ソードアート・オンライン~死変剣の双舞~   作:珈琲飲料

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もう・・・ゴールしてもいいよね?
なんとか投稿できた!みんな、約束守ったよ!今週中にもう1話投稿したい・・・
今回はシリアスな感じに仕上げておりますので甘さ要素ゼロです!だから読者様!コーヒーも壁も用意しなくていいですよ!
それとあとがきを少し変えてみました。よければご覧になってください!
それでは第10話です!どうぞ!


10話 一級フラグ建築士乙種

シンカーのいる問題のダンジョンはなんとここ第1層にあるという。どうやら上層の攻略具合によって解放される隠しダンジョンみたいで黒鉄宮――軍の本拠地の地下にあるらしい。ダンジョンの難易度は60層相当。キバオウが率いた先遣隊はボコボコにされて命からがら転移脱出したとか・・・哀れなり(笑)

 

だがその難易度の高さが今回の救出作戦の妨げになっている。俺たち四人は特に問題ないがユリエールのレベルがいかんせん心配だ。なにか問題でも起きなければいいが・・・。

 

 

 

「はぁっ!」

 

左手の剣でモンスターを切り裂きながら

 

「ふんっ!」

 

空いた右手で体術スキルをたたき込む。

 

久々のモンスターとの戦闘で休暇中に溜まったエネルギーを放出する。死変剣を使っていないのはユウキにとめられているからである。本人曰くもう二度と使ってほしくないそうだがそこは必死の説得でなんとか折れてもらった。まあ使用頻度が限りなくゼロになったことに変わりはないが。

 

「キリトー、それで何匹目?」

 

少し離れた位置で剣を二本装備して敵を蹂躙中の黒の剣士に尋ねる。

 

「19匹目だ。そっちは?」

 

「りゃああ!・・・これで19匹目」

 

どちらが言い出しっぺか忘れてしまったがただいま競争中である。負けたほうがこんど昼飯を奢るという最近の男子中学生もしないであろう子供染みた賭け。

てか俺はユウキと。キリトはアスナと結婚しているのだからストレージは共有化されている。

 

「・・・これ賭けとして成立しなくね?」

 

「・・・俺もそう思った。勝手に使うとアスナに怒られそうだ・・・」

 

つまりはそういうことである。俺の所持品は俺のもので、ユウキのものでもある。もちろんコルとて例外ではない。共有化とはそういうことだ。

 

「「はぁ~・・・・・・」」

 

ここで強気に出れないのがなんとも情けない。俺もキリトも自分の嫁には逆らえないのだ。

食事が全部黒パンになることだけは避けたい。そんな考えが一致したのか競争は自然消滅していった・・・

 

「な・・・なんだか、すみません、任せっぱなしで・・・」

 

申し訳なさそうに言うユリエールに、アスナが苦笑交じりに答える。

 

「いや、あれはもう病気ですから・・・。やらせときゃいいんですよ」

 

「そうそう。好きであいつもやってるし」

 

競争がなくなって戦う必要もないので近くでユリエールと話していたアスナの言葉に同意する。

ちなみにキリトはまだまだ戦闘中です。どんだけ戦闘好きなんだよ・・・

 

「なんだよ、ひどいなぁ。まあ、好きでやってるのは否定しないけど・・・アイテムも出るし」

 

「へえ」

 

戻ってきたキリトの言葉にアスナが聞き返す。

 

「なにかいいものでも出るの?」

 

「おう」

 

アスナの言葉に手早くウインドウを操作するとキリトは戦利品をオブジェクト化させた。

 

――――――どちゃっ

 

「な・・・ナニソレ?」

 

グロテスクな音を立ててアスナの前に出されたのはこれまた見た目もグロテスクな赤黒い肉だった。さっき倒した敵からドロップ可能な<スカベンジトードの肉>である。

 

「カエルの肉!ゲテモノなほどうまいっていうからな、あとで料理してくれよ」

 

「絶、対、嫌!!」

 

アスナは叫ぶと、共有化されたストレージを開き、ドロップ品をすべてゴミ箱に移動させた。

 

「あっ!あああぁぁぁ・・・・・」

 

情けない顔をしてキリトが悲痛な声を上げる。哀れなりキリトよ。申告するからいけないんだ。こういうのは黙っておくのが一番。

安心しろ、あとでお裾分けしてやるから――――

 

