インフィニット・ストラトス Dark Knight Story   作:DASH君

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MISSION 24 凍てついた地の闘い~Frozen Frog~

ラウラside

 

最後尾に居る私たちはお菓子を食べながら2人の帰還を待っていた。

すると突然シャルロットの顔が青ざめ、うなされ始めた。

今までこんな事が起こらなかっただけ、この事態は初めてだった。

どうするか対処しようとしたら突然シャルロットが落ち着いて静かになった。

おそらく『試練の間』で何かあったに違いないが、こちら側は確認できない。

何があったか模索している中、布仏 本音が私に話しかける。

 

「デュッチー、落ち着いたかな?」

 

「ああ、今の所はな。何があったかわからんが・・・・」

 

「多分、イッチーが助けたのかな?」

 

「だろうな、この状況だと助けられるのは一夏だけだからな。」

 

布仏と話している最中、シャルロットの目から涙が流れ落ちた。

ほんの一瞬だったが、確かにシャルロットが泣いたのだ。

 

「まさか、一夏に何か・・・・」

 

私は考えた。

一夏のこれまでの行動を考えると自分を犠牲にしてでも

シャルロットを助けようとしたのではないかと・・・・

私が漏らした言葉を聞いた箒とセシリアも同じ様に考え込む。

しかし、ここで考えたとしても何も出来る事が無い。

私たちは2人の帰還を待つ事しか出来なかった。

 

 

シャルロットside

 

僕たちは今、ドッペルゲンガーの部屋に居る。

さっきまであった出来事で僕はずっと泣き続けて

一夏は僕の涙を受け止めてくれた。

セシリアが言っていた事を実行しようとしても、結局一夏の優しさに甘えてしまう。

本当なら一夏の方がずっと辛い目に遭ってきているから

僕たちが癒してあげないといけない筈なのに・・・・

しばらくして僕は落ち着きを取り戻して機体スペックを確認した。

やっぱりここを通ったみんなと同様な現象が起きていて

新しい武器・・・・いや、この場合は魔具を入手していた。

まず、雷の剣『アラストル』はかつてダンテが使用した相棒の1つではあるけど

登場回数が少ない不遇の剣だ。

一夏が持つ『リベリオン』と同じ技が使えそうだけど

雷エネルギーの関係上、斬撃を飛ばす『ドライブ』や

縦方向に円盤状で回す『プロップ』と『シュレッダー』が出来ないみたいだった。

もう1つは光の大鎌『オシリス』で見た目が非常に凶悪そうに見えるけど

どこか神秘的な光を持っている。

この魔具は攻撃すればするほど威力が上がっていく仕組みになっているけど

その代わり初期の威力は非常に低い為、攻撃を当て続けなければならない。

こっちの魔具は『プロップ』と『シュレッダー』が出来るみたいで驚いた。

でもそれ以上にもっと驚いた事があったのだ・・・・

 

「なんでだろう?一夏が言っていた事に関しては体が覚えている感覚なんだ。」

 

「それはドッペルゲンガーに支配されていた影響のせいか?」

 

「多分、周りの惨状を見ると結構派手に動いていたみたいだから・・・・」

 

一夏がここで教えていた内容を僕は体が覚えている感覚だったのだ。

同じ様な動作をして違和感無く動けた。

でもこれは嬉しい誤算ですぐに次の部屋に行く事が出来る。

長く、激しい挑戦もいよいよピリオドを迎えそうだった。

 

「それじゃあ、先に進むか!!」

 

「うん、これで次は一夏に魔具が渡されるんだね。」

 

「勝てばの話だがな。」

 

そう言って僕たちは2人揃って次の部屋に向かった。

入った部屋は・・・・何故か寒い!!極寒地の様に寒い場所だった!!

周りを見ると、どこかお城の様な場所で中庭に居る事だけはわかった。

しかし、気になるのは異常とも言える様な“異臭”・・・・

まるで胃液の何倍も濃くなって吐き気すら出てくる様な臭いがここで充満していた。

周りを見渡していたら正面から寒い場所ではあり得ない異質な物が見えた。

 

『こっちよ・・・・こっちにおいで・・・・』

 

「はっ、裸の女の人!?」

 

「あ~、やっぱりか・・・・」

 

目の前に赤く発行した裸の女の人がこっちに迫ってきたのだ。

僕は驚いたけど一夏は落ち着いている。

ちょっと待って、この行動する敵ってもしかして・・・・

 

「最高だね。じゃあ・・・・とっとと出ておいで!!」

 

一夏がそう言うとデビルブリンガーを解放して女の人の片方を掴んで

こっちに強引に引っ張った!!

