を運ぶ形で任務始める。

残ったメンバーは只々成功する事を祈りながら4人を見送るのであった。

 

≪To be continued…≫

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。