「カエデ、ボクたちのほうはちゃんと消去しといたから安心してね!」

 

「なん・・・だと・・・」

 

ユウキよ・・・そんないい笑顔で言われたら何も言えないじゃん。

 

俺もキリトもorz状態から回復するまでに数分を要した。

うん、気を取り直して先に進もう!・・・・・・・・・・・あとでこっそり取りに戻るか・・

 

 

――――――――

 

ダンジョンに入ってから二時間が経過した。出現するモンスターも水中生物型からアストラル系のものに変化し、ダンジョン内のおぞましさをさらに引き立てている。

しかしキリトがゲームバランスを崩壊する勢いで二刀流を振るうから怖さを楽しむ間もないが。

 

「カエデっ、あれ!」

 

ユウキの指差す方向を見ると暖かな光の漏れる通路が目に入った。間違いない、安全エリアだ。

 

ユウキが言うのと同時に索敵スキルで確認したのかキリトも頷く。

 

「奥にプレイヤーが一人。グリーンだ」

 

「シンカー!」

 

ユリエールが我慢できないというふうに叫ぶ。そして鎧を鳴らして走り始めた。

慌てて俺たちもその後を追う。

 

「ユリエ―――ル!!」

 

こちらの姿を確認した途端、小部屋の中にいた男が大声で名前を呼んだ。

そして速度を速め、近づいてくるユリエールに向かってさらに叫ぶ

 

「来ちゃだめだ――っ!その通路は・・・っ!」

 

それを聞いて走る速度を緩めると、俺は索敵スキルを使い、あたりを見回した。

その瞬間、部屋の数歩手前で黄色いカーソルが出現した。

 

<The Fatal‐scythe>――――運命の鎌という意味であろう固有名を飾る定冠詞。ボスモンスターだ。

 

「まずい!戻れ!」

 

必死に叫ぶが聞こえていない・・・このままだとやられる!

 

「くそっ!」

 

俺は悪態をつくとスキルのクイックチェンジをした。短剣から死変剣への変更。あとでユウキに怒られるかもしれないが仕方ない。変更が完了するのと同時に先に飛び出したキリトにつづく。

 

ユリエールを抱えながら地面に剣を突き刺し急制動をかけるキリト。

 

タゲが向くか分からないがこのままだと二人ともやられる・・・俺は死角になってるであろうボスの背後に飛び込み、全力でソードスキルを放った。

 

「・・・!?」

 

鎌を二人に振り降ろさんとしていたボスの動きが寸でのところで止まる。どうやら間に合ったようだ。背後からの突然の衝撃にボスは眼をぐるりと動かし振り返る。

 

身長は二メートル半ほどだろうか。ぼろぼろの黒いローブを纏い、宙に浮いている人型のシルエットは――――死神。

 

本能が絶叫していた。こいつはやばいと。以前戦った74層フロアボスであるグリーム・アイズを見たときの恐怖など、比較するにも値しない。

 

「今のうちに安全地帯に退避しろ!」

 

キリトが叫ぶ。ユリエールは蒼白な顔で頷き、ユイを抱いて安全エリアに走っていった。遅れてきたユウキが俺の横に立ち、剣を抜く。

 

「カエデ、大丈夫!?」

 

「ああ、問題ない・・・と言いたいとこだけど」

 

何とか声を絞り出し、ユウキに声をかける。

 

「ユウキ、アスナとみんなを連れて転移脱出しろ」

 

「え・・・?」

 

「こいつめちゃくちゃ強い。識別スキルでもデータが見えないし、なにより・・・」

 

死変剣のソードスキルをぶち込んだのにダメージがまったくといっていいほど入ってない。

完全に予想外だった。

 

死変剣には死角からの攻撃にハイドアタックボーナスが入る。さらにさっき使ったソードスキルは<バルバイザー・スティング>単発だが一発の威力が死変剣のなかでもトップクラスのものだ。

 

「おそらくこいつは倒せるように設定されていない・・・」

 

「・・・・・・!?」

 

倒せない上に強さがボスクラス。俺の言葉を聞きユウキも息を呑んで体を強張らせた。

その間にも、どうすることもできない絶対的な死が近づいてくる。

 

「俺が時間を稼ぐから、早く逃げろ!」

 

キリトが震える身体を無理やり動かして叫ぶ。

 

