インフィニット・ストラトス Dark Knight Story   作:DASH君

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MISSION 13 開幕!!学年別トーナメント!!

一夏side

 

いよいよ今日から学年別トーナメントに突入する。

チームは最終受付前で確定している時点で俺と簪組、セシリアと鈴組の2つだけで

それ以外の人は当日のランダムによって選定されている。

トーナメント表が出る掲示板の前に簪と居る時にシャルル・デュノアが話しかけてくる。

 

「いよいよ学年別トーナメントだね、一夏。」

 

「そうだな、シャル。」

 

簡単な挨拶をする俺たち。ある事をきっかけに俺はシャルルの事を“シャル”と呼ぶ事になった。

そのきっかけになる話は後ほど言うとして・・・・その中、簪は質問してきた。

 

「一夏っていつからシャルルの事を“シャル”って呼んでいるの?」

 

「ちょっと前くらいかな?それにずっと同じ部屋だと自然とそうなるのさ。」

 

「あだ名とかで呼ぶのが主義じゃないのに?」

 

今日の簪は異様に鋭い、思わず顔を引きつりそうになったが何とか耐えて言う。

 

「まあ、シャルからの頼みでもあるんだ。そうだろシャル?」

 

「うっ、うん!!そうだね!!」

 

「ふぅ~ん。」

 

疑いの目で見る簪、俺は強引に話題を変える事にした。

 

「そう言えばシャルのパートナーはどうなるんだ?」

 

「僕はランダム選定に委ねる事にしたよ。そうしてみるのも良いかと思って。」

 

「そうか、まあ対戦する事になったら・・・・」

 

「手加減しないからね。」

 

「先に言うか、まあ良いけど。」

 

「わかりやすかったからね。それじゃあ、また後でね。」

 

そう言って笑いながらシャルは掲示板の方に向かった。

シャルとはお互い気持ちの良い闘いが出来そうでワクワクしている俺が居るが

隣を見ると、どこか怒っている簪がそこに居た。

 

「簪、どうした?」

 

「いいえ、シャルルとの仲がよろしい様で。」

 

「男同士ってこう言うものだと思うけどな。」

 

「どうでしょう?本当にシャルルが“男の子”なのかな?」

 

今日の簪は本当に鋭いな、簪の後ろを見ると鬼神の様な何かが見える気がして

滅茶苦茶怖い気がする。

 

「カンザシサンコワイデスヨ・・・・」

 

「フフフ、冗談だよ一夏。」

 

「そっ、そうなのか?」

 

「うん、でもシャルルが本当に男の子かどうかの疑問は残っているけどね。

その時になったら真実を話してね、一夏。」

 

「善処しておきます。」

 

今日の簪はどこか怖いぞ、こんな調子で学年別トーナメントを闘えるのか?

そんなある意味ふざけたやり取りをしているとトーナメント表が発表された。

俺たちの相手が誰なのか、そしてライバルたちとはどこでぶつかるのか気になった。

人数を考えると2つのブロックで闘う事になるがトーナメント表を見ると俺たちは驚く。

 

Aブロック一回戦第一試合:セシリア・オルコット&凰 鈴音VS織斑 春斗&篠ノ之 箒

Bブロック一回戦最終試合:織斑 一夏&更識 簪VSシャルル・デュノア&ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

何と別のブロックになった組み合わせと早くも再戦が出来る組み合わせになったのだ。

箒、シャル、ボーデヴィッヒ、春斗の4人はランダム選定だった為これはスゴイ偶然となった。

それも専用機持ちたちの闘いかつ最初と大トリである為、注目が集まりやすい対戦カードだ。

 

「いきなりシャルと当たるのか、これは楽しみだ。」

 

「それにセシリアや鈴、あるいは箒と当たるのは決勝戦に行かないと駄目なんだね。」

 

「そうだな。でも先の事を考えるのは良いけど今は目の前に事に集中しようぜ。」

 

「うん!!」

 

お互いに士気を高め合いながら目標を目指すことになった。

 

 

