ソードアート・オンライン~死変剣の双舞~   作:珈琲飲料

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やっぱルビふったらダメですね・・・手直ししました。
サブタイトルがあれですが・・・ハンター×ハンター要素はありません。ちょっとやってみたかっただけです(笑)
そういえばタグにユウキ生存追加しました。別にいいよね・・・?
それでは第14話です!どうぞ!


14話 ショウタイ×ト×ケッセン

「システム的不死・・?・・・って・・どういうことですか・・団長・・?」

 

半信半疑といったアスナの声にヒースクリフは答えず、厳しい表情のまま俺たちをじっと見据えた。

 

「見たまんまだ。不死属性が付けられているのは基本的にNPC。でもこいつはプレイヤーだ。GMを含むスタッフなら自分自身に設定することは可能だが、そんな奴はいない。ただ一人を覗いて」

 

俺が言葉を切るとキリトが続ける。

 

「・・・この世界に来てからずっと疑問に思っていたことがあった・・・。あいつは今、どこから俺たちを観察し、世界を調整してるんだろう、ってな。でも俺は単純なことを忘れていたよ。どんな子供でも知っていることさ」

 

キリトは聖騎士をまっすぐ見据え、言い放った。

 

「<他人のやってるRPGを傍から眺めるほど詰まらないことはない>。……そうだろう、茅場晶彦」

 

「団長・・・本当・・・なんですか・・・?」

 

虚無を映しているような光のない瞳でアスナがヒースクリフに再び問いかける。

その様子は感情が欠落しているようにも見えた。

 

ヒースクリフはアスナの言葉に答えようとはせず、俺たちに向かって聞いてきた。

 

「・・なぜ気付いたのか参考までに教えてもらえるかな・・?」

 

「・・最初におかしいと思ったのは例のデュエルの時だ。最後の一瞬だけ、あんた余りにも早過ぎたよ」

 

「やはりそうか。あれは私にとっても痛恨事だった。君の動きに圧倒されてついシステムのオーバーアシストを使ってしまった・・・しかし」

 

ヒースクリフは一呼吸おいて俺のほうを向くと同じことを聞いてくる。

 

「カエデ君はキリト君よりも早くわたしの正体に気付いていたようだが?」

 

「・・・怪しいと思っていたのは前からです。団長さん、この世界について知り過ぎなんですよ」

 

そう、この男は本当に何でも知っていた。誰も確かめようとしないことからシステムの仕組みまで・・・

 

「初めて会ったときはβテスターかと思ったんですけど、そのときはもうβテスターとビギナーの差なんてなかったですからね。なにより攻略本を片手にプレイしているかのような博識ぶり・・・その上、ギルドを作って纏め役までやりだすとさすがに変です」

 

「まさかそんなところまで見抜かれていたとは。私を信用しているという言葉は油断させるためのブラフかね・・・?」

 

「いえ、それについては本当です。ただ―――」

 

「信用しても信頼をしているとは言ってませんよ?」

 

揚げ足を取る俺の言葉にヒースクリフは苦笑するとゆっくりとプレイヤーたちを見回し、堂々と宣言した。

 

「確かに私は茅場晶彦だ。付け加えれば、最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」

 

よろめくアスナをキリトが支え、俺は隣にいるユウキに声をかける。

 

「ユウキが団長さんを嫌ってた理由、勘とか言ってたけど間違いじゃないぜ?」

 

「こんなことって・・・」

 

「残念だが事実だ。そしてお前が俺を信じてくれたおかげで正体を暴くことができた」

 

ありがとな、とユウキの肩にぽんと手を置きながら言う。

 

「・・・最終的に私の前に立つのはキリト君だと予想していた。全十種存在するユニークスキルのうち、<二刀流>スキルは全てのプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者に、<死変剣>はプレイヤー中最高のクリティカル率を誇る者に与えられ、それぞれが魔王に対する勇者、そして勇者に対する宿敵の役割を担うはずだった。まさかカエデ君がそのスキルを取得するとは思っていなかったが・・・まあ、不測の事態もRPGの醍醐味というべきかな・・・」

 

「ライバルはラスボス戦に協力するものです。どのみちあなたが期待していた熱い展開でしょう」

 

その時、呆然と動きを止めていたプレイヤーがゆっくりと立ち上がった

 

