ソードアート・オンライン~死変剣の双舞~   作:珈琲飲料

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アニメのキャリバー編のOP、かっこいいですよね!戸松さんの声がすごいきれい・・・作画も細かく作られていて私、気になりますっ!

まあ、アニメのほうはためて見る派なんでまだ見ていないんですが・・・

それでは第19話です!どうぞ!


19話 どうしてそうなった・・・?

「まさかもう一度こいつをかぶる日が来るとはな」

 

塗装が剥げ落ちた機械を両手で持ち上げながら感慨深げに呟く。二年という長い年月の間、俺を縛り続けていた枷は今もなお濃紺の鈍い輝きを放っている。

 

――――もう一度だけいい、力を貸してくれ。

 

胸の奥で念じると、俺はナーヴギアを装着した。心臓の鼓動が早くなるのを感じながらナーヴギアを起動するためのワードを口にする。

 

「リンク・スタート!」

 

直後、辺りを暗闇が支配したかと思うと虹色の光がはじける。徐々に明るくなる視界にウェルカムメッセージが表示されると、すぐに各種の設定が始まった。

 

プレイヤーネームは一瞬躊躇ったが<カエデ>と入力し、性別は男性を選ぶ。最後は種族を選ぶのだが、なにせ九種類もあるのでいろいろと目移りしてしまう。各種族には一長一短があり、特定の種族が強いということはないのだが・・・

 

視界の端に表示された時刻を確認すると数分が経過していた。キリトとユウキも同時刻にログインしているはずなのであまり時間をかけると二人に迷惑をかけてしまう。ふと視線が向いた闇妖精<インプ>を選択し、OKボタンにタッチする。

 

すべての初期設定が終了すると人口音声の――幸運を祈ります――という言葉に送られて、俺は再び淡い光に包まれた。

 

人口音声の説明によれば各種族のホームタウンがスポーン地点らしい。確かインプのホームタウンは地図の南東に位置していたから隣はサラマンダーとウンディーネ領だったはず。

キリトとユウキがケットシーやプーカを選択していたらほぼ真反対からのスタートなので合流が少々面倒だ。そもそも猫耳のキリトとか全く想像が出来ない。ユウキは・・・・・・ありだな。ぜひ見たい。・・・・・・ケットシーにしてないかな?

 

と考えていたら突如としてあたりにノイズが走った。映像は所々で途切れ、視界がぐちゃぐちゃになる。この状態を一言で表す言葉は―――

 

「ログイン直後からバグかよっ!?」

喚いた直後に急に視界が開け、強烈な浮遊感を感じる。―地球は青かった―などというほど高所ではないが眼下に広がる景色からここが相当な高さだと判断する。そして何よりこの浮遊感の正体が落下によるものだと気づくのにはさほど時間はかからなかった。

 

「ど――どうなってんだよぉぉ!?」

 

そんなことを叫んでもただの人間が万有引力の法則に逆らえるはずがない。あらゆるものがデジタルコードに置換され、そのあたりが忠実に再現された仮想世界ならなおさらだ。

 

「なんで落下してるの――!?」

 

これ、あかんやつや・・・という確信が生まれようとしているなか、すぐ近くでよく知る人物の絶叫が聞こえた。“ブルータス、お前もか”もとい“ユウキ、お前もか”という洒落はこんなところでは通用しないので胸の奥に留めておくことにする。

 

「ユウキっ!」

 

「カエデっ――!!」

 

スカイダイブ終了まであと数十秒というタイミングで俺はユウキを抱き寄せて、自分を下にする。あの高度からの落下でこの行為に意味があるのかわからないが、地面とフレンチキスをするよりは遥かにマシだろう。

 

ズド――ン!!という爆音とエフェクトをまき散らしながら地面と派手に衝突し、俺達の自由落下は止まった。アバター飛散の様子もないのでどうやら落下によるダメージはなかったようだ。

 

「いてて・・・」

 

「ぅ・・・うーん・・・」

 