次の瞬間、巨大な物体がこっちに飛び込んできた。

 

「グアアア!!貴様!!」

 

「あっ、疑似餌だったんだ・・・・」

 

「貴様、いつからわかった!!」

 

「ここに入った時からな、悪臭が酷かったぜ。なあ、シャル。」

 

「そうだね、こっちが吐きそうな匂いだったよ。」

 

「まあ、おかげでダゴンの同種なら楽勝そうだぜ。」

 

「儂を舐めると痛い目を見るぞ!!グアアアア!!!!」

 

そう言って巨大なカエルと闘う事になった。

これってある意味とばっちりな気がするよ・・・・

 

 

一夏side

 

目の前に居る巨大なカエル・・・・多分、ダゴンだったかな?

まあ、名前はどうでも良いとして敵は大きく息を吸って膨らみ

その空気を俺たちに向かって空気のブレスを放つ。

この攻撃に対して俺たちは難なく回避する。

まあ、汚く臭い胃液だらけの空気なんて死んでも吸いたくないのが理由だがな。

ブレスを放った後は隙だらけで俺たちは二方向から

それぞれ『リベリオン』と『オシリス』で攻撃を続ける。

バエルの時と違って2人同時で攻撃している為、ダウンするのが早かった。

ダゴンは舌を出してグッタリとしていたのでその隙を見逃さなかった。

 

「貰ったぜ!!」

 

「一夏!?」

 

俺はシャルの制止を無視して強引にダゴンの口の中に入り込む。

そして口の中でリベリオンをぶん回しながら斬り続けて最後は

ダゴンの胃袋を突き抜けて真上に飛び出した。

 

「グオオオオッ!?!?」

 

「決まったぜ。」

 

「一夏!!無事でよかった・・・・って!?胃液臭いよ!!」

 

「あ~、いくら速攻で終わらせようとしてもやっぱり、胃袋の中に入るのは・・・・」

 

「ダメに決まっているでしょ!!臭いがうつっちゃう!!」

 

「流石にその発言はショックだな・・・・」

 

「貴様等!!調子に乗るな!!!!」

 

このやり取りを見たダゴンは怒りを爆発させる。

しかし、俺たちはそんな事を気にせずに闘う。

 

「怒りに任せる分、動きが単純だな。」

 

「うん、これなら思った以上に早く終わりそうだよ。」

 

「何っ!?」

 

「ホラ!!隙だらけだぜ!!」

 

ダゴンは飛び上がりボディプレスを仕掛けるも

俺は『無尽剣ルシフェル』を展開して『ピンナップ』を3回行って15本の剣を召喚した。

ダゴンが落下してくるので俺たちは難なく回避、そのまま『ボンデージ』で

15本全ての剣をダゴンに突き刺した。

そのまま俺は『ケーブリー』を展開して6本のダーツをダゴンに刺した。

 

「そろそろ終わらせてやるぜ!!」

 

俺はデビルブリンガーでダゴンの尻尾を掴み上へとすくい上げる。

シャルは下から盾殺し(シールド・ピアース)を展開してアッパーの要領で構える。

 

「行くぞ!!シャル!!」

 

「OK!!一夏!!」

 

「やめろおおぉぉぉ!!!!」

 

ダゴンの言葉を無視して俺はそのまま下へと叩きつけようとする。

下に叩きつける瞬間、シャルはタイミングを合わせて盾殺し(シールド・ピアース)をダゴンの腹に叩き込んだ。

盾殺し(シールド・ピアース)の強烈な一撃にダゴンは宙を舞う。

ダゴンが一番高くまで上昇した所で俺は薔薇をダゴンに刺さっている剣に向けて投げ

左手にあるケーブリーの起爆準備をした。

 

大当たりだ(Jackpot)!!」

 

この言葉と共に薔薇が剣に命中し、それと同時にダーツを起爆した。

ダゴンはグッタリとした状態で落下してこちらに向いてきた。

 

「まっ、まだだ!!まだ儂の兄弟が・・・・」

 

「そらよっと!!」

 

俺はダゴンの台詞を最後まで言わせずにリベリオンで一刀両断した。

 