箒side

 

使用する量産機申請した後にトーナメント表を見て私は何とも言えない気持ちになる。

何故なら苦手意識がある春斗と組む事になったからだ。

考える余裕も無く、春斗がこちらにやってきた。

 

「やあ、箒。今回はよろしく頼むよ。」

 

「わかっている。しかし、相手はセシリアと鈴。代表候補の2人だぞ。大丈夫なのか?」

 

「僕が2人に後れを取ると思うのかな?」

 

「思うから言っているのだが・・・・」

 

「何っ!?」

 

「お前が努力をしても相手の2人も同じ様に努力をしている。一緒に訓練を行った身だからこそ

言える事だ。それに2人は一夏より劣っているとしても油断は出来ない。」

 

「フン!!そう言う事なら問題ないね。」

 

「・・・・・・・。」

 

春斗の様子は明らかに2人を舐めていると考え「覚悟するしかない」と思う私だった。

 

 

鈴side

 

あたしは今セシリアと一緒に闘いの場:アリーナのフィールド上に居る。

開幕戦と言う事と専用機持ち同士の闘いと言う訳で観客席は満員だった。

観客席で一夏を探したけど見つからない、ピット内にあるスクリーンで見るだろう。

そんな中、セシリアはあたしに話しかける。

 

「調子はいかがでしょうか、鈴さん?」

 

「それはもうバッチリよ。」

 

「それは良かったですわ、しかし相手は・・・・」

 

「春斗が相手って事?大丈夫よ、あたしの思い過ごしだっただけだから。」

 

チームメイトとしてあたしを心配するセシリア、それに対する答えを言うあたし。

ついでにセシリアに本音をぶち撒いてみた。

 

「唯一、春斗を許せないとしたら一夏と簪を馬鹿にした事かしらね?」

 

「確かにそうですわね、それに自分の敗北を認めない部分も・・・・」

 

「そう言う事、この試合で思い知らせてやろう。」

 

「そうですわね。」

 

一夏と一緒に試練の間に行った事はセシリアにある程度伝えて連携に磨きがかかったと思う。

この日までに念入りに訓練を積んできたあたしたち

その成果もあってロイヤルガードのレベルが2なったのだ。

感覚的にソードマスターもそろそろレベル2になる筈だからおそらく闘いの中で到達するだろう。

対戦相手の様子を見ると春斗は自信に溢れた表情をしている。

その自信はどこから来るんだろう?

一方箒は高機動パックを装備した打鉄を身に着けている。

これにより機動力だけはセシリアのブルー・ティアーズに匹敵する筈だが

箒は高機動パックを使うのが初めての筈で大丈夫だろうか?

しかし、そんな事を気にする余裕はあまりない。今は相手と対峙しなければならないからだ。

すると、箒がこちらに話しかけてきた。

 

「セシリア、鈴。この様な形で対戦する事になろうとは思わなんだ。」

 

「そうですわね、例え相手がどんな方であろうと油断をするつもりはありませんわ。」

 

「そう言う事、全力で行かせてもらうわ。」

 

「勿論だ、私も今持っている力を出し切らせてもらう!!」

 

あたしたち3人は鼓舞し合いこれから始まる闘いに心を躍らせる。

そんな中、空気が読めないヤツが言い出す。

 

「オイオイ、僕と言う存在を忘れていないか?」

 

「あっ、そう言えば居たわね。」

 

「酷い事を言うな、僕はあれから訓練し続けたんだから今までとはひとあz・・・・」

 

「ハイハイ、そう言う事にしてやるわよ。」

 

「最後まで言わせろよ!!ムカつくな!!」

 

「その台詞をそのまま返しておくわ。」

 

春斗の台詞を適当にあしらうあたし、しばらく経って山田先生のアナウンスが入り

学年別トーナメント開幕を宣言し、試合開始のブザーが鳴り響く。

 

「いつも通りで行くわよ、セシリア!!」

 

「よろしくてよ、鈴さん!!」

 

「仕掛ける・・・・行くぞ!!」

 