「・・・ユウキ、大丈夫か?」

 

ダメージ0と引き換えに強烈な不快感を得た俺はしばらくぼんやりとしていた。

混濁した意識の中でユウキが無事か確認する。

 

 

「う、うん。大丈夫なんだけど・・・その・・・」

 

「・・・? どうしたんだ?」

 

無事らしいが歯切れが悪い。なにかあったのだろうか?顔を赤くさせて言いにくそうに口をもごもごしている。

 

「その・・・手が・・・」

 

「手・・・?」

 

手がどうかしたのかと思い、試しに開閉させてみる。

 

「――ぁ・・んっ」

 

「っ!?」

 

直後に聞こえた微かな嬌声により、自分の手がどこにあったのか理解する。

 

「ごめん!その・・・」

 

つまり落下が終わってからの数分間、俺の手はユウキの胸に当っていたわけでそれをさっき開閉させたから・・・先ほどの柔らかい感触は・・・

 

そこまで考えて俺の脳内はフリーズした。これがロボットなら廃棄待ったなしのレベルである。

 

「ほんとにごめん・・・最悪だな、俺・・・」

 

「いや、カエデはボクを助けてくれようとしたわけだし!それにカエデになら何をされてもボクは・・・」

 

そこまで言った途端、先ほどのことを思い出したらしい。音を立てそうなくらい顔を赤くさせると、俯いて黙りこんでしまった。

 

お互いが動ける状態になるまではまだまだ時間がかかりそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、ここはどこだ?」

 

「ホームタウン・・・じゃなさそうだしね」

 

先ほどの事故から回復した俺たちは今の状況を確認し合っていた。色々と変な現象が起きて頭がこんがらがりそうだったが分かったことがいくつかある。

 

一、何らかのバグによってホームタウンへ転送されず、よくわからない森からスタートした。

 

二、なぜかSAOプレイ時のデータが引き継がれていて各スキルがほぼコンプしている。

 

三、所持品はほとんどが引き継げておらず名前が文字化けしている

 

まあ、こんなところだろう。さすがにユニークスキルであった<死変剣>はなかったがそれを差し引いても十分チートと呼べるステータスである。アイテムに関してはサーバーのエラーチェックに引っかかるかもしれないので文字化けしているものは全部消去しておいた。

 

「でも、なんであのころのスキルが引き継がれているんだろ?」

 

「さあな、でもこれでだいぶ動きやすくなったはずだ」

 

詳しいことはキリトと合流してから考えよう、と締めくくると俺たちはあたりを見回した。近くに町があれば一番いいのだが、なければ通りかかるプレイヤーに聞けばいい。いくらPK推奨といえども、攻撃的な態度を取らなければ大丈夫なはず。

 

「カエデっ!あれ――」

 

ユウキが指を指すほうへ視線を向けると、ちょうどプレイヤーが上空を飛んでいた。

数は四人で正確には三人のプレイヤーが一人を追いかけているように見える。

 

「こりゃ戦闘が始まるかもな。見に行ってみるか?」

 

ついでに道なんかも聞けるとなお良しなのだが・・・

 

「うんっ!こっちでの戦いがどんな感じなのか知りたいし!」

 

「じゃあ決まりだな」

 

この世界での戦闘見学という名目で、俺とユウキはプレイヤーが飛んでいった方角へ移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

木が生えていない開けた場所で先ほど上空を飛んでいたプレイヤー四人が臨戦態勢に入っていた。三人は赤い鎧に身を包み、一人は緑を基調とした軽装で武器を構えている。

 

プレイヤー狩りの類だろうな・・・と近くの木陰で観察していると、上空から物凄いスピードで黒い影が落下してきた。

 

「うう、いてて・・・。着陸がミソだなこれは・・・」

 

聞き覚えのある声。姿は少し変わっているが間違いなくキリトだ。なぜこんなところに飛んで来たのかまったくもって不明だが、合流する手間が省けたのでこの際考えないことにする。

 

観察するだけだったのだがキリトが見つかったので予定を変更。木陰から出て、キリトに声をかける。

 

「ダイナミック合流お疲れさん、キリト」

 

「キリトはスプリガンにしたんだね」

 

「二人ともそんなところにいたのか・・・まあ、結果オーライだな」

 

「危ないですよ!パパっ!」

 

俺とユウキを見て、キリトは少し驚いた素振りを見せたがすぐに楽観的な言葉を口にする。それを注意する小さな妖精は・・・ユイ?