「貴様・・貴様が・・。俺たちの忠誠・・希望を・・よくも・・よくも・・よくもーーーッ!!」

 

血盟騎士団の幹部を務めていたその男は手に持った巨大な斧槍を握りしめ、猛然と茅場に襲いかかる――――

 

だが茅場のほうが一瞬早かった。ウインドウを呼び出し、素早く操作すると男は空中で停止し、その場に倒れた。HPバーにグリーンの枠が点滅している。麻痺状態。茅場はそのまま手を止めずウインドウに指を走らせ続けた。

 

「う・・・カエデ・・・っ」

 

横を向くと、ユウキも倒れていた。周りを見れば、俺とキリトと茅場以外の全員が不自然な格好で倒れている。

 

剣を腰に収めてユウキを抱え起こし、茅場を睨み付ける。

 

「全員殺して隠蔽か?まあ、魔王らしいといえばらしいがな・・・」

 

「まさか。そんな理不尽な真似はしないさ」

 

聖騎士と呼ばれていた男は微笑を浮かべ、首を振ると続けた。

 

「こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、私は最上層の<紅玉宮>にて君たちの訪れを待つことにするよ。九十層以上の強力なモンスター群に対抗しえる力として育ててきた血盟騎士団、そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君たちならきっと辿り着けるさ。だが・・その前に・・」

 

茅場はその射るような眼差しで俺たちを見据えると言った。

 

 

「キリト君とカエデ君、君たちには私の正体を看破した報奨を与えよう。今この場で私と戦うチャンスを。無論不死属性は解除する。」

 

「ずいぶん余裕そうだな・・・俺たち二人に勝てるのか?」

 

「キリトの言うとおりだ。前の対決の時にほぼ互角・・・オーバーアシストでも使わないと勝てないぞ?」

 

俺たちの挑発に笑みを浮かべると茅場はウインドウを操作して答えた。

 

「さすがに君たち二人の相手をする力は今の私にはない。だからカエデ君にはとっておきの相手を用意させてもらおう」

 

茅場が言い終わると同時に俺の目の前にボロボロの甲冑を着た騎士モンスターが現れた。

 

騎士モンスターは俺を見据えるとその姿を変える。そして変化が終わると眼前の敵は俺・・・カエデの姿になっていた。

 

「このモンスターの名前は<ミラージュ・ナイト>。第100層に出現するモンスターでプレイヤーの姿、ステータスをコピーして戦う。私の側近という設定で配置する予定だった。まずはカエデ君がそのモンスターと戦い、そのあとにキリト君が私と戦う。二人が勝てばゲームはクリア・・・どうかな?」

 

茅場の提案を聞いた途端、腕の中にいたユウキが必死に身体を動かして首を振った。

 

「だめだよカエデ・・・!カエデを消すつもりだよ・・・今は・・今は引こうよ・・・!」

 

たしかにそれが最良の選択だ。そのくらい俺にだってわかる・・・だがそれが最善の手とは限らない。

 

「ふざけるな・・・」

 

「あんまり調子乗んなよ・・・」

 

言い表すことのできない怒りがこみ上げ、それがかすかな声となって漏れた。

 

1万人のプレイヤーを己の世界に閉じ込め、傍観。そのくせ育てた?きっと辿り着ける?命がけでここまで来た俺たちをなんだと思っている・・・この男を・・・俺は許せない。

 

「いいだろう。決着をつけよう」

 

「ラスボスの前座には丁度いい。提案を呑もう」

 

「キリト君っ・・・!」

 

「カエデっ・・・!」

 

腕のなかで悲痛な叫びを上げるユウキに俺は顔を近づけ、キスをした。

 

「っ!?」

 

・・・たっぷり数秒、ねぶるような口付けを経て、顔を離すとユウキに微笑みを浮かべる。

 

「ごめんなユウキ、ここで逃げるわけにはいかない。だからもう一度、俺のことを信じてくれないか?そして――」

 

と付け加えて俺はストレージから剣を取り出した。すべてを飲み込むように、そして透き通るように美しい短剣を。

 

「それって・・・」

 

「そうだよ、お前が俺にくれた剣・・・俺と一緒に戦ってくれ」

 

「もう・・・どこにも行かないよね・・・?」

 

「ああ・・・。ずっと一緒だよ」

 

「解った。ボクも一緒に戦う」

 

