親が両方倒れて六月ぐらいに介護の為中止した就活を、漸く再開できます。
皆さんはキチンと就職しましたか?
そうであるならお仕事頑張って。
まだなら一緒に頑張りましょう。
ただし無理は禁物。
父親母親の順で倒れたので次は俺だと確信してます。
という事で今回は優雅()を貶めたみた。
─────第一回にて、現存する全てのサーヴァントが一同に会する異常な初戦は終わった。
尤も、アサシンはその場に居たものの姿を現さなかったが。
アヴェンジャーの退場後まるでソレだけが目的だったと言わんばかりに、正体不明のサーヴァントは周囲を一瞥した後姿を消した。
ソレに呼応するようにアーチャー、ライダーがその場を退き、そしてエレインとランサーも退場した。
そうなればセイバーとアイリスフィールも、傷を癒すため郊外の森にあるアインツベルン所有の城へ帰還する他無かった。
─────謎の黒いサーヴァントの乱入。
その謎のサーヴァントの乱入に一番驚いたのは、他ならぬエレインだった。
らんすろ日記には、第四次聖杯戦争の全てが記されていた。
勿論、ソレが確定した未来とエレインは思ってはいないし、何より日記の冒頭にランスロットが残した─────『これは可能性の物語である』という言葉により、「あくまで平行世界の一つの可能性」としか認識していない。
セイバー、アルトリア・ペンドラゴン。
アーチャー、ギルガメッシュ。
ライダー、イスカンダル。
セイバー陣営は記された通りの面子であり、手の内も知れている。
ライダー陣営はマスターがケイネスになるという変化があるものの、手の内は変わらない。
精々ライダーの地力が上がる程度だろう。
ギルガメッシュが幼児化するという大きな変化があるものの、寧ろ名君と名高い幼少期の英雄王だ。
言峰綺礼が遠坂時臣を裏切るという、日記に記されていた事が起きないかもしれない。
それは寧ろエレインにとって都合が良かった。
言峰綺礼より魔術師らしい遠坂時臣の方が御しやすかったからだ。
アサシンはその性質上強力な英霊はほぼあり得ない。
切り裂き魔や中国拳法の達人が召喚される可能性は、成る程確かにある。
だが前者の暗殺は
エレインも切り裂き魔程度に殺されてやるほど弱くはない。
モードレッドというイレギュラーは発生したものの、他のエクストラクラスだとしても彼女の能力はエレインの邪魔にはならない。
仮に日記通りに間桐雁夜がマスターだとすれば、あの戦い方では自滅必至だろう。
エレインは彼の境遇には同情するものの、聖杯戦争に於ける彼女の最優先事項は揺らがない。
最悪間桐雁夜は、間桐桜さえ解放すればエレインに付くことだってあり得る。
元々聖杯への願望でこの戦争に臨んでいる訳ではないのだから。
彼の大元である妖怪は面倒ではあるものの、
塵がどれだけ集まろうと、所詮塵でしかない。
遠坂時臣の望みである根源の渦への到達は、そもそも既にアンリ・マユが大聖杯に居座っている時点で不可能だ。
聖杯が真に完成すれば、根源への孔を穿つ前に60億の人類を皆殺しにする
それは抑止力が動くレベルの災害だ。
ケイネスは聖杯への望みはオマケ程度。聖杯戦争の勝利という名誉が目的だ。
戦争そのものが破綻してしまえば、彼が無理に戦う理由は無い。
ライダーがごねるやも知れないが、聖杯が汚染されていることを知れば容易く諦めるだろう。
言峰綺礼は場合によっては邪魔をするかもしれないが、サーヴァントを含めて勝てない相手ではない。
正史に於いても、相性最悪の衛宮切嗣を除けば、第四次最強のマスターはケイネスとされており、如何に代行者と云えどサーヴァントクラスであるエレインには勝てはしない。
そして衛宮切嗣の願いは、仮に聖杯が汚染されて無かろうと叶うことはない。