「僕を怒らせた事を後悔させてやる!!」

 

こうしてあたしたちはぶつかり合った。

 

 

箒side

 

私は先に鈴と刀同士でぶつかり合い、鍔迫り合いによって火花が散る。

私個人の考えだが、春斗の白式はセシリアと闘わせるべきだと考えている。

何故なら白式の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)である零落白夜はエネルギーを無効化できる点とセシリア本人は

接近戦が苦手と言う点が挙がっている為だ。

その為、瞬時加速(イグニッション・ブースト)をフルに活かせば速攻で撃破するのが容易い筈。

だが、その為には春斗がセシリアの元に行く間、私が鈴の相手をしなければならない点と

2人がその事を熟知している事によって読まれやすいと言う点が不安材料だった。

 

「やっぱり高機動パックを使っているから早いわね。」

 

「私自身初めて使用するから慣れていないがな・・・・」

 

「そうは見えないけどね!!」

 

鈴の言葉を皮切りに刀同士ぶつかり続ける。

一合、二合、三合と次々と刀同士がぶつかり続けて終わりが見えない。

この隙に春斗がセシリアの元に行っていると考えていたが・・・・

 

「セイヤッ!!」

 

「チッ!!」

 

「んなっ!?」

 

よりにもよって横から春斗が“鈴”を攻撃したのだ。

その結果、鈴は回避して私との闘いを中断せざるを得なくなる。

隙を突かれたのか、セシリアからのレーザーライフルが私の顔を掠める。

それから春斗の口から信じられない事を私に言う。

 

「凰は僕が倒す!!」

 

「何を言っている!?機体特性と単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)があればお前はセシリアと闘う方が・・・・」

 

「僕を怒らせたヤツを後悔させないとね。」

 

春斗はキレている、それは確実だ。

しかし、私情で闘っては勝てる闘いも勝てない。

私は春斗を説得する事にする。

 

「考え直せ春斗!!個人的な理由では勝てる闘いも・・・・」

 

「うるさいな、僕に任せれば全ては上手くいくんだよ。オルコットの事は任せたよ。」

 

「あっ!?待て春斗!!」

 

「ハアアアアアッ!!!!」

 

「こんのっ!!」

 

結局止める事が出来ず春斗は鈴と戦闘を開始してしまう。

ここまで来たら本当に覚悟を決めるしかない、そう思って私はセシリアと対峙する。

セシリアは私に話しかけてきた、声の感じからして明らかな同情だった。

 

「災難ですわね、箒さん。」

 

「そうだな、しかし私は諦める気はない!!」

 

そう言って私は刀をセシリアに向ける。

セシリアもそれに応える様にライフルをこちらに向けてきた。

 

「箒さんにも味わって貰いましょう。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズが

奏でる円舞曲(ワルツ)を!!」

 

「ならば私からもこう言うぞ。私、篠ノ之 箒が舞い踊る剣技を!!」

 

お互いの言葉を聞き、私はセシリアに向かって行く。

セシリアもレーザーライフルを放つが私は寸分で避けて接近していく。

しかし、ここで注目する点はセシリアはビットを使っていない点だ。

流石に“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”と言った様にビットを連射する訳にはいかない様子だ。

一夏との訓練の成果があって無傷でセシリアに最接近し、一合当てようとするが・・・・

 

「インターセプター!!」

 

手持ちの小刀を持ち私の一撃を防ぐ。

しかし、セシリアの表情は“笑って”いて、私は直感を信じて一気に後ろへ引く。

その瞬間、セシリアの背後からレーザーが4つこちらに向けて放たれ

レーザーを回避し続けて安全圏まで下がった。

 

「よくわかりましたわね。」

 

「表情でわかった、少し遅れていたら命中していたからな。」

 

お互い苦笑いと言った様子か、お互い読み通りの動きにならなかったらしい。

もう一度接近しようとしたその瞬間だった。

“ドーン!!!!”