必死に笑顔をつくり、笑いかけてくるユウキを俺は強く抱きしめた。

そして身体を離し、ユウキを床に横たえて立ち上がる。無言のままこちらを見ていた騎士にゆっくり歩み寄りながら、両手で腰から二本の剣を抜き放つ。

 

「キリト!やめろ・・・っ!」

 

「カエデーッ!」

 

声の主はエギルとクラインだった。

 

「エギル。今まで剣士クラスのサポート、サンキューな。知ってたぜ、お前が儲けのほとんど全部、中層ゾーンのプレイヤーの育成につぎ込んでたこと」

 

キリトの言葉を聞いて目を見開くエギルを一瞥すると俺はクラインに声をかけた。

 

「クライン、あのとき蘇生アイテムをユウキに渡してくれてありがとう。おかげで俺は大切な人と幸せな時間を過ごすことができた。ほんとに感謝してる・・・」

 

たちまちのうちに大量の涙をあふれさせながらカタナ使いが叫ぶ。

 

「て・・・てめえ!カエデ!言うんじゃねえ!今言うんじゃねえよ!!受け取らねえぞ!ちゃんと向こうで、メシのひとつもおごってからじゃねえと、絶対受け取らねえからな!!」

 

ああ、必ず・・・と短く返すと俺は最後に愛する少女をもう一度見つめた。

 

なおも泣き笑いの顔を浮かべる少女を見て、決意を固めると、くるりと身を翻し、離れた位置にいる茅場に向き直る。

 

「・・・俺とキリトからひとつだけ要求がある」

 

「何かな?」

 

「死ぬつもりも負けるつもりもないが・・・もし俺らに何かあったら―――しばらくでいい、アスナとユウキが自殺できないように計らってほしい」

 

「良かろう。彼女らをセルムンブルグとコラルから出られないようにする」

 

背後で二人の涙混じりの絶叫が響いたが俺はもう振り返らなかった。茅場がウインドウを操作すると俺、キリト、茅場、モンスターのHPが半分まで調整される。

同時に俺が構えると<ミラージュ・ナイト>も俺と同じ構えを見せた。

 

「まるで自分自身と戦うみたいだな・・・」

 

自嘲気味に苦笑しても<ミラージュ・ナイト>は表情を変えずに俺の出方を窺っている。

 

こいつを俺が倒す。そしてキリトに―――勇者に繋げる。そのためには

 

「ッ!」

 

力を溜めて構えた状態から腰を落とすと俺は地面を強く蹴った。

 




珈琲「最後まで閲覧ありがとうございます!第14話いかがだったでしょうか?そして・・・」

珈琲「どうして私は縛られているのでしょうか・・・カエデさん?ユウキさん?」

カエデ「理由くらい想像つくだろ・・・」

ユウキ「自覚なし?」

珈琲「・・・やめて!私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに! 」

カエデ「しねーよ!」

ユウキ「カエデ・・・この人怖い・・・」

珈琲「ですよねー」

ユウキ「次回で終わるって言ってたよね?」

珈琲「いやー・・・言ってたっけ?そんなこと・・・あははは・・・」

ユウキ・カエデ「「・・・」」

珈琲「すいません!言ってました!ごめんなさい!だから武器をしまってください!!」

カエデ「はぁ・・・」

珈琲(このままだとまずい・・・話を変えなければ・・・)

珈琲「そういえばカエデ君、決戦前にユウキにキスしてたけど・・・」ニヤニヤ

カエデ「な――っ!?」

珈琲「――『だからもう一度、俺のことを信じてくれないか?』・・・お熱いですね~(笑)」

カエデ「るっせぇよ!」

ユウキ「カエデ、落ち着いてっ!」

カエデ「HA☆NA☆SE」

ユウキ「・・・それにボクは嬉しかったよ////」

カエデ「ユウキ・・・」

珈琲「また始まった・・・コーヒー旨っ!・・・・・・・・甘いけど」

珈琲「ご意見ご感想いつでもお待ちしています!それでは次回またお会いしましょう!」

カエデ「次回で終わるんだろうな?」

珈琲「・・・・・・終わらせます!」

ユウキ「そこは即答しようよ・・・」

長くなりすぎて分けることにしました(汗
次回で終わるぜ!いえーい!と思っていた読者様、申し訳ございませんでした。
よろしければもう少しだけアインクラッド編にお付き合いください!

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