ソードアート・オンライン~死変剣の双舞~   作:珈琲飲料

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人生ってテストという名の試練の連続だと思うんですよ
だからテストが理由でこうして更新が一か月止まったって仕方ないと思うんですよ・・・・・・
はい、以上言い訳でした! ほんとに更新遅れてすいません!
それでは7話です!どうぞ!


7話 休日という名のお手伝い

SAOにおける結婚は現実世界のものと比べるとかなり単純である。

プロポーズ申請を相手に送り、その相手がメッセージを受理する。たったこれだけだ。

 

しかしこの夫婦と呼ばれるプレイヤー同士の関係はパーティーメンバーやギルドメンバーよりもはるかに重いものとなる。

 

ストレージの共有からお互いの持つ全情報の閲覧。文字通りすべての共有。

生命線を差し出すといっても過言ではない行為が理由で、どんなに仲のいいカップルでも結婚に踏み切ったものはごく稀だ。

 

均衡の取れていない男女比も大きな理由のひとつになっているのだが・・・

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

朝食を済ませてテーブルの上を片付ける。ストレージのなかのアイテムを整理して身支度を整えると俺たちはホームの玄関を出て歩きはじめた。

 

「楽しみだね!」

 

俺の横を歩きながら笑顔を向けて話しかける少女の名前はユウキ。紆余曲折あって俺の妻になった女の子だ。

 

「だな。びっくりするといいな」

 

小さく笑いながらユウキの言葉を肯定する。

 

ちなみに今はキリトとアスナの家に向かってます。

もちろんアポはとってない。ドッキリってワクワクするよね。

 

 

 

 

街道から少し外れた小路に入り、しばらく歩いていると目的の家が見えた。

キリト夫妻がご在宅かどうか確認するため索敵スキルを使い、家の様子をうかがう。

 

索敵スキルは熟練度が980を超えると建物の中にいるモンスターや人の数を見ることができる。これによってあらかじめ人数を知ることができるので戦闘ではけっこう重宝したりする。まあ熟練度を上げる作業が結構地味なのでここまで上げてるやつはなかなかいないけど・・・。

 

「いるな・・・」

 

「ほんと?よかったー!」

 

「ただし3人」

 

「・・・リズとかシリカじゃないの?」

 

少し考えてからユウキが口にだす。確かにその線で考えるのが一般的だが、新婚ホヤホヤでゆっくり過ごしたいタイミングで友人を呼ぶだろか?

 

少なくとも俺ならユウキと二人っきりで過ごしたい。・・・・・・別に惚気てないぞ?

 

「まあ、入ってみれば分かるか」

 

そう考えながらドアの前に立ち、軽くノックする。

 

「はぁーい。どちら様で・・カエデ!?」

 

ドアを開けながらキリトが目を丸くする。相当驚いているみたいだけどなんか違う。俺たち二人が来たことに対してじゃなくてもっと別の理由で驚いているような・・・

 

「やっほー!キリト!アスナは?」

 

俺の後ろにいたユウキがひょっこり顔を出しながらキリトに話しかける。

 

「ア、 アスナか?ちゃんといるぜ。・・・まあ、あがってくれ」

 

ぎこちない返事をしながらキリトは俺とユウキをリビングに案内してくれた。

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

あ、ありのままに起こったことを話すぜ。

リビングにつくとアスナとキリトのほかに8歳くらいの小さな女の子がいたんだ。

なにを言っているのか分からねえと思うが俺もわからないんだ。

 

「SAO恐るべし・・・まさか子供までできるとは・・・」

 

思考の処理が追いつかないまま思ったことを声に出した。にゃんにゃんすると子供ができるとか無駄にリアルだなおい。茅場さん流石っす。

 

「子供・・・カエデと・・・」

 

となりでブツブツ言っているユウキはとりあえず置いといていいかな?まだ混乱から回復していないだけだ・・・・・・きっと。

 

「おめでとうキリト、アスナ。いや、この場合はおめでたというべきか」

 

「んなわけねーだろ!」

 

「ち、違うってば!」

 

二人ともすぐさま否定するが顔が真っ赤なのでまったく説得力がない。

 

じゃあ何だというのだ。とりあえず女の子のほうへ視線を向けてみるがカーソルが出ない。

プレイヤーじゃないのか?