 

シャルロットside

 

一夏の攻撃にダゴンは氷の様に白くなって粉々になった。

その後、僕は一夏を見ながらこう言う。

 

「終わった・・・・のかな?」

 

「ああ、その結果黒い壁の所に光の球体が現れたろ。」

 

「あっ、本当だ。」

 

一夏の言う通り黒い壁に光の球体があった。

その球体は一夏を見つけたのか、自分から一夏の元へ行く。

一夏はその球体に触れると光が治まり、アタッシュケースの様な物が現れた。

 

「成程、『災厄兵器パンドラ』か・・・・」

 

「確か、ダンテが使っていた666通りの使い道がある魔具だよね?」

 

「ああ、それに試し撃ち出来るヤツが目の前に居るしな。」

 

「えっ?・・・・うわっ!?」

 

一夏が向いた方向を僕は向くとさっき倒したダゴンみたいなのが沢山いた。

最後に「兄弟が・・・・」とか言っていたけどひょっとしたらあれがそうかもしれない。

一夏は気にせずにパンドラをダゴンの兄弟たちに向けて構えた。

 

「まずは『ジェラシー』・・・・近づくんじゃねえぞ。」

 

『ジェラシー』はアタッシュケース型のバルカンになって牽制した。

連射速度も非常に速い。

 

「お次はバズーカ砲・・・・『ヘイトリッド』だ!!発射(Fire)!!」

 

そう言うとパンドラが大型3連バズーカに変形して

弾丸を放ち多く居た敵が一斉に吹き飛んだ。

 

「次は『グリーフ』で切り裂く!!行け!!」

 

さらにパンドラが変形して大型カッターと化し、勢いよく投げ込んだ。

その軌道は宙に浮いた全ての敵に命中して内臓ごとズタズタにする。

戻ったパンドラは再びアタッシュケースに戻ったが一夏はすぐにパンドラの形を変える。

今度の姿はまるで移動要塞・・・・いや、浮遊砲台と化して狙いを定める。

 

「『アーギュメント』・・・・一斉発射(Full Burst)!!」

 

その言葉と同時に一夏は引き金を引く。

すると浮遊砲台から大量のミサイルが放たれ、訳も分からない軌道を描きながら

全弾敵と黒い壁に命中し、爆散した。

全て終わったのか、一夏はパンドラをアタッシュケースに戻して足置きにする。

するとパンドラが突然開き、その中身から眩い光を発した。

 

「なっ、何これ!?」

 

「うおっと!?危ねぇ、これが『オーメン』か・・・・あら?」

 

「一夏!?」

 

アタッシュケースを閉じたら一夏の下が崩れて落ちてしまった。

僕は慌てて一夏が落ちた穴に近づき、一夏を呼んだ。

 

「一夏!!大丈夫!?」

 

「ああ、大丈夫だ。あと出口を見つけたぜ、降りて来いよ。」

 

「えっ?うん、わかったよ。」

 

一夏に言われるがままに僕は穴に入る事にする。

すると本当に出口があった。

 

「なんでこんな所に出口があるんだろうな。」

 

「だね、誰もこんな所にあるなんて普通思わないよ。」

 

「まあ、とにかく進もうぜ。これで終わりなんだから。」

 

そう言って僕たちは出口を使って次の部屋に行く。

そこは最後の部屋として箒が通っていた道場の教えがあった。

その内容は僕の心に刺さるものがあって、少しだけ落ち込んだ。

でもこれから出来る様になれば良いと僕は思った。

最後の部屋を抜け、光が見えたと思ったらバス車内の風景に変わっていた。

 

「2人とも戻って来たか。」

 

「ああ、随分と長い間居た気分だぜ。」

 

「時間は・・・・11時!?そんなに経っているの!?」

 

「ああ、今までと違ったパターンみたいだからな。

30分後にパーキングエリアとやらに着くそうだ。」

 

「そうか、教えてくれてありがとうな。俺はもう少し寝るわ。

今回は今まで以上に疲れたから・・・・」

 

そう言って一夏は再び眠りについた。

試練の間の出来事を考えると仕方がないと思う。

みんなに僕たちの身にあった出来事をパーキングエリアで話す事になるけど

みんながどう思うか不安に思う所があるけど、大丈夫だと思う。

僕もみんなも一夏の事を考えているからきっと助けられると信じているからだった。

 

≪To be continued…≫

 


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