 

「何っ!?」

 

「あれは・・・・」

 

轟音がした方向を向くと膝をついている春斗と、大斧を持って春斗に近づく鈴だった。

鈴がデータに無い武器を使っていて私は軽いパニックに陥った。

 

「何だ、あの大斧は!!」

 

「あの様子ですと、やはり鈴さんの方が優勢ですのね。」

 

セシリアはどうやら知った様子でそう言う、どうやらあれが鈴の秘密兵器と言った所か・・・・

 

 

鈴side

 

あたしはアービターで春斗を撃ちのめし続けていた。

確かに雪片弐型は強力な武器ではあるが、それは相手の“シールドエネルギー”に対してのみ。

それ以外への攻撃では近接ブレードと同等の威力しかない。

ならば高火力で叩きのめせるアービターの出番と言う訳だった。

もう一撃加えようとしたその時にパネルが表示されて情報を提示してきた。

 

『ソードマスターのレベルが2になりました。以下の兵器を使用する事が出来ます。』

 

「やっとレベルが上がったわね、使える技は・・・・」

 

ソードマスターのままで闘い続けていたから思っていたよりも早くレベルが上がった。

解禁された技を見てみるとこれは面白い、あたし向きの技ばかりで思わず笑みがこぼれる。

春斗の方を見るとゆっくりと起き上がり声を出す。

 

「馬鹿な・・・・どうしてこうも撃ち負けるんだ!!」

 

「それは単純にアンタの力量不足よ、アンタが死ぬ気で訓練を積んだとしてもあたしたちも

倍以上の訓練をしているだけだからよ。」

 

「うるさい!!それにデータに無い武器を使うなんて・・・・」

 

「“卑怯”って言いたいでしょうけど、そう言った事も予測しないと駄目なんじゃないの?」

 

「貴様っ!!」

 

「フンッ!!」

 

感情的な攻撃を繰り出す春斗、あたしは殆ど動かずに回避する。

そのままの流れでイフリートに装備変更して春斗にアッパー技である

『マグマドライブ』を叩き込む。

モロに喰らった春斗は上へと打ち上げられ、あたしも追撃として拳を下に向けた。

 

「この連続攻撃に耐えられるかしら!!」

 

「しまった!?」

 

「おりやああああああ!!!!」

 

“ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!”

イフリートの一撃一撃を確実に春斗に与える。

下に叩きつけられた春斗はそのまま地面に降りずにバウンドして

もう一度あたしの所に戻って来る。

そう、新しい技『ショウダウン』を繰り返して春斗をグロッキー状態にしている。

 

「これがトドメよ!!!!」

 

そしてトドメにフルチャージした状態で春斗ごと拳を下に叩きつけ

爆音と共に大きなクレータを造り上げた。

この技の名前は『ストンプ』、下に叩きつける際に衝撃波を発生して敵を巻き込める技だ。

この攻撃によって春斗は気絶、シールドエネルギーは0になった。

これにより大型ディスプレイに『戦闘不能』の表示が出て観客からは歓声が上がる。

 

「やはり駄目だったか・・・・覚悟するしかない。」

 

「そう言う事、次は箒の番よ。」

 

苦虫を噛み潰したような顔をする箒、あたしは強気な顔をして箒に向けて『メテオ』を放つ。

 

 

箒side

 

鈴から放たれた火球を回避して態勢を立て直す。

2対1、ハッキリ言って絶望的な戦況だ。

だからと言ってこのまま負けては私の性に合わない。

このままの鈴に向けて攻撃を仕掛け、鈴もそれに応える様にもう一度こちらを仕掛ける。

セシリアのレーザーライフルが来るが私は全て寸分で回避し、再び刀同士ぶつかり合った。

 

「何て回避してんのよ、アンタ。」

 

「ただでやられる訳にもいかなくてな、それに私が使えるのは刀1つだけではない!!」

 

そう言って私は刀を粒子にして収める。

 

「何っ!?」

 

「捕まえたぞ!!」

 

そのまま鈴の両腕を掴んで私はそのままの勢いで投げを仕掛けた。

 