 

「カエデ!」

 

「どうした?ユウキ?」

 

混乱から回復したのかユウキが話しかけてくる。こちらも少し顔が赤いが。

 

「えっと、あ、あのね!カエデが望むならボクはすぐにでも子供を――」

 

「待った!それ以上はダメだから!てかこれ以上事態を深刻化させないで!」

 

キリトとアスナの子供らしき女の子を見てどうやら変なスイッチが入ってしまったらしい。

顔を赤くさせたまま俯くキリト夫妻と少々混乱気味のユウキ。収拾をつけるのに数十分を要したのはいうまでもない。

 

 

 

 

 

――――――――

 

「なるほど、森で倒れていたと」

 

どうやらこの女の子は拾ってこられたらしい。プレイヤー名はユイ。名前があるからNPCじゃないはずだけど、ステータス画面が見れないやらここに来る前のことを覚えていないやら不可解な点がいくつかある。

 

「ママ、この人たちだれ?」

 

「ママとパパのお友達よ。ユイちゃん」

 

「おともだち?」

 

そう聞いてくるユイの頭の上に俺はぽんと手を置いた。

 

「ああ、そうだよ。なんでも言いやすい呼び方で呼んでくれ」

 

「よろしくね。ユイちゃん!」

 

いろいろ思うところがあるが俺もユウキもにこりと笑いながら明るい声でユイに話しかけた。

俺とユウキの言葉を聞いてユイは少しだけ考え込んでいたがやがてゆっくり顔を上げると

俺の顔を見て口を開いた。

 

「・・・にぃに」

 

次いでユウキを見て、言う。

 

「ゆーきは・・・ねーね」

 

それを聞いた瞬間、ユウキの目がキラキラ輝く。

そんなに嬉しいもんか?

でもまあ呼び方は無難だな。・・・・・・じぃじとかじゃなくてよかった。

 

 

 

「んで、これからどうするの?」

 

話を戻すべく、キリトに今後の方針を聞いてみる。

 

「情報が無さすぎるからな。ユイを連れて<はじまりの街>に行こうと思う」

 

もうすでに決めていたのか、間をあけることなく俺の質問にキリトが答える。

たしかにあそこは人が多いから情報は集まりそうだな。だだ・・・

 

「いつでも武装できるように準備はしたほうがいいか・・・」

 

今回の探索でフィールドに出ることはないだろうが、あそこは軍の支配下にある街だ。

最近では徴税と称してカツアゲをしたりするやつもいるらしいので用心するにこしたことはない。

 

ちなみにアスナとユウキはユイに着せる服を選ぶため席を外している。

俺とキリトもついて行こうとしたのだが案の定追い出されてしまった。

おそらくドアの向こうでは着せ替えという名のファッションショーが繰り広げられているのだろう。

 

「パパ!にぃに!」

 

二十分程度だろうか。予想していたよりも早い時間で着替えが終わった。

ユイの声で振り返る

 

「ほう・・・」

 

「おぉ・・・」

 

俺もキリトも感嘆の吐息を漏らしていた。先ほどまで白いワンピ―スを着ていたユイはどこか浮世離れした雰囲気を醸し出していたが、淡いピンクのセーターに身を包み、同系色のスカートをはいている今現在の格好は年相応のやわらかく暖かいなにかを感じさせた。

 

「かわいいぞー。ユイ」

 

硬直から回復したキリトが褒めながらユイの頭をなでる。

 

「えへへ・・・」

 

ユイも嬉しそうに目を細めている。こうして親馬鹿は出来上がっていくのか。

 

「さすがユウキだな」

 

俺もいい仕事をしたユウキを労うために言葉をかけながら頭をなでる。

 

「でしょ!もっと褒めていいんだよ!」

 

「おう、さすが俺の自慢の嫁だ!」

 

ユウキの頭に手を置き、くしゃくしゃになで回す。そしてユイと同じく猫のように目を細めるユウキ。

 

――――その甘すぎる空間を呆然と眺めるアスナ。ユイを撫でる手をやめたキリトが呟く。

 

「「あのーそろそろ出発したいんですけど・・・」」

 

「あ、わりぃわりぃ。ついうっかり」

 

「・・・・・・」

 

人前でなでられていると気づいてか、急に顔を赤くさせていくユウキ。

 

「じゃあいきますか」

 

気を取り直して全員に声をかける。頷くのを確認してから俺たちは転移門のある主街区まで歩き出した。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
久しぶりに書いたので心配ですが第7話、いかがだったでしょうか?
作者が書いていてまず思ったことはユウキがこの小説ではけっこう暴走していることです・・・まあいっか←おい
でも個人的にはこのくらいハジけさせていたほうが楽しいと思うんですよね(笑)
カエデには突っ込み要員になってほしい・・・
更新が停止していたのにもかかわらず閲覧してくださった、お気に入り登録してくださった読者の皆様!ありがとうございました!ほんとに力になるのでうれしいです。
これからも応援よろしくお願いします
最後に、ご意見ご感想いつでもお待ちしております それでは次回またお会いしましょう!


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