 

「なるほどな・・・まあ、いろいろと聞きたいことはあるが・・・」

 

「うん、まずはこの状況をどうにかしないと」

 

PK推奨なら別に大丈夫だよな?まあ一応確認を。

 

「そこの金髪の人ー」

 

「へっ?わたし?」

 

戸惑いながら言葉を返してくる金髪のプレイヤーにさらに問う。

 

「これってあの赤色三人組を斬ってもいいよな?」

 

「・・・そりゃいいんじゃないかしら・・・。少なくとも先方はそのつもりだと思うけど・・・」

 

「だよな。ならいっか」

 

確認が取れたところで俺はキリトのほうを見る。キリトも俺がこれからすることを理解したようで、頷きあうと剣を鞘から抜く。三人組の一人は待ちきれないといった様子で俺たちにランスの切っ先を向ける。

 

「ビギナーがノコノコ出てきて馬鹿じゃねえの?望みどおり狩ってや――」

 

言い終わるよりも先に俺とキリトは駆けだした。空中に飛び立とうとした男の腕をキリトが、首を俺が切り落とすと、男のアバターは赤い炎に包まれて飛散した。

唖然としていたもう一人のほうはユウキがきっちり仕留めたよう飛散直後の小さな残り火が漂っていた。

 

「・・・なんかあんまり手ごたえがないな」

 

「ああ、軽すぎるって感じだな」

 

初戦闘の感想をお互いに言うと、残ったもう一人のほうに聞いてみる。

 

 

 

「どうする?あんたも戦うか?」

 

 

 




珈琲「第19話、お読みくださってありがとうございます!いかがだったでしょうか?まあ、それは置いといて・・・」

珈琲「やってくれましたね、カエデ君・・・」

カエデ「な、なにがだよ」

珈琲「とぼけるんじゃない!!揉んだだろ!ユウキの胸を!」

ユウキ「/////」

カエデ「あれは事故だろ!不可抗力だ!」

珈琲「何が不可抗力だ!このとらぶる系主人公がっ!!」

カエデ「なんの話だよ!?てか俺を一緒にするな!」

珈琲「ほら、ユウキからもなにか言ってしまいなよ!この際キツめのを!」

ユウキ「あ、あのねっ!カエデっ」

カエデ「お、おう」

珈琲「いけー!」

ユウキ「ボクは全然気にしてないから!それにカエデが触りたいのなら・・・その・・・いつでも・・・/////」

珈琲「」

カエデ「」

珈琲「・・・・・・お前らのこと甘く見過ぎてたわ。いや、文字的にはまったく間違ってはないんだけど・・・うん、なんかごめん」 トボトボ

カエデ「お、おい!どこに行くんだよ!?」

珈琲「いい店見つけたんだ・・・ブラック専門のコーヒーショップ。末永く爆発を・・・」

ユウキ「あ、あれ?作者は?」

カエデ「・・・なんか用事があるってさ」

ユウキ「へぇ、そうなんだ」

カエデ「ご意見ご感想いつでもお待ちしております!」

ユウキ「次回もよろしくねっ!」

ユウキ「あっ、カエデ」

カエデ「どうした?」

ユウキ「そ、その・・・どうだった?/////」

カエデ「へっ?いや、それは・・・」

ここから先はあかん気がする・・・ということで割愛!!
なんとか投稿できました!急いで書いたのに18話で感想をくださった読者様、ほんとうにありがとうございました!それから高評価をつけてくださった暇神様、ありがとうございます!

それではまた次回お会いしましょう!



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