「ぐあっ!?」

 

「このまま攻め続けるぞ!!」

 

投げられた鈴は態勢を大きく崩す。

 

「させませんわ!!」

 

セシリアは鈴を援護する為に再びレーザーライフルを私に放つ。

 

「その隙を見逃すほど甘くない!!」

 

私はそのままセシリアに急接近する。

高機動パックの推進力によりセシリアに接近するのに時間はかからなかった。

私は勢いをそのままに連続で拳を繰り出し、足払いで態勢を崩す。

そして崩れた態勢からセシリアの腕を持ってそのまま背負い投げを仕掛ける。

 

「せいやっ!!」

 

「きゃあっ!?」

 

投げられたセシリアは地面に付くどころかバウンドして宙を舞った。

そしてそのままセシリアに接近して刀を持つ。

 

「一太刀、喰らってもらうぞ!!」

 

「させるか!!」

 

“ガキンッ!!”

態勢を整えた鈴が青龍刀を使ってセシリアを援護防御する。

その隙にセシリアは態勢を整えて再びレーザーライフルをこちらに放ち、私はそれを回避する。

 

「やるわね、箒。完全に油断したわ。」

 

「箒さんの一夏さんとの訓練の成果が早速出ましたわね。」

 

「私は拳1つ、刀1本しか能が無い。だが拳1つ、刀1本を舐めてもらっては困る!!」

 

そう言って自分を奮い立たせる私、もう一度2人に再接近をしようとしたその矢先だった。

“ブ――――――!!!!”

 

「なっ!?」

 

「試合終了のブザーですわ。」

 

「春斗を相手にするのに時間を取られて逃げ切られたわ。」

 

大型ディスプレイに表示された制限時間を見ると0を示しており

セシリアと鈴のタッグの勝利の表示が見えた。

必死で頑張ったが、力及ばず私は敗北してしまった。

疲れもあったがそれ以上に清々しく、観客は拍手喝采と言った感じで私たちを称えていた。

 

「私の負けか・・・・」

 

「いや、あたしたちから見れば試合には勝ったけど勝負には負けた感じよ。」

 

「量産機を使用している状態ですが、見事でしたわ。」

 

「そうか、これからも2人とも頑張ってくれ。」

 

「ええ、アンタの代わりに一夏と闘うからね。」

 

「応援よろしくお願いしますわ。」

 

お互いに健闘を称えあって3人で握手をした。

 

 

千冬side

 

モニター室で試合を観戦していたが驚きが多かった。

凰はデータに無い武器と第4世代相当の機能を出した事

篠ノ之は初めて高機動パックを使用したのにもかかわらず、玄人並の動きを見せ続けた事。

隣で一緒に観戦していた山田先生も同様に驚きの声をあげ続けていた。

 

「開幕戦で凄い試合を見せてくれましたね。」

 

「そうだな、しかし問題にすべき点は・・・・」

 

「凰さんですね。」

 

「ああ。」

 

データには無い武器だけでなく第4世代相当の性能を見せてしまっている。

演習などなら誤魔化しが効くだろうが、学年別トーナメントではそうもいかない。

何故なら世界各国の政府関係者、研究員、企業エージェント等が一堂に会していたからだ。

全員がその場で見てしまった為、隠蔽する事が不可能だった。

 

「このトーナメントが終了したら、聞きに行かないといけませんね。」

 

「ああ、織斑弟からもな。」

 

「一夏君もですか?」

 

「そうだ、織斑弟が関わっている事はほぼ確実と言っても良いだろう。」

 

「しかし、大丈夫ですか。織斑先生?」

 

「なる様になるさ。」

 

山田先生に心配される、それは一夏との仲を案じての発言だった。

この日まで私は一夏に対して怯え続けていた。

凰と一緒に来た時も内心、一夏を恐れ続けていたのだ。

だがいつまでも怯える訳にもいかない、一夏と向き合う為に前を向かなければならない。

それが親友()と交わした約束なのだから・・・・

 

≪To be continued…≫

 


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