所詮副産物に過ぎず、過程を飛ばして結果を得る無色の願望器に、人を殺すことでしか救う手段を知らない衛宮切嗣が世界平和など叶えられる訳がない。
ルーラー、ジャンヌ・ダルクは恐らく、いや確実にエレインの邪魔をするだろう。
何せエレインのやり方は聖杯戦争を脱している。ルール違反というレベルではない。
聖杯戦争がその時点で終わってしまうからだ。
懸念はルーラーとしての最大の能力、全てのサーヴァントに対する
それは一度使われればエレインのサーヴァントであるランサーとてどうしようもない。
だが、かのフランスの聖女が聖杯の汚染を知れば話は変わる。
汚染されたままの聖杯が七体全てのサーヴァントの魂を用いて完成すれば、絶対悪の化身が受肉する。
あの聖女はソレを絶対防ぐだろう。
抑止力に所属している疑いのある彼女は、防がざるを得ない。
そして聖杯の汚染を除去できるのは、超一流のキャスターのサーヴァントクラスだけ。
もしキャスターが日記通りの
─────何せ、エレインには聖杯の汚染を除去する手段があるのだから。
問題は、七騎目であろう謎の黒いサーヴァント。
その実力はアーサー王とモードレッドを子供扱い出来るほどの反則級だ。
もし命を複数ストックするヘラクレスのような宝具を持っていたり、超回復の不死性を有するのならばランサーではほぼ勝てない。
だがソレを言うなら英雄王も同じ。
エレインの場合、何も倒す必要は無い。
そもそも残りのクラスはキャスターとバーサーカーのみ。
しかし様子を観るに魔術師とはとてもではないが思えない。理性も存在するであろうことから、イレギュラークラスに該当するのだろうことが容易に想像できる。
つまり、キャスターが存在しない可能性が高いのだ。
後はただ、日記に記されていた場面をエレインによって再現することが出来れば、エレインはもう戦う必要は無い。
キャスターが居ないこの戦争は、その時点でエレインが聖杯を掴むことが確定する。
だからこそ彼女は、ランサーを召喚したのだから。
しかし現実は小説より奇なり。
やはり状況は彼女の予想を超えて、大体らんすろの所為で別の形で戦争は破綻するのだが─────
第七夜 初戦を終えて
闇夜の空を、金の少年は何も無い虚空を悠然と歩いていた。
その足取りは軽い。
「─────は! はは! ははは! はははは! ははははは! はははははは! は―――――!」
原初の裁定者は高らかに笑う。
本当に、冗談に笑ってしまうように嗤う。
─────────何だアレは、と。
英雄王ギルガメッシュ。
彼は抑止力に望まれ、神と人の間に生まれた存在だ。
生まれながらに人と神の裁定者であり、人と神とを併せ持つが故に遥かに広い視点を有している。
つまり、人を見極める眼力・洞察力が恐ろしいほどに優れているのだ。
幼年期の姿とてそれは変わらない。
寧ろ、溢れんばかりの傲慢さと慢心が無い今の幼年期こそ、膂力を除けば青年期を上回っていた。
そのギルガメッシュが、英雄王が計れなかった。
ローブに姿を隠す臆病者の分際で、その蓋を開ければ宇宙の暗黒点のように底無しだったのだ。
「……大人のボクに仕事を押し付けられたと思ったら、いやはやどうして──────面白い!」
自分のマスターの思惑を、彼は大体想像できていた。
アレは最後の最期に自分を裏切るだろう、と。
理由もこの戦争の裏にある仕組みを仄めかすエレインの言葉で、容易く予想できる。
だがそんなことよりも、自身の全力をぶつけたい存在が現れたことの喜びに比べれば些事も同然。
征服王に騎士王。
半神の槍兵に、
主を求めて啼き続ける哀れな狂犬に、神に殉じた悲しき聖女。
そして
