Bio Hazard Side <b>    作:白風 海斗

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クリスにデコを確保するように言ったのはあくまでも時間稼ぎだ。

 

途中ジョセフと合流し、目を覚ましたレベッカと二人に現状を要約して話す。

 

通路を駆け、梯子を登り、細工をしていた扉をこじ開けると、ジルとエンリコが待っていた、バリーが持っていたバッテリーをスロットにはめると、エレベーターに電気が通り、動かせるようになる。

その時入り口の方からハンターの、蛇がするようなシューという鳴き声が聞こえた。

 

「レディ・ファーストだ、先に行け、ジル、レベッカ」

バリーが女性二人に先に行くように言う。

「私は大丈夫、今までゆっくりしていたんだから、少し位働かせて?」ジルがウインクと冗談で返すと俺のサムライ・エッジを構える。

 

「エンリコ、あんたもだ。 その脚じゃあヘリまで間に合わないぞ」ホルスターから銃を取り出したエンリコに対し。

 

ショットガンのポンプを引き、初弾を薬室に装填しながらジョセフがエンリコを止める。

「俺はヘリをすぐ出せる用に準備しておく、クリスが追いつき次第、すぐに上がって来てくれ、死に急ぐなよ。」

 

エンリコに肩を貸すと、レベッカと俺、エンリコの3人はエレベーターで地表のヘリポートへと上がって行った。

 

 

ヘリポート………本来ここではヘリで飛び回る俺を信号弾で呼び寄せるはずだった。

 

しかし脱出手段であるヘリは、既に止まり木たるヘリポートにその巨躯を休ませている。

 

エンリコをヘリのシートに座らせると、右の操縦席に乗り込む。

 

エンジンに火を入れ、ローターを回す……

 

“こちら”に来てから何度も繰り返した“作業”だ、もはや目隠しをしても出来るだろう。

 

ふと、ルームミラーに目をやる、クリスらを収容するために開け放たれたドア、そこから見えるコンクリートの床がひび割れるのが見えた。

 

とっさに操縦桿を引き、ヘリを離陸させるのと、タイラント、クリスら4人がヘリポートへと上がって来るのは同時だった。

急上昇の煽りを受けたのはレベッカだ。

 

クリスらが来るのを今か今かと開け放したドアの前に立っていたレベッカは、その弾みに狭い機内から飛び出し、腕一本ギリギリでぶら下がっている状況だ。

 

「クソッ!! レベッカ!!」

ヘリを操縦している以上、操縦席を離れる訳には行かない。

 

(マズい……!!)

レベッカに意識が向き、気が気でない。

 

レベッカの細腕が徐々に重みに堪えられず、滲み出た汗が手を滑らせる……

 

ついに手がヘリから離れ、重力に従い落下する………

 

その身を掴み取ったのはエンリコだった。

 

間一髪、シートから飛び出したエンリコは腕を掴み、ヘリの中へレベッカを引き込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

ジルがハンドガンを片手に撹乱し、ジョセフがショットガンで牽制、バリーと俺がマグナムを撃ち込む、

上空のヘリからサブマシンガンでバラ撒かれる弾丸が奴の身動きを封じる。

 

再びジルが撹乱する。

 

この繰り返しにより、少しずつだが、確実にダメージが蓄積していく………

 

 

「クソォ!! いい加減キリが無いぜ!!」

ジョセフが苛立ちを口にしたその時、ヘリから何かが投下された。

 

“それ”に一瞬気がとられ、“奴”の接近を許すが、半ばスライディングのように地面を滑り、爪をくぐり抜ける。

勢いでそのまま進む“奴”を尻目に、ヘリから投下された“それ”までダッシュすると照準を確かめるまでもなく引き金を引き絞った…………

 

 

“ロケットランチャー”

タイラントをも一撃で倒せる必殺の武器。

趣味でバリーがこっそりと積み込んでいた、本来押収品である。

 

レベッカの事があり、タイラント戦と同時に使用する事は出来なかったが、早急に使用できた部類に入るだろう。

 

 

内部に充填された炸薬に点火して、タイラントのその巨躯を一撃で撃ち砕いた。

 

確実に安全になったヘリポートへと再び降下すると、クリス、ジル、バリー、ジョセフ………

生き残ったS.T.A.R.S.のメンバーがヘリへと乗り込む。

 

全員が乗り込んだ事を確認すると、ヘリを全力で離陸させた。

 

間一髪、自爆装置が作動し、洋館や研究所が炎に包まれる…………

 

そして、俺達S.T.A.R.S.はあの狂った洋館から脱出した。

 

 

バリー

………愛用のマグナムを整備している。

 

ジョセフ

………コンバットハイか、やけに落ち着きが無い。

 

レベッカ

………疲れたのか、すやすやと寝息を立てている。

 

クリス

………シートに疲れきった表情で座っている。

 

ジル

………エンリコの怪我を見ている。

 

エンリコ

………怪我の手当てを受けながら、クリスらが洋館で見つけたファイルを眺めている。

 

ブラッド

ヘリを操縦している。

 

洋館事件生存者………7名。

 

……

………

…………

……………

………………

 

 

 

 

以上が、今回の調査結果のすべてである。だが、このように事件の全貌が解明されるにつれ、あるひとつの危惧が膨れ上がることを禁じざるを得ない。つまり、ウイルスの汚染は、本当にこれで終わったのだろうか?

 

ということだ。

 

アンブレラ社の強制捜査で判明したことだが、アークレイ山中の施設を汚染したウイルスの性質は、まだ未知数の部分が大いらしい。

 

当委員会顧問の細菌学者は、感染力が極端に低いP3レベルのウイルス

(同用のものにエイズウイルスがある)

ではないか、との見解を示しているが、

そレも単なる推測に過ぎない。

現在、当施設敷地外えの汚染は確認されていないが、予断を許ない状況は当分持続しそうだ、

 

……

………

…………

……………

 

最悪のシなリオだが、ラクーン市街チの汚染も考慮し、今後の対応策 を検とうしていクべきだろ

                  痒

 

THE END………?


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