「ユウキ・・・アスナを連れてさっさと逃げろ」

 

同じく震えながらユウキに言葉をかける。

 

「カエデ・・・お前」

 

「・・・時間を稼ぐのはいいが――別に、あれを倒してしまっても構わんのだろう?」

 

「いや、それ死亡フラグだから」

 

「分かってるって。たまには嫁の前でかっこつけさせてくれよ」

 

「ははっ・・・絶対に死ぬなよ」

 

「お前こそそれ死亡フラグだぞ」

 

緊張感のない応酬。口を閉じた瞬間、話は済んだか?と言わんばかりに死神は猛スピードで突進してきた。俺もキリトもその突進を受け止めるために剣を十字に構え、迎え撃つ。すると逃げるように言ったはずのユウキとアスナも剣を合わせてきた。

 

しかし死神は重ねられた六本の剣を意に介さず大鎌を四人にめがけて振り降ろしてきた。

 

瘴気と火花。衝撃。それを感じた時には全員地面にたたきつけられていた。

四人の武器防御でもダメかよ・・・視界の端に表示されているHPバーを見ながら呟く。

HPは半分を割り込んで危険域にまで達していた。おそらくユウキ達もこれと同じ状態。

 

目の前で死神が鎌を振り上げている。立ち上がらないと。そう思うが、身体が動かない。

 

振り降ろされる鎌の速度が異様に遅く感じられた。そしてそれが頭上に来た瞬間――――

 

大音響とともに停止した。

 

同時に目の前に、ウインドウ表示がされる<Immortal Object>――――不死存在。

すぐ隣にはユイがいた。悲しそうに眉をひそめながら俺を見ている。

 

「ユイ・・・お前・・・」

 

俺の言葉には答えず、ユイはふわりと浮かんだ。そしてその直後、ユイの手を中心に炎が巻き起こり、灼熱の大剣に姿を変えた。熱で服が焼け落ちて、初めて会ったときに着ていた白いワンピース姿になると、その大剣を何の躊躇いも見せずに死神に振り降ろした。

 

死神は少女を恐れるかのように鎌を掲げ、防御の姿勢をとるが熱により鎌が徐々に溶け、最後には叩き斬られた。振り降ろされた一撃により死神は爆散。あたりには静寂と沈黙が残った。

 

「ユイ・・・ちゃん・・・」

 

沈黙を破ったのはアスナ。掠れた声で名前を呼ぶと、ユイは振り向いた。

 

「パパ・・・ママ・・・にぃに・・・ねーね。ぜんぶ、思い出したよ・・・」

 

俺たちに数歩歩み寄ってくるその瞳は涙が溢れ、微笑む顔はとても痛々しかった。

 




珈琲「最後まで閲覧ありがとうございます!第10話いかがだったでしょうか?」

カエデ「なんていうか・・・お前いつも変なところで話を切るよな」

珈琲「仕方ないじゃん!文字多すぎるとぐだぐだするし、このくらいがちょうどいいんだよ!・・・・・・書くのもめんどいし」

カエデ「おい、本音漏れてるぞ作者」

珈琲「それにしても君、いい意味でも悪い意味でも結構フラグ立てるよね。ほかの女の子にも立ててるんじゃないの?」

カエデ「んなわけないだろ。俺はユウキ一筋だ」

珈琲「ふーん・・・そうらしいですよユウキさん」

ユウキ「ありがと////////」

カエデ「んな!?ユウキいたのか!?」

ユウキ「ボクもカエデのこと愛してるから////」

カエデ「ユウキ・・・」頭なでなで

ユウキ「/////」

珈琲「あーもしもし?今すぐいつものお願いします。はい、とびっきり苦いやつを・・・」

カエデ「とまあ、こんなだらしない作者だけどこれからもよろしくな」

ユウキ「みんなよろしくね!」

珈琲「なんで俺なじられてんの!?君らイチャイチャしてただけじゃん!」

カエデ「ご意見、ご感想お待ちしています!」

ユウキ「次回も見てね!」

珈琲「セリフとられた・・・」

甘くないと言ったな?あれは嘘だ。でも本文は甘くないんだし嘘じゃないか(ゲス顔)
今回はあとがきを少し変えてみましたがいかがだったでしょうか?そのことも感想をいただけるとうれしいです。

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