「ははッ、この感情は何だろうね」
彼は初めて沸き上がる未知の感情に戸惑いながらも楽しむ自分に、喜んでいた。
「彼に聞けば、この感情の名を教えてくれるかも知れないね」
幼き英雄王は笑う。
自らの心躍らせる存在との会合を待ち望みながら。
「どうせ戦うなら、今夜みたいに全員が良いだろうね」
彼が溢した、ほんの少しの希望。
それが叶うのは、あと少し先のお話。
◆◆◆
「─────……フゥ」
遠坂邸にて、遠坂時臣は椅子にもたれ掛かりながら大きな溜め息を吐く。
今回、遠坂陣営の受けた被害はほぼ皆無に等しい。
勿論
「よもや触媒の入手ルートから真名を知られるとはな。万全を期したと思っていたが、流石『戦姫』と言うべきか」
だが、アーチャーは最強のサーヴァント。
真名を知られたからといって、その能力は他を逸脱する最上級を超える超級サーヴァントだ。
しかも真名こそ暴かれたが、アーチャー自身は宝具はおろか戦闘すらしていない為手の内は全く晒していない。
その点に於いては、同じく戦闘をしていないが戦車という宝具を晒しているライダーより手の内を隠せただろう。
「しかし……ステータスのみならギルガメッシュを超えるあのセイバーとエクストラクラスのアヴェンジャーを軽くあしらった、あのサーヴァントは問題だな」
その様子を観ていたアサシンと言峰綺礼。そして彼から状況を聞いていた時臣は、流石に三度目故かソレ自体にそこまで驚きはしなかった。
勿論、最上級のサーヴァントを彼方に投げ飛ばしたのは驚嘆したし絶句したものの、なんとかこの混乱の渦にサーヴァントを投入したマスターの神経を疑うに留まった。
余裕を以て優雅たれ。
遠坂の家訓に従って、冷静に問題を認識できていた。
「しかし、せめてマスターが誰なのか確認せねば」
幸い謎の、恐らくはキャスターと思しきサーヴァントは霊体化せずに帰還しているようだ。
そして時臣は弟子に指示して、既にアサシンに追跡させている。
黒のサーヴァントが一体何者かはまだ分からないが、少なくとも拠点は確認しなければ。
「あれほどのサーヴァント、触媒無しに召喚するなどは不可能だ。だとすれば、恐らく間桐だろうな」
そうなれば、所詮落伍者、と見下していた考えを改めなければならないだろう。
だが、外来の魔術師という可能性も見落としてはならない。
なのであくまで拠点の捜索のみ。
アサシンは後々に必ず必要になる。
時臣はそう確信していた。
己の弟子にも、決して深追いさせず必要なら令呪で帰還させるよう伝えてある。
大丈夫、問題ない。
召喚したアサシンは、暗殺者とは思えないほどの幸運値に、ランサーに並ぶ敏捷値を持っている。
仮にバレたとて、逃げに徹すれば逃れるのは容易だろう。
─────だが、そんな彼は遠坂時臣。
致命的な場面に必ずやってしまう、家系譲りのモノがある。
『─────師─────……師よ──』
別に使い魔でよかっただろうに、大丈夫だろうと楽観視して態々保険としていたアサシンを向かわせてしまった。
『─────時臣師!』
「はッ!?」
思考に没頭していたのか、時臣は弟子の声に漸く現実に戻ってくる。
『師よ、至急報告が』
「あ、あぁ……済まない。何かあったのかな?」
『キャスターを追跡中のアサシンが、消滅しました』
遠坂時臣は、思わず椅子から転げ落ちた。
らんすろ『懐かれたから拾ってきた』
カリおじ「犬猫アサシンを勝手に拾ってきちゃ駄目でしょーがっ」
アサシンのお話はまた今度に。
でも就活再開するのでまたしても遅れるかもです。申し訳ない。
修正or加筆点は随時修正します。
感想も多く頂けて本当嬉しいのですが、あまりに多く心が折れて返信出来ないかもです